209 / 277
After Story…Aya.11
しおりを挟む
気がつくと辺りは再び闇に包まれ、そしてまた白い靄がゆっくりとその姿を現わす。
あれは…
「稚華…!!たすけて…」
私はそう言って、視線の先に現れた稚華の背中に届かぬ手を伸ばす。
『彩ッ♪』
そしていつもの優しい口調で稚華が振り返る。と同時に安堵からか、大粒の涙が次々と溢れ出すのを感じる。
「稚華ッ…稚華ぁーッ!!」
『触んなよブス♪』
え…
伸ばした手から力が抜け、私は稚華を呆然と見つめた。
『何?私アンタみたいな女1番キライなんだよね。私にいい顔して仲良くするフリなんかしてさ。裏ではこんな隠し事してたなんて見損なった。だから早く死んじゃえよ♪アンタなんて誰にも必要とされないんだからさ、ねッ?』
稚華の笑顔が涙に歪み、私から全てが消えた。
「ぁ…ぁあ''ーーァァァァ…」
耐えきれず、喉の奥から隙間風のように吐き出された私の叫びが全身に響いた時、辺りがまた暗闇に包まれ、完全なる無の世界へと私は放り込まれた。
…直前まで吹き荒れていた皆の言葉も、雷ように全身を走っていた心臓の鼓動も、そして自分の呼吸する音すらも今はその音潜めている。
ただ…頬を伝う温かい感触だけが止まることなく伝わり続ける。
そんな時が永遠と思える程に流れていく。
このまま私は消えてしまいたい…
私の頭にはそんな事だけが浮かび続けていた。
そんな時、漆黒の闇に微かに浮かぶ光を見た。
しかし私はもうそんなモノはどうでも良かった。だって…消えるべき人間には光などもう必要ないのだから。
その光はだんだんと私へと近づいてくる。厳密に言えば光の尾を引きながらだんだんと私に向かって伸びてくるようだった。
花…
無数に咲き乱れる小さな花々。その花々が一つ一つ光り輝きゆっくりと私の側へと近づいてくる。
そして、遂に私の足元まで伸びたその光の花々が、ゆっくりとその進路を変え、上へと伸びていく。
私は細く開いた目で無気力にその花々を見つめた。
そして私の身長程に伸びたその光る花々の塊がゆっくりとその灯りを消した時、何処か遠いような、耳元で囁くような、そんな声が私の頭の中に響いた。
『怖かったわね。でも、もう大丈夫よ。』
その声は懐かしく、そしてとても温かいモノに感じた。
『他の人の事は忘れて私と行きましょう、彩。』
そうだ。この声は…
「アヤ…?」
『そうよ、ワタシ。久しぶりね。突然に彩が私たちの扉を閉め、鍵を掛けてしまうんだもの。寂しかったわ…ううん、それはもういいの。それよりも…あなたを愛する人はもう何処にも居ないの。分かったでしょ??』
「どうして貴女が…」
『そんなに落ち込まないで♪何故ワタシが此処に現れたかなんてそんなの決まっているわ。だって貴女を愛する人はワタシ以外居ないのだから。』
「私を…?そんなの嘘…私はこのまま、この闇に身を捧げて無くなるべきだもの…」
『ワタシは貴女、彩を愛しているわ。そして彩は私を愛していいの。唯一の貴女の味方。』
「だけれど…私は罪を犯した…そしてその罪を忘れ、更なる罪を重ね続けた…そんな私に人を愛する資格など無いわ…」
『大丈夫。だって"ワタシ"は"彩"だもの。誰も傷つけない。誰にも迷惑なんて掛けないのだから。好きなだけワタシを愛していいの。ワタシはそれ以上に貴女を愛してあげる。』
あれは…
「稚華…!!たすけて…」
私はそう言って、視線の先に現れた稚華の背中に届かぬ手を伸ばす。
『彩ッ♪』
そしていつもの優しい口調で稚華が振り返る。と同時に安堵からか、大粒の涙が次々と溢れ出すのを感じる。
「稚華ッ…稚華ぁーッ!!」
『触んなよブス♪』
え…
伸ばした手から力が抜け、私は稚華を呆然と見つめた。
『何?私アンタみたいな女1番キライなんだよね。私にいい顔して仲良くするフリなんかしてさ。裏ではこんな隠し事してたなんて見損なった。だから早く死んじゃえよ♪アンタなんて誰にも必要とされないんだからさ、ねッ?』
稚華の笑顔が涙に歪み、私から全てが消えた。
「ぁ…ぁあ''ーーァァァァ…」
耐えきれず、喉の奥から隙間風のように吐き出された私の叫びが全身に響いた時、辺りがまた暗闇に包まれ、完全なる無の世界へと私は放り込まれた。
…直前まで吹き荒れていた皆の言葉も、雷ように全身を走っていた心臓の鼓動も、そして自分の呼吸する音すらも今はその音潜めている。
ただ…頬を伝う温かい感触だけが止まることなく伝わり続ける。
そんな時が永遠と思える程に流れていく。
このまま私は消えてしまいたい…
私の頭にはそんな事だけが浮かび続けていた。
そんな時、漆黒の闇に微かに浮かぶ光を見た。
しかし私はもうそんなモノはどうでも良かった。だって…消えるべき人間には光などもう必要ないのだから。
その光はだんだんと私へと近づいてくる。厳密に言えば光の尾を引きながらだんだんと私に向かって伸びてくるようだった。
花…
無数に咲き乱れる小さな花々。その花々が一つ一つ光り輝きゆっくりと私の側へと近づいてくる。
そして、遂に私の足元まで伸びたその光の花々が、ゆっくりとその進路を変え、上へと伸びていく。
私は細く開いた目で無気力にその花々を見つめた。
そして私の身長程に伸びたその光る花々の塊がゆっくりとその灯りを消した時、何処か遠いような、耳元で囁くような、そんな声が私の頭の中に響いた。
『怖かったわね。でも、もう大丈夫よ。』
その声は懐かしく、そしてとても温かいモノに感じた。
『他の人の事は忘れて私と行きましょう、彩。』
そうだ。この声は…
「アヤ…?」
『そうよ、ワタシ。久しぶりね。突然に彩が私たちの扉を閉め、鍵を掛けてしまうんだもの。寂しかったわ…ううん、それはもういいの。それよりも…あなたを愛する人はもう何処にも居ないの。分かったでしょ??』
「どうして貴女が…」
『そんなに落ち込まないで♪何故ワタシが此処に現れたかなんてそんなの決まっているわ。だって貴女を愛する人はワタシ以外居ないのだから。』
「私を…?そんなの嘘…私はこのまま、この闇に身を捧げて無くなるべきだもの…」
『ワタシは貴女、彩を愛しているわ。そして彩は私を愛していいの。唯一の貴女の味方。』
「だけれど…私は罪を犯した…そしてその罪を忘れ、更なる罪を重ね続けた…そんな私に人を愛する資格など無いわ…」
『大丈夫。だって"ワタシ"は"彩"だもの。誰も傷つけない。誰にも迷惑なんて掛けないのだから。好きなだけワタシを愛していいの。ワタシはそれ以上に貴女を愛してあげる。』
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
ほのぼの学園百合小説 キタコミ!
水原渉
青春
ごくごく普通の女子高生の帰り道。
帰宅部の仲良し3人+1人が織り成す、ほのぼの学園百合小説。
♪ 野阪 千紗都(のさか ちさと):一人称の主人公。帰宅部部長。
♪ 猪谷 涼夏(いのや すずか):帰宅部。雑貨屋でバイトをしている。
♪ 西畑 絢音(にしはた あやね):帰宅部。塾に行っていて成績優秀。
♪ 今澤 奈都(いまざわ なつ):バトン部。千紗都の中学からの親友。
※本小説は小説家になろう等、他サイトにも掲載しております。
★Kindle情報★
1巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B098XLYJG4
2巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09L6RM9SP
3巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09VTHS1W3
4巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNQRN12P
5巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHFX4THL
6巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9KFRSLZ
7巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0F7FLTV8P
Chit-Chat!1:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CTHQX88H
Chit-Chat!2:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FP9YBQSL
★YouTube情報★
第1話『アイス』朗読
https://www.youtube.com/watch?v=8hEfRp8JWwE
番外編『帰宅部活動 1.ホームドア』朗読
https://www.youtube.com/watch?v=98vgjHO25XI
Chit-Chat!1
https://www.youtube.com/watch?v=cKZypuc0R34
イラスト:tojo様(@tojonatori)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる