幼馴染監禁日記

星井もこ

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本編

day 43

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 「最悪なんだけど......!」

 俺は海岸沿いの通りを歩いていた。圭ちゃんは隣にいない。圭ちゃんにより家から追い出されたのである。

 結婚やつがいとなることを差し置いて別居宣言だなんて皮肉が効いてる。幸い、明後日には帰ってきていいらしい。

 鍵はどうするのかと聞いてみたら、閉めていけと言われた。元より監禁目的で用意しておいた家だから食料にしろなんにしろそれぐらいの日数どうにでもなるだろ、とのことだ。かくして、圭ちゃんは自ら元いた監禁場所に戻っていった。

 「いろいろと考える時間が欲しい、か......」

 しばらく出入り禁止を言い渡された我が家の鍵を弄びながら呟く。βであった俺でさえ運命というものに思うところがあったというのに、ましてやΩで婚約までしていた圭ちゃんなら尚更混乱しているところだろう。

 ......考えるって何を? その結果次第では俺を捨てて”圭ちゃんの思う本当の運命”のところへ戻るの?

 燦々と頭上で輝く太陽と青い海。物思いに耽るには場違いすぎる明るさ。一人山奥で思案しているであろう彼を羨ましく思う。

 久しぶりの1人の時間を持て余した俺は、桟橋で釣りに勤しむ男からホテルの場所を聞き出し、早々に散策を中断した。

 通された部屋は、先日の宿泊した豪華な部屋に比べると幾分かは貧相だが、充分だった。科学者連中が多く泊まるらしいだけあって、Wi-Fiの通信速度も申し分ない。

 スマホを開き、サーチエンジンに圭ちゃんの名前を打ち込む。いくつかのネットニュースが検索に引っかかった。当然ながら、捜索届も出されている。
 婚約者の顔写真が目に入ったので、タップして拡大。

 俺とコイツの香りフェロモンが同じ、圭ちゃんはそう言ってたっけ。

 じっとその写真を見つめてから部屋に置いてあった姿見の前に立った。認めたくないが、髪色や顔立ちも少し似ているような気がしてきた。

 考えすぎだと首を振って、俺はシャワーに向かった。


 
 
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