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第四章登場分用語集

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・グルケモール
 その女神は、言い伝えによると、愛する子供を人間に殺されて、人類全てを滅ぼし、人類の作品であるところの人類史ですら破壊しようとする、文化に属する人間からすれば、純然たる悪神。(第四章第三節より引用)

クィア群地に伝わる神話に出現する、女神の一種。また、タイトルの「グルケモール」の由来。
(ナクトは普通にドイツ語由来です。そもそも『夜』なんて、視覚のない世界に存在するんでしょうかね?)

・赤い月
 普段ならこんなにも、感覚を覚えない物質なのに。
 誰も月の存在なんて気にせずに歩いて、生きて、そして死んでいくのに。(第四章第三節より引用)

普段備えていない感覚が表出した……「認識できるようになった」ことを示す単語。レッテンスパインの文化では、一般的に「不吉な予感」を表現するために使われる単語だが、この単語を使う者は本当に赤い月を見たことはない。
なぜなら、赤い月を見た後に生きていられる者は一人もいな「かった」からである。

・文化的でない最低限の生活
(この小説を読んでいる人の99%以上が日本人であることを信じて書き記す)生活保護は「文化的な最低限度の生活」を目指して行われる制度であるが、実際のところ、せっかく稼いだ金銭も取られてしまうと聞く。現実世界、ひいては現代日本では、スマートフォンまで差し押さえられることはないのだが、本文書における「文化的でない最低限の生活」は即ち「スマートフォンまで差し押さえられたホームレスの生活」という意味になる。

知っておいて損はない概念リスト
・サードマン現象(最も、セキラ自身がサードマンだが)
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