女の子が地面に突き刺さっている

藤田 秋

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コンタクトが爆発する話

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「……は?」
 俺の言葉を遮り、彼女はとんでもないことを言い出した。
 コンタクトが爆発する? 何故?

「ですから、じっとしててくださいね! すぐ見つけますから!」
 彼女は片目を瞑りながらもなお、コンタクトの捜索を続けている。スカートがめくり上がっているが、短パンの防御力もあって然程気にしていない様子だ。

 ちょっと待て、そんな普通に話を進めないでくれ。

「いやいやいやいや! 何で爆発するの!? コンタクトが!!」

「うーん、ワンデーだから?」
「それは関係ねぇだろ!」
 だったら今頃、日本中のごみ箱は爆弾だらけだ。

「と、とにかく、今は冷静に……」
「んな意味不明なこと言われて冷静になれるか!?」
 目に爆発物を装着していたなんて、狂気レベルが高過ぎる。それが足元に落ちてるとか殊更頭おかしいだろ。

「もう、ウダウダやかましいです! 尺がおしてるんですから黙っててくださいよぅっ!」
「尺って何だ!」
 彼女は俺の質問には答えず、地面を這い続けた。

 到底信じられる話ではないが、彼女の真剣さと必死さが、その御伽噺に真実味を与える。本当に爆発物が落ちており、今はお手軽地雷原が足元に広がっているのだと。
 だからこそ、俺は動けなかった。

「あのさ、何で爆発するコンタクトなんかつけてるの?」
 と、ぽつりと疑問の言葉を投げ掛けると、彼女はゆっくりと振り返った。キョトンとしており、今の状況でなければ可愛いなぁと吐息が漏れただろう。

 彼女は意味深な表情を浮かべた。

「尺の関係でハショります」
「オイ!!」
 俺のツッコミを無視し、彼女は手を止めて表情を明るくする。

「あ、あった!」
「よかったね」
 どうやら爆弾が見つかったようだ。
 彼女は人差し指に透明の円盤を吸着させ、そっと拾い上げた。

「お騒がせしてすみませんでした」
「いえいえ」
 彼女は俺にぺこりと頭を下げ、スカートを揺らしながら走っていってしまった。

 進行方向はうちの学校と同じだ。というか制服が同じだし、当たり前だな。

 俺は制服に着いた埃を払い落とし、鞄を持ち上げた。
 もう遅刻だな。まぁ仕方ない、王道に遅刻は付き物だ。

 フッと笑い、一歩を踏み出し——パキッ。

「え?」

 ——その日、ニュースで謎の爆発が全国で報道された。
 死亡者は男子高校生一名。
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