昭和官能小説ショートショートショート

露木阿乱

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「還暦を過ぎても精力旺盛の夫に、妻は友人の女性をあてがい家庭の平和を願った」

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「気をつけて。楽しんできてね」
 早朝、妻や息子夫婦から温かい見送りを受け、車を走らせている。
 六十五でリタイヤした後、趣味の温泉巡りをしている。
 町外れにあるマンションの前には、百合香さんがすでに待っていた。
 旅行カバンにおしゃれなワンピース姿だ。助手席に乗り込むと、すぐに軽くキスをする。
「よく似合うね」
 そう言いながら、つい百合香さんの太ももに手をやってしまう。
「安全運転でお願いします」
 念押しながら、百合香さんの指先は、私の股間をまさぐっている。
 彼女は、当然、妻ではない。還暦を過ぎたばかりの、未亡人だ。
 百合香さんは、私の妻の友人でもある。つまり、私は妻の友人と浮気していることになるが、この関係は妻が進めたもので、その点、浮気に当たるかどうか定かではない。

 経緯はこうだ。私は、若い頃から精力旺盛で、高齢になっても、性欲は衰えなかった。逆に妻は、閉経痛もあり、セックスをいやがるようになり、最初は潤滑液などを使っていたが、もともと性に積極的ではなかった妻は、私との同衾さえ避けるようになった。
 日増しに私のイライラがつのり、些細なことで口喧嘩をするようになっていた。しかし、お互い離婚までは考えていなかった。このような場合、病気は心配だが、夫に風俗を進める奥さんもいるらしい。
 対して、妻は、百合香さんを薦めたのだった。
 昔からの友人の百合香さんは、亡くなったご主人から、たびたび暴力を受けていて、妻はその相談をしばしば受けていた。そのご主人かろ突然の病で亡くなって、今は開放感いっぱいで、二度と結婚したくない、と話していたことを知っていたからだ。
 その上、夫にピッタリだったのは、猥談が好きで、男好きのする好色な女性だった。
 とはいっても、自堕落ではない。全体的には普通の主婦の範疇に入る女性だった。
 最初、妻は、知人のいない街のホテルを勧めた。
 そのお膳立てで、肌合わせをした結果、定期的に百合香さんと温泉巡りをするようになっていた。妻は私のイライラから逃れられるし、私たち二人も思う存分、性欲を発散できて、すっきりした状態で帰宅することができた。
 インターチェンジを出てしばらく行って、人気のない側道で車を停めた。
 百合香さんは、私のズボンのチャックを開くと、少し膨張気味の肉塊を取り出し口に含んだ。その間、私は夢うつつのひと時を過ごしていた。
 いくら時間がかかっても、私が射精するまで、百合香さんはこの作業を続けてくれる。
 やがて、私は、百合香さんとノド奥に本日、一度目の白濁液を打ち込んだ。百合香さんは、それを飲み干しながら、「今日も元気ね」と笑いかけた
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