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第十六話
焼き鳥屋
駅から家まで徒歩10分足らず。その中間あたりにある焼き鳥屋は、物心ついた頃には既にある古い店だか味が良く、子供の頃から父が持ち帰ってくるここの焼き鳥を食べている。そして今の店主は私の幼馴染だ。
そのおかげもあり、私のような女一人でも気軽に立ち寄れる、安心安全な店でもある。
とは言え生まれた頃から馴染んでいる店だけに、周りの客も顔見知りどころかむしろ親戚より顔を合わせている人たちや、どうかすると私の両親がいたりする。
そんな店に私は、仕事帰りに立ち寄る。いつものカウンター端に座り、自分で焼酎のボトルと氷、お茶を準備して一人飲み始める。女も三十路に手がかかると、こんな事くらい自然にできる。
「悪ぃな、いつも。」幼馴染の店主がバタバタとうちわを仰ぎながら声をかけてくる。
「気にしないで。手が空いたらいつもの。」
「はいよ」
店は幼馴染とバイトの男の子の二人で回している。カウンター8席と、やはり8人座れる小上がりの小さな店とは言え、地元のそれなりに人通りの多い場所で何十年もやってる店だけあって人気があり、幼馴染もバイト君も忙しく動き回っている。
程なくしてバイト君が「お待たせしました。いつもすいません。」と、お通しを持ってきた。よくあるポテトサラダだが、ちゃんと毎日手作りしていて美味しい。これだけで酒が進む。
SNSを眺めつつポテサラつまみに飲んでいると、"いつもの"砂肝とレバー、それにつくねが運ばれてきた。味は全て塩。つくねも塩だ。
「いただきまーす」
いつも通りカウンターの中の幼馴染に声をかけてから、いつものを口に運ぶ。相変わらず美味しい。間違いない味だ。
幼馴染の彼、実は私のはじめての彼氏であり、ファーストキスの相手であり、初体験の相手でもある。もっと言えば、今でもその関係は続いている。
歳も同じで彼が6月産まれで私が7月産まれ。お互いの親同士も知り合い、というか、うちの父がこの店の常連だったので、昔から一緒に過ごすことも多かった。
小学5年のある日、同じクラスだった二人は、夏休みのグループ課題を片付けるために彼の家…いま飲んでいる店だが…に他のメンバーと集まり課題に取り組んでいた。
その時にリーダーシップを発揮したのが彼で、その姿が当時の私にはとてもカッコよく見えた。
それがきっかけになり、私は彼に恋をして、それに気づいてくれた彼がある日、学校帰りに私を呼び止めて
「あのさ、俺、お前が好きだから。」と、言ってくれた。
「うん。ありがとう。」これが私の返した答え。多分人生の中で一番嬉しかった瞬間。
その後は誰に隠す事なく一緒に帰って同級生に冷やかされたり、宿題を一緒にやったり、たまには近所の河原まで可愛いデートをしたりを繰り返し、その後もなんとなく自然に続き、中学一年の夏にキスをして、三年の秋に初体験…彼も私も地元の同じ高校へ通い、その間もごく普通にイチャイチャして、彼は高校を出てすぐ家の仕事を手伝い、私は一応大学行きながらも帰りは彼の家で焼き鳥をつまみながら彼の顔を眺める日々。そして私が隣町の会社に勤め始めてからも、それは全く変わらない。
そんな仲なので、お互いの両親含めて周囲の人は皆んな口を揃えて「まだ一緒にならないのか」と言う。彼の父も、やはり会うたびに「早く嫁に来てよ」と言ってくれる。
彼の父親、つまりこの店の前店主は、昨年腰と膝を痛めてしまい、早々と家督を彼に譲ってリタイヤ。だから余計に心配なのかもしれない。
もちろん二人にもその気持ちはある。でも、もう少しこの時間を楽しみたいのだ。
そして二人には、他の人たちが知らない楽しみと約束がある。
暖簾を下げてバイト君が帰ると、彼は一通り片付けを終えてからグラスを一つ持って私の隣に座る。
そして私のボトルから焼酎を注いでお茶で割り、二人で「お疲れ様」と乾杯をする。
その後はいつも通りのおしゃべり。他愛もない事をダラダラを話しているうちに、どちらともなく身体を寄せ合い、いつも通りにイチャイチャしはじめる。
彼の住まいは店の裏手にあるが、建屋が別になっているので、ここには今二人きり。出入りする口は全て施錠済み。
もうお互いの身体を知って15年…人生の半分は肌と肌を合わせている仲だけに、ごく自然にキスをして、ごく自然に服を脱ぎ、ごく自然に小上がりで重なり合う。
そしていつも通りに私は氷を一つ口に含んで彼の乳首を舐める。
「くうぅ…これだよなぁ…」彼がまるでビールを飲み干した時のような声を上げる。
そして私は氷を含んだまま彼のチンチンを咥える。またしても彼は「くうぅ…」と声を上げる。
そして今度は彼が氷を口に含み、同じように私の乳首やクリちゃんを刺激する。その度に私も「はあぁ…」と声を上げる。
二人は小上がりやカウンターを使い様々な形で混じり合い、時にはお互いの乳首に秘伝のタレを塗って舐め合ったり、串で痛くない程度に乳首やチンチン、クリちゃんをツンツンしたりと、他人が見たら呆れるような情事に耽る。
もちろん事が終わった後は、二人でちゃんと掃除をしているが。
帰り際に彼が言った。
「そろそろだな」
「そうね」
彼と初めて結ばれた時、二人は一つの約束をした。
「もし、二人が30歳になるまで一緒にいられたら結婚しよう。」
思えば子供心特有のピュアな気持ちで交わした幼い約束。当時の二人にも、まさか本当に約束が効力を発揮するとは思わなかっただろう。しかし結果は、この通りだ。
一番の理由は身体の相性、と言うか、性癖の一致だと思う。側から見たら馬鹿げた性交に見えるような事も、二人だと楽しく出来るし、若い頃からベッドの上より車の中とか店の小上がりとかの方がお互いに燃える。そして大人になるにつれて、それが少々変わった性癖であることに気づいた。
だからお互い、他の異性にいくよりも、今この快楽をともに楽しめるパートナーといたいのだ。
このまま二人は近い将来結婚して、私は狭い店を行ったり来たりしながら彼の焼いた焼き鳥を運び、店を閉めた後はまた、馬鹿馬鹿しい性交に耽りながら子作りをするだろう。
お互い他の異性を知らぬまま、二人だけの世界に耽る人生…楽しみで仕方ない。
そのおかげもあり、私のような女一人でも気軽に立ち寄れる、安心安全な店でもある。
とは言え生まれた頃から馴染んでいる店だけに、周りの客も顔見知りどころかむしろ親戚より顔を合わせている人たちや、どうかすると私の両親がいたりする。
そんな店に私は、仕事帰りに立ち寄る。いつものカウンター端に座り、自分で焼酎のボトルと氷、お茶を準備して一人飲み始める。女も三十路に手がかかると、こんな事くらい自然にできる。
「悪ぃな、いつも。」幼馴染の店主がバタバタとうちわを仰ぎながら声をかけてくる。
「気にしないで。手が空いたらいつもの。」
「はいよ」
店は幼馴染とバイトの男の子の二人で回している。カウンター8席と、やはり8人座れる小上がりの小さな店とは言え、地元のそれなりに人通りの多い場所で何十年もやってる店だけあって人気があり、幼馴染もバイト君も忙しく動き回っている。
程なくしてバイト君が「お待たせしました。いつもすいません。」と、お通しを持ってきた。よくあるポテトサラダだが、ちゃんと毎日手作りしていて美味しい。これだけで酒が進む。
SNSを眺めつつポテサラつまみに飲んでいると、"いつもの"砂肝とレバー、それにつくねが運ばれてきた。味は全て塩。つくねも塩だ。
「いただきまーす」
いつも通りカウンターの中の幼馴染に声をかけてから、いつものを口に運ぶ。相変わらず美味しい。間違いない味だ。
幼馴染の彼、実は私のはじめての彼氏であり、ファーストキスの相手であり、初体験の相手でもある。もっと言えば、今でもその関係は続いている。
歳も同じで彼が6月産まれで私が7月産まれ。お互いの親同士も知り合い、というか、うちの父がこの店の常連だったので、昔から一緒に過ごすことも多かった。
小学5年のある日、同じクラスだった二人は、夏休みのグループ課題を片付けるために彼の家…いま飲んでいる店だが…に他のメンバーと集まり課題に取り組んでいた。
その時にリーダーシップを発揮したのが彼で、その姿が当時の私にはとてもカッコよく見えた。
それがきっかけになり、私は彼に恋をして、それに気づいてくれた彼がある日、学校帰りに私を呼び止めて
「あのさ、俺、お前が好きだから。」と、言ってくれた。
「うん。ありがとう。」これが私の返した答え。多分人生の中で一番嬉しかった瞬間。
その後は誰に隠す事なく一緒に帰って同級生に冷やかされたり、宿題を一緒にやったり、たまには近所の河原まで可愛いデートをしたりを繰り返し、その後もなんとなく自然に続き、中学一年の夏にキスをして、三年の秋に初体験…彼も私も地元の同じ高校へ通い、その間もごく普通にイチャイチャして、彼は高校を出てすぐ家の仕事を手伝い、私は一応大学行きながらも帰りは彼の家で焼き鳥をつまみながら彼の顔を眺める日々。そして私が隣町の会社に勤め始めてからも、それは全く変わらない。
そんな仲なので、お互いの両親含めて周囲の人は皆んな口を揃えて「まだ一緒にならないのか」と言う。彼の父も、やはり会うたびに「早く嫁に来てよ」と言ってくれる。
彼の父親、つまりこの店の前店主は、昨年腰と膝を痛めてしまい、早々と家督を彼に譲ってリタイヤ。だから余計に心配なのかもしれない。
もちろん二人にもその気持ちはある。でも、もう少しこの時間を楽しみたいのだ。
そして二人には、他の人たちが知らない楽しみと約束がある。
暖簾を下げてバイト君が帰ると、彼は一通り片付けを終えてからグラスを一つ持って私の隣に座る。
そして私のボトルから焼酎を注いでお茶で割り、二人で「お疲れ様」と乾杯をする。
その後はいつも通りのおしゃべり。他愛もない事をダラダラを話しているうちに、どちらともなく身体を寄せ合い、いつも通りにイチャイチャしはじめる。
彼の住まいは店の裏手にあるが、建屋が別になっているので、ここには今二人きり。出入りする口は全て施錠済み。
もうお互いの身体を知って15年…人生の半分は肌と肌を合わせている仲だけに、ごく自然にキスをして、ごく自然に服を脱ぎ、ごく自然に小上がりで重なり合う。
そしていつも通りに私は氷を一つ口に含んで彼の乳首を舐める。
「くうぅ…これだよなぁ…」彼がまるでビールを飲み干した時のような声を上げる。
そして私は氷を含んだまま彼のチンチンを咥える。またしても彼は「くうぅ…」と声を上げる。
そして今度は彼が氷を口に含み、同じように私の乳首やクリちゃんを刺激する。その度に私も「はあぁ…」と声を上げる。
二人は小上がりやカウンターを使い様々な形で混じり合い、時にはお互いの乳首に秘伝のタレを塗って舐め合ったり、串で痛くない程度に乳首やチンチン、クリちゃんをツンツンしたりと、他人が見たら呆れるような情事に耽る。
もちろん事が終わった後は、二人でちゃんと掃除をしているが。
帰り際に彼が言った。
「そろそろだな」
「そうね」
彼と初めて結ばれた時、二人は一つの約束をした。
「もし、二人が30歳になるまで一緒にいられたら結婚しよう。」
思えば子供心特有のピュアな気持ちで交わした幼い約束。当時の二人にも、まさか本当に約束が効力を発揮するとは思わなかっただろう。しかし結果は、この通りだ。
一番の理由は身体の相性、と言うか、性癖の一致だと思う。側から見たら馬鹿げた性交に見えるような事も、二人だと楽しく出来るし、若い頃からベッドの上より車の中とか店の小上がりとかの方がお互いに燃える。そして大人になるにつれて、それが少々変わった性癖であることに気づいた。
だからお互い、他の異性にいくよりも、今この快楽をともに楽しめるパートナーといたいのだ。
このまま二人は近い将来結婚して、私は狭い店を行ったり来たりしながら彼の焼いた焼き鳥を運び、店を閉めた後はまた、馬鹿馬鹿しい性交に耽りながら子作りをするだろう。
お互い他の異性を知らぬまま、二人だけの世界に耽る人生…楽しみで仕方ない。
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