12 / 25
第12話 誤解と誠意
しおりを挟む
その後、すぐに真理からのお詫びメールが、りんたろーに届いた。
尾行していたのは、マサハルさんという、元々こちらの世界の人間だった人で、尾行は真理の本意ではないと、恐縮して書かれていた。そして、自分も事後で巻き込まれた感じになっていて、不安で仕方ないので、助けてほしいといった事も書かれていた。
カス姉もブレタムも、追手とわかった以上、近づくべきではないと言ったが、姫様は何か勇者の情報が得られるのなら、多少のリスクは構わないと考えているようだ。
りんたろーは、浜松真理がそんなに悪い奴とは思えず、巻き込まれて困っているというのも本当のような気がしていた。
それにしても……こちらの人間があっちに行ってる?
そのあたりも詳しく聞きたいところではあるが……本当にこの件は、自分が考えている以上に大ごとなのかも知れない。
皆で相談した結果、りんたろーが一人で、再度、真理と話し合いをする事にした。
翌日のお昼過ぎ、りんたろーは、前回と同じ小岩のファミレスの、前回と同じシートを訪れたが、そこに浜松真理はおらず胡散臭そうな初老の男がいた。
この人がマサハルさんの様だ。
「あれ? 浜松さんと、この間の猫姉さんはいないんですか?」
席について、アイスコーヒーを頼みながら、りんたろーが口を開いた。
「ええ、真理さんにはすっかりヘソを曲げられてしまって……まずは私がちゃんと君に謝れと……それで君が私を許してくれるなら、真理さんのところへご案内します。
猫……マホミンさんは仕事中です」
ご案内します? 何かまた謀り事をしているのではなかろうかと疑いながらりんたろーはマサハルの顔を見た。それがマサハルにも伝わったようだ。
「りんたろーさん。私がマサハルです。まずは……ごめんなさい! 先日は私が勝手に先走って尾行なんかして……真理さんに、さんざん叱られました。
すでにお聞き及びかと存じますが、私は元々こっちの世界の人間です。ですが、こっちに居たくない事情がございまして、三十数年前、東尋坊から身を投げたんです。そしたら、着いたところがあの世ならぬ、マホミンさん達の世界。途中の苦労話は省きますが、あちらで、同じようにこっちから転移した人間の女性と所帯を持って、まだ十五歳の娘もあっちに居ります。
ですがやはり人間の性分というのはどこ行ってもそんなに変わらないようで、あっちの世界でも借金の山になっておりまして……姫様に懸賞金がかけられたというお話に目がくらんで、マホミンさんに協力するという事でこちらに来た次第です。
ですので、ちょっと成果を焦ったと言いますか……本当に申し訳ない!」
「まだ信用した訳ではないですが、あなたの事情は分かりました」
りんたろうはそう言ったが……それにしても、こっちの世界の人があっちに行ったりしているなんて、この件確かに僕らだけで扱っていい問題なのかと、かなり不安になった。
「それで、これからどうしたいのですか? まあ、姫様を連れ帰りたいのでしょうが、勇者と会って話をしない限り、うんとは言わないと思います。ですからあなた達が持っているという勇者の情報をいただいて、姫が勇者と出会うのを援護していただくのが妥当かと思いますが?」
「そうでしょうね。多分、みんなで協力するのが一番安全確実かつ早いかと……ですので
一度、姫様ご本人ともお会いした上で、こちらの手札を並べたいのですが、いかがでしょうか?」
「わかりました。その方向でこちらも皆と検討してみます。ただ、正直、あなただけでは信用しかねるので、真理さんとも二人だけでお話したいのですが」
りんたろーの言葉に、マサハルが、我が意を得たりとばかりに答えた。
「もちろんです! 真理さんが許してくれないと、私ら、こっちの世界では何もできない浦島太郎……いや亀? になっちゃいますんで……お時間よろしければ、この後、直ぐに真理さんと会ってほしいのです。なーに、直ぐ近くですんで……」
「はあ……」
そうしてりんたろうーは、マサハルとファミレスを後にし、線路に沿って歩き出した。
「ここです。私、ここのゼネラルマネージャーなんです」
マサハルが指さしたのは、どう見ても古臭い連れ込み旅館だった。
「ええ? 真理さんがこんな所に? なにか企んでるんじゃないですよね?」
拉致監禁されたりしたらどうしようと、りんたろーはちょっとビビった。
「安心して下さい。日中は誰も中で変な事してませんから、密談には最適だと思いますよ。真理さん、もう準備出来てると思いますんで……ささ、早く早く」
そうか、真理が待っているなら、待たせても悪いなと考え直し、りんたろーは、マサハルに案内されて、旅館の奥の間に通された。
「ささ、ここです。うちの旅館で一番いい部屋。中で真理さんがお待ちですんで……。
あとは、若いお二人でごゆっくりー」
マサハルは、そう言って帳場の方に戻ってしまった。
「失礼しまーす」りんたろーが中に入ると、二十畳位の和室で、エアコンがよく効いていて気持ちいい。部屋の真ん中に大きな漆塗りのテーブルが有り……あれ? 真理さんは?
そう思って、部屋の中を見渡して……りんたろーは、ぎょっとして叫んだ。
「真理さん?」
見ると、奥の間があり、そこには布団が敷かれていて……その上には浴衣姿の真理が、ガチガチに緊張して正座している。そしてその脇には、枕が二つ並んでいて……。
「あっ、あっ……浜松さん……これは、いったい……」
動揺を隠しきれず、りんたろーの言葉も途切れ途切れになっている。
「あっ、あの……青葉君……私、こういうの経験なくて……でもマサハルさんが、りんたろーさんは優しいから大丈夫だって…………よ、宜しくお願い致します!」
しどろもどろにそう言いながら、真理が三つ指をついてお辞儀した。
えー、これって……エッチしようって事?
その瞬間、りんたろーは頭が真っ白になり、思考がフリーズした。
あー。これどうするの? でも、浜松さんなら……いいかな……僕も初めてだけど大丈夫かな……りんたろーの思考が暴走を始める。
そして、真理の前に膝立になり、彼女の両肩をつかんで自分の方に抱き寄せようとしたその瞬間だった。
「真理ちゃーん。避妊具忘れてたんで、持って来たにゃーん!」
そう言いながら、マホミンが部屋に駆け込んできた。
「あれ?」マホミンがびっくりしたように、りんたろーの顔を見つめる。
「あれ……あれー……りんたろーくん、いつの間に来てたんだにゃん? あー、ごめん。
超おじゃま虫だったにゃん……それじゃ……ごゆっくりにゃんーーーー」
そう言いながら、マホミンは部屋から逃げていった。
その瞬間、りんたろーは、かかっていた魔法が解けたかの様に正気に戻った。
「は、浜松さん! これどういうこと? マサハルさんは確かに胡散臭そうだけど、君のことは信用してたんだ。なのに、いきなり色仕掛けなんて……」
りんたろーが大声を上げる。
「え? えー! ちがうの青葉君。マサハルさんが、貴方も私を気にいってくれて、エッチしたがってるって……それなら、私……あなたならいいかなって……マサハルさんに言われてここで待ってたんだけど……」真理も動揺を隠さない。
「もう誰も信用できないよ! 仮に浜松さんがマサハルさんに騙されたんだとしても、そんなに軽々しくエッチしたがる女の子を、僕が気に入る訳ないじゃないか!」
そう言い放って、りんたろーは速足で旅館を後にした。
ちきしょー、どうなってんだよ。人の純情をもて遊びやがって……りんたろーは、どうにもモヤモヤが収まらない。でも、浜松さんの浴衣姿は可愛かったな。ちょっと惜しかったかも……いやいやだめだろ、こんなの。それよりも、みんなになんて報告しよう……。
色仕掛けにあったとは説明出来ないよなー。やっぱり真理ちゃんも信用出来なかったという事だけにしておこう。そう考えながら、りんたろーは家路を急いだ。
◇◇◇
「マサハルのバカー! 完全に嫌われたじゃない! 何で途中の経過を端折って、私まで騙すのよ! 私だって、もっとじっくり愛を育みたかったのにー!」
「いやいや、真理さんだって結構ワクワク・ノリノリだったじゃないですか。
それに、あの状況で女を抱かない男は居ません! 経験豊富な私が断言します。
悪いのは、タイミングを間違えたアホミンで……」
「人のせいにするにゃー! りんたろー君が着いてるなら先にそう言えにゃん!」
こうして三人の言い争いはしばらく続いた。
尾行していたのは、マサハルさんという、元々こちらの世界の人間だった人で、尾行は真理の本意ではないと、恐縮して書かれていた。そして、自分も事後で巻き込まれた感じになっていて、不安で仕方ないので、助けてほしいといった事も書かれていた。
カス姉もブレタムも、追手とわかった以上、近づくべきではないと言ったが、姫様は何か勇者の情報が得られるのなら、多少のリスクは構わないと考えているようだ。
りんたろーは、浜松真理がそんなに悪い奴とは思えず、巻き込まれて困っているというのも本当のような気がしていた。
それにしても……こちらの人間があっちに行ってる?
