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第十八話
天井裏の目
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私の部屋には、女性の部屋には不釣り合いなPCシステムが組まれている。
今時あまり見なくなったフルサイズのタワー型デスクトップパソコンと、大きめのデスク、そこに並ぶ6枚のモニターだ。一見するとデイトレーダーのようだが、私は投資とか株には興味ない。
それぞれのモニターには、同じアパートにあるそれぞれの部屋が映っている。
住人が仕事等で留守にしている時に、天井裏や床下…階下の住人にすれば天井裏だが…伝いに一つ一つ仕掛けた小型カメラの映像だ。
一つ目の部屋は、40代の男性の独り住まい。ゴミ屋敷までは行かないが、かなり散らかった部屋。デジタルに疎いのか、未だにDVDでAVを見ている。パッケージを見ると、どうやらロリ系が好みのようだ。ほぼ毎日のようにマスターベーションをしているのだが、いつもAV女優らしき名前をぶつぶつ呟きながら果てている。
二つ目の部屋は大学生らしい男の子の部屋。部屋も小綺麗でイマドキの大学生という感じの青年。この子は週に一、二回、見た目は少し地味だけど優しそうな彼女を連れてきてはイチャイチャしているのだが、セックスの主導権は彼女に握られているらしい。
三つ目の部屋は新人サラリーマン風の男の子。殺風景な部屋で毎日コンビニ弁当やカップラーメンを食べている。見た目もパッとしない、モテなそうなタイプで、いつもスマホ片手にシコシコと励んでいる。
四つ目の部屋は三十半ばの女性。部屋はさっぱりと片付いてはいるが、逆に生活感がない。彼女がこの部屋で食事をしたり、男性を招き入れたりするのを見た事がない。外泊も頻繁にしているようだし、部屋には殆ど寝に帰ってるだけ。
五つ目の部屋は二十代後半の女性。この人は生活リズムや電話の会話から、恐らく風俗嬢と思われる。部屋は着飾った見た目に反して散らかり放題だ。
そして最後の部屋は…私自身の部屋だ。目の前のwebカメラが捉えた私の映像が映し出されている。ここから私は、自らの淫らなシーンをライブ配信して収入を得ている。
他の部屋を見ながら、今日はあの中年男に犯されるシーンを想像して濡れ、昨日は生活感のない女に罵られる妄想で悶え、明日は大学生を弄ぶ妄想で果て、時には風俗嬢とのレズプレイや冴えないサラリーマンの不慣れで身勝手なセックスを思い描く事もある。
このアパートの住人は、みんな私に犯され、私を犯している。もちろんそれを知るのは私だけだ。時々すれ違う住人たちは、私のそんな淫靡な妄想を知らず、ペコリと会釈をする。
そして私はそれで昂り、また一人乱れる。
今時あまり見なくなったフルサイズのタワー型デスクトップパソコンと、大きめのデスク、そこに並ぶ6枚のモニターだ。一見するとデイトレーダーのようだが、私は投資とか株には興味ない。
それぞれのモニターには、同じアパートにあるそれぞれの部屋が映っている。
住人が仕事等で留守にしている時に、天井裏や床下…階下の住人にすれば天井裏だが…伝いに一つ一つ仕掛けた小型カメラの映像だ。
一つ目の部屋は、40代の男性の独り住まい。ゴミ屋敷までは行かないが、かなり散らかった部屋。デジタルに疎いのか、未だにDVDでAVを見ている。パッケージを見ると、どうやらロリ系が好みのようだ。ほぼ毎日のようにマスターベーションをしているのだが、いつもAV女優らしき名前をぶつぶつ呟きながら果てている。
二つ目の部屋は大学生らしい男の子の部屋。部屋も小綺麗でイマドキの大学生という感じの青年。この子は週に一、二回、見た目は少し地味だけど優しそうな彼女を連れてきてはイチャイチャしているのだが、セックスの主導権は彼女に握られているらしい。
三つ目の部屋は新人サラリーマン風の男の子。殺風景な部屋で毎日コンビニ弁当やカップラーメンを食べている。見た目もパッとしない、モテなそうなタイプで、いつもスマホ片手にシコシコと励んでいる。
四つ目の部屋は三十半ばの女性。部屋はさっぱりと片付いてはいるが、逆に生活感がない。彼女がこの部屋で食事をしたり、男性を招き入れたりするのを見た事がない。外泊も頻繁にしているようだし、部屋には殆ど寝に帰ってるだけ。
五つ目の部屋は二十代後半の女性。この人は生活リズムや電話の会話から、恐らく風俗嬢と思われる。部屋は着飾った見た目に反して散らかり放題だ。
そして最後の部屋は…私自身の部屋だ。目の前のwebカメラが捉えた私の映像が映し出されている。ここから私は、自らの淫らなシーンをライブ配信して収入を得ている。
他の部屋を見ながら、今日はあの中年男に犯されるシーンを想像して濡れ、昨日は生活感のない女に罵られる妄想で悶え、明日は大学生を弄ぶ妄想で果て、時には風俗嬢とのレズプレイや冴えないサラリーマンの不慣れで身勝手なセックスを思い描く事もある。
このアパートの住人は、みんな私に犯され、私を犯している。もちろんそれを知るのは私だけだ。時々すれ違う住人たちは、私のそんな淫靡な妄想を知らず、ペコリと会釈をする。
そして私はそれで昂り、また一人乱れる。
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