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第一章 魔法都市サムサラ
暗中模索
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あの人は私を見て、どうしてあんな目をしていたのだろう。
四つか五つか……物心がついてから、そう時は経っていない頃。
それまで診察や健診に来ていたお年寄りの先生が、若い先生を連れて来た。
自分は年でもうすぐ引退するから、その人に引き継いで貰うのだと。
若い先生は穏やかそうな人で、朗らかな笑顔を浮かべていたけれど、こちらを見た途端驚いた顔をして。
すぐにその目が、懐かしいものを見るような、どこか寂しげな色に変わっていったのを不思議に思っていた。
『ねえ先生、どこか辛いの?』
いつだったか、何年か経ってから聞いてみたことがある。
すると彼は頭を撫でながら、微笑んだ。
『君の髪と目の色が、昔お世話になって……助けられなかった人によく似ていてね、つい思い出してしまったんだ』
そう話す彼があまりにも悲しそうで、表情は笑っている筈なのに泣いているようで、大きな大人の手をそっと握った。
『泣かないで、先生。わたしは生きてるよ』
先生を置いていったその人じゃない。
『ああ……そうだね。君とその人は違う。君はこうしてちゃんと、生きている……』
微睡みから意識が浮上する。
いつの間にか、転寝していたようだ。
親指の付け根で口許に振れる。大丈夫、涎は垂れていない。
ほっとして伸びをすると、気分がすっきりした。
昨晩は数日振りに眠れぬ夜を過ごしたから、昼食後に眠気がきたのだろう。
質のいいカウチで昼寝なんて、優雅なものだ。
いつの間にやら、ブランケットが掛けられている。
寝ているのに気付いたメイドが持ってきてくれたのだろう、至れり尽くせりだ。
なにやら、懐かしい頃のことを夢に見た気がする。
久し振りに、覚えのある眼差しを垣間見たからだろうか。
生きていれば、誰だって心に痛みのひとつやふたつあるだろう。
(先生の痛みも、いつか癒えるといいんだけど)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夕方、パルス医師と繁華街で落ち合う。
「こちらは、塔でニコル先生の秘書官をしていらっしゃるディノさんです」
「どうも」
リルフィーナは、屋敷から付き添ってきた魔術師を紹介する。今まで何度か顔を合わせたことのあるディノは、真面目が服を着たような青年だ。
ちなみにセリは、晩酌だの何だのとニコルに引き留められて今回は不参加である。
「パルス先生にはお世話になっている同僚も多いので、令聞は耳にしております」
「やあ、それは光栄だね」
長く街に根差している分、信頼を置く者も多いのだろう。最近は塔に詰める魔術師ギルドの構成員にも、定期的な健康診断をと上から声が掛かっているし。
「それで、今回は冒険者への聞き込みでしたね」
ディノが改めて確認する。
今夜の捜査対象は、獣やモンスターを従わせているテイマーやハンター系の冒険者だ。
不審な行動をしている者がいないか聞き込み、該当者がいれば探りを入れる流れだ。
冒険者ギルド併設の酒場には、狩りや依頼から帰ってきた冒険者が集まり始めていた。
夕食を摂り始めている者もいて、肉の焼ける匂いやソースのそれなど、食欲をそそる香りが漂っている。
魔術師の青年と、冒険者も兼ねている少女、そして町医者。
少し風変わりな三人が入ってくると、物珍しげな視線が集まる。
「えっと、もしかしてリルフィーナさん……?」
パーティーで囲んでいたテーブルを離れ、魔術師の若い女性が近付いてくる。
成長はしているが、その顔には見覚えがあった。
「あ! 魔術師になる時の試験で一緒になった……。今もサムサラで活動されているんですか?」
リルフィーナより二つ三つほど年上女性は、にこりと笑む。
「はい。他のところにも行きますけど、ホームはここですね」
彼女のローブに着けられた冒険者証は、Cランクを表す青銅色。同じくらいのランクの仲間と組んでいるようだ。
ちなみにリルフィーナが着けているAランクの証は金色で、中間のBランクは銀色。
D以下は赤銅で、ランク毎のアルファベットが意匠されている。
「リルフィーナさんはAになったんですね。試験の時はあんなに小さかったのに、すごいわ」
「あは……ありがとうございます」
Aランクになったのはそれなりに前だったが、ここは穏便に素直な礼を伝えておく。
まあ、確かにあの頃のリルフィーナは同年代の子より小さかったから、一緒に試験を受ける人たちにも随分気を遣って貰ってしまった覚えがある。
この女性は、自分に対して割と世話焼きだったな……と思い出していた。
ともあれ、顔を知っていて有効的な相手がいるのは捜査の取っ掛かりとして助かる。
「実はですね……一昨日の夜から早朝に掛けて起きた事件のことで、調べていて」
「孤児院の女の子が殺されたって話でしょう?」
怖いわねと肩を竦める女性に、小さく頷く。
そして、被害者の受けた傷から、獣やモンスターを使役する冒険者の中に関係している者がいるのではということも話した。
「有り得なくはないわね……ただ、そういうたちの悪いやつは冒険者崩れみたいになって、ここには来ないんじゃないかしら」
そう言いながら、女性は近くの席で酒を煽っている中年のハンターをちらりと見遣る。
「早い時間から飲んだくれてるような、不良おじさんならいますけど」
「なんだぁ? 俺の金で酒を飲むのが悪いのか?」
聞こえていたらしく、ハンターのおじさんが絡んできた。
「こっちはこれが仕事の後の楽しみなんだよぉ。何が悪いってんだ」
「まあまあ」
おじさんを宥めに入ったのは、一緒のテーブルにいた同年代のローグだった。
「相手はお嬢ちゃんたちだが、AランクとCランクだよ。お前じゃ敵わない」
「なん……だとぉ。俺をランクで馬鹿にしてんのかぁ?」
「何言ってんだ、オレだってランクは同じだぜ。お嬢ちゃんたちは別に何も言ってない」
Dランクの二人組は堂々巡りの欧州して、なんとかハンターのおじさんも落ち着いたようだ。
「や、悪かったな。こいつ今日の狩りの成果がイマイチで、酒で忘れようとしてたんだ」
「すみません、私も……不用意で失礼なことを言って」
「なぁに、こいつも酔いが醒めたらケロッと忘れてるさ」
ローグのおじさんと魔術師の女性が謝って、ちょっとした悶着は終った。
「ところで君ら、人探しか何かかい?」
「あ、私が頼んでいて……」
それ以前の会話の断片も聞いていたらしいローグに、リルフィーナは事情を掻い摘んで話した。
「そうか……冒険者稼業でやっていけない奴がゴロツキみてぇになっちまうのは、たまにあるからな」
ローグは顎をさすって、思案げな顔をする。
「まさかアイツじゃねぇだろうな」
「心当たりが……?」
ぼそっと零したローグに、リルフィーナは先を促す。
「オレのクラス柄、薄暗いところの話もちらほら舞い込んでくるんだが……。後輩で面倒見てやってたこともあるビーストテイマーがここニ、三ヶ月ほど音信不通でな」
そこまで聞けば、察しはつく。
しかもビーストテイマー。
頭の中でピースを並べながら、リルフィーナは話を聞いた。
「どうも、ここんところ女を狙って物騒なことがあるだろ。未遂みたいに言われてるが、辻の娼婦とか、ちと表では憚るような仕事してる連中はノーカンだ。もう何人か拉致られてるみてぇだぜ」
そんな状況になっていたのか。
「明るいところでは言えないような仕事をしているからといって、『いなかった』ことになってしまうのか……」
パルス医師の呟きは尤もだ。
認識したのは初めてだが、この街にも地位の低い、損をさせられる役割の者がいてもおかしくはないと思った。
それに、そんな立場の弱い人たちが拐かされたというなら、碌な目には遭わないだろう。
人身売買か、もっと不条理なことに利用されるか。
とにかく、エステルの件だけではなく攫われた女性たちの行方を辿るためにも、その疑わしいビーストテイマーと接触して確かめるしかないだろう。
「前のままなら、奴は青銅狼を二頭引き連れている筈だ。気を付けてくれよ」
「私も仲間に聞いて、何か分からないか調べてみるわ。テイマーの子もいるから、あっちの協会経由で情報があるかも知れないし」