そのあたりも詳しく聞きたいところではあるが……本当にこの件は、自分が考えている以上に大ごとなのかも知れない。
皆で相談した結果、りんたろーが一人で、再度、真理と話し合いをする事にした。
翌日のお昼過ぎ、りんたろーは、前回と同じ小岩のファミレスの、前回と同じシートを訪れたが、そこに浜松真理はおらず胡散臭そうな初老の男がいた。
この人がマサハルさんの様だ。
「あれ? 浜松さんと、この間の猫姉さんはいないんですか?」
席について、アイスコーヒーを頼みながら、りんたろーが口を開いた。
「ええ、真理さんにはすっかりヘソを曲げられてしまって……まずは私がちゃんと君に謝れと……それで君が私を許してくれるなら、真理さんのところへご案内します。
猫……マホミンさんは仕事中です」
ご案内します? 何かまた謀り事をしているのではなかろうかと疑いながらりんたろーはマサハルの顔を見た。それがマサハルにも伝わったようだ。
「りんたろーさん。私がマサハルです。まずは……ごめんなさい! 先日は私が勝手に先走って尾行なんかして……真理さんに、さんざん叱られました。
すでにお聞き及びかと存じますが、私は元々こっちの世界の人間です。ですが、こっちに居たくない事情がございまして、三十数年前、東尋坊から身を投げたんです。そしたら、着いたところがあの世ならぬ、マホミンさん達の世界。途中の苦労話は省きますが、あちらで、同じようにこっちから転移した人間の女性と所帯を持って、まだ十五歳の娘もあっちに居ります。
ですがやはり人間の性分というのはどこ行ってもそんなに変わらないようで、あっちの世界でも借金の山になっておりまして……姫様に懸賞金がかけられたというお話に目がくらんで、マホミンさんに協力するという事でこちらに来た次第です。
ですので、ちょっと成果を焦ったと言いますか……本当に申し訳ない!」
「まだ信用した訳ではないですが、あなたの事情は分かりました」
りんたろうはそう言ったが……それにしても、こっちの世界の人があっちに行ったりしているなんて、この件確かに僕らだけで扱っていい問題なのかと、かなり不安になった。
「それで、これからどうしたいのですか? まあ、姫様を連れ帰りたいのでしょうが、勇者と会って話をしない限り、うんとは言わないと思います。ですからあなた達が持っているという勇者の情報をいただいて、姫が勇者と出会うのを援護していただくのが妥当かと思いますが?」
「そうでしょうね。多分、みんなで協力するのが一番安全確実かつ早いかと……ですので
一度、姫様ご本人ともお会いした上で、こちらの手札を並べたいのですが、いかがでしょうか?」
「わかりました。その方向でこちらも皆と検討してみます。ただ、正直、あなただけでは信用しかねるので、真理さんとも二人だけでお話したいのですが」
りんたろーの言葉に、マサハルが、我が意を得たりとばかりに答えた。
「もちろんです! 真理さんが許してくれないと、私ら、こっちの世界では何もできない浦島太郎……いや亀? になっちゃいますんで……お時間よろしければ、この後、直ぐに真理さんと会ってほしいのです。なーに、直ぐ近くですんで……」
「はあ……」
そうしてりんたろうーは、マサハルとファミレスを後にし、線路に沿って歩き出した。
「ここです。私、ここのゼネラルマネージャーなんです」
マサハルが指さしたのは、どう見ても古臭い連れ込み旅館だった。
「ええ? 真理さんがこんな所に? なにか企んでるんじゃないですよね?」
拉致監禁されたりしたらどうしようと、りんたろーはちょっとビビった。
「安心して下さい。日中は誰も中で変な事してませんから、密談には最適だと思いますよ。真理さん、もう準備出来てると思いますんで……ささ、早く早く」
そうか、真理が待っているなら、待たせても悪いなと考え直し、りんたろーは、マサハルに案内されて、旅館の奥の間に通された。
「ささ、ここです。うちの旅館で一番いい部屋。中で真理さんがお待ちですんで……。
あとは、若いお二人でごゆっくりー」
マサハルは、そう言って帳場の方に戻ってしまった。
「失礼しまーす」りんたろーが中に入ると、二十畳位の和室で、エアコンがよく効いていて気持ちいい。部屋の真ん中に大きな漆塗りのテーブルが有り……あれ? 真理さんは?
