忠犬ハジッコ

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最終話 忠犬ハジッコ

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「きゃーっ!!!!!」いちばん絶叫ぜっきょうしていたのは希来里きらりだろう。
 一同はそのまま落下し、たたみの上にどすんと落ちた。

「いたたたた……おー。ここって元の部屋? あいたたた……」
 希来里がお尻をさすりながら立ち上がった。
「みんな大丈夫? 一応、バリア張っていたんで、それほどの衝撃しょうげきじゃなかったと思うけど」まつりがそう言いながらあたりを見渡すと、どうやら戻ってこられた様だ。目の前にあの姿見すがたみが立っている。

「ふんっ! あんなエセ幽世。ざっとこんなもんよ! こんな真似まねして、もう力もほとんど残ってないんじゃない? さあ夜桜。観念かんねんなさい!」
「まさか、神器じんぎまで持ち込んでいるとは……」
「そうよ。あんたの行いに、もう神様達もキレちゃってるの! だからもうあきらめてこの幽世を閉じ、中の魂を解放しなさい」
「そう……か。神もお怒りなのか。だが私は悪い事をしたとは思っていない。現にこの幽世の魂達も望んでここに来たものがほとんどなのだ」

「私は望んでいないわよ!」声をあげたのは魂の澄子だった。
「確かに最初は、苦しんでいる女郎さん達の為にやった事かも知れない。でも年月をてあなたはその意義いぎを忘れた。女性が誰でも永遠の美貌びぼう寿命じゅみょうほっしている訳じゃない事を、きもに命じなさい!! あんたが余計よけいな事をしたからハジッコの魂は消滅するしかなくなったんじゃない!」

「……そうなのか?」とまどう夜桜にハジッコが答えた。
「はい。わたしは世のことわりを越えてしまいました。ですので輪廻りんねには戻れません。この身体をスミちゃんに返したら、私の魂は消滅させてもらいます」

「そうか。たとえ犬とはいえ、私のやった事がそこまでお前の魂を追い込んだのか……分かった。もう何も言わん。好きにしろ」

「おい夜桜。一ついいか? お前、澄子の身体から澄子の魂を抜き取ったんだろ? ここでこいつの身体からハジッコの魂を抜く事は出来ないのか? それが出来れば、幽世が有る間、澄子とハジッコが一緒にいられる」
「おー、虎先輩。ナイスアイディア!」虎之助のアイディアを希来里が絶賛ぜっさんしたが、夜桜が出来できぬといった。
「今の私では、魂を抜くのは幽世の外で手鏡を使わなくては出来ぬ。そのためには一度ここを出なくてはなるまい。しかし澄子の魂は外に連れて行けぬので、ハジッコの魂を手鏡が抜いても、その身体に澄子の魂が戻る手段があるまい」
 一同が残念そうにどよめく。

「それでは、犬の転生神をここに呼べぬかえ?」今度はカキツバタだ。
「神と言えども、この狸の様にすぐそばで法力でも使わぬ限り、この幽世の中に入れるのは我がめっして後、幽世が瓦解がかいするまでのほんの一時であろう。それでよければこころみるがよい」

「やっぱりそれしかなさそうね。それじゃ、お姉ちゃん。ハジッコ。澄子。それから不細工猫。もういいよね? 豊川……宜しくお願いします」まつりが悲痛な面持ちながら決意を新たにしてそう言った。

「はい。それではもう一つ。持ち込んだ神器じんきを使います」
 そう言いながら豊川刑事はふところからじゅうを取り出した。

「これに込めてある弾は、宇迦様に神通力を込めて貰っています。これで夜桜を破壊すれば、幽世もやがて崩壊しとらわれた魂は順次輪廻に帰って行くでしょう」
 言い終わって豊川刑事は銃口を目の前の大きな鏡に向けた。
 
「ハジッコ。最後までいっしょだよ!」
「はい、スミちゃん」二人は固く手をつなぎ、カキツバタとブチャ先生も寄り添う様に並んで地面に寝そべった。

 それを見届けて、豊川刑事は引き金をしぼる。
「それでは夜桜。これでおさらばです」

 ズキューーーーン………

 銃声が鳴りひびき、夜桜の鏡の真ん中に弾が命中した。
 そして鏡一面に細かいヒビが入り、次の瞬間しゅんかん、鏡自体がくだけ散った。

 ドンッ!!
 急に空気が重くなった様な感じがした。
 
幽世かくりょ崩壊ほうかいが始まったわ。豊川、最後の仕上げをお願い。それとハジッコ。転生神を呼び続けるのよ。それは私にもどうにも出来ないから。
 それから……お姉ちゃん。いっしょに遊んでくれてありがとうね。いつになるかはわからないけど、また生まれ変わって出会ったら……そしたら、また遊ぼうね」そう言うまつりのうしろから、世界がくずれ出していた。

 ◇◇◇

 豊川刑事は、さかんに祝詞のりとを唱えている。これはとらわれた魂達へ成仏をうながすすまじないなのだそうだ。夜桜がいたやかたももう天井や壁が上から消え始めていて、魂達がまるで流れ星が逆さまに流れるかの様に天に帰っていくのが見えた。
 まつりは、カキツバタとハジッコの決着がつくまでこの場所の崩壊をなるべく遅らせようと詠唱えいしょうを続けていたが、やがてカキツバタが口を開いた。

「まつりちゃん。いよいよわちきの番の様でありんす。本当にありがとうね。それからブチャ先生。この身体とっても居心地が良かったでありんす。本当にありがとさんね」そう言って、カキツバタの入っていたブチャ先生の身体がパタリと倒れ、そこからすーっと光る星が天に上った。

「カキツバタ!」ブチャ先生が声を発したが、まつりは一言もしゃべらない。ブチャ先生がまつりの顔を見上げたところ……もう、顔中が涙でビシャビシャなのが分かった。
「不細工猫!! 早く身体に戻りなさい!!」ようやく声をあげたまつりに叱責しっせきされ、ブチャ先生はそっと自分の身体に手をれた。
 おお、中に入れる! やがてブチャ先生の魂はそのまますっぽり身体に収まり、そのまま意識いしきを失った。

「うわ! 不細工猫。大丈夫?」希来里が叫ぶ。
「心配ないわ。なじむまで寝てるだけ!」すっかり鼻声のまつりがそう言った。

「それで、ハジッコは? 澄子は?」
 虎之助が心配そうに抱き合っている二人を見つめる。
「おい。このまま転生神ってのが来なかったらどうなるんだよ」
「どうって……澄子の魂は成仏して、ハジッコ入りの身体が残るわよ。
 でも……そうしないってさっき決めたよね」そう言いながらまつりは、ハジッコ達の方を向いた。
「それじゃ、ハジッコの魂を引きずり出すから……澄子。あんたもちゃんと最後までやり遂げなさいよ」
「わかってる……ハジッコの気持ちと努力を無駄むだにはしないよ!」
 まつりは、ハジッコの魂を抜くべく詠唱を唱えるが、しばらくしても何も起きない。そしてその間も幽世の崩壊は進んでいる。
「だめだわ。あのエセ幽世を出る時に法力使いすぎたかな……」
「だめだって!? それじゃ澄子は?」まつりにつかみかかろうとする虎之助をビスマルクが飛びついておさえた様に見えた。

「ご主人。来た様ですワン」
「おお、あれは……セントバーナード?」希来里の声がうわずる。

「ああ……犬の転生神様……」ハジッコがホッとした様にため息をらした。
「ああ、すまなんだ。中々この中に入れなくてな。じゃがハジッコよ。よくぞここまでやりげた。犬でもここまで出来るのかと思うと、わしも鼻が高いぞ」
「あの、いや転生神様。私……私自身は何も出来ていません。みんなこの人たちのおかげです。それに、正体をこの二人に知られてしまいまして……もうスミちゃんに身体を返せないと思うのですが、せめてこの身体から私の魂を引っこ抜いてもらえれば、まつりちゃんの法力でスミちゃんの魂を身体にねじ込めないかと……」

「そうか……それは残念。じゃが無理に魂を引っこ抜くと、その場でバラバラになって消滅するぞ。それでもよいか?」
「そんなの構いません! もとより覚悟かくごは出来ています。もう幽世も長く持ちません。早くお願いします!」

「うむ。思った通りじゃの。お前は本当に澄子の事が好きなのだな。それにお前は何も出来んかった訳じゃないぞ。お前が一生懸命澄子の事を考えて行動したから、澄子の身体を守り通せたし、この者達も力を貸してくれたに相違あるまい。
 それで今回は、特別に人間の神様から神通力じんつうりきさずかって来ておる。お前の頑張りに心を打たれたとの事で、宇迦之御魂大神様うかのみたまのおおみかみからな」
「ええ? それは……」ハジッコだけではなく、まつりも豊川もその他一同もビックリした。

「まあ、大した事は出来ぬのだが、ハジッコの魂を壊さぬ様に、この身体から抜き出せるじゃろう。さすれば、この幽世が消滅するまでのわずかな時間ではあるが、澄子と一緒にいられようぞ」
「ちょっと! 犬神様、それってセコくない? せめてもう一度犬に転生てんせいとか……」
 希来里が食ってかかったが、まつりがそれを止めた。
「何言ってんのよ! 世のことわりにギリギリ反しない範囲での神様の最大限の譲歩じょうほよ! もう、こうしている時間もしいわ。犬の神様。さっさとやっちゃって!!」

「やれやれ、狸にせかされるとは……まあよい。ハジッコや。眼をつぶりなさい」
 犬の転生神にそう言われ、ハジッコはそっと目を閉じた。
 そして何か身体がきゅるんとねじれる様な感じがして、目を開けると、
 眼の前に、顔がくずれていない、以前のままの澄子がほほんでいた。

「ああ……スミちゃん。元に戻れたのね!?」
「うん……ありがとう。ハジッコ、本当にありがとう……」
 どうやら自分は犬の姿に戻った様だ。スミちゃんが思いっきり身体のあちこちを撫でてくれるのがうれしい。

「それじゃ……私は、出来る限り幽世の崩壊を遅らせるから、せいぜい二人の時間を楽しみなさい!」
「ああ……まつりちゃん。ありがとうね」
「それじゃ、二人にしてやろうな」虎之助がそう言って、ビスマルクと希来里をともなってちょっとはなれた。

「ハジッコ。私、これからあなたがいなくても大丈夫かな。
 全く自信ないよ……」
「そうですね。もしよかったらまた犬を飼って友達になってくれるとうれしいです。生き物ですから寿命じゅみょうの違いはどうにも出来ませんが、少なくとも一緒に過ごした時間は宝物たからものになると思います。私もそうですから」

「そうだね。ハジッコは全力で一生をけ抜けたんだよね。だから私も……思い出して泣いちゃうと思うけど、頑張がんばる!」
「その意気です。あ、そうそう。虎之助さんは多分スミちゃんに気がありますよ。
 だから、こんどちゃんと気持ちを伝えてみて下さいね」
「えっ? そうなの……って、ハジッコ。まさか私の身体で虎兄と……」
「いえいえ何もやましい事は……お口でチュッって位ですよ」
「えー!? 何それ。う、うらやましい……」
「ふっ、ははははははっ」
「はははははは!」

 そこへまつりが近づいてきた。
「最後に笑いあえた様でよかったわ。でもごめん。そろそろ限界げんかい。これ以上法力つかったら、みんなで現世に帰れなくなっちゃう」

「まつりさん。豊川さん。それに虎之助さんも希来里さんも、ブチャ先生もビスマルクも……本当にありがとう。みんなが助けてくれたからスミちゃんを元に戻せました。私はもう何も思い残す事はありません!!
 スミちゃん……幸せになってね」
 
 そしてハジッコは犬の転生神の前にいく。
「転生神様。最後にこんな幸せな時間をいただき、お礼の申し様もございません。宇迦之御魂大神様にもくれぐれもよろしくお伝えください。それでは……お願いします」

「うむ、ハジッコよ。見事な生きざまであったぞ」
 犬の転生神がそう言って右手を上げると、ハジッコの犬の身体がゆっくりとちゅうに浮かんでいった。
 
 そして上空からハジッコが微笑ほほえんだのがその場のみんなにも分かった。

「皆さん、ありがとう。そして……さようなら!」

 次の瞬間。パンっと音がして、ハジッコの魂は色とりどりの細かい星になり、虹色の尾を引きながら四方しほうっていった。

 そして、それを見ながら「ああ……」と、その場にひざをつき涙する澄子の肩に、虎之助がそっと手を置いた。

 ◇◇◇
 ◇◇◇

「いやー。ブチャがいきなりいなくなってさ。猫って飼い主に死に目を見せないって言うじゃない。だからてっきりどこかでくたばったかと思ったんだけど、まさか、すみっ子の所に自力じりきで行っていたとは……余程よほどあんたが気に入ったんだね」理恵がそう言って、澄子に話しかけていた。
「でもその時、あなたも大変だったんでしょ? あんな低い山で遭難そうなんしかかったんだって?」薫が呆れた様にそう言った。

 結局、あの日。現世に戻ってきたらもう夜が明けていた。
 山の駐車場に虎之助の車が残されたままになっていて、自宅にもみんな帰っていないという事で、一時は大騒ぎになった様だ。結局、虎之助が登山初心者なのに無謀むぼうなルートを通って、足をすべらせてケガをしたという事で、関係各位にこってりしぼられたあと解放され、事なきを得た。
 手鏡は手付かずで元の場所に落ちていたらしく、豊川刑事が回収していった。

 今回の件に関して、澄子は澄子なりに気持ちの整理を付けたつもりなのだが、やはりハジッコロスは大きい。しかし鬱々うつうつとしていても仕方がないので、たまに理恵の家に遊びに行って、ブチャ先生をいじる事が多くなったのだが……なんと、まつりもしょっちゅうブチャ先生に会いに来ているらしい。
 彼女もカキツバタがいなくなって寂しいのだろうなと澄子は思った。

 そんなある日、虎之助が澄子をさそいに来た。
「へへー。もしかしてデートに連れてってくれるの?」
「ああ、着いてからのお楽しみな」
 
 休日の昼下がり、虎之助の車でとなりの県まで行き、とある大きなお屋敷についた。

「ここは?」
「俺のオヤジの古い友人の家だよ。いいからついて来な」
 そして、虎之助に連れられて家の裏手うらてに回った澄子が見たのは、庭のベンチにお座りをして並んだ六匹の子犬だった。

「ほら、秋田柴の子犬。これのブリーダー探すの苦労したんだ。それで、どの子にする?」虎之助の問いかけに、目をかがやかせていた澄子が笑顔で答えた。

「もちろん……はじっこ!!」

(終)



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