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9章 こっちの世界とあっちの世界について
第4話 それは是非食べてみたいわぁ〜
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夕飯を終え、使った食器などをアルバニアが片付けた後、浅葱とカロムは台所を借りる。
「食材も道具もお好きにお使いくださいませ。本当にありがとうございます。楽しみにしています」
アルバニアは浅葱たちに丁寧に深く頭を下げて、すっと台所を出て行った。
さて、では調理に取り掛かろう。
まずは胡瓜を輪切りにする。それを笊に入れ、塩を振って全体を軽く混ぜ合わせ、暫く置いておく。
次に玉葱を繊維に沿って薄切りにし、胡瓜とは別の笊に入れて、これにも塩を振り混ぜ合わせて置いておく。
人参は皮ごと擦り下ろし、レモン汁、塩、胡椒、オリーブオイルを混ぜ合わせておく。
烏賊は既に捌かれて、胴と下足に別れていた。腸や墨袋も取り除かれていて、軟骨も抜かれている。皮も綺麗に剥かれていた。
胴は開いて2センチ角程にカットし、下足は嘴と眼を切り取り、3センチ長さ程に切って、白ワインを垂らした湯でさっと茹でる。
それを平笊に丘上げし、余熱で火を通して行く。そして粗熱が取れるのを待つ。
その間に塩漬け豚を太めの千切りにし、擦り下ろし人参のボウルへ入れておく。
ボウルに白ワインビネガーと砂糖で合わせ調味料を作っておく。泡立て器を使い、砂糖が溶けるまでしっかりと撹拌する。
胡瓜がしんなりして来たので、出て来た水分を絞って調味料のボウルへ。軽く混ぜておく。
玉葱もしんなりとなったので、流水で洗ってぬめりを取り、しっかりと絞って人参と塩漬け豚のボウルに追加し、良く混ぜておく。
烏賊が程良く冷めたので、ビネガーと砂糖の合わせ調味料のボウルに追加して、こちらもしっかりと混ぜておく。
もう一品。モッツァレラチーズを角切りにし、オリーブオイルと少量の白ワインビネガー、粗挽きの黒胡椒、千切ったバジルで和えたら。
烏賊と胡瓜の酢の物、塩漬け豚と玉葱の人参ドレッシング和え、モッツァレラチーズのバジル和えの出来あがりである。
冷暗庫できりっと冷やした米酒を出し、小さなグラスや小皿、フォークなども準備してトレイへ。カロムとふたりで食堂兼居間へと運んだ。
「お待たせしました」
「んまぁありがとう~。楽しみだわぁ~」
待ち切れないとわくわくした表情のチェリッシュの声が弾む。3品のつまみを並べると、チェリッシュもアルバニアも、そしてヨランダも「あら?」と声を上げる。
「これはどう言ったお料理なのかしらぁ~? 初めて見る感じだわぁ~」
「和え物と言います。胡瓜と烏賊は甘酢で、塩漬け豚と玉葱は人参のドレッシングで、モッツァレラチーズはバジルと黒胡椒とオリーブオイルとビネガーで。どれも手軽に出来るもので、米酒以外のお酒にも良く合います。煮込みだと手間ですし、食後には多くなってしまいますし、チーズとかオリーブなんかのそのまま食べられるものでも充分美味しいんですが、折角なので少し手を加えてみました」
「これはアサギちゃんの世界のお料理なのかしらぁ~?」
「そうですね。この世界には無い調理法なんですよね」
「そうなのよねぇ~。この世界って、お料理と言えば何故か煮込みだものねぇ~。私もお料理した事勿論あるけどぉ、お肉とか焼いたら固くなっちゃったものねぇ」
「それなのですが大お師匠さま、アサギさんならお肉をとても柔らかく焼く事が出来るのですカピ」
「あらぁ、そうなのぉ!?」
チェリッシュが驚きの声を上げ、アルバニアも眼を見張っている。浅葱は小さく苦笑する。
「そんな大袈裟な事では無いです。カロムからお話を聞いてみると、どうやらこの世界の方々は、焼く時に火を通し過ぎていたみたいなので、適した焼き時間にしただけなんですよ」
「あら、でもぉ、煮込む時は20分とか物によっては1時間とか煮込むでしょう~? 最低でも20分は火を通さなきゃいけないんじゃ無いのぉ?」
「それが勘違いだったみたいですよ。俺らは火を通し過ぎて固くしてしまってたみたいです。浅葱のお陰で、俺も肉を柔らかく焼ける様になりましたよ。家で驚かれたの何のと」
