幼馴染監禁日記

星井もこ

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本編

day 30

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 結局昨日はほぼ動けなかった。注射を打つしか無さそうだ。自分の見積もりの甘さに嫌気が差す。圭ちゃんのヒート予定日までちょうど4日だ。今日注射すれば、ギリギリではあるけどヒート前かつ注射後3日間あけて俺の抑制剤が飲める。

 「なぁお前それ、お兄さんと……いや、なんでもない」

 俺の兄の身体が弱かったことを、圭ちゃんは知っている。こんなにぐったりとしていれば、そこから連想してもおかしくない。

 「……心配しないで。兄さんに使えるよう、俺は完璧な健康体としてデザインされたんだから。ま、それでもあの人は死んだんだけどね。 俺からいろいろ移植しても、向こうの怪しい占い師に頼ってもぜーんぶ無駄だった。」
 「自分を部品みたいに……。そんなふうに言うなよ。お兄さん自体はお前に優しかっただろ」

 気がついたら、圭ちゃんの上に馬乗りになっていた。

 やめて。これ以上あの人の話なんてしないで。嫌なこと思い出させないでよ。
 確かに兄さんは俺に優しかったけど、両親は俺のことなんて心底どうでもよかった。兄を生かすためだけに存在を望まれたんだから。その兄が死んだら扱いは言わずもがな。

 兄さんの病室にはいつも色とりどりの果物がお見舞いとして置いてあったのに、俺はおやつ一つすら買ってもらえなかった。
ぞんざいに手渡されたお金で異国の知らない菓子を買ってお腹を壊したこともある。

 ホルモンバランスが狂って感情が制御できなくなっているのだろうか。ぼたぼたと涙が出ては圭ちゃんの顔に落ちていく。

 「いい歳こいてみっともないな」

 ため息をついた圭ちゃんに抱き寄せられた。俺が覆い被さるような形になったので、少し苦しそうだ。
 圭ちゃんの匂い。あまりの懐かしさに余計に泣けてきて仕方なかった。
 
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