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春目村の笛吹き女
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昔、農作物が豊かに採れる春目村という所がありました。
米、麦、大豆などがたくさん採れて人々は飢える事はなく、丈夫な家を建てて住んでいました。
ある夏、猪たちが田畑を毎日荒らしました。村人たちは夜も火をたいて見張りをしましたが、猪は荒らすのをやめません。それどころか猪たちの数はどんどん増えていくのでした。
村人たちは困りました。村の代表者はみんなと話し合って、猪たちを退治してくれた者に賞金を出す事にしました。
賞金の事を聞きつけて、旅の途中の女が村にやって来ました。
「私が猪を退治してみせましょう」
女は村の代表者に言いました。そして笛を吹き始めました。
そうすると、森から猪たちが集まって来ました。猪は何十匹も集まって来ました。女は笛を吹きながら歩いて行きました。春目村の外れにある橋を渡りました。そうして、となりにある名前も無い『穢多村』と呼ばれている所に向かって行きました。
女の後ろを猪たちが付いて行きます。『穢多村』は日当たりが悪く、土地はやせていました。少しばかり、果物の木が生えていました。村の家はくずれかけたものや、壁に穴が開いたもの、障子がこわれたものもありました。家の中に寝ている病人の姿が見えました。
女は笛を吹きながら『穢多村』に近付いて行きます。
『穢多村』の人たちは大勢の猪がやって来たので驚きました。みんなで見守っていると、とうとう先頭の笛を吹いた女が村の入口までやって来ました。女は村の人たちに言いました。
「この猪をみなさんに差し上げます」
『穢多村』の人たちは驚きましたが、女が言う通り、猪を引き取りました。村で多くの猪を解体して食肉処理をしたり、毛皮製品を作れば、村はとても儲かります。
「どれぐらいのお礼をすればいいでしょうか」と『穢多村』の代表者が女に聞きました。
「お礼は春目村からもらうのでいりません。この村の病人に薬を買ってください」
そう言って女は春目村に戻りました。
その様子を春目村と『穢多村』の人たちが見物しました。
女は春目村の代表者に言いました。
「猪を退治したので約束のお礼をください」
しかし、春目村の代表者はお礼を出しませんでした。
代表者は、猪たちは自分で歩いて『穢多村』に行ったので、女が猪を退治したのではない、と言いました。
女はがっかりしました。女は『穢多村』の人たちと『穢多村』に行きました。
その夜、女は解体された猪肉の鍋料理をふるまわれました。村に好きなだけ泊まって良いと言われました。
その夜、『穢多村』の人たちが寝た頃、女は村を立ち去りました。女を見た者はいませんでした。
その夜、春目村の中に、笛の音色がかすかに聞こえてきました。春目村の田畑の土の中をもぐらが這い回り続けます。もぐらの数は増えていきました。
夜が明けるまで、もぐらは田畑の土の中に穴を開けて這い回りました。
春目村の作物は全て枯れてしまいました。
米、麦、大豆などがたくさん採れて人々は飢える事はなく、丈夫な家を建てて住んでいました。
ある夏、猪たちが田畑を毎日荒らしました。村人たちは夜も火をたいて見張りをしましたが、猪は荒らすのをやめません。それどころか猪たちの数はどんどん増えていくのでした。
村人たちは困りました。村の代表者はみんなと話し合って、猪たちを退治してくれた者に賞金を出す事にしました。
賞金の事を聞きつけて、旅の途中の女が村にやって来ました。
「私が猪を退治してみせましょう」
女は村の代表者に言いました。そして笛を吹き始めました。
そうすると、森から猪たちが集まって来ました。猪は何十匹も集まって来ました。女は笛を吹きながら歩いて行きました。春目村の外れにある橋を渡りました。そうして、となりにある名前も無い『穢多村』と呼ばれている所に向かって行きました。
女の後ろを猪たちが付いて行きます。『穢多村』は日当たりが悪く、土地はやせていました。少しばかり、果物の木が生えていました。村の家はくずれかけたものや、壁に穴が開いたもの、障子がこわれたものもありました。家の中に寝ている病人の姿が見えました。
女は笛を吹きながら『穢多村』に近付いて行きます。
『穢多村』の人たちは大勢の猪がやって来たので驚きました。みんなで見守っていると、とうとう先頭の笛を吹いた女が村の入口までやって来ました。女は村の人たちに言いました。
「この猪をみなさんに差し上げます」
『穢多村』の人たちは驚きましたが、女が言う通り、猪を引き取りました。村で多くの猪を解体して食肉処理をしたり、毛皮製品を作れば、村はとても儲かります。
「どれぐらいのお礼をすればいいでしょうか」と『穢多村』の代表者が女に聞きました。
「お礼は春目村からもらうのでいりません。この村の病人に薬を買ってください」
そう言って女は春目村に戻りました。
その様子を春目村と『穢多村』の人たちが見物しました。
女は春目村の代表者に言いました。
「猪を退治したので約束のお礼をください」
しかし、春目村の代表者はお礼を出しませんでした。
代表者は、猪たちは自分で歩いて『穢多村』に行ったので、女が猪を退治したのではない、と言いました。
女はがっかりしました。女は『穢多村』の人たちと『穢多村』に行きました。
その夜、女は解体された猪肉の鍋料理をふるまわれました。村に好きなだけ泊まって良いと言われました。
その夜、『穢多村』の人たちが寝た頃、女は村を立ち去りました。女を見た者はいませんでした。
その夜、春目村の中に、笛の音色がかすかに聞こえてきました。春目村の田畑の土の中をもぐらが這い回り続けます。もぐらの数は増えていきました。
夜が明けるまで、もぐらは田畑の土の中に穴を開けて這い回りました。
春目村の作物は全て枯れてしまいました。
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