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第一章 魔法の剣
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最悪な時がきた。
人間の一人が人型ロボットを沢山連れてこの大地を襲い始めた。
目的は魔法の剣かと思われたが、連中の目的は魔女だった。
魔法の剣までたどり着くのにたった数人となれば、これは魔女の呪いの仕業だと広まるようになっていたのだ。
元々、宗教的に魔女は常に迫害の的だった。
沢山の魔女が攻撃され、沢山死んでいった。
私と師匠はなんとか逃れられたが、生き残った魔女は少ないと思われる。
更に不幸は続いた。
魔女の一人が師匠の元に訪れ、口論していた。私はその口論に加わることが許されず、その内容を知ることはなかったが、その魔女は家を出るとどこかへと消えていった。
「ミア、すまないが留守を頼む」
「どこかへ行くのですか、師匠」
「先程出ていった魔女だが、やはり心配であとを追うことにした」
「でしたら、私もお供します」
「ダメだ! 来てはならん。この先の旅は危険だ。特に4つ目の山は。お前はここで待っているんだ」
師匠はそう言って私を置いて行ってしまった。
それから数日待ってみたが、師匠は戻ってはこなかった。
私は窓から外の様子を眺めていた。
それからどれくらい経過しただろうか。師匠が戻ってきた。
しかし、私をこの家から追い出し、師匠は説明をしないままなにかの儀式の準備を始めだした。その準備の内容を見て私は気づいた。
なにかの封印の儀式だ、と。しかも、封印はこの家だ。
師匠の慌てっぷりを見るによっぽどのことだろうと察した。
手伝うべきかと考えもしたが、ここは師匠の邪魔をしないことがベストだと考えた。
封印の魔法は難しく、それもレベルが存在し、高レベルである程にその準備は難しくなる。
今、師匠のしている封印の魔法は高レベルになる。相当なものを封印しようとするなら、失敗は許されない。ならば、私が手伝えることはない。
封印魔法の準備が完了すると、師匠は私の方を見た。
「お前はいっさい手を出すな」
師匠がそう言った後に森深くから現れたのは禍々しい気だった。
息が苦しくなる程で、しかし、見覚えのある気配が僅かに混じっていた。
「師匠! これって……」
「すまないが説明している時間がない。魔女が魔剣を手にしてしまったんだ」
師匠はそう言った。
魔剣……その意味は既に師匠から随分前に教わっていた。
そうか……魔女の一人が魔剣を手にしてしまったか。
それは取り返しがつかないものだ。もう、元には戻せない。だから、師匠は封印という手をとったんだ。
師匠は恐らく全力を出すだろう。なにせ、相手は元魔女だ。弟子としては師匠の全力の魔法が見れる時なんて次があるかも怪しいぐらいに価値のあるものだった。そこから学べるものがあると思い、近くで師匠を見守ることにした。
師匠の魔法は一言言って凄かった。
師匠の詠唱は完璧で、魔剣は師匠の放つ赤い閃光により破壊された。しかし、魔剣の効力が消失されたわけではない。魔剣に眠っていた力は既に元魔女の体へと渡ってしまっていたからだ。
魔剣を失っても力が弱まる気配がないところに、師匠がつくった封印に元魔女は踏み入れてしまった。
封印された元魔女は出ることはできず、私は姿をまるで変えてしまったその元魔女を山姥と呼ぶことにした。
◇◆◇◆◇
現在に戻る。
ミア、エド、サイモンの三人は遂に天使の塔を見つけた。
塔の中に入ると、エドとサイモンの二人はとりあえずは安堵した。
その壁には、山と雷の絵と、複数の竜巻が描かれてあった。
その横には文字があったのだが、それは魔女が使う言葉だった。
「そんな……」
「どうしたの、ミア?」
エドはそう聞いてきたが、ミアは直ぐには答えられなかった。
それは、錬金術師についてだった。
錬金術師について改めてよく考えてみると、かなり謎の多い人物だったと思い出す。
魔女でさえ、錬金術師について触れるどころか、そもそも誰も錬金術師の正体を見たことがなかった。
それはつまり、錬金術師は偽りか、もしくは魔女よりずっと前の存在ということになる。
この文を読むに、錬金術師は世界に広まった『人類滅亡説』を最初に唱えた人物ということになっている。
まさか……錬金術師は人類を滅ぼそうとしていた!?
そもそも、錬金術師が亡くなったという記録はない。いつの間にか古い人物とばかり考えていたが、誰もその人物の遺骨がどこにあるのか分かっていない。
ミアは頭を抱えた。
いったいどうなっているのか…… 。
人間の一人が人型ロボットを沢山連れてこの大地を襲い始めた。
目的は魔法の剣かと思われたが、連中の目的は魔女だった。
魔法の剣までたどり着くのにたった数人となれば、これは魔女の呪いの仕業だと広まるようになっていたのだ。
元々、宗教的に魔女は常に迫害の的だった。
沢山の魔女が攻撃され、沢山死んでいった。
私と師匠はなんとか逃れられたが、生き残った魔女は少ないと思われる。
更に不幸は続いた。
魔女の一人が師匠の元に訪れ、口論していた。私はその口論に加わることが許されず、その内容を知ることはなかったが、その魔女は家を出るとどこかへと消えていった。
「ミア、すまないが留守を頼む」
「どこかへ行くのですか、師匠」
「先程出ていった魔女だが、やはり心配であとを追うことにした」
「でしたら、私もお供します」
「ダメだ! 来てはならん。この先の旅は危険だ。特に4つ目の山は。お前はここで待っているんだ」
師匠はそう言って私を置いて行ってしまった。
それから数日待ってみたが、師匠は戻ってはこなかった。
私は窓から外の様子を眺めていた。
それからどれくらい経過しただろうか。師匠が戻ってきた。
しかし、私をこの家から追い出し、師匠は説明をしないままなにかの儀式の準備を始めだした。その準備の内容を見て私は気づいた。
なにかの封印の儀式だ、と。しかも、封印はこの家だ。
師匠の慌てっぷりを見るによっぽどのことだろうと察した。
手伝うべきかと考えもしたが、ここは師匠の邪魔をしないことがベストだと考えた。
封印の魔法は難しく、それもレベルが存在し、高レベルである程にその準備は難しくなる。
今、師匠のしている封印の魔法は高レベルになる。相当なものを封印しようとするなら、失敗は許されない。ならば、私が手伝えることはない。
封印魔法の準備が完了すると、師匠は私の方を見た。
「お前はいっさい手を出すな」
師匠がそう言った後に森深くから現れたのは禍々しい気だった。
息が苦しくなる程で、しかし、見覚えのある気配が僅かに混じっていた。
「師匠! これって……」
「すまないが説明している時間がない。魔女が魔剣を手にしてしまったんだ」
師匠はそう言った。
魔剣……その意味は既に師匠から随分前に教わっていた。
そうか……魔女の一人が魔剣を手にしてしまったか。
それは取り返しがつかないものだ。もう、元には戻せない。だから、師匠は封印という手をとったんだ。
師匠は恐らく全力を出すだろう。なにせ、相手は元魔女だ。弟子としては師匠の全力の魔法が見れる時なんて次があるかも怪しいぐらいに価値のあるものだった。そこから学べるものがあると思い、近くで師匠を見守ることにした。
師匠の魔法は一言言って凄かった。
師匠の詠唱は完璧で、魔剣は師匠の放つ赤い閃光により破壊された。しかし、魔剣の効力が消失されたわけではない。魔剣に眠っていた力は既に元魔女の体へと渡ってしまっていたからだ。
魔剣を失っても力が弱まる気配がないところに、師匠がつくった封印に元魔女は踏み入れてしまった。
封印された元魔女は出ることはできず、私は姿をまるで変えてしまったその元魔女を山姥と呼ぶことにした。
◇◆◇◆◇
現在に戻る。
ミア、エド、サイモンの三人は遂に天使の塔を見つけた。
塔の中に入ると、エドとサイモンの二人はとりあえずは安堵した。
その壁には、山と雷の絵と、複数の竜巻が描かれてあった。
その横には文字があったのだが、それは魔女が使う言葉だった。
「そんな……」
「どうしたの、ミア?」
エドはそう聞いてきたが、ミアは直ぐには答えられなかった。
それは、錬金術師についてだった。
錬金術師について改めてよく考えてみると、かなり謎の多い人物だったと思い出す。
魔女でさえ、錬金術師について触れるどころか、そもそも誰も錬金術師の正体を見たことがなかった。
それはつまり、錬金術師は偽りか、もしくは魔女よりずっと前の存在ということになる。
この文を読むに、錬金術師は世界に広まった『人類滅亡説』を最初に唱えた人物ということになっている。
まさか……錬金術師は人類を滅ぼそうとしていた!?
そもそも、錬金術師が亡くなったという記録はない。いつの間にか古い人物とばかり考えていたが、誰もその人物の遺骨がどこにあるのか分かっていない。
ミアは頭を抱えた。
いったいどうなっているのか…… 。
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