6 / 22
第二部 学校
2 - 3 Dream Daze
しおりを挟む
「フルダイブVRって聞いたことあるかい?」
挨拶もそこそこに、その男はこう切り出した。
亜美ちゃんと私が教員室に向かうと既にさくら先生ともう一人、多分常陸の人だと思う男性が座って待っていた。
お互いに自己紹介をはさみ、その男性は潮来さんといい、常陸で部長をやっているということを知った私はかなり驚いた。隣を見やると亜美ちゃんもびっくりして固まっていた。潮来さんは常陸のフルダイブVR関係で評価担当部署の部長をやっているらしく、ユーザからのフィードバックを元にどのような改良をするべきか研究しているらしい。その研究では老若男女から様々なフィードバックが必要なんだけど、若い女性のフィードバックが不足気味で協力してくれるとありがたいとのことだった。
研究に協力してくれるなら、フルダイブ装置を提供する、という破格の条件付きだ。亜美ちゃんはとても乗り気だけど、私には少し気になることがあった。
「ゲームは何でも良いんですか?」
フルダイブVRゲームと言えど様々な種類がある。一人称視点シューティング、所謂FPSやドライブシミュレーションゲーム、はたまた農場を実際に経営するだとか街の市長になるだとかいうシミュレーションゲームやストラテジーゲーム、そしてMMORPGなどなど……数え上げればキリがないが、フィードバックが欲しいと言うのならばこの中のどれでも良いというわけでは無いだろう、と私は考えていた。
「そこなんだが、こちらから提示するいくつかのゲームから少なくとも1つは選んで欲しい。その他は好きなゲームで遊んでくれて構わないよ」
「そのゲームの一覧は見せていただけますか?」
「ああもちろん」
そう言って潮来さんは装着している網膜投影型デバイスの操作をした。すぐに亜美ちゃんの持っているタブレットに一覧が送られてくる。
「ほう……どれも範囲外で良く分からないなぁ」
亜美ちゃんは高校までバドミントン一筋だったし、遊んだことのあるデバイスゲームといえば可愛いペットを飼うゲームくらいで、本格的なゲームはほぼ未経験だって言ってたな……
すると、さくら先生にも同じく一覧が行っていたようで、色々と説明をしてくれた。
「これはこれは……どれもFPSやシミュレーション系ばかりですね。しかも反応速度が要求されるものが多い」
「ええ。反応速度や正確な操作がどれほどできるかのフィードバックが必要でして」
「でもFPSなんて鹿嶋さんも大宮さんもやったこと無いわよね」
亜美ちゃんと私は頷いた。私たちはデバイスゲーム全般において素人だった。
「さくら先生はよく知ってますね。ゲーム好きなんですか?」
「え゛」
「いや、私はゲームの名前見てもどんなゲームだか良く分からないのに、さくら先生はよく分かるなぁって」
「太田さん、もしかしてこの子達には話してないんですか?」
「さ、さあ、なんのことでしょう?」
亜美ちゃんの質問にさくら先生が今までに無いほど狼狽えていた。潮来さんはさっきからずっとニヤニヤしている。
わたわたするだけで説明を始めないさくら先生を見かねて、潮来さんが仕方がないとばかりに説明を始めた。
「太田さんはゲームが大好きなんだよ。それもFPSやシミュレーションゲームなんかが特に」
「ええ!? 本当ですか!?」
「もう……言わなくて良かったんですけど……」
「まぁまぁ、ゲームサークルの顧問を引き受けてるのにそこを隠しちゃだめでしょう」
「それはまぁ、そうかもですけど……」
なんてこった。さくら先生にそんな趣味があったとは。亜美ちゃんに至っては目をキラキラと輝かせながら身を乗り出している。
あの優しくて学生目線で接してくれるさくら先生がゲーム好きだなんて、知っているのはこの部屋にいる人だけだろう。そんな秘密を知ってしまっただけに、私たちは脳の処理速度が追いつかないでいた。
「とまぁ太田さんのことはおいといて」
「置いとかないでください」
「まぁまぁ。それで、協力に関してだけど……どうかな?」