そう思って、部屋の中を見渡して……りんたろーは、ぎょっとして叫んだ。
「真理さん?」
見ると、奥の間があり、そこには布団が敷かれていて……その上には浴衣姿の真理が、ガチガチに緊張して正座している。そしてその脇には、枕が二つ並んでいて……。
「あっ、あっ……浜松さん……これは、いったい……」
動揺を隠しきれず、りんたろーの言葉も途切れ途切れになっている。
「あっ、あの……青葉君……私、こういうの経験なくて……でもマサハルさんが、りんたろーさんは優しいから大丈夫だって…………よ、宜しくお願い致します!」
しどろもどろにそう言いながら、真理が三つ指をついてお辞儀した。
えー、これって……エッチしようって事?
その瞬間、りんたろーは頭が真っ白になり、思考がフリーズした。
あー。これどうするの? でも、浜松さんなら……いいかな……僕も初めてだけど大丈夫かな……りんたろーの思考が暴走を始める。
そして、真理の前に膝立になり、彼女の両肩をつかんで自分の方に抱き寄せようとしたその瞬間だった。
「真理ちゃーん。避妊具忘れてたんで、持って来たにゃーん!」
そう言いながら、マホミンが部屋に駆け込んできた。
「あれ?」マホミンがびっくりしたように、りんたろーの顔を見つめる。
「あれ……あれー……りんたろーくん、いつの間に来てたんだにゃん? あー、ごめん。
超おじゃま虫だったにゃん……それじゃ……ごゆっくりにゃんーーーー」
そう言いながら、マホミンは部屋から逃げていった。
その瞬間、りんたろーは、かかっていた魔法が解けたかの様に正気に戻った。
「は、浜松さん! これどういうこと? マサハルさんは確かに胡散臭そうだけど、君のことは信用してたんだ。なのに、いきなり色仕掛けなんて……」
りんたろーが大声を上げる。
「え? えー! ちがうの青葉君。マサハルさんが、貴方も私を気にいってくれて、エッチしたがってるって……それなら、私……あなたならいいかなって……マサハルさんに言われてここで待ってたんだけど……」真理も動揺を隠さない。
「もう誰も信用できないよ! 仮に浜松さんがマサハルさんに騙されたんだとしても、そんなに軽々しくエッチしたがる女の子を、僕が気に入る訳ないじゃないか!」
そう言い放って、りんたろーは速足で旅館を後にした。
ちきしょー、どうなってんだよ。人の純情をもて遊びやがって……りんたろーは、どうにもモヤモヤが収まらない。でも、浜松さんの浴衣姿は可愛かったな。ちょっと惜しかったかも……いやいやだめだろ、こんなの。それよりも、みんなになんて報告しよう……。
色仕掛けにあったとは説明出来ないよなー。やっぱり真理ちゃんも信用出来なかったという事だけにしておこう。そう考えながら、りんたろーは家路を急いだ。
◇◇◇
「マサハルのバカー! 完全に嫌われたじゃない! 何で途中の経過を端折って、私まで騙すのよ! 私だって、もっとじっくり愛を育みたかったのにー!」
「いやいや、真理さんだって結構ワクワク・ノリノリだったじゃないですか。
それに、あの状況で女を抱かない男は居ません! 経験豊富な私が断言します。
悪いのは、タイミングを間違えたアホミンで……」
「人のせいにするにゃー! りんたろー君が着いてるなら先にそう言えにゃん!」
こうして三人の言い争いはしばらく続いた。
30
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる