9 / 14
8.アトラクション編-1
8.アトラクション編-1
しおりを挟む
予定変更して、また更新です。
もっとも、明日はお休み。
次回は木、金辺りになりそうです。
===================================================
「あひゃ、あひゃ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ――!!」
――舞台には、奇怪な笑い声が響き渡っていた。
「ふふふ……いよいよ最期の刻が来たようだな……」
「あひゃひゃッ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
「我が帝国の恐ろしさが分かったか――」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ……ッッ!!」
「あの……ちょっと滝流クン、もうちょっと静かに……」
「あひゃひゃひゃひゃッッ!!」
――舞台には四人が立っていた。
中央で目立っているのが蒼生と港田滝流。
端にいるのは五十嵐柚一。
そして進一郎は中央に立っているが、「木」の着ぐるみに身を包んでいた。
行われているのは滝流を主演とするアトラクション、『超疾光シシオウジャー』ショー。
滝流は以前演じていたヒーロー、『流星小年タロン』のスーツを改造して、オリジナルヒーローを演じていた。
深い切れ込みが入り、脚を露出させたレオタードにベルト、ヘルメットという60年代SFヒーロー的なスタイルの彼は今、しかし壁に四肢を戒められ、動けないでいた。
そう、蒼生の演じる悪の帝国の大幹部「紫衣将軍」に囚われていたのだ。
その純白のレオタードには何やらエロアニメにありがちな「触手」が入り込み、彼の身体の上をのたくっている。
滝流がさっきから素っ頓狂な笑い声を上げていたのは、この「触手」に愛撫され、くすぐったいせいだったのだ。
本来は「触手型バイブ」として作られ、ローションを塗られたそれ、もう少し別な箇所を刺激していたら、滝流の反応も違っていたろうが――。
そんなわけで、本来ならば苦しむ演技をしなければならないのにもかかわらず、滝流は笑い続けていた。
蒼生は何とか芝居を元の軌道に戻そうと、セリフを続けた。
「ふふ……笑っていられるのも今のうちだ、シシオウジャー。そのメカ触手は今に、お前のエネルギーの全てを吸い尽くす!!」
紫衣将軍という名の通りに紫の、古代中国風の衣装に身を包んだ、性別不明の悪の大幹部、というのが彼の役どころだ。
「もはや、ユリン姫の秘密は、我が帝国のものとなったも同然!」
邪悪な笑みを浮かべ、蒼生が人差し指で指し示す先には、柚が滝流同様、四肢を戒められていた。
彼女の役どころは蒼生の言葉でも分かる通り、「ユリン姫」。
西洋風の純白のドレスに身を包んだ彼女は今、悪の帝国にさらわれ、十字架に磔にされていた。
彼女はShe-XXXY'sのメンバーで、小学五年生の11歳。
普段の外はねのショートカットの上から腰にまで伸びたロングのウィッグを被り、いつもの意志の強そうな瞳で滝流へと訴えた。
「あ……あぁ……っ! シシオウジャー、私に構わず……私のことは構わず、戦ってください!!」
「あひゃひゃッ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
しかし姫の必死の懇願にもかかわらず、まだ滝流は馬鹿笑いを続けていた。
「あの、蒼生クン、このままじゃしょうがないし――」
進一郎が、小声で蒼生に耳打ちする。
悪の帝国の秘密基地にもかかわらず、進一郎はどうしたわけかそのど真ん中に立つ「木」の中に潜んでいた。というのも、舞台の様子を間近で撮影するためだ。
「ほら……みんなおしっこ我慢してるところだから……これ以上刺激すると、滝流クン、もらしちゃうかも……」
「ふむ……」
蒼生も進一郎の進言に頷き、滝流へと歩み寄っていった。
「あひゃ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
触手はポリエステル製の白いレオタードの中で蠢き、彼の身体を撫で回していた。
ローションにまみれたそれのため、レオタードもまたぐっしょりとぬれそぼり、敏感に反応して勃ってしまった薄桃色の乳首も、そしてハイレグのレオタードに収まる少年の幼い茎も、ポリエステルにぴったりと貼りついて、すっかり透けて浮かび上がってしまっていた。
やむを得ない、蒼生は滝流を磔にしている舞台装置のスイッチをオフにする。
と、電気仕掛けの触手はようやく、その動きを止めた。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ……! あ……」
ようやく身体への愛撫が終わり、滝流はがっくりと項垂れた。
「あぁ……もう……くたくただ……ゾ……」
滝流は小学四年生の10歳。常にハイテンションで元気なことは、身体のあちこちに作ったすり傷、低い鼻に貼られた絆創膏からも分かる。
しかしさすがに疲れたのか、今の彼はその弛緩した身体を装置に預けて無言になってしまった。
「ふふふふふ……とうとう笑う元気もなくし、精も根も尽き果てたか、シシオウジャーよ……ムリもない、お前のエネルギーは全て奪い取った。戦う力はもう、残されてはいまい」
蒼生はすらすらと、状況にあわせてアドリブを飛ばす。
彼は役どころ同様に長く美しい髪に鼻梁の美少年。
小学五年生の11歳だが、常に冷静で頭脳明晰な性格だからこそ、場を仕切ることができた。
何とかうまくいきそうだと、進一郎が「木」の中で安堵のため息をつくうちにも、蒼生は――否、紫衣将軍は舞台のもう片方へと歩み寄り、柚、否、ユリン姫へと呼びかけた。
「シシオウジャーが無力化できたところで、いよいよご協力いただきましょうか」
「きょ……協力、ですって……っ!?」
十字架の上で、柚は身をよじらせる。
頭のよさなら蒼生に負けない彼女だが、少々お堅く生真面目すぎる性格が災いして、上手くアドリブ芝居に調子をあわせることができない。
蒼生はそんな彼女の性格を考えつつ、何とか芝居を続けようと苦慮していた――。
もっとも、明日はお休み。
次回は木、金辺りになりそうです。
===================================================
「あひゃ、あひゃ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ――!!」
――舞台には、奇怪な笑い声が響き渡っていた。
「ふふふ……いよいよ最期の刻が来たようだな……」
「あひゃひゃッ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
「我が帝国の恐ろしさが分かったか――」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ……ッッ!!」
「あの……ちょっと滝流クン、もうちょっと静かに……」
「あひゃひゃひゃひゃッッ!!」
――舞台には四人が立っていた。
中央で目立っているのが蒼生と港田滝流。
端にいるのは五十嵐柚一。
そして進一郎は中央に立っているが、「木」の着ぐるみに身を包んでいた。
行われているのは滝流を主演とするアトラクション、『超疾光シシオウジャー』ショー。
滝流は以前演じていたヒーロー、『流星小年タロン』のスーツを改造して、オリジナルヒーローを演じていた。
深い切れ込みが入り、脚を露出させたレオタードにベルト、ヘルメットという60年代SFヒーロー的なスタイルの彼は今、しかし壁に四肢を戒められ、動けないでいた。
そう、蒼生の演じる悪の帝国の大幹部「紫衣将軍」に囚われていたのだ。
その純白のレオタードには何やらエロアニメにありがちな「触手」が入り込み、彼の身体の上をのたくっている。
滝流がさっきから素っ頓狂な笑い声を上げていたのは、この「触手」に愛撫され、くすぐったいせいだったのだ。
本来は「触手型バイブ」として作られ、ローションを塗られたそれ、もう少し別な箇所を刺激していたら、滝流の反応も違っていたろうが――。
そんなわけで、本来ならば苦しむ演技をしなければならないのにもかかわらず、滝流は笑い続けていた。
蒼生は何とか芝居を元の軌道に戻そうと、セリフを続けた。
「ふふ……笑っていられるのも今のうちだ、シシオウジャー。そのメカ触手は今に、お前のエネルギーの全てを吸い尽くす!!」
紫衣将軍という名の通りに紫の、古代中国風の衣装に身を包んだ、性別不明の悪の大幹部、というのが彼の役どころだ。
「もはや、ユリン姫の秘密は、我が帝国のものとなったも同然!」
邪悪な笑みを浮かべ、蒼生が人差し指で指し示す先には、柚が滝流同様、四肢を戒められていた。
彼女の役どころは蒼生の言葉でも分かる通り、「ユリン姫」。
西洋風の純白のドレスに身を包んだ彼女は今、悪の帝国にさらわれ、十字架に磔にされていた。
彼女はShe-XXXY'sのメンバーで、小学五年生の11歳。
普段の外はねのショートカットの上から腰にまで伸びたロングのウィッグを被り、いつもの意志の強そうな瞳で滝流へと訴えた。
「あ……あぁ……っ! シシオウジャー、私に構わず……私のことは構わず、戦ってください!!」
「あひゃひゃッ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
しかし姫の必死の懇願にもかかわらず、まだ滝流は馬鹿笑いを続けていた。
「あの、蒼生クン、このままじゃしょうがないし――」
進一郎が、小声で蒼生に耳打ちする。
悪の帝国の秘密基地にもかかわらず、進一郎はどうしたわけかそのど真ん中に立つ「木」の中に潜んでいた。というのも、舞台の様子を間近で撮影するためだ。
「ほら……みんなおしっこ我慢してるところだから……これ以上刺激すると、滝流クン、もらしちゃうかも……」
「ふむ……」
蒼生も進一郎の進言に頷き、滝流へと歩み寄っていった。
「あひゃ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
触手はポリエステル製の白いレオタードの中で蠢き、彼の身体を撫で回していた。
ローションにまみれたそれのため、レオタードもまたぐっしょりとぬれそぼり、敏感に反応して勃ってしまった薄桃色の乳首も、そしてハイレグのレオタードに収まる少年の幼い茎も、ポリエステルにぴったりと貼りついて、すっかり透けて浮かび上がってしまっていた。
やむを得ない、蒼生は滝流を磔にしている舞台装置のスイッチをオフにする。
と、電気仕掛けの触手はようやく、その動きを止めた。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ……! あ……」
ようやく身体への愛撫が終わり、滝流はがっくりと項垂れた。
「あぁ……もう……くたくただ……ゾ……」
滝流は小学四年生の10歳。常にハイテンションで元気なことは、身体のあちこちに作ったすり傷、低い鼻に貼られた絆創膏からも分かる。
しかしさすがに疲れたのか、今の彼はその弛緩した身体を装置に預けて無言になってしまった。
「ふふふふふ……とうとう笑う元気もなくし、精も根も尽き果てたか、シシオウジャーよ……ムリもない、お前のエネルギーは全て奪い取った。戦う力はもう、残されてはいまい」
蒼生はすらすらと、状況にあわせてアドリブを飛ばす。
彼は役どころ同様に長く美しい髪に鼻梁の美少年。
小学五年生の11歳だが、常に冷静で頭脳明晰な性格だからこそ、場を仕切ることができた。
何とかうまくいきそうだと、進一郎が「木」の中で安堵のため息をつくうちにも、蒼生は――否、紫衣将軍は舞台のもう片方へと歩み寄り、柚、否、ユリン姫へと呼びかけた。
「シシオウジャーが無力化できたところで、いよいよご協力いただきましょうか」
「きょ……協力、ですって……っ!?」
十字架の上で、柚は身をよじらせる。
頭のよさなら蒼生に負けない彼女だが、少々お堅く生真面目すぎる性格が災いして、上手くアドリブ芝居に調子をあわせることができない。
蒼生はそんな彼女の性格を考えつつ、何とか芝居を続けようと苦慮していた――。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