「ありがとうございます」
朧げだった犯人像が、現実のものへと結びついていく。
リルフィーナたちは青銅狼を連れたビーストテイマーの男の行方を探ることにした。
四つか五つか……物心がついてから、そう時は経っていない頃。
それまで診察や健診に来ていたお年寄りの先生が、若い先生を連れて来た。
自分は年でもうすぐ引退するから、その人に引き継いで貰うのだと。
若い先生は穏やかそうな人で、朗らかな笑顔を浮かべていたけれど、こちらを見た途端驚いた顔をして。
すぐにその目が、懐かしいものを見るような、どこか寂しげな色に変わっていったのを不思議に思っていた。
『ねえ先生、どこか辛いの?』
いつだったか、何年か経ってから聞いてみたことがある。
すると彼は頭を撫でながら、微笑んだ。
『君の髪と目の色が、昔お世話になって……助けられなかった人によく似ていてね、つい思い出してしまったんだ』
そう話す彼があまりにも悲しそうで、表情は笑っている筈なのに泣いているようで、大きな大人の手をそっと握った。
『泣かないで、先生。わたしは生きてるよ』
先生を置いていったその人じゃない。
『ああ……そうだね。君とその人は違う。君はこうしてちゃんと、生きている……』
微睡みから意識が浮上する。
いつの間にか、転寝していたようだ。
親指の付け根で口許に振れる。大丈夫、涎は垂れていない。
ほっとして伸びをすると、気分がすっきりした。
昨晩は数日振りに眠れぬ夜を過ごしたから、昼食後に眠気がきたのだろう。
質のいいカウチで昼寝なんて、優雅なものだ。
いつの間にやら、ブランケットが掛けられている。
寝ているのに気付いたメイドが持ってきてくれたのだろう、至れり尽くせりだ。
なにやら、懐かしい頃のことを夢に見た気がする。
久し振りに、覚えのある眼差しを垣間見たからだろうか。
生きていれば、誰だって心に痛みのひとつやふたつあるだろう。
(先生の痛みも、いつか癒えるといいんだけど)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夕方、パルス医師と繁華街で落ち合う。
「こちらは、塔でニコル先生の秘書官をしていらっしゃるディノさんです」
「どうも」
リルフィーナは、屋敷から付き添ってきた魔術師を紹介する。今まで何度か顔を合わせたことのあるディノは、真面目が服を着たような青年だ。
ちなみにセリは、晩酌だの何だのとニコルに引き留められて今回は不参加である。
「パルス先生にはお世話になっている同僚も多いので、令聞は耳にしております」
「やあ、それは光栄だね」
長く街に根差している分、信頼を置く者も多いのだろう。最近は塔に詰める魔術師ギルドの構成員にも、定期的な健康診断をと上から声が掛かっているし。
「それで、今回は冒険者への聞き込みでしたね」
ディノが改めて確認する。
今夜の捜査対象は、獣やモンスターを従わせているテイマーやハンター系の冒険者だ。
不審な行動をしている者がいないか聞き込み、該当者がいれば探りを入れる流れだ。
冒険者ギルド併設の酒場には、狩りや依頼から帰ってきた冒険者が集まり始めていた。
夕食を摂り始めている者もいて、肉の焼ける匂いやソースのそれなど、食欲をそそる香りが漂っている。
魔術師の青年と、冒険者も兼ねている少女、そして町医者。
少し風変わりな三人が入ってくると、物珍しげな視線が集まる。
「えっと、もしかしてリルフィーナさん……?」
パーティーで囲んでいたテーブルを離れ、魔術師の若い女性が近付いてくる。
成長はしているが、その顔には見覚えがあった。
「あ! 魔術師になる時の試験で一緒になった……。今もサムサラで活動されているんですか?」
リルフィーナより二つ三つほど年上女性は、にこりと笑む。
「はい。他のところにも行きますけど、ホームはここですね」
彼女のローブに着けられた冒険者証は、Cランクを表す青銅色。同じくらいのランクの仲間と組んでいるようだ。
ちなみにリルフィーナが着けているAランクの証は金色で、中間のBランクは銀色。
D以下は赤銅で、ランク毎のアルファベットが意匠されている。
「リルフィーナさんはAになったんですね。試験の時はあんなに小さかったのに、すごいわ」
「あは……ありがとうございます」
Aランクになったのはそれなりに前だったが、ここは穏便に素直な礼を伝えておく。
まあ、確かにあの頃のリルフィーナは同年代の子より小さかったから、一緒に試験を受ける人たちにも随分気を遣って貰ってしまった覚えがある。
この女性は、自分に対して割と世話焼きだったな……と思い出していた。
ともあれ、顔を知っていて有効的な相手がいるのは捜査の取っ掛かりとして助かる。
「実はですね……一昨日の夜から早朝に掛けて起きた事件のことで、調べていて」
「孤児院の女の子が殺されたって話でしょう?」
怖いわねと肩を竦める女性に、小さく頷く。
そして、被害者の受けた傷から、獣やモンスターを使役する冒険者の中に関係している者がいるのではということも話した。
「有り得なくはないわね……ただ、そういうたちの悪いやつは冒険者崩れみたいになって、ここには来ないんじゃないかしら」
そう言いながら、女性は近くの席で酒を煽っている中年のハンターをちらりと見遣る。
「早い時間から飲んだくれてるような、不良おじさんならいますけど」
「なんだぁ? 俺の金で酒を飲むのが悪いのか?」
聞こえていたらしく、ハンターのおじさんが絡んできた。
「こっちはこれが仕事の後の楽しみなんだよぉ。何が悪いってんだ」
「まあまあ」
おじさんを宥めに入ったのは、一緒のテーブルにいた同年代のローグだった。
「相手はお嬢ちゃんたちだが、AランクとCランクだよ。お前じゃ敵わない」
「なん……だとぉ。俺をランクで馬鹿にしてんのかぁ?」
「何言ってんだ、オレだってランクは同じだぜ。お嬢ちゃんたちは別に何も言ってない」
Dランクの二人組は堂々巡りの欧州して、なんとかハンターのおじさんも落ち着いたようだ。
「や、悪かったな。こいつ今日の狩りの成果がイマイチで、酒で忘れようとしてたんだ」
「すみません、私も……不用意で失礼なことを言って」
「なぁに、こいつも酔いが醒めたらケロッと忘れてるさ」
ローグのおじさんと魔術師の女性が謝って、ちょっとした悶着は終った。
「ところで君ら、人探しか何かかい?」
「あ、私が頼んでいて……」
それ以前の会話の断片も聞いていたらしいローグに、リルフィーナは事情を掻い摘んで話した。
「そうか……冒険者稼業でやっていけない奴がゴロツキみてぇになっちまうのは、たまにあるからな」
ローグは顎をさすって、思案げな顔をする。
「まさかアイツじゃねぇだろうな」
「心当たりが……?」
ぼそっと零したローグに、リルフィーナは先を促す。
「オレのクラス柄、薄暗いところの話もちらほら舞い込んでくるんだが……。後輩で面倒見てやってたこともあるビーストテイマーがここニ、三ヶ月ほど音信不通でな」
そこまで聞けば、察しはつく。
しかもビーストテイマー。
頭の中でピースを並べながら、リルフィーナは話を聞いた。
「どうも、ここんところ女を狙って物騒なことがあるだろ。未遂みたいに言われてるが、辻の娼婦とか、ちと表では憚るような仕事してる連中はノーカンだ。もう何人か拉致られてるみてぇだぜ」
そんな状況になっていたのか。
「明るいところでは言えないような仕事をしているからといって、『いなかった』ことになってしまうのか……」
パルス医師の呟きは尤もだ。
認識したのは初めてだが、この街にも地位の低い、損をさせられる役割の者がいてもおかしくはないと思った。
それに、そんな立場の弱い人たちが拐かされたというなら、碌な目には遭わないだろう。
人身売買か、もっと不条理なことに利用されるか。
とにかく、エステルの件だけではなく攫われた女性たちの行方を辿るためにも、その疑わしいビーストテイマーと接触して確かめるしかないだろう。
「前のままなら、奴は青銅狼を二頭引き連れている筈だ。気を付けてくれよ」
「私も仲間に聞いて、何か分からないか調べてみるわ。テイマーの子もいるから、あっちの協会経由で情報があるかも知れないし」
「ありがとうございます」
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