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第6部
5話 弱音と喧嘩
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ざあざあと雨音だけが響き渡る工房の中、アルティは作業台のパイプ椅子に座って頭を抱えていた。
「やばい……。本当にやばい……」
金槌が握れなくなって一カ月近くが過ぎていた。作業台の上の紙はいまだに真っ白だ。ハウルズ製鉄所に合金の依頼だけはかろうじて出したが、それ以外のことは何も進んでいない。
ルイの「進捗どう?」の問いにも引き攣った笑みしか出てこない。幸いにも、リリアナみたいに工房の中まで入らなかったから、まだ発覚はしていないが、このままだといずれは気づかれてしまうだろう。
ちっとも外に出てこないアルティを心配して、レイやパドマ――それにラドクリフやハンスが何度か来てくれたものの、とても話せなかった。職人が金槌を握れなくなったなんて、どうして言えるだろう。
近所の職人連中も、もはや顔を合わせてくれなくなった。職人街中にアルティの悪い噂が流れているからだ。
『シュトライザー工房の弟子はリリアナ連隊長の愛人』
『今回の仕事は愛人のコネで手に入れた』
『今までの作品は実はクリフのもの』
全て事実無根の汚い噂だ。誰かが意図的に流したことは明白だった。
アルティとて子供ではない。世界が綺麗なだけではないと知っている。しかし、こういった悪意を一身に浴びた経験はなく、うまく対処することができない。ただ川に流される木の葉のように、翻弄されるしかなかった。
「リリアナさん……」
いつもそばにいてくれたコバルトブルーの輝きを思い浮かべる。
あれだけ毎日のように通っていたリリアナは、ここしばらく姿を見せていなかった。根も葉もない噂から遠ざけるために、「仕事に集中したいから邪魔をしないでくれ」とアルティが拒んだからだ。
リリアナに話せば解決に向けて動いてくれるとわかっていたが、レイたちと同じく、どうしても話せなかった。失望されるのが怖かったのかもしれない。
「怒ってるかな……」
去り際の傷ついた目が忘れられない。リリアナにとって、アルティは初めてできた友人だという。それなのに距離を置かれて悲しまないはずがない。けれど、他にリリアナを守る方法が思いつかなかった。
「……駄目だ。ちょっと仮眠しよう……」
ふらつく体を叱咤して椅子から立ち上がる。雨が降っているせいか、それともろくに寝ていないせいか、頭がガンガンする。食事だってほとんど食べていない。仕事のことや、職人たちの冷たい視線を思い出すたびに胃がひどく痛むのだ。
「あっ……」
一歩踏み出した途端に眩暈がして、その場に倒れ込んだ。弾みで金槌が作業台から転げ落ち、大きな音を立てる。
「……何やってんだ俺」
両手をついた床に透明な滴がぽたぽたと落ちる。周囲の嫉妬も、重いプレッシャーも、吹き飛ばせる力があればどんなによかっただろう。自分がこんなにも弱いと思わなかった。
床に転がった金槌がアルティを責めているような気がする。師匠たちの想いを受け取っておきながら――未来に連れていくと約束しておきながら、俺を使わないのかと。
「どうして、できないんだ……」
肩を振るわせながら大きく鼻を啜ったとき、玄関のドアベルが鳴った。来客だろうか。乱暴に涙を拭って店に出る。
ドアの前には、フリルのついた傘を持った美しい女性がいた。
(……まさか、女神さま?)