「フルダイブ……ちょっと怖いところはありますが」
「でも私はやってみたいな。チャレンジだよチャレンジ!」
亜美ちゃんはかなり乗り気のよう。フルダイブというと今でもリメイクされて大人気のあのアニメを思い出してしまうけどそこはしっかり、安全性の宣伝は重点的にされているみたいだった。
「まあ亜美ちゃんがやりたいなら私も異存はないです」
「ねぇねぇさくら先生もやりましょうよ、ゲーム教えてください!」
「そ、それは……その……」
「ほらほら、太田先生困惑してるじゃないの」
私は亜美ちゃんをさくら先生から引き離し、潮来さんと話を進めた。
結果、ゲームサークルとして正式に常陸と契約を結び、無償でデバイスとゲームを提供してもらう。その見返りとしてフィードバックを送る、という事になった。やったね。
「ではこれでよろしくお願いします。30分後にはデバイスが届くと思うから、好きなゲームを選んで遊んでください。もちろん選択肢以外のゲームでもいいですが、一つは選択肢内からお願いします。フィードバックに関してはこちらから様式を送りますのでそちらを読んだ上でお願いします」
「分かりました!」
「分かりました。ありがとうございます」
潮来さんはさくら先生にフィードバックの取りまとめをお願いし、部屋を出ていった。部屋には三人が残り、今後の計画を立てることになった。
「はぁ……」
「まぁまぁさくら先生。これでもどうぞ」
「それは私の用意したお茶です」
先程からため息しかついていないさくら先生をなだめつつ、亜美ちゃんと私は話を続けた。まずはゲーム選定からだ。
ゲームには大まかに分けて3つのジャンルがあった。一つはFPS。7人対7人で行うような少人数戦闘であったり、50人対50人という一昔前の世界戦争みたいなものであったり。中には5人対50人という特殊なゲームもあった。特殊部隊vsテロ組織をモチーフにしているそうだ。これらは男性にかなり人気で、火薬実弾銃は今はそれほど使われていないんだけど、銃に対するロマンっていうのはいつの時代もあるものらしい。
「FPSはあまりおすすめしないわ。人を撃つゲームよ」
「でも先生はFPSが好きなんですよね?」
「そっそれは……まあそうだけど、学生に勧めるものではないです」
「そうかぁ。まあ血が出るのは余り好きじゃないかなぁ」
「私も亜美ちゃんに賛成。FPSはやめておこう」
お次はドライブシミュレーション。今の時代、車は完全自動運転だし、運転する機会は一切ないと言っても良いんだけど、運転の楽しさはまた別の話で、これまた人気があるようだ。カーレースがメインのものや観光がメインのもの等があるらしい。
「先生はこれをおすすめするわ」
「車か~」
「観光は良いですね、私はこれが良いかな」
「でもかすみん、観光のやつは選択肢にないよ」
亜美ちゃんの言う通り、選択肢にあるものはカーレースがメインのゲームだった。観光がメインのものは紹介文にはあったが選択肢外で、やはり瞬発力というか、反応速度、判断力が必要とされるゲームが選ばれているみたいだった。
「レースかぁ。私そこまで素早い判断とかできないなぁ」
「かすみんはあまり乗り気じゃないかな?」
「そうだね~」
最後に残っていたのはフライトシミュレーション。所謂飛行機を操作するゲームだ。昔は飛んでたらしい旅客機を操縦するものや、スペースシャトルを操縦するもの……って昔は飛行機で宇宙行ってたの!? 昔の人は考えることがよう分からん。軌道エレベータが無い時代はそうやって宇宙に行ってたのか。
そして戦闘機を操るもの。これは今の時代でも飛んでるからかなりリアリスティックさがある。
「戦闘機で戦う、ねぇ……」
「これはこれで楽しそう!」
「反応速度は他に比べてそこまで重要じゃないわね」
さくら先生曰く、これは体をそこまで動かすものではなく、頭での判断力が物を言うらしい。それでも判断した結果をしっかり体で示さないといけないので不要というわけでは無いようだけど。
「昔みたいな操縦方法のもの、フルダイブの特徴を活かした操作方法のものがあるね」
