22 / 277
22.あの頃と今のキミ
しおりを挟む
体験学習が終わると、暫く自由時間になった。念の為、絆創膏を貼っておこうと思って、私は莉結とトイレに来た。
……やっぱりまだ女子トイレに入るというのは抵抗があるけど。
「はいっ、多めに渡しとくね」
莉結から絆創膏をもらって個室に入ると、私は服をたくし上げ、自分の可愛らしい丘に二つバッテンを付けた。
そして、"応急処置"を終えた私が扉を開けると、何故か背中を向けて立っている莉結が居た。すると、莉結は上半身を捻って私の方に向けると、腕を高く掲げ、ウィンクをしながら気持ちの悪いデレデレとした笑みを浮かべた。
「ねぇ、馬鹿にしてんの?」
無表情のままに私が言うと、莉結は「可愛かったんだもん! さっきの衣瑠っ」と私の頬に指を当てた。
「だから苦肉の策だったんだって……もういいじゃん。ていうか自由時間なんだからどっか散策でも行こうよ」
「ごめんごめんっ! そうだねっ、せっかく来たんだから自然を満喫しよっ」
そうして私達は建物の外に出た。辺りは森に囲まれ、木々の香りが混ざった爽やかな風が吹いている。
目を瞑って小鳥の囀りや木々の葉音を聞いていたら、「あそこの見晴らしの良さそうなとこまで行ってみようよ」と莉結が私の手を取った。
「さっ、行こっ」
そう言って普通に歩き出した莉結に、握られた手を見つめながら私は小さな声で言った。
「手握るなんて恥ずかしいよ」
すると莉結はニコッと微笑んでこう言った。
「女の子は普通なのっ」
そう言った莉結の笑顔が私の胸をぐっと締め付けた気がした。それは今までに感じた事の無い感覚で……その気持ちに戸惑った私は、小さく頷いて、黙ったまま莉結の背に靡く髪を追った。
莉結の髪がふわりとしてから纏まると、私達の立った小高い丘から山下に広がる街並みが光り輝いて見えた。その遥か上空には、まるで私達みたいに連なって、ゆっくりと円を描いて飛んでいる鳶の姿も見える。そして、その鳶たちの鳴く声に重なる様に、莉結は子供みたいな歓声をあげた。
「うわぁっ、凄い綺麗っ! ここってこんな高かったんだねっ」
私は、そう言って瞳を輝かせて遠くを見つめている莉結を見つめていた。なんか……昔に戻ったみたいだな、って。最近じゃ莉結もいつの間にか大人になったんだな、なんて思う事が多かったけど、やっぱり何にも変わってないや。
私は自然と頬が緩み、肩の力がすぅっと抜けた気がした。久しぶりな、身体が軽い感覚……なんか良い。
「ねぇ莉結ちゃん、座ろっ」
私がそう言うと、何故か莉結は一瞬驚いた表情をして、満面の笑みで「そうだねっ衣瑠ちゃんっ」と言った。
二人で柔らかな芝生の上に腰を下ろすと、ひんやりとした感触がお尻に伝わってくる。すると、水平線を見つめていた私の肩に、柔らかな重みが伝わった。
同時に鼻に運ばれてくるのは淡いシャンプーの香り。
……誰かに見られるかもしれない、なんて思ったけど、すぐにそんな思いは風に乗って飛んでいった。
……だって、別に見られてもいいじゃん、女なんだもん。
……やっぱりまだ女子トイレに入るというのは抵抗があるけど。
「はいっ、多めに渡しとくね」
莉結から絆創膏をもらって個室に入ると、私は服をたくし上げ、自分の可愛らしい丘に二つバッテンを付けた。
そして、"応急処置"を終えた私が扉を開けると、何故か背中を向けて立っている莉結が居た。すると、莉結は上半身を捻って私の方に向けると、腕を高く掲げ、ウィンクをしながら気持ちの悪いデレデレとした笑みを浮かべた。
「ねぇ、馬鹿にしてんの?」
無表情のままに私が言うと、莉結は「可愛かったんだもん! さっきの衣瑠っ」と私の頬に指を当てた。
「だから苦肉の策だったんだって……もういいじゃん。ていうか自由時間なんだからどっか散策でも行こうよ」
「ごめんごめんっ! そうだねっ、せっかく来たんだから自然を満喫しよっ」
そうして私達は建物の外に出た。辺りは森に囲まれ、木々の香りが混ざった爽やかな風が吹いている。
目を瞑って小鳥の囀りや木々の葉音を聞いていたら、「あそこの見晴らしの良さそうなとこまで行ってみようよ」と莉結が私の手を取った。
「さっ、行こっ」
そう言って普通に歩き出した莉結に、握られた手を見つめながら私は小さな声で言った。
「手握るなんて恥ずかしいよ」
すると莉結はニコッと微笑んでこう言った。
「女の子は普通なのっ」
そう言った莉結の笑顔が私の胸をぐっと締め付けた気がした。それは今までに感じた事の無い感覚で……その気持ちに戸惑った私は、小さく頷いて、黙ったまま莉結の背に靡く髪を追った。
莉結の髪がふわりとしてから纏まると、私達の立った小高い丘から山下に広がる街並みが光り輝いて見えた。その遥か上空には、まるで私達みたいに連なって、ゆっくりと円を描いて飛んでいる鳶の姿も見える。そして、その鳶たちの鳴く声に重なる様に、莉結は子供みたいな歓声をあげた。
「うわぁっ、凄い綺麗っ! ここってこんな高かったんだねっ」
私は、そう言って瞳を輝かせて遠くを見つめている莉結を見つめていた。なんか……昔に戻ったみたいだな、って。最近じゃ莉結もいつの間にか大人になったんだな、なんて思う事が多かったけど、やっぱり何にも変わってないや。
私は自然と頬が緩み、肩の力がすぅっと抜けた気がした。久しぶりな、身体が軽い感覚……なんか良い。
「ねぇ莉結ちゃん、座ろっ」
私がそう言うと、何故か莉結は一瞬驚いた表情をして、満面の笑みで「そうだねっ衣瑠ちゃんっ」と言った。
二人で柔らかな芝生の上に腰を下ろすと、ひんやりとした感触がお尻に伝わってくる。すると、水平線を見つめていた私の肩に、柔らかな重みが伝わった。
同時に鼻に運ばれてくるのは淡いシャンプーの香り。
……誰かに見られるかもしれない、なんて思ったけど、すぐにそんな思いは風に乗って飛んでいった。
……だって、別に見られてもいいじゃん、女なんだもん。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
ほのぼの学園百合小説 キタコミ!
水原渉
青春
ごくごく普通の女子高生の帰り道。
帰宅部の仲良し3人+1人が織り成す、ほのぼの学園百合小説。
♪ 野阪 千紗都(のさか ちさと):一人称の主人公。帰宅部部長。
♪ 猪谷 涼夏(いのや すずか):帰宅部。雑貨屋でバイトをしている。
♪ 西畑 絢音(にしはた あやね):帰宅部。塾に行っていて成績優秀。
♪ 今澤 奈都(いまざわ なつ):バトン部。千紗都の中学からの親友。
※本小説は小説家になろう等、他サイトにも掲載しております。
★Kindle情報★
1巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B098XLYJG4
2巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09L6RM9SP
3巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09VTHS1W3
4巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNQRN12P
5巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHFX4THL
6巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9KFRSLZ
7巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0F7FLTV8P
Chit-Chat!1:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CTHQX88H
Chit-Chat!2:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FP9YBQSL
★YouTube情報★
第1話『アイス』朗読
https://www.youtube.com/watch?v=8hEfRp8JWwE
番外編『帰宅部活動 1.ホームドア』朗読
https://www.youtube.com/watch?v=98vgjHO25XI
Chit-Chat!1
https://www.youtube.com/watch?v=cKZypuc0R34
イラスト:tojo様(@tojonatori)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる