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7章 痩せたいお嬢さんのダイエットご飯
第9話 絶対にお家で作りますね!
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翌日、ルーシーは仕事が休みだった。なので昼食と夕食は、浅葱のドレッシング作り教室が行われる事になった。
教室と言っても、ドレッシングそのものが簡単なものなので、浅葱はただ材料と作り方を教えるだけだ。
グラックオリーブのドレッシングは既に作り方を教えてあるので、普段から料理をしているルーシーなら問題無く作れるだろう。
「では、お昼は人参のドレッシングを作ります」
人参は皮ごと使うので良く洗い、しっかりと水気を拭き取り、下ろし金で擦り下ろす。そのまま玉葱も擦り下ろしておく。
絞り機で檸檬を絞ってボウルに入れ、そこに砂糖、塩、黒胡椒、オリーブオイルを入れて、調味料が溶けるまで泡立て器で良く混ぜる。
そこに擦り下ろした人参を加えて良く混ぜたら、人参ドレッシングの出来上がり。少し置いて馴染ませるとより良いだろう。
「ビネガーの代わりに檸檬汁を使うんですね」
「はい。フルーティにもなりますし、人参の変色防止にもなります。それはビネガーでも大丈夫なんですが、味の為の檸檬汁です。と言っても人参はそう変色するお野菜では無いんですが」
「確かに人参がたっぷり入っていて、とても綺麗な色ですね」
「このドレッシングはどのお野菜にも合いますけど、特に玉葱と塩漬け豚が美味しいです。なのでお昼はそれでサラダにして、後はきのこたっぷりとアスパラのスープにしましょう」
「はい。楽しみです」
人参ドレッシングを落ち着かせている間にスープを作る。
にんにくは微塵切り、玉葱をスライスし、オリーブオイルとバターを引いた鍋で炒める。少し塩を振り、玉葱がしんなりするまで木べらを動かして。
甘い香りがしたら、スライスしたホワイトマッシュルーム、ブラウンマッシュルーム、石突きを取って解したしめじを加えてしっかりと炒め、ブイヨンを加えて煮込んで行く。
その間にサラダ用の玉葱をスライスし、辛味を飛ばす為にバットに広げて放置。塩漬け豚も薄くスライスする。
スープがしっかりと煮込まれたら斜め切りにしたアスパラガスを入れて、緑が鮮やかになるまでさっと煮て行く。塩胡椒で味を整えて。
皿に玉葱を敷き、その上に塩漬け豚をたっぷりと盛り付けて、人参ドレッシングを掛けたら、まずは玉葱と塩漬け豚のサラダの出来上がり。
スープも出来たら器によそって、風味付けにオリーブオイルを垂らしたら、きのことアスパラガスのスープの完成だ。
アントンたちも到着していて、テーブルに着いた。ウォルトとカリーナはまだ戻って来ていない。浅葱たちは神に祈りを捧げ、皆早速とスプーンを手にする。
まずは野菜だと、スープのきのこを掬って口に運ぶ。にんにくの風味を蓄えたきのこは、噛むと膨よかな味わいがじんわりと滲む。
程良く火通しされたアスパラガスはしゃきっと良い歯応えで、スープにはきのこと玉葱、にんにくの旨味が溶け出している。それでいて優しい味だ。
「ああ、美味しいですねぇ……」
「うむ。何とも良い味わいじゃあ」
ルーシーとアントンはうっとりと眼を細めた。クリントも嬉しそうにもぐもぐと口を動かしている。
「ではサラダをいただきますね。ドレッシング楽しみです」
ルーシーは言うとフォークを手にし、玉葱と塩漬け豚を刺して、人参ドレッシングをたっぷり絡めて口に入れた。そしてしっかりと何度も咀嚼して。
「美味しいですね……! 人参の甘味もなんですけど、黒胡椒がぴりっと効いていて、檸檬の爽やかさとフルーティさが凄く合っていて。本当に玉葱と塩漬け豚に合いますね!」
「俺も初めて食った時は吃驚したもんだぜ。こんなドレッシングがあるなんてなぁ」
カロムが言うと、ルーシーは興奮した面持ちでこくこくと何度も頷く。
「こうしてドレッシングの味が変わったら、同じお野菜でも毎日飽きずに食べられますね。確かに手間かも知れないですけど、お野菜が沢山食べられるし、良いですね」
嬉しそうに言うルーシーに、こんな事を言うのは水を差す様で申し訳が無いのだが。
「でも実は、生野菜は身体を冷やしてしまって代謝が悪くなるので、減量中はあまり量を食べない方が良いんです」
「そうなんですか?」
ルーシーがきょとんと眼を開く。
「はい。火を通したものの方が良いんです。でも食べたいものを我慢する方が良く無いので、ルーシーさんがサラダをお好きでしたら、普通に食べて貰って大丈夫ですよ。あ、でもサラダだけの食事は出来たら避けてくださいね」
「解りました。大丈夫です、サラダ好きですけど、そんな毎日食べたいって程でも無いので。アサギさんが用意してくださるご飯を美味しくいただきます。あ、でも今日の晩もドレッシング教えてくれるんですよね?」
「はい。それも気に入って貰えると良いんですが」
「楽しみです」
ルーシーはにっこりと笑みを浮かべた。
そしてヨーグルトは、苺と蜂蜜である。
さて、夕飯の支度だ。
「まずはドレッシングを作っちゃいましょう」
大きめのボウルに少量のマスタード、擦り下ろしたにんにくとライムの絞り汁、擦り下ろしたパルメザンチーズを入れて、泡立て器で良く混ぜる。
そこに卵を割り入れて撹拌する。
混ざったらオリーブオイルを加えて、またしっかりと混ぜると。
「あ、とろとろになりましたね」
「シーザードレッシング、と言います」
「チーズが入ってるんですね。とても美味しそうです」
ルーシーがボウルを覗き込んで、眼を輝かせた。
「今日はシーザーサラダにします。シンプルにロメインレタスとドレッシングを和えてからお皿に盛って、クルトンを乗せて、擦り下ろしたチーズと黒胡椒を掛けたサラダです。クルトンはパンなので今日は使わずに、ロメインレタスだけですね。でもドレッシングがしっかりしているので、食べ応えはありますよ」
「確かにチーズのお陰で満足感ありそうですね」
「人に寄っては他のお野菜とか焼いた燻製豚とか海老とか入れたりもするんですけど、正統的なシーザーサラダはロメインレタスとクルトンだけなんです。まずはそれを味わって欲しいです。ドレッシングは作りやすい様にアレンジしてるんですけどね」
本来なら使う卵は半熟卵の黄身だけだ。だがそれだと手間が掛かるし、白身の使い所に困る事もある。捨てるなんてとんでも無い。
そして調味料としてアンチョビとウスターソースが入るのだ。アンチョビはこの世界に無いし、ウスターソースは浅葱が作ったものがあるが、今回はルーシーに教えるものなので省略した。
ちなみにこのウスターソース、正統派だとブランド指定まであるのだ。流石にそれを再現する事は難しいだろう。
「ロメインレタスは下拵えして冷やしておきましょう。その間にメインの料理を作りましょう」
「はい」
ロメインレタスは洗って水分を丁寧に拭き取って、適当な大きさに千切る。これも本来なら軸から外したままの形で作るのだが、今回は食べ易さを重視する。
さて、メインを作ろう。シーザードレッシングが濃厚なので、あっさり目のものが良いだろう。
まずは玉葱とマッシュルームをスライス。ブロッコリは小房に分けて。にんにくは微塵切り。帆立は殻から外し、貝柱も貝紐も余すとこなく使って。
白ワイン煮込みを作る事にしよう。
そして煮上がるタイミングでサラダの仕上げ。冷暗庫で冷やしたロメインレタスを出し、シーザードレッシングを作ったボウルに入れて良く和える。
それを皿に盛り、パスメザンチーズと黒胡椒を振り掛けて、シーザーサラダの完成である。
それを帆立とマッシュルームとブロッコリの白ワイン煮込みに添えて。
「ご飯が出来ましたよ~」
ルーシーとふたりで運ぶと、既に勢揃いだった。
全員の前に置き、椅子に着いて神に祈りを捧げ、いただきますと手を合わす。
「ええと、サラダから食べても大丈夫ですか? お野菜だけですから」
ルーシーがわくわくした様な顔で言うので、浅葱は「はい。どうぞ」と笑顔で返す。
シーザードレッシングとパルメザンチーズがたっぷり絡まったロメインレタスを数切れ纏めてフォークで刺し、口へと運んだら。
「うわぁ……」
ルーシーの頬が綻んだ。
「濃厚ですねぇ……! チーズの風味がしっかりとあって、とてもクリーミィです。美味しいですね! 少し苦味のあるロメインレタスに良く合います。これがロメインレタスの1番美味しい食べ方なんじゃ無いかしら」
「うんうん、これは確かに旨いのう。黒胡椒も良いアクセントになっておるのう」
「美味しいですねぇ。成る程、このドレッシングは少し癖のある素材に合うのかも知れませんねぇ」
「確かに、苦手なものなら少し打ち消されるのかも知れませんね」
アントンとウォルト、クリントも満足そうに頷きながら口を動かす。メインが別にあるのでサラダの量は程々だったので、皆の皿はすぐに空になった。
「無くなっちゃった……」
ルーシーが名残惜しそうに呟くと、カロムが「はは」と笑う。
「作り方教えて貰ったんだろ? 自分でも作ってみたら良いって。俺も作り方知ってるが、そんな難しいもんじゃ無いだろ」
「はい。お父さんは気に入ったみたいだし、カリーナはどう?」
ルーシーが横のカリーナを見ると、カリーナは空いた皿を前に小さく頷いた。
「うん、カリーナも気に入ったみたいね。良かった。お昼の人参ドレッシングも勿論、絶対にお家で作りますね! 巧く作れたら良いなぁ」
「ルーシーは毎日のご飯を作ってくれているから大丈夫だよ。楽しみだなぁ」
ウォルトが言ってゆったりと微笑んだ。
「あ、出来たらブラックオリーブのドレッシングも作ってくれると嬉しいなぁ」
続けてのウォルトの台詞に、ルーシーは「あ、そうね」と応える。
「お父さんブラックオリーブ好きだもんね。作り方は教えて貰っているから作るわね。いろいろなサラダが食べられるのって嬉しいです」
ルーシーは言って、嬉しそうににっこりと微笑んだ。
「やっぱり浅葱さんのお料理はとても美味しいのですカピ。この白ワイン煮込みも絶品なのですカピ」
「おう。シーザーサラダが濃厚な分、こっちはさっぱりしてて良いよな。勿論考えて組んだんだろうが。うん、流石旨い」
「ありがとう」
ロロアとカロムの賛辞に、浅葱は照れ笑いを浮かべた。
食後のヨーグルトには、林檎と蜂蜜を乗せた。
教室と言っても、ドレッシングそのものが簡単なものなので、浅葱はただ材料と作り方を教えるだけだ。
グラックオリーブのドレッシングは既に作り方を教えてあるので、普段から料理をしているルーシーなら問題無く作れるだろう。
「では、お昼は人参のドレッシングを作ります」
人参は皮ごと使うので良く洗い、しっかりと水気を拭き取り、下ろし金で擦り下ろす。そのまま玉葱も擦り下ろしておく。
絞り機で檸檬を絞ってボウルに入れ、そこに砂糖、塩、黒胡椒、オリーブオイルを入れて、調味料が溶けるまで泡立て器で良く混ぜる。
そこに擦り下ろした人参を加えて良く混ぜたら、人参ドレッシングの出来上がり。少し置いて馴染ませるとより良いだろう。
「ビネガーの代わりに檸檬汁を使うんですね」
「はい。フルーティにもなりますし、人参の変色防止にもなります。それはビネガーでも大丈夫なんですが、味の為の檸檬汁です。と言っても人参はそう変色するお野菜では無いんですが」
「確かに人参がたっぷり入っていて、とても綺麗な色ですね」
「このドレッシングはどのお野菜にも合いますけど、特に玉葱と塩漬け豚が美味しいです。なのでお昼はそれでサラダにして、後はきのこたっぷりとアスパラのスープにしましょう」
「はい。楽しみです」
人参ドレッシングを落ち着かせている間にスープを作る。
にんにくは微塵切り、玉葱をスライスし、オリーブオイルとバターを引いた鍋で炒める。少し塩を振り、玉葱がしんなりするまで木べらを動かして。
甘い香りがしたら、スライスしたホワイトマッシュルーム、ブラウンマッシュルーム、石突きを取って解したしめじを加えてしっかりと炒め、ブイヨンを加えて煮込んで行く。
その間にサラダ用の玉葱をスライスし、辛味を飛ばす為にバットに広げて放置。塩漬け豚も薄くスライスする。
スープがしっかりと煮込まれたら斜め切りにしたアスパラガスを入れて、緑が鮮やかになるまでさっと煮て行く。塩胡椒で味を整えて。
皿に玉葱を敷き、その上に塩漬け豚をたっぷりと盛り付けて、人参ドレッシングを掛けたら、まずは玉葱と塩漬け豚のサラダの出来上がり。
スープも出来たら器によそって、風味付けにオリーブオイルを垂らしたら、きのことアスパラガスのスープの完成だ。
アントンたちも到着していて、テーブルに着いた。ウォルトとカリーナはまだ戻って来ていない。浅葱たちは神に祈りを捧げ、皆早速とスプーンを手にする。
まずは野菜だと、スープのきのこを掬って口に運ぶ。にんにくの風味を蓄えたきのこは、噛むと膨よかな味わいがじんわりと滲む。
程良く火通しされたアスパラガスはしゃきっと良い歯応えで、スープにはきのこと玉葱、にんにくの旨味が溶け出している。それでいて優しい味だ。
「ああ、美味しいですねぇ……」
「うむ。何とも良い味わいじゃあ」
ルーシーとアントンはうっとりと眼を細めた。クリントも嬉しそうにもぐもぐと口を動かしている。
「ではサラダをいただきますね。ドレッシング楽しみです」
ルーシーは言うとフォークを手にし、玉葱と塩漬け豚を刺して、人参ドレッシングをたっぷり絡めて口に入れた。そしてしっかりと何度も咀嚼して。
「美味しいですね……! 人参の甘味もなんですけど、黒胡椒がぴりっと効いていて、檸檬の爽やかさとフルーティさが凄く合っていて。本当に玉葱と塩漬け豚に合いますね!」
「俺も初めて食った時は吃驚したもんだぜ。こんなドレッシングがあるなんてなぁ」
カロムが言うと、ルーシーは興奮した面持ちでこくこくと何度も頷く。
「こうしてドレッシングの味が変わったら、同じお野菜でも毎日飽きずに食べられますね。確かに手間かも知れないですけど、お野菜が沢山食べられるし、良いですね」
嬉しそうに言うルーシーに、こんな事を言うのは水を差す様で申し訳が無いのだが。
「でも実は、生野菜は身体を冷やしてしまって代謝が悪くなるので、減量中はあまり量を食べない方が良いんです」
「そうなんですか?」
ルーシーがきょとんと眼を開く。
「はい。火を通したものの方が良いんです。でも食べたいものを我慢する方が良く無いので、ルーシーさんがサラダをお好きでしたら、普通に食べて貰って大丈夫ですよ。あ、でもサラダだけの食事は出来たら避けてくださいね」
「解りました。大丈夫です、サラダ好きですけど、そんな毎日食べたいって程でも無いので。アサギさんが用意してくださるご飯を美味しくいただきます。あ、でも今日の晩もドレッシング教えてくれるんですよね?」
「はい。それも気に入って貰えると良いんですが」
「楽しみです」
ルーシーはにっこりと笑みを浮かべた。
そしてヨーグルトは、苺と蜂蜜である。
さて、夕飯の支度だ。
「まずはドレッシングを作っちゃいましょう」
大きめのボウルに少量のマスタード、擦り下ろしたにんにくとライムの絞り汁、擦り下ろしたパルメザンチーズを入れて、泡立て器で良く混ぜる。
そこに卵を割り入れて撹拌する。
混ざったらオリーブオイルを加えて、またしっかりと混ぜると。
「あ、とろとろになりましたね」
「シーザードレッシング、と言います」
「チーズが入ってるんですね。とても美味しそうです」
ルーシーがボウルを覗き込んで、眼を輝かせた。
「今日はシーザーサラダにします。シンプルにロメインレタスとドレッシングを和えてからお皿に盛って、クルトンを乗せて、擦り下ろしたチーズと黒胡椒を掛けたサラダです。クルトンはパンなので今日は使わずに、ロメインレタスだけですね。でもドレッシングがしっかりしているので、食べ応えはありますよ」
「確かにチーズのお陰で満足感ありそうですね」
「人に寄っては他のお野菜とか焼いた燻製豚とか海老とか入れたりもするんですけど、正統的なシーザーサラダはロメインレタスとクルトンだけなんです。まずはそれを味わって欲しいです。ドレッシングは作りやすい様にアレンジしてるんですけどね」
本来なら使う卵は半熟卵の黄身だけだ。だがそれだと手間が掛かるし、白身の使い所に困る事もある。捨てるなんてとんでも無い。
そして調味料としてアンチョビとウスターソースが入るのだ。アンチョビはこの世界に無いし、ウスターソースは浅葱が作ったものがあるが、今回はルーシーに教えるものなので省略した。
ちなみにこのウスターソース、正統派だとブランド指定まであるのだ。流石にそれを再現する事は難しいだろう。
「ロメインレタスは下拵えして冷やしておきましょう。その間にメインの料理を作りましょう」
「はい」
ロメインレタスは洗って水分を丁寧に拭き取って、適当な大きさに千切る。これも本来なら軸から外したままの形で作るのだが、今回は食べ易さを重視する。
さて、メインを作ろう。シーザードレッシングが濃厚なので、あっさり目のものが良いだろう。
まずは玉葱とマッシュルームをスライス。ブロッコリは小房に分けて。にんにくは微塵切り。帆立は殻から外し、貝柱も貝紐も余すとこなく使って。
白ワイン煮込みを作る事にしよう。
そして煮上がるタイミングでサラダの仕上げ。冷暗庫で冷やしたロメインレタスを出し、シーザードレッシングを作ったボウルに入れて良く和える。
それを皿に盛り、パスメザンチーズと黒胡椒を振り掛けて、シーザーサラダの完成である。
それを帆立とマッシュルームとブロッコリの白ワイン煮込みに添えて。
「ご飯が出来ましたよ~」
ルーシーとふたりで運ぶと、既に勢揃いだった。
全員の前に置き、椅子に着いて神に祈りを捧げ、いただきますと手を合わす。
「ええと、サラダから食べても大丈夫ですか? お野菜だけですから」
ルーシーがわくわくした様な顔で言うので、浅葱は「はい。どうぞ」と笑顔で返す。
シーザードレッシングとパルメザンチーズがたっぷり絡まったロメインレタスを数切れ纏めてフォークで刺し、口へと運んだら。
「うわぁ……」
ルーシーの頬が綻んだ。
「濃厚ですねぇ……! チーズの風味がしっかりとあって、とてもクリーミィです。美味しいですね! 少し苦味のあるロメインレタスに良く合います。これがロメインレタスの1番美味しい食べ方なんじゃ無いかしら」
「うんうん、これは確かに旨いのう。黒胡椒も良いアクセントになっておるのう」
「美味しいですねぇ。成る程、このドレッシングは少し癖のある素材に合うのかも知れませんねぇ」
「確かに、苦手なものなら少し打ち消されるのかも知れませんね」
アントンとウォルト、クリントも満足そうに頷きながら口を動かす。メインが別にあるのでサラダの量は程々だったので、皆の皿はすぐに空になった。
「無くなっちゃった……」
ルーシーが名残惜しそうに呟くと、カロムが「はは」と笑う。
「作り方教えて貰ったんだろ? 自分でも作ってみたら良いって。俺も作り方知ってるが、そんな難しいもんじゃ無いだろ」
「はい。お父さんは気に入ったみたいだし、カリーナはどう?」
ルーシーが横のカリーナを見ると、カリーナは空いた皿を前に小さく頷いた。
「うん、カリーナも気に入ったみたいね。良かった。お昼の人参ドレッシングも勿論、絶対にお家で作りますね! 巧く作れたら良いなぁ」
「ルーシーは毎日のご飯を作ってくれているから大丈夫だよ。楽しみだなぁ」
ウォルトが言ってゆったりと微笑んだ。
「あ、出来たらブラックオリーブのドレッシングも作ってくれると嬉しいなぁ」
続けてのウォルトの台詞に、ルーシーは「あ、そうね」と応える。
「お父さんブラックオリーブ好きだもんね。作り方は教えて貰っているから作るわね。いろいろなサラダが食べられるのって嬉しいです」
ルーシーは言って、嬉しそうににっこりと微笑んだ。
「やっぱり浅葱さんのお料理はとても美味しいのですカピ。この白ワイン煮込みも絶品なのですカピ」
「おう。シーザーサラダが濃厚な分、こっちはさっぱりしてて良いよな。勿論考えて組んだんだろうが。うん、流石旨い」
「ありがとう」
ロロアとカロムの賛辞に、浅葱は照れ笑いを浮かべた。
食後のヨーグルトには、林檎と蜂蜜を乗せた。
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