「ほー、フルダイブの特徴を活かしたものかぁ」
フルダイブの特徴を活かした操縦方法、とはつまるところ自分自身が空を飛んでいるような気分で戦闘機を操れるものらしい。ミサイル発射は拳銃を撃つようにして行うのか。これだと血が出るわけでもなし、ゲームっぽさが強いから全然平気そう。それに空を飛ぶ……一度経験してみたかったんだよね。実際に飛ぶわけじゃないけど、リアルさを追求したゲームらしいし、十分楽しめそうだ。
「私はこれがいいかなぁ」
「お、かすみんが乗り気だ!」
「フライトシミュレーションを選ぶなんて、なかなか予想外ですね」
私が乗り気ということで、今のところはフライトシミュレーションで決定した。亜美ちゃんはFPS以外だったら何でも良かったそうだ。
するとちょうど、教員室に荷物が届いた。パッケージを開けてみると、中には常陸製のフルダイブVRデバイスが……3つあった。
「なんで3つ……?」
「これはさくら先生の分だね!」
「違います。多分予備でしょう」
「いやいやこれは潮来さんの気遣いだよ!」
「いーえ断じて違います! 私はやりませんからね!」
「えー良いじゃないですか~」
「何と言われてもやりませんから!」
かなりの拒否反応を示すさくら先生に少し罪悪感があったのか、亜美ちゃんはそれ以上は追いかけずに話を戻した。
結局、一台は予備としてさくら先生が保管、二台は二人用に部室で保管することになった。
◇◇◇
「それじゃあ、早速遊んでみますか!」
「カーテンよし、ドアの鍵よし、空調よし、ベッドよし」
「リンクスタート!……なんてね」
このフルダイブVRデバイス、『Dream Daze』は体を仰向けの状態にし、楽な姿勢を取り、目をつむるとフルダイブしても大丈夫かのチェックを自動的にやってくれて、勝手に起動してくれるみたい。
ちなみに、このデバイスは『DD』だとか『デイズ』だとか呼ばれてるそうだ。
そして、私たちははじめてのフルダイブへと旅立つのだった。
挨拶もそこそこに、その男はこう切り出した。
亜美ちゃんと私が教員室に向かうと既にさくら先生ともう一人、多分常陸の人だと思う男性が座って待っていた。
お互いに自己紹介をはさみ、その男性は潮来さんといい、常陸で部長をやっているということを知った私はかなり驚いた。隣を見やると亜美ちゃんもびっくりして固まっていた。潮来さんは常陸のフルダイブVR関係で評価担当部署の部長をやっているらしく、ユーザからのフィードバックを元にどのような改良をするべきか研究しているらしい。その研究では老若男女から様々なフィードバックが必要なんだけど、若い女性のフィードバックが不足気味で協力してくれるとありがたいとのことだった。
研究に協力してくれるなら、フルダイブ装置を提供する、という破格の条件付きだ。亜美ちゃんはとても乗り気だけど、私には少し気になることがあった。
「ゲームは何でも良いんですか?」
フルダイブVRゲームと言えど様々な種類がある。一人称視点シューティング、所謂FPSやドライブシミュレーションゲーム、はたまた農場を実際に経営するだとか街の市長になるだとかいうシミュレーションゲームやストラテジーゲーム、そしてMMORPGなどなど……数え上げればキリがないが、フィードバックが欲しいと言うのならばこの中のどれでも良いというわけでは無いだろう、と私は考えていた。
「そこなんだが、こちらから提示するいくつかのゲームから少なくとも1つは選んで欲しい。その他は好きなゲームで遊んでくれて構わないよ」
「そのゲームの一覧は見せていただけますか?」
「ああもちろん」
そう言って潮来さんは装着している網膜投影型デバイスの操作をした。すぐに亜美ちゃんの持っているタブレットに一覧が送られてくる。
「ほう……どれも範囲外で良く分からないなぁ」
亜美ちゃんは高校までバドミントン一筋だったし、遊んだことのあるデバイスゲームといえば可愛いペットを飼うゲームくらいで、本格的なゲームはほぼ未経験だって言ってたな……