馬鹿な考えに内心辟易する。エルネア教会について、ずっと考えていたせいだ。
こちらの気配に気づいた女性が顔を上げる。――いや、上げたのは顔ではない。闇だ。アイスブルーのカツラに包まれた闇の中の青白い目が、アルティをじっと見つめている。
「リリアナさん……?」
変装のつもりだろうか。リリアナは新年祭のときのように鎧兜を脱いで、ピンクベージュのワンピースに身を包み、口元あたりの闇にマスクをしていた。
「なんで……」
無意識に足が後ろに下がる。その瞬間、ぐらりと視界が揺れた。
「アルティ!」
その叫び声を最後に、アルティは意識を手放した。
気づくと、自室のベッドに寝かされていた。外の雨はまだ降り続いている。
リリアナはキッチンにいるようだ。薄く開いたドアから甘くて焦げ臭い破壊的な匂いが漂ってくる。痛む頭をさすりながらゆっくりと体を起こすと、両手に土鍋を抱えたリリアナが部屋に入ってきた。
「あっ……。目が覚めたのか、アルティ」
何故かびくりと肩を振るわせ、土鍋をサイドテーブルに置く。破壊的な匂いの正体はこれだったのか。蓋を開けるのが怖い。
「あの……。ごめんな。来るなと言われたのに……どうしても気になって」
「いえ……。介抱していただいて、ありがとうございます」
それ以上言えることは何もない。目を逸らして黙り込むアルティの顔を、リリアナが恐る恐る覗き込む。
「……調子、よくないんだってな。その……レイさんやラッドから噂、聞いて」
「どんな噂ですか」
食い気味に問いかけたアルティに、リリアナがつっかえながら説明する。案の定、あの汚らしい噂だった。
(それだけは知られたくなかったのに)
思わず舌打ちをする。
「これでわかったでしょう。俺に関わるとまた変な噂を立てられますよ。それに、それ……変装のつもりかもしれませんけど、逆に目立ちます」
「ごめん……」
リリアナがしゅんと肩を落とす。眉があればきっとハの字に下がっているだろう。そんな顔をさせたいわけじゃない。けれど、これ以上情けない姿を見られたくなかった。
「俺は大丈夫ですから、早く帰ってください。こんなとこにいたら、おうちの方が心配しますよ」
あえて冷たく突き放しても、リリアナはその場から動かなかった。ワンピースの裾をぎゅっと握りしめ、そばの椅子に腰を下ろす。
「なあ……。何に悩んでいるのか話してくれないか。みんな心配してるんだぞ。アルティがスランプになってるって」
「……職人じゃないあなたに何がわかるんですか」
「は、話したら楽になるかもしれないだろ……」
一歩も引かない様子のリリアナにため息をつく。適当に誤魔化そうかと思ったが、本心を晒さなければきっと納得しないだろう。
「……作るのが怖いんです」
掛け布団の上で組んだ両手に視線を落とす。どれだけ忘れようとしても、王城の武具保管庫で見た錆びた鎧が脳裏によぎる。アルティの知る限り、あの風切り羽の職人を超える作品はこの世にない。
しかし、あれだけの作品を作り出してもなお、歴史の中に忘れ去られるのだ。アルティの腕では、きっと後世に残るまでの作品は作れない。ましてや、国からの依頼に応えるものなど。
「今までは、ただ一人のために……依頼された客のために作ればよかった。でも、今回は違います。多くの人を満足させるものを作れなければ意味がないんだ。なのに……」
金槌すら握れない職人に、なんの価値があるというのだろう。
「どうしても前に進めないんです。俺にはとてもできない。先輩たちが言う通り、たった七年ぽっち修行しただけの半人前なんだから!」
「アルティ、アルティ落ち着け。きっと疲れてるんだよ。噂なんて気にしちゃ駄目だ。デュラハンの防具職人の世界では、いいものを作れば尊敬されるって言ってたじゃないか。今回の仕事をやり遂げれば、必ず認めてくれるさ」
両手で顔を覆い、力なく首を振る。
「先輩たちの言葉に反論できないのは、俺自身もそうだと思っているからです。最初から間違ってたんだ。王城の仕事なんて引き受けるんじゃなかった……」
「何を言ってるんだ!」
リリアナが悲鳴のような声を上げた。そのまま両肩を掴まれて強く揺すぶられる。腕がちぎれそうなほど痛いが、とても制止できなかった。リリアナがここまで取り乱す姿を見るのは初めてだったから。
「まだ何も作っていないのに、もう諦めるのか? お師匠さんを超えると……私の信頼に応えると言ってくれたじゃないか! あの言葉は嘘だったのか?」
そうだ、言った。確かに言った。リリアナに恥じない職人になりたい。兄たちの信頼を裏切りたくない。師匠の背中を超えていきたい。そう思っていた。
初めてリリアナから依頼を受け、トリスタンに啖呵を切ったあと、作る前からリリアナが諦めようとするのが、あんなに許せなかったはずなのに。
わかっている。自分でも矛盾していると。最後まで諦めないのがアルティの唯一の才能なのだ。いつもなら、ここで奮起して「やります」と宣言しているだろう。
けれど、口から出たのは正反対の言葉だった。
「もう俺に期待するのはやめてくれ! 仕方ないだろ! できないものはできないんだよ!」
「っ!」
リリアナが息を飲む。そして右手を大きく振り上げ、そのまま静止した。掲げた右手が震えている。彼女の両目からは、大粒の涙がこぼれていた。
「馬鹿……」
鈴の音のような声が響く。
「アルティの馬鹿!」
椅子を蹴倒し、リリアナが部屋を飛び出していく。そのまま階段を駆け降りる音が聞こえたと思ったら、ドアを破壊する勢いで開け、店を去って行く気配がした。
「なんだよ……」
雨が窓を叩く音がする。
殴られるよりも強い痛みが胸に走った。
「やばい……。本当にやばい……」
金槌が握れなくなって一カ月近くが過ぎていた。作業台の上の紙はいまだに真っ白だ。ハウルズ製鉄所に合金の依頼だけはかろうじて出したが、それ以外のことは何も進んでいない。
ルイの「進捗どう?」の問いにも引き攣った笑みしか出てこない。幸いにも、リリアナみたいに工房の中まで入らなかったから、まだ発覚はしていないが、このままだといずれは気づかれてしまうだろう。
ちっとも外に出てこないアルティを心配して、レイやパドマ――それにラドクリフやハンスが何度か来てくれたものの、とても話せなかった。職人が金槌を握れなくなったなんて、どうして言えるだろう。
近所の職人連中も、もはや顔を合わせてくれなくなった。職人街中にアルティの悪い噂が流れているからだ。
『シュトライザー工房の弟子はリリアナ連隊長の愛人』
『今回の仕事は愛人のコネで手に入れた』
『今までの作品は実はクリフのもの』
全て事実無根の汚い噂だ。誰かが意図的に流したことは明白だった。
アルティとて子供ではない。世界が綺麗なだけではないと知っている。しかし、こういった悪意を一身に浴びた経験はなく、うまく対処することができない。ただ川に流される木の葉のように、翻弄されるしかなかった。
「リリアナさん……」
いつもそばにいてくれたコバルトブルーの輝きを思い浮かべる。
あれだけ毎日のように通っていたリリアナは、ここしばらく姿を見せていなかった。根も葉もない噂から遠ざけるために、「仕事に集中したいから邪魔をしないでくれ」とアルティが拒んだからだ。
リリアナに話せば解決に向けて動いてくれるとわかっていたが、レイたちと同じく、どうしても話せなかった。失望されるのが怖かったのかもしれない。
「怒ってるかな……」
去り際の傷ついた目が忘れられない。リリアナにとって、アルティは初めてできた友人だという。それなのに距離を置かれて悲しまないはずがない。けれど、他にリリアナを守る方法が思いつかなかった。
「……駄目だ。ちょっと仮眠しよう……」
ふらつく体を叱咤して椅子から立ち上がる。雨が降っているせいか、それともろくに寝ていないせいか、頭がガンガンする。食事だってほとんど食べていない。仕事のことや、職人たちの冷たい視線を思い出すたびに胃がひどく痛むのだ。
「あっ……」
一歩踏み出した途端に眩暈がして、その場に倒れ込んだ。弾みで金槌が作業台から転げ落ち、大きな音を立てる。
「……何やってんだ俺」
両手をついた床に透明な滴がぽたぽたと落ちる。周囲の嫉妬も、重いプレッシャーも、吹き飛ばせる力があればどんなによかっただろう。自分がこんなにも弱いと思わなかった。
床に転がった金槌がアルティを責めているような気がする。師匠たちの想いを受け取っておきながら――未来に連れていくと約束しておきながら、俺を使わないのかと。
「どうして、できないんだ……」
肩を振るわせながら大きく鼻を啜ったとき、玄関のドアベルが鳴った。来客だろうか。乱暴に涙を拭って店に出る。
ドアの前には、フリルのついた傘を持った美しい女性がいた。
(……まさか、女神さま?)
馬鹿な考えに内心辟易する。エルネア教会について、ずっと考えていたせいだ。
こちらの気配に気づいた女性が顔を上げる。――いや、上げたのは顔ではない。闇だ。アイスブルーのカツラに包まれた闇の中の青白い目が、アルティをじっと見つめている。
「リリアナさん……?」
変装のつもりだろうか。リリアナは新年祭のときのように鎧兜を脱いで、ピンクベージュのワンピースに身を包み、口元あたりの闇にマスクをしていた。
「なんで……」
無意識に足が後ろに下がる。その瞬間、ぐらりと視界が揺れた。
「アルティ!」
その叫び声を最後に、アルティは意識を手放した。
気づくと、自室のベッドに寝かされていた。外の雨はまだ降り続いている。
リリアナはキッチンにいるようだ。薄く開いたドアから甘くて焦げ臭い破壊的な匂いが漂ってくる。痛む頭をさすりながらゆっくりと体を起こすと、両手に土鍋を抱えたリリアナが部屋に入ってきた。
「あっ……。目が覚めたのか、アルティ」
何故かびくりと肩を振るわせ、土鍋をサイドテーブルに置く。破壊的な匂いの正体はこれだったのか。蓋を開けるのが怖い。
「あの……。ごめんな。来るなと言われたのに……どうしても気になって」
「いえ……。介抱していただいて、ありがとうございます」
それ以上言えることは何もない。目を逸らして黙り込むアルティの顔を、リリアナが恐る恐る覗き込む。
「……調子、よくないんだってな。その……レイさんやラッドから噂、聞いて」
「どんな噂ですか」
食い気味に問いかけたアルティに、リリアナがつっかえながら説明する。案の定、あの汚らしい噂だった。
(それだけは知られたくなかったのに)
思わず舌打ちをする。
「これでわかったでしょう。俺に関わるとまた変な噂を立てられますよ。それに、それ……変装のつもりかもしれませんけど、逆に目立ちます」
「ごめん……」
リリアナがしゅんと肩を落とす。眉があればきっとハの字に下がっているだろう。そんな顔をさせたいわけじゃない。けれど、これ以上情けない姿を見られたくなかった。
「俺は大丈夫ですから、早く帰ってください。こんなとこにいたら、おうちの方が心配しますよ」
あえて冷たく突き放しても、リリアナはその場から動かなかった。ワンピースの裾をぎゅっと握りしめ、そばの椅子に腰を下ろす。
「なあ……。何に悩んでいるのか話してくれないか。みんな心配してるんだぞ。アルティがスランプになってるって」
「……職人じゃないあなたに何がわかるんですか」
「は、話したら楽になるかもしれないだろ……」
一歩も引かない様子のリリアナにため息をつく。適当に誤魔化そうかと思ったが、本心を晒さなければきっと納得しないだろう。
「……作るのが怖いんです」
掛け布団の上で組んだ両手に視線を落とす。どれだけ忘れようとしても、王城の武具保管庫で見た錆びた鎧が脳裏によぎる。アルティの知る限り、あの風切り羽の職人を超える作品はこの世にない。
しかし、あれだけの作品を作り出してもなお、歴史の中に忘れ去られるのだ。アルティの腕では、きっと後世に残るまでの作品は作れない。ましてや、国からの依頼に応えるものなど。
「今までは、ただ一人のために……依頼された客のために作ればよかった。でも、今回は違います。多くの人を満足させるものを作れなければ意味がないんだ。なのに……」
金槌すら握れない職人に、なんの価値があるというのだろう。
「どうしても前に進めないんです。俺にはとてもできない。先輩たちが言う通り、たった七年ぽっち修行しただけの半人前なんだから!」
「アルティ、アルティ落ち着け。きっと疲れてるんだよ。噂なんて気にしちゃ駄目だ。デュラハンの防具職人の世界では、いいものを作れば尊敬されるって言ってたじゃないか。今回の仕事をやり遂げれば、必ず認めてくれるさ」
両手で顔を覆い、力なく首を振る。
「先輩たちの言葉に反論できないのは、俺自身もそうだと思っているからです。最初から間違ってたんだ。王城の仕事なんて引き受けるんじゃなかった……」
「何を言ってるんだ!」
リリアナが悲鳴のような声を上げた。そのまま両肩を掴まれて強く揺すぶられる。腕がちぎれそうなほど痛いが、とても制止できなかった。リリアナがここまで取り乱す姿を見るのは初めてだったから。
「まだ何も作っていないのに、もう諦めるのか? お師匠さんを超えると……私の信頼に応えると言ってくれたじゃないか! あの言葉は嘘だったのか?」
そうだ、言った。確かに言った。リリアナに恥じない職人になりたい。兄たちの信頼を裏切りたくない。師匠の背中を超えていきたい。そう思っていた。
初めてリリアナから依頼を受け、トリスタンに啖呵を切ったあと、作る前からリリアナが諦めようとするのが、あんなに許せなかったはずなのに。
わかっている。自分でも矛盾していると。最後まで諦めないのがアルティの唯一の才能なのだ。いつもなら、ここで奮起して「やります」と宣言しているだろう。
けれど、口から出たのは正反対の言葉だった。
「もう俺に期待するのはやめてくれ! 仕方ないだろ! できないものはできないんだよ!」
「っ!」
リリアナが息を飲む。そして右手を大きく振り上げ、そのまま静止した。掲げた右手が震えている。彼女の両目からは、大粒の涙がこぼれていた。
「馬鹿……」
鈴の音のような声が響く。
「アルティの馬鹿!」
椅子を蹴倒し、リリアナが部屋を飛び出していく。そのまま階段を駆け降りる音が聞こえたと思ったら、ドアを破壊する勢いで開け、店を去って行く気配がした。
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