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本編
37話 初めての仕事
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王宮。
王宮内は、物であふれかっていてその整理をしているところです。
前国王や前王太子の趣味である多くの品があり、どれも煌めかんとばかりに置かれた物まであります。
しかも品々を手分けをして、少しずつお金に変えている途中です。
それでもクライトン王国の財政難には、ほんの少しだけしかプラスになりませんでした。
なにせ、二人の趣味はとても悪かったのです。
「なかなか思うようには売れないものだな」
「物が物ですから、仕方ありませんわ......」
王宮にある物は、どれも見たこともないような一級品ばかり。
しかもどれも成金趣味といったもので、普通の人であれば購入することはないようなものばかりです。
「なんだこの黄金に輝くイスは......」
「レオン様も見たことはないのですか?」
「ああ、俺は父上や兄上からは嫌われていたからな。王宮に来ることもめったにないから、何があるかは知らないんだ」
「そうなのですか......」
私は、レオン様の過去を思い出す。
セバスチャンから聞いた話しではあるが、相当ひどい扱いを受けていたようですし。
王宮には、あまり来たくはなかったのかもしれませんね。
レオン国王との会話をしながら、二人で作業をして行く。
他の人たちは、別のことをしているし財産難から、雇う余裕もありません。
だから、国王と王妃ではあるけれど仕事はしっかりとしなくてはいけないのです。
「なんですかこれ。純金の正装用の服、みたいですわね」
私は、純金で出来た趣味の悪い服を見つけた。
それは服と言って良いのか、鎧と言うべきなのか分からない見た目をしています。
「レオン様、着ます?」
私は笑いながら聞いてみた。
レオン国王は、私が手に持つ物を見て「うげっ」と声をあげた。
「そんな物どこで着ると言うんだ。さっさと売ってしまおう」
「......売れますか、これ」
「......分からん」
私たちは、純金の服を見ながら言う。
そして互いを見て、笑った。
こんな風なやりとりをしながら、王宮内の片付けを進めて行きました。
むだに高価な物が多いだけあり、慎重に作業をしなくてはいけません。
◇
数日後。
王宮内の片付けは、数日間に及びました。
あれだけ物であふれかえっていた王宮は、荷物がまとめられて整理されてあります。
「なんとかきれいにはなったな」
「ええ、疲れましたわ」
まだ物は建物内にありますが、売り先が決まりつつありました。
「それにしても、買い取ってくれるところが見つかって良かったですわね」
「俺は物だけに諦めかけていたよ。他国や商人に声をかえて良かった......」
豪華な物は、他国の王族や貴族たちに。
皆、喜んで高値を出して買い取ってくれました。
見た目はあれですが、物だけは良いので互いに満足した取り引きになったはずです。
売れ残った物は、商人たちに買い取ってもらえました。
少しだけ売値は下がりましたが、遠くの国に行けば需要があるらしいです。
運賃や処理費用を考えると、良かったと思うようにしましょう......。
「問題はこれらだな......」
「ええ......」
目の前には、特注品の個人に合わせて作られた物。
純金の服や高級な布などで作られた服など。
「もったいないが、服は作り直し。金は溶かして再利用させよう」
「職人たちに任せましょうか」
「そうだな」
レオン国王は、扱いに困っていた物を見ながら言う。
そして、イスに腰をかけた。
「これでやっとひと段落だ」
「お疲れ様ですわ、レオン様」
「まだ休むのは早いぞシルヴィア。まだまだやることはあるのだからね」
そう言うと、机に置かれている書類を手に取り始める。
机には、新たな国王誕生を祝う手紙がたくさん乗っている。
本来であれば使者が来るところですが、今のクライトン王国に使者に対応するだけの余裕も資金もありません。
それを配慮してか、手紙での祝辞が送られてきました。
「これの返事を書かなくてはいけないな」
「私も手伝いますわ」
「すまないなシルヴィア」
私たちは、手を動かし続けて手紙の返事を書いた。
山のように置かれている手紙は、少しずつ減っていった。
「後は封蝋をして、これで終わりだ」
レオン国王は、最後の手紙に蝋燭を垂らしてその上から印を押した。
これで、机に置かれていた手紙の処理は終えました。
「これで休めますわね」
「いや、次は内政面だ」
「ええ!? まだですか」
私たちの仕事はまだまだ続く。
終えても終えても、次から出てくる仕事を私とレオン国王は二人で作業をして行きました。
財政や外交、その他にもたくさんやることはあります。
ですが私は思いました。
これって王妃のすることじゃありませんわ!
と思っても、レオン国王は文句も言わずに作業をしているので私もがまんすることにしました。
「あー、これって国王がやることじゃないだろ......ん? どうしたんだシルヴィア、そんな顔をして」
「知りませんわ」
「怒ってどうしたんだよ」
そんなやり取りをしながら、作業を進めて行く——。
王宮内は、物であふれかっていてその整理をしているところです。
前国王や前王太子の趣味である多くの品があり、どれも煌めかんとばかりに置かれた物まであります。
しかも品々を手分けをして、少しずつお金に変えている途中です。
それでもクライトン王国の財政難には、ほんの少しだけしかプラスになりませんでした。
なにせ、二人の趣味はとても悪かったのです。
「なかなか思うようには売れないものだな」
「物が物ですから、仕方ありませんわ......」
王宮にある物は、どれも見たこともないような一級品ばかり。
しかもどれも成金趣味といったもので、普通の人であれば購入することはないようなものばかりです。
「なんだこの黄金に輝くイスは......」
「レオン様も見たことはないのですか?」
「ああ、俺は父上や兄上からは嫌われていたからな。王宮に来ることもめったにないから、何があるかは知らないんだ」
「そうなのですか......」
私は、レオン様の過去を思い出す。
セバスチャンから聞いた話しではあるが、相当ひどい扱いを受けていたようですし。
王宮には、あまり来たくはなかったのかもしれませんね。
レオン国王との会話をしながら、二人で作業をして行く。
他の人たちは、別のことをしているし財産難から、雇う余裕もありません。
だから、国王と王妃ではあるけれど仕事はしっかりとしなくてはいけないのです。
「なんですかこれ。純金の正装用の服、みたいですわね」
私は、純金で出来た趣味の悪い服を見つけた。
それは服と言って良いのか、鎧と言うべきなのか分からない見た目をしています。
「レオン様、着ます?」
私は笑いながら聞いてみた。
レオン国王は、私が手に持つ物を見て「うげっ」と声をあげた。
「そんな物どこで着ると言うんだ。さっさと売ってしまおう」
「......売れますか、これ」
「......分からん」
私たちは、純金の服を見ながら言う。
そして互いを見て、笑った。
こんな風なやりとりをしながら、王宮内の片付けを進めて行きました。
むだに高価な物が多いだけあり、慎重に作業をしなくてはいけません。
◇
数日後。
王宮内の片付けは、数日間に及びました。
あれだけ物であふれかえっていた王宮は、荷物がまとめられて整理されてあります。
「なんとかきれいにはなったな」
「ええ、疲れましたわ」
まだ物は建物内にありますが、売り先が決まりつつありました。
「それにしても、買い取ってくれるところが見つかって良かったですわね」
「俺は物だけに諦めかけていたよ。他国や商人に声をかえて良かった......」
豪華な物は、他国の王族や貴族たちに。
皆、喜んで高値を出して買い取ってくれました。
見た目はあれですが、物だけは良いので互いに満足した取り引きになったはずです。
売れ残った物は、商人たちに買い取ってもらえました。
少しだけ売値は下がりましたが、遠くの国に行けば需要があるらしいです。
運賃や処理費用を考えると、良かったと思うようにしましょう......。
「問題はこれらだな......」
「ええ......」
目の前には、特注品の個人に合わせて作られた物。
純金の服や高級な布などで作られた服など。
「もったいないが、服は作り直し。金は溶かして再利用させよう」
「職人たちに任せましょうか」
「そうだな」
レオン国王は、扱いに困っていた物を見ながら言う。
そして、イスに腰をかけた。
「これでやっとひと段落だ」
「お疲れ様ですわ、レオン様」
「まだ休むのは早いぞシルヴィア。まだまだやることはあるのだからね」
そう言うと、机に置かれている書類を手に取り始める。
机には、新たな国王誕生を祝う手紙がたくさん乗っている。
本来であれば使者が来るところですが、今のクライトン王国に使者に対応するだけの余裕も資金もありません。
それを配慮してか、手紙での祝辞が送られてきました。
「これの返事を書かなくてはいけないな」
「私も手伝いますわ」
「すまないなシルヴィア」
私たちは、手を動かし続けて手紙の返事を書いた。
山のように置かれている手紙は、少しずつ減っていった。
「後は封蝋をして、これで終わりだ」
レオン国王は、最後の手紙に蝋燭を垂らしてその上から印を押した。
これで、机に置かれていた手紙の処理は終えました。
「これで休めますわね」
「いや、次は内政面だ」
「ええ!? まだですか」
私たちの仕事はまだまだ続く。
終えても終えても、次から出てくる仕事を私とレオン国王は二人で作業をして行きました。
財政や外交、その他にもたくさんやることはあります。
ですが私は思いました。
これって王妃のすることじゃありませんわ!
と思っても、レオン国王は文句も言わずに作業をしているので私もがまんすることにしました。
「あー、これって国王がやることじゃないだろ......ん? どうしたんだシルヴィア、そんな顔をして」
「知りませんわ」
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そんなやり取りをしながら、作業を進めて行く——。
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