すると、さくら先生にも同じく一覧が行っていたようで、色々と説明をしてくれた。
「これはこれは……どれもFPSやシミュレーション系ばかりですね。しかも反応速度が要求されるものが多い」
「ええ。反応速度や正確な操作がどれほどできるかのフィードバックが必要でして」
「でもFPSなんて鹿嶋さんも大宮さんもやったこと無いわよね」
亜美ちゃんと私は頷いた。私たちはデバイスゲーム全般において素人だった。
「さくら先生はよく知ってますね。ゲーム好きなんですか?」
「え゛」
「いや、私はゲームの名前見てもどんなゲームだか良く分からないのに、さくら先生はよく分かるなぁって」
「太田さん、もしかしてこの子達には話してないんですか?」
「さ、さあ、なんのことでしょう?」
亜美ちゃんの質問にさくら先生が今までに無いほど狼狽えていた。潮来さんはさっきからずっとニヤニヤしている。
わたわたするだけで説明を始めないさくら先生を見かねて、潮来さんが仕方がないとばかりに説明を始めた。
「太田さんはゲームが大好きなんだよ。それもFPSやシミュレーションゲームなんかが特に」
「ええ!? 本当ですか!?」
「もう……言わなくて良かったんですけど……」
「まぁまぁ、ゲームサークルの顧問を引き受けてるのにそこを隠しちゃだめでしょう」
「それはまぁ、そうかもですけど……」
なんてこった。さくら先生にそんな趣味があったとは。亜美ちゃんに至っては目をキラキラと輝かせながら身を乗り出している。
あの優しくて学生目線で接してくれるさくら先生がゲーム好きだなんて、知っているのはこの部屋にいる人だけだろう。そんな秘密を知ってしまっただけに、私たちは脳の処理速度が追いつかないでいた。
「とまぁ太田さんのことはおいといて」
「置いとかないでください」
「まぁまぁ。それで、協力に関してだけど……どうかな?」
「フルダイブ……ちょっと怖いところはありますが」
「でも私はやってみたいな。チャレンジだよチャレンジ!」
亜美ちゃんはかなり乗り気のよう。フルダイブというと今でもリメイクされて大人気のあのアニメを思い出してしまうけどそこはしっかり、安全性の宣伝は重点的にされているみたいだった。
「まあ亜美ちゃんがやりたいなら私も異存はないです」
「ねぇねぇさくら先生もやりましょうよ、ゲーム教えてください!」
「そ、それは……その……」
「ほらほら、太田先生困惑してるじゃないの」
私は亜美ちゃんをさくら先生から引き離し、潮来さんと話を進めた。
結果、ゲームサークルとして正式に常陸と契約を結び、無償でデバイスとゲームを提供してもらう。その見返りとしてフィードバックを送る、という事になった。やったね。
「ではこれでよろしくお願いします。30分後にはデバイスが届くと思うから、好きなゲームを選んで遊んでください。もちろん選択肢以外のゲームでもいいですが、一つは選択肢内からお願いします。フィードバックに関してはこちらから様式を送りますのでそちらを読んだ上でお願いします」
「分かりました!」
「分かりました。ありがとうございます」
潮来さんはさくら先生にフィードバックの取りまとめをお願いし、部屋を出ていった。部屋には三人が残り、今後の計画を立てることになった。
「はぁ……」
「まぁまぁさくら先生。これでもどうぞ」
「それは私の用意したお茶です」
先程からため息しかついていないさくら先生をなだめつつ、亜美ちゃんと私は話を続けた。まずはゲーム選定からだ。
ゲームには大まかに分けて3つのジャンルがあった。一つはFPS。7人対7人で行うような少人数戦闘であったり、50人対50人という一昔前の世界戦争みたいなものであったり。中には5人対50人という特殊なゲームもあった。特殊部隊vsテロ組織をモチーフにしているそうだ。これらは男性にかなり人気で、火薬実弾銃は今はそれほど使われていないんだけど、銃に対するロマンっていうのはいつの時代もあるものらしい。
「FPSはあまりおすすめしないわ。人を撃つゲームよ」
「でも先生はFPSが好きなんですよね?」
「そっそれは……まあそうだけど、学生に勧めるものではないです」
「そうかぁ。まあ血が出るのは余り好きじゃないかなぁ」
「私も亜美ちゃんに賛成。FPSはやめておこう」
お次はドライブシミュレーション。今の時代、車は完全自動運転だし、運転する機会は一切ないと言っても良いんだけど、運転の楽しさはまた別の話で、これまた人気があるようだ。カーレースがメインのものや観光がメインのもの等があるらしい。
「先生はこれをおすすめするわ」
「車か~」
「観光は良いですね、私はこれが良いかな」
「でもかすみん、観光のやつは選択肢にないよ」
亜美ちゃんの言う通り、選択肢にあるものはカーレースがメインのゲームだった。観光がメインのものは紹介文にはあったが選択肢外で、やはり瞬発力というか、反応速度、判断力が必要とされるゲームが選ばれているみたいだった。
「レースかぁ。私そこまで素早い判断とかできないなぁ」
「かすみんはあまり乗り気じゃないかな?」
「そうだね~」
最後に残っていたのはフライトシミュレーション。所謂飛行機を操作するゲームだ。昔は飛んでたらしい旅客機を操縦するものや、スペースシャトルを操縦するもの……って昔は飛行機で宇宙行ってたの!? 昔の人は考えることがよう分からん。軌道エレベータが無い時代はそうやって宇宙に行ってたのか。
そして戦闘機を操るもの。これは今の時代でも飛んでるからかなりリアリスティックさがある。
「戦闘機で戦う、ねぇ……」
「これはこれで楽しそう!」
「反応速度は他に比べてそこまで重要じゃないわね」
さくら先生曰く、これは体をそこまで動かすものではなく、頭での判断力が物を言うらしい。それでも判断した結果をしっかり体で示さないといけないので不要というわけでは無いようだけど。
「昔みたいな操縦方法のもの、フルダイブの特徴を活かした操作方法のものがあるね」
「ほー、フルダイブの特徴を活かしたものかぁ」
フルダイブの特徴を活かした操縦方法、とはつまるところ自分自身が空を飛んでいるような気分で戦闘機を操れるものらしい。ミサイル発射は拳銃を撃つようにして行うのか。これだと血が出るわけでもなし、ゲームっぽさが強いから全然平気そう。それに空を飛ぶ……一度経験してみたかったんだよね。実際に飛ぶわけじゃないけど、リアルさを追求したゲームらしいし、十分楽しめそうだ。
「私はこれがいいかなぁ」
「お、かすみんが乗り気だ!」
「フライトシミュレーションを選ぶなんて、なかなか予想外ですね」
私が乗り気ということで、今のところはフライトシミュレーションで決定した。亜美ちゃんはFPS以外だったら何でも良かったそうだ。
するとちょうど、教員室に荷物が届いた。パッケージを開けてみると、中には常陸製のフルダイブVRデバイスが……3つあった。
「なんで3つ……?」
「これはさくら先生の分だね!」
「違います。多分予備でしょう」
「いやいやこれは潮来さんの気遣いだよ!」
「いーえ断じて違います! 私はやりませんからね!」
「えー良いじゃないですか~」
「何と言われてもやりませんから!」
かなりの拒否反応を示すさくら先生に少し罪悪感があったのか、亜美ちゃんはそれ以上は追いかけずに話を戻した。
結局、一台は予備としてさくら先生が保管、二台は二人用に部室で保管することになった。
◇◇◇
「それじゃあ、早速遊んでみますか!」
「カーテンよし、ドアの鍵よし、空調よし、ベッドよし」
「リンクスタート!……なんてね」
このフルダイブVRデバイス、『Dream Daze』は体を仰向けの状態にし、楽な姿勢を取り、目をつむるとフルダイブしても大丈夫かのチェックを自動的にやってくれて、勝手に起動してくれるみたい。
ちなみに、このデバイスは『DD』だとか『デイズ』だとか呼ばれてるそうだ。
そして、私たちははじめてのフルダイブへと旅立つのだった。
0
あなたにおすすめの小説
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる