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チョコレート
しおりを挟む「はい、チョコレート」
優しい声が聞こえた。
放課後になると。、2人はいつも
誰もいない科学教室に集まってチョコレートを食べる。
クーラーも効かない部屋。
溶けかけたチョコレートがなんだか少し
泣いているように見えた。
「元気ないね、どうしたの?」
優しい声の彼女が話しかけてくる。
「明日、俺が死んだらどうする?」
そんな冗談を言ってみた。
「どうもしないよ」
彼女は少し冷たくそう答えた。
「そうだよな」
俺たちの関係はなんでもない。
ただ放課後に集まって2人でチョコレートを食べながら、
どうしようもできない、どうしたらいいのか分からない、17歳の自分たちの話を
するだけ。
それでも、
夏、この時間がいつまでも続けばいいと思った。
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