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第二部 第25話―ー契約の継承戦 ― 第2章 異星の使者
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蒼い残光がまだ揺らめく空間で、静かに開かれた扉の向こうから風が流れ込んできた。
その風は、ただの空気ではなかった。星々の間を漂う「記憶」の粒子――異なる世界の声が混じる風。
「……感じるか、アルト。」
ファントムが低く問う。
アルトは頷き、胸に残る蒼い紋章へと手を当てた。
「まるで誰かが……呼んでいる。」
次の瞬間、扉の向こうから一人の影が現れた。
長い白銀の衣を纏い、瞳は夜空のように深い。
彼女の背には、羽根のように光を放つ装置が浮かんでいた。
「……やっと継承者が現れたのですね。」
その声は澄み、どこか切なさを帯びていた。
「あなたは?」
アルトの問いに、彼女は微笑む。
「私は〈エリシア〉。かつて地球と契約を交わした異星の代表者の末裔です。」
ファントムが即座に身構える。
「異星……! じゃあ、ルナの涙もお前たちの仕掛けか。」
エリシアは首を振る。
「違います。ルナの涙は、我らと人類の“約束の記録”です。けれど……その約束は半ば忘れ去られ、ねじ曲げられてしまった。」
アルトは息を呑んだ。
「じゃあ……黒い影は?」
エリシアの瞳が揺れる。
「影は“均衡を見守るはずの存在”でした。ですが、数千年の間に役目を失い、ただ力を喰らい続ける怪物となったのです。」
沈黙が流れる。
アルトは短剣を見下ろし、呟いた。
「なら、俺がやったことは……均衡を壊したんじゃないのか。」
「いいえ。」
エリシアは首を振り、そっと歩み寄る。
「あなたは選ばれたからこそ“影を斬る”ことができた。均衡を守るのは、もう旧い存在ではない。――これからは、あなた自身。」
その瞬間、空間の奥から低い轟音が響いた。
再び黒い霧が広がり、裂け目の向こうに巨大な「目」が開く。
「……まだ早かったか。」
ファントムが歯を噛みしめる。
エリシアが叫んだ。
「影の本体が動き出しました! ここでは戦えません、空間ごと呑まれる!」
アルトは光の扉を振り返った。
その先には未知の空――無数の星々が瞬き、まるで彼を待つかのように広がっている。
「異星の……世界か?」
エリシアは深く頷いた。
「そこでこそ、“契約の真実”を知ることができます。アルト――行く覚悟はありますか?」
アルトは迷わなかった。
短剣を握りしめ、微笑む。
「俺は盗賊だ。未来だって盗んでやるさ。」
扉が大きく開く。
光に包まれながら、アルト、ファントム、そしてエリシアは新たな世界へと踏み出していった。
――その先に待つのは、契約の真実か、それともさらなる絶望か。
その風は、ただの空気ではなかった。星々の間を漂う「記憶」の粒子――異なる世界の声が混じる風。
「……感じるか、アルト。」
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「まるで誰かが……呼んでいる。」
次の瞬間、扉の向こうから一人の影が現れた。
長い白銀の衣を纏い、瞳は夜空のように深い。
彼女の背には、羽根のように光を放つ装置が浮かんでいた。
「……やっと継承者が現れたのですね。」
その声は澄み、どこか切なさを帯びていた。
「あなたは?」
アルトの問いに、彼女は微笑む。
「私は〈エリシア〉。かつて地球と契約を交わした異星の代表者の末裔です。」
ファントムが即座に身構える。
「異星……! じゃあ、ルナの涙もお前たちの仕掛けか。」
エリシアは首を振る。
「違います。ルナの涙は、我らと人類の“約束の記録”です。けれど……その約束は半ば忘れ去られ、ねじ曲げられてしまった。」
アルトは息を呑んだ。
「じゃあ……黒い影は?」
エリシアの瞳が揺れる。
「影は“均衡を見守るはずの存在”でした。ですが、数千年の間に役目を失い、ただ力を喰らい続ける怪物となったのです。」
沈黙が流れる。
アルトは短剣を見下ろし、呟いた。
「なら、俺がやったことは……均衡を壊したんじゃないのか。」
「いいえ。」
エリシアは首を振り、そっと歩み寄る。
「あなたは選ばれたからこそ“影を斬る”ことができた。均衡を守るのは、もう旧い存在ではない。――これからは、あなた自身。」
その瞬間、空間の奥から低い轟音が響いた。
再び黒い霧が広がり、裂け目の向こうに巨大な「目」が開く。
「……まだ早かったか。」
ファントムが歯を噛みしめる。
エリシアが叫んだ。
「影の本体が動き出しました! ここでは戦えません、空間ごと呑まれる!」
アルトは光の扉を振り返った。
その先には未知の空――無数の星々が瞬き、まるで彼を待つかのように広がっている。
「異星の……世界か?」
エリシアは深く頷いた。
「そこでこそ、“契約の真実”を知ることができます。アルト――行く覚悟はありますか?」
アルトは迷わなかった。
短剣を握りしめ、微笑む。
「俺は盗賊だ。未来だって盗んでやるさ。」
扉が大きく開く。
光に包まれながら、アルト、ファントム、そしてエリシアは新たな世界へと踏み出していった。
――その先に待つのは、契約の真実か、それともさらなる絶望か。
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