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男友達とカラダから始めるつもりはないのだけど。おまけ[改稿版]*おまけ
しおりを挟む* こちらはコミカルな雰囲気になっています。タグに魚肉ソーセージが入っていたやつです。おまけ小話二つ。後半はオミ視点です。
******
ディープスロート。
知識はある。
喉の奥、限界ギリギリまでアレを入れて、ゆっくり動かす。
だけど、できる気がしない。
そもそもみんなやってるの?
ネットで調べてわかったこと。
魚肉ソーセージで練習すればいいの?
バナナは曲がってるから難しい?
なるほど。
慣れたらサラミ、と……硬すぎない?
これができたら、オミくんをギャフンと言わせることができるはず。
とりあえず、魚肉ソーセージ、束で買ってこよう。
「しずか、どうしたの?」
すでに調子が狂う。
オミくん、なんで?
どうして?
「オミくん、私の番」
「んー? お互い気持ち良くなればいいんじゃないの?」
これは、アレだ。
いわゆるシックスナインだ。
知識はある。
お互いを愛撫し合うということなら、できると思う。
実は、したことないけど。
「どっちが先にイかせられるかな。競争しようか?」
オミくんの言葉に私は首を傾げる。
「私が勝ったら、オミくん口の中に出すつもり?」
「……まぁ、そうなるかな。……その前にしずかがイくでしょ?」
当然のことのように言う。
それはそれで悔しい。
でも、これまで口の中で出されたことない。
ちょっと、いやだ。
「私が吐いても、幻滅しないで」
「……それはそれで、みじめな姿に滾るかも」
「オミくんらしい……」
究極奥義・ディープスロートにこだわらずに普通のフェラテクを学んでおくべきだった。
「じゃあ、競争」
オミくんがそう言って笑った。
腹が立つのにキュンとくるなんて。
お互いに横向きだけど、頭は逆さま。
彼の目がない分、自由に触れることができるのはいいのかも。
そっと昂まりを握るとわずかに動く。
すでにもう元気。
オミくんはすっかり臨戦態勢。
先端を親指の腹で円を描くように撫で、先端から出てきたカウパーを塗り広げながらさてどうしようと考える。
「しずか、力抜いて」
オミくんの声に顔を上げる。
私の脚を持ち上げて太ももに頭を載せた。
これは恥ずかしい。
そして髪がくすぐったい。
「しずかはちょっと恥ずかしいくらいのほうが濡れるね」
「……そんなこと、ない。くすぐったいだけだよ」
オミくんが笑うと脚の間に息がかかった。
「かわいい。遠慮しないでイってね。俺の、飲みたくないでしょ」
そう言われると私の負けず嫌いの部分がむくむくと育つ。
「……オミくんも、遠慮しなくていいから」
焦らすのはやめた。
というか、試してみたくなった。
最初から先端に口をつけてゆっくりと口内に含む。
そもそもどこまで入るのか。
魚肉ソーセージは細い。
最初うっかり喉をついてオエッてなったし、反射で噛んだ。
注意事項にもそう書いてあった。
愛です。
慣れです。
そう書いてあったけどリアルに噛んだら大惨事だと思う。
とにかくゆっくりと喉を開いて口の中へと進めた。
「しずか……無理するなよ」
いつもと違う動きだったからかオミくんが顔を上げてのぞき込む。
私の脚の間を撫でるように触れているけれど、私の意識は今こっちにある。
今日は勝てるんじゃない?
「んっ……」
一応返事っぽいのを返したけど、鼻呼吸も苦しい。
頑張って喉にちょっと触れたところでゆっくりと抜いた。
はぁっと、いつもより熱い息を吐いてオミくんが呟く。
「……何それ、……っ、しずか……勉強したの? じゃあ、俺もがんばるね」
オミくん自身を半分ほど咥えていたところで私のナカにいきなり複数の指を埋められた。
「んんっ……」
「舐めながら、感じてる? ナカ、すごく温かい……」
私の耳まではしたなく濡れた音が届いたすぐ後に、オミくんの舌がクリトリスをとらえた。
「ふ、んぅ……」
しびれるような強い刺激に、声が漏れる。
昂まりを握って再度深く咥え込んだ。
まずい。
舐めることで口内も刺激されて、快感を拾ってしまう。
作戦変更。
力技だ。
手を使って追い上げよう。
強めに握って上下にこする。
それと言葉攻め……それも調べればよかった。
効果あるかわからないけど、試さないよりまし。
「オミくんの、早く欲しいな。早くナカで感じたい……いっぱい欲しい、し……突いてほしい」
「……っ、しずかっ……待っ!」
手を動かしながら、合わせるように口に含み、亀頭の上面、くびれの周りをくるりと舌でなぞった。
それからちゅうと吸いつつ手の動きを速めると、意外にもオミくんがあっけなく達した。
「…………」
「…………」
「出していいよ」
まずい。
涙目で、口に含んだままどうしようかと戸惑っていたら、テッシュを渡されて吐き出す。
「…………」
舌の上もティッシュで拭きたいくらいだけど、とりあえず後味を消そうと唾を飲み込む。オミくんがすぐにミネラルウォーターを渡してくれて、ごくごく飲んだ。
「負けると思わなかった……何したの?」
「ギョニソで……」
淡々と聞かれて何も考えずに答えかけた私に、オミくんがにっこり笑った。
「ギョニソ? あぁ、なるほどね、魚肉ソーセージね……今度目の前でやってみせて。腕前を披露してくれるよね」
いやいや、見せるわけないから。
いつのまにかゴムをつけた彼が、私を押し倒す。
「本番はこれからだよ」
膝裏に手をかけ奥まで一気に挿入した。
「ぁあっ! オミ、くんっ、待って……!」
「どうして? しずかが勝ったから、俺からいっぱいご褒美あげる。たくさん突くから、遠慮なく感じて」
オミくんは負けず嫌いだ。
思い切り揺さぶって私が泣くほどイっても笑って揺さぶり続ける。
「負けた俺がご奉仕するのは当然でしょ。勝者を讃えているだけ」
「も、じゅうぶんっ、じゅうぶんだからっ……! ね! オミくん、勝ってたら、ど、してた?」
「ご褒美もらうかな……?」
何か考える顔で笑う。
結局勝っても負けても、私はこうなったってこと……?
