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103.本当のジブン
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「一緒だ…」
『え?なに…が?』
「私もついひと月前まで…男…だったんだ。」
…フツウのヒトが聞いたのなら驚愕の告白だ。
そんな事を言われたら開いた口が塞がらないどころか、顎が外れて戻らないだろう。
だけどこの2人は違う。"全て"を分かってくれている。
驚いた表情でこちらを見つめる2人。
すると、零れ落ちる透き通ったモノが目に映る。
『私だけじゃなかった…』
レイちゃんはそう言うと、突然何かが弾けたように大声で泣き始めてしまった。
『私…ぅぅ…あの日、死んじゃうかと思って…気づいたら身体がこうなってて…私…ヘンなのかなって…』
稚華さんが優しくレイちゃんの肩を抱き寄せている。
「うん…辛かったよね。びっくりしたよね。その気持ち分かるよ。ヘンなんかじゃないから。レイちゃんがヘンなら私もおんなじだよ♪」
これは建前の言葉なんかじゃない。
自分が経験したからこそ分かる。
「だけど、お医者さんにはとりあえずは大丈夫って言われたでしょ?私も最初は戸惑っちゃったけど今は前向きに生きてきたいなって思ってるんだ。レイちゃんは今の自分…嫌い?」
『私は…自分嫌い。だってこんなのボクじゃないもん…』
『レイ…』
そっか…まだ事実を受け入れられないんだね…それも私のせい。
私だって前向きに生きてはいるけど…この身体、事実を完全に受け入れられたワケじゃない。
「こんな事言える立場じゃないけど、今の自分を好きになってなんて言わない。
だけど…"本当のジブン"を嫌いにならないで欲しい。こんな経験、他の人には絶対ない事でしょ?
だから…これを乗り越えられればきっと、誰よりも強い前向きなヒトになれる気がするんだ。
…なんて私ができてもないのに傲慢すぎるよね。ごめん。」
『え?なに…が?』
「私もついひと月前まで…男…だったんだ。」
…フツウのヒトが聞いたのなら驚愕の告白だ。
そんな事を言われたら開いた口が塞がらないどころか、顎が外れて戻らないだろう。
だけどこの2人は違う。"全て"を分かってくれている。
驚いた表情でこちらを見つめる2人。
すると、零れ落ちる透き通ったモノが目に映る。
『私だけじゃなかった…』
レイちゃんはそう言うと、突然何かが弾けたように大声で泣き始めてしまった。
『私…ぅぅ…あの日、死んじゃうかと思って…気づいたら身体がこうなってて…私…ヘンなのかなって…』
稚華さんが優しくレイちゃんの肩を抱き寄せている。
「うん…辛かったよね。びっくりしたよね。その気持ち分かるよ。ヘンなんかじゃないから。レイちゃんがヘンなら私もおんなじだよ♪」
これは建前の言葉なんかじゃない。
自分が経験したからこそ分かる。
「だけど、お医者さんにはとりあえずは大丈夫って言われたでしょ?私も最初は戸惑っちゃったけど今は前向きに生きてきたいなって思ってるんだ。レイちゃんは今の自分…嫌い?」
『私は…自分嫌い。だってこんなのボクじゃないもん…』
『レイ…』
そっか…まだ事実を受け入れられないんだね…それも私のせい。
私だって前向きに生きてはいるけど…この身体、事実を完全に受け入れられたワケじゃない。
「こんな事言える立場じゃないけど、今の自分を好きになってなんて言わない。
だけど…"本当のジブン"を嫌いにならないで欲しい。こんな経験、他の人には絶対ない事でしょ?
だから…これを乗り越えられればきっと、誰よりも強い前向きなヒトになれる気がするんだ。
…なんて私ができてもないのに傲慢すぎるよね。ごめん。」
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