「あ、カロムお家でお肉焼いてるんだ」
初耳だった。カロムは家での話をあまりする方では無い。秘密にしている訳では無いのだろうが、わざわざする必要が無いと思っている様だ。
「おう。夜に小腹が空いたからちょこっとな。焼くだけだから準備から何から楽で旨くてよ。そしたら親父もお袋も「旨そうな匂いだ」って出て来て、何やかんやと家の牛肉無くなっちまった」
カロムは言って可笑しそうに笑う。チェリッシュは「まぁ~」と口を抑えた。
「それは是非食べてみたいわぁ~」
「ええ、そうですね。私も興味があります」
アルバニアも眼を輝かせている。これまでとても冷静な佇まいのアルバニアだったが、やはり料理の事となると好奇心が沸いて来る様だ。
「じゃあこれから少し焼いてみますか? 下味を付けて焼くだけなので簡単ですよ。本当に火加減と火通しの時間だけなんです」
「構わないんですか? またお手数をお掛けしてしまいますが」
アルバニアが遠慮がちに言うが、浅葱は「いえいえ」と首を振る。
「とんでも無いですよ。じゃあやってみましょう。皆さんは先に飲んでいてください」
浅葱が言うと、チェリッシュは「あらあらぁ、待つわよぉ」と手を振った。
「そんな時間が掛かる訳じゃ無いんでしょう~? アサギちゃんたちと一緒に飲みたいわぁ」
「じゃあ急いで作って来ますね」
「洗い物とか俺が手伝うから」
カロムも言って席を立つ。
「あらカロムさま、洗い物などは私が」
「いえ。アルバニアさんはしっかりアサギに教えて貰ってください。で、とっとと作って、早く飲みましょう。米の酒、旨いですよ」
「で、ではお言葉に甘えます。ありがとうございます」
アルバニアが慌てた様に頭を下げると、チェリッシュが「ほほほ」と笑う。
「アルバニアちゃんもお酒が好きなのよぉ~。そう強くは無いんだけどもねぇ~」
「はい、そうなんです」
アルバニアが微かに照れた様に笑みを浮かべると、浅葱は「あ、僕もです」と笑う。
「僕もお酒は好きなんですが、そんなに強く無くて。でもロロアとカロムは強いんですよ。ペースも速くて」
「まぁ、そうなんですか」
そんな事を言いながら、浅葱たちは台所へと入って行った。
「食材も道具もお好きにお使いくださいませ。本当にありがとうございます。楽しみにしています」
アルバニアは浅葱たちに丁寧に深く頭を下げて、すっと台所を出て行った。
さて、では調理に取り掛かろう。
まずは胡瓜を輪切りにする。それを笊に入れ、塩を振って全体を軽く混ぜ合わせ、暫く置いておく。
次に玉葱を繊維に沿って薄切りにし、胡瓜とは別の笊に入れて、これにも塩を振り混ぜ合わせて置いておく。
人参は皮ごと擦り下ろし、レモン汁、塩、胡椒、オリーブオイルを混ぜ合わせておく。
烏賊は既に捌かれて、胴と下足に別れていた。腸や墨袋も取り除かれていて、軟骨も抜かれている。皮も綺麗に剥かれていた。
胴は開いて2センチ角程にカットし、下足は嘴と眼を切り取り、3センチ長さ程に切って、白ワインを垂らした湯でさっと茹でる。
それを平笊に丘上げし、余熱で火を通して行く。そして粗熱が取れるのを待つ。
その間に塩漬け豚を太めの千切りにし、擦り下ろし人参のボウルへ入れておく。
ボウルに白ワインビネガーと砂糖で合わせ調味料を作っておく。泡立て器を使い、砂糖が溶けるまでしっかりと撹拌する。
胡瓜がしんなりして来たので、出て来た水分を絞って調味料のボウルへ。軽く混ぜておく。
玉葱もしんなりとなったので、流水で洗ってぬめりを取り、しっかりと絞って人参と塩漬け豚のボウルに追加し、良く混ぜておく。
烏賊が程良く冷めたので、ビネガーと砂糖の合わせ調味料のボウルに追加して、こちらもしっかりと混ぜておく。
もう一品。モッツァレラチーズを角切りにし、オリーブオイルと少量の白ワインビネガー、粗挽きの黒胡椒、千切ったバジルで和えたら。
烏賊と胡瓜の酢の物、塩漬け豚と玉葱の人参ドレッシング和え、モッツァレラチーズのバジル和えの出来あがりである。
冷暗庫できりっと冷やした米酒を出し、小さなグラスや小皿、フォークなども準備してトレイへ。カロムとふたりで食堂兼居間へと運んだ。
「お待たせしました」
「んまぁありがとう~。楽しみだわぁ~」
待ち切れないとわくわくした表情のチェリッシュの声が弾む。3品のつまみを並べると、チェリッシュもアルバニアも、そしてヨランダも「あら?」と声を上げる。
「これはどう言ったお料理なのかしらぁ~? 初めて見る感じだわぁ~」
「和え物と言います。胡瓜と烏賊は甘酢で、塩漬け豚と玉葱は人参のドレッシングで、モッツァレラチーズはバジルと黒胡椒とオリーブオイルとビネガーで。どれも手軽に出来るもので、米酒以外のお酒にも良く合います。煮込みだと手間ですし、食後には多くなってしまいますし、チーズとかオリーブなんかのそのまま食べられるものでも充分美味しいんですが、折角なので少し手を加えてみました」
「これはアサギちゃんの世界のお料理なのかしらぁ~?」
「そうですね。この世界には無い調理法なんですよね」
「そうなのよねぇ~。この世界って、お料理と言えば何故か煮込みだものねぇ~。私もお料理した事勿論あるけどぉ、お肉とか焼いたら固くなっちゃったものねぇ」
「それなのですが大お師匠さま、アサギさんならお肉をとても柔らかく焼く事が出来るのですカピ」
「あらぁ、そうなのぉ!?」
チェリッシュが驚きの声を上げ、アルバニアも眼を見張っている。浅葱は小さく苦笑する。
「そんな大袈裟な事では無いです。カロムからお話を聞いてみると、どうやらこの世界の方々は、焼く時に火を通し過ぎていたみたいなので、適した焼き時間にしただけなんですよ」
「あら、でもぉ、煮込む時は20分とか物によっては1時間とか煮込むでしょう~? 最低でも20分は火を通さなきゃいけないんじゃ無いのぉ?」
「それが勘違いだったみたいですよ。俺らは火を通し過ぎて固くしてしまってたみたいです。浅葱のお陰で、俺も肉を柔らかく焼ける様になりましたよ。家で驚かれたの何のと」
「あ、カロムお家でお肉焼いてるんだ」
初耳だった。カロムは家での話をあまりする方では無い。秘密にしている訳では無いのだろうが、わざわざする必要が無いと思っている様だ。
「おう。夜に小腹が空いたからちょこっとな。焼くだけだから準備から何から楽で旨くてよ。そしたら親父もお袋も「旨そうな匂いだ」って出て来て、何やかんやと家の牛肉無くなっちまった」
カロムは言って可笑しそうに笑う。チェリッシュは「まぁ~」と口を抑えた。
「それは是非食べてみたいわぁ~」
「ええ、そうですね。私も興味があります」
アルバニアも眼を輝かせている。これまでとても冷静な佇まいのアルバニアだったが、やはり料理の事となると好奇心が沸いて来る様だ。
「じゃあこれから少し焼いてみますか? 下味を付けて焼くだけなので簡単ですよ。本当に火加減と火通しの時間だけなんです」
「構わないんですか? またお手数をお掛けしてしまいますが」
アルバニアが遠慮がちに言うが、浅葱は「いえいえ」と首を振る。
「とんでも無いですよ。じゃあやってみましょう。皆さんは先に飲んでいてください」
浅葱が言うと、チェリッシュは「あらあらぁ、待つわよぉ」と手を振った。
「そんな時間が掛かる訳じゃ無いんでしょう~? アサギちゃんたちと一緒に飲みたいわぁ」
「じゃあ急いで作って来ますね」
「洗い物とか俺が手伝うから」
カロムも言って席を立つ。
「あらカロムさま、洗い物などは私が」
「いえ。アルバニアさんはしっかりアサギに教えて貰ってください。で、とっとと作って、早く飲みましょう。米の酒、旨いですよ」
「で、ではお言葉に甘えます。ありがとうございます」
アルバニアが慌てた様に頭を下げると、チェリッシュが「ほほほ」と笑う。
「アルバニアちゃんもお酒が好きなのよぉ~。そう強くは無いんだけどもねぇ~」
「はい、そうなんです」
アルバニアが微かに照れた様に笑みを浮かべると、浅葱は「あ、僕もです」と笑う。
「僕もお酒は好きなんですが、そんなに強く無くて。でもロロアとカロムは強いんですよ。ペースも速くて」
「まぁ、そうなんですか」
そんな事を言いながら、浅葱たちは台所へと入って行った。
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