「ずるいっ、オミくん! あっ、んんっ」
私の片脚を抱えて深く突き込む。
勝負のことなんて考えられないようにされているみたい。
「今はしずかへご褒美の時間だよ」
いつもと違う場所に、オミくんの昂まりが当たって新しい扉を開いてしまいそう。
「それっ、深いっ……深いの……っ」
「ん、気持ちいい、ね。いつもしないようなこと、しよう」
私が勝ったのに、なんかおかしい!
***
sideオミ
「イく前に唇舐めるの、癖? かわいい」
全身を紅潮させて俺の下で喘ぐしずかを見つめる。
「わかりやすくていいな」
「オミくんっ……」
ねっとりと舌を絡める口づけをして、欲を煽る。
しずかがイきたそうにしているのに、わざとポイントをずらしてゆるゆると攻めていたけど、そろそろ本気を出すことにした。
「覚悟して」
「な、にっ……?」
彼女の両脚を折りたたむようにしてガンガン攻めながら、ぴんと立った乳首をつねった。
「ひあぁぁっっ…!」
「あ、超、締まる。ほら、まだ終わりじゃないから」
「オミ、くんっ、やぁ……! もぉ、へんっ……」
しずかの身体がびくびく跳ねて、上へと逃れようとするから、腰をぎゅっと掴んで何度も何度も突き込む。
「オミくんっ、……むりっ。あたま、おかしくなるからぁ!」
「……まだ、大丈夫だって。もっと、こっちみて」
俺以外に目が向かないよう、できることなら心だけでなく身体も縛りつけてしまいたい。
入学してからいいなと思っていた女の子。
告白されて別の女の子と付き合うこともあったけど、長続きするわけもなく、やっぱり彼女以外欲しくなくて。
バイト先での修羅場の後は、友達として近くにいながらチャンスを狙っていたわけだけど。
「オミくんっ、好きっ……オミ、くん、ぎゅー、してっ」
何度も達するうちに、しずかの思考がぼやけて甘えてくる。
それが可愛くて、愛しくて、この状態の彼女を知っているのは俺だけで。
普段さばさばしていてあっさりした態度の彼女の変わりっぷりに、イきたいのにもっとこの姿を味わって、見ていたくてイけない。
ギャップ萌え。
ハマる。
絶対、俺の方が好きだ。
「ねぇ、なんでお好み焼きの予定が餃子になったの? ちまちま面倒くさい」
しずかの家に入り浸るようになって持ち込んだホットプレートで、一緒に作ることが増えた。
お好み焼きに焼肉、ホットケーキはよく作るけど、餃子は細かい工程が多くてなかなか手が出せないでいたけれど。
「このところずっと、雨だし、家にいるし。餃子だとお酒がすすむ」
「え? 飲むの?」
俺達は下戸だけど、全く飲めないわけじゃない。
しずかは飲むと眠くなるタチで、俺は顔が真っ赤になる。
結局お互い酒に弱い体質だ。
「これさ……グレープフルーツ百パーセントの酒ですごく飲みやすかったから。あと、同じシリーズのリンゴとブドウもある」
「へぇ……お姉さんのお勧め?」
「そう。ちゃんと味見したけど、ジュースにちかい」
「そうなんだ」
俺の四つ年上の姉も酒は弱いけど、仕事の帰りにコンビニに寄って物色するのが好きで、その場に居合わせれば半分飲まされる。
「餃子も豚肉とニラしか入れてないし、二人で包めばすぐ終わる。……チーズはやめて」
「じゃあ、一つだけ。当たりってことで」
「ハズレだよ、それ」
「あと、これはいいでしょ? ギョニソ」
「……皮が余ったらいいけど」
なんでこんなに魚肉ソーセージが買い込んであるんだってくらいしずかはソレが好きらしい。
日持ちするからって言っていたけど、違う目的なのは知っている。
ソレで時々練習してるらしく、俺に参ったと言わせたいらしい。
正直その話を聞いた後は共食いみたいで食べたくなくなったけど、気づけばお好み焼きの具になっていることが多い。
ソースをかければ何を入れてもだいたい美味しくなるからいいけど。
餃子は実家でよく作ったし、包まされたから、餃子の皮二袋分なんてあっという間だ。
「……オミくん、他にも色々作れるの?」
「そうでもない。だいたい、うちは小さい頃毎週末ホットプレートで何か焼いてたし、手伝わされたから」
「あー、そういうこと」
しずかがほっとしたような顔をする。
「俺が作るよりしずかの作る料理のほうがうまいよ。こういうのは、一緒に作るのが楽しいかなって思って」
「うん、そっか。自信なくすところだった」
そんなことをあっさり言うところも素直でかわいい。
「こんなことなら、もっとたくさん作って、明日のご飯にしてもよかったかな」
「なんで?」
「そしたら、ゆっくりベッドで過ごせるよね」
「……過ごせるっていうか、まぁ、ゆっくり眠れるよね。……さすがにあれだけしてしないでしょ」
笑うだけで答えない。
もちろん、そのまま眠るつもりなんてないんだけど。
せっかくネットで何種類もゴムを買ったのに試さないはずがない。
「じゃあさっそく焼こうか」
ほぼグレープフルーツジュースのアルコールを二人でグラスに分けて、ちびちび飲みながら焼く。
「本当にジュースみたい」
「だけど、勢いよく飲むと酔うから。四パーセントだって。俺達の場合、水か炭酸で割ってもいいかもね」
昼ご飯の残りのポテトサラダを二人でつまんでいると、しずかがこれも包んでもよかったかもって真顔で言う。
肉じゃがにはんぺんとか油揚げを入れるくらいだから、そのうち肉の代わりに魚肉ソーセージいれる可能性も否定できない。
ソース味の肉じゃがは意外とイケたけどケチャップ味の肉じゃがは見たくない。
「普通が一番だよ」
「そう? 基本にひと手間加えると思いがけないおいしさを発見できる時があるのに」
一度目の餃子が焼けて、残りを焼きながら食べる。
チーズは溢れてすぐわかった。
ひっくり返せば目立たないけど、俺はそれをしずかの口元に持っていく。
「食べて」
「それ、チーズ? 半分ずつにしよう? 絶対おいしいから」
しずかがかじった残りをそのまま口に入れる。
「…………普通に、おいしい、かな」
「……存在感ないな」
「だね」
ふにゃっと笑うしずかが可愛い。
ほろ酔いの彼女がとろけるところを見たい。
明日も休みだ。
「今夜はそれ以上、飲むなよ」
「わかってる」
******
お読みいただきありがとうございました。
甘さを追加の予定でしたが魚肉ソーセージ出したらコミカルになってしまいました。
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オエッてなるなる( ,,-`_´-)੭ੇ৸੭ੇ৸
でも、オエーって思いっきり出すのも申し訳無くて困る(´-﹏-`;)
この辺りの空気感リアルです💖
魚肉ソーセージって10本入りのを思い浮かべました!
調べたらもう少し太いのが普通なのかな?
ちょ、ちょっと鍋さまー‼︎
ザワ( ゚o゚)(゚o゚ )( ゚o゚)(゚o゚ )ザワ!
鍋さまのイメージは大丈夫でしょうかー⁉︎
人類の進化とともに、なぜ美味しい味に変わらなかったのでしょうね?
ドウゾ( ・∀︎・)っ☕️🍰
フルーツ味なんていいと思うんですけど!
魚肉ソは5本前後のおさかな何ちゃら、って書いてあるのを想像しました😆
鍋さま、コメントありがとうございました🤗
このしずかちゃんの、オミ君を翻弄したい気持ち分かるっ!!
(๑˃ ᵕ ˂๑)⁾⁾
好きな人の色んな姿見たいものっ💖
でも、結局自分の方が乱されちゃうっていう
(。 >艸<)
オミ君もSだしねー
男の意地もあるし……
なんて思いながら読んでました!
(ノ∀︎\*)キャ♡…(ノ∀︎・\)チラッ
そうそう!
そうなんですよね(*´艸`*)
やり返したい!
でもしずかの場合、オミくんが負けず嫌いのSだしなんだかんだとなかなか主導権が握れません……( ˃ ⌑︎ ˂ )
次の話はちょっとコミカルになります♪
鍋さま、コメントありがとうございました🤗
あめ様〜💕
大学生の瑞々しい恋愛
(*'∀'人)💮*+
オミ君ちょっと強引
꒰⋈◍>◡<◍꒱キャ~ෆ
いいね、いいね、若いね.。.:*ෆ
そうなのです、大学生同士で見直していてものすごーく恥ずかしくなりました!
(´>∀︎<`)ゝ))エヘヘ
オミくん、強引だしちょっとSっけのある男の子です(๑´罒`๑)
鍋さま、コメントありがとうございました🤗