東大生とギャルの入れ替わり

ジャンタマオ

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知能入れ替わりルーレット

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地味で目立たないが、東大理学部に通う**佐伯 結花(さえき ゆか)**は、毎日を勉学に捧げていた。研究室と図書館を往復するだけの生活。華やかなキャンパスライフとは無縁だったが、それなりに満足していた。

一方、同じ大学に通う別学部のギャル、星野 美咲(ほしの みさき)。派手なネイル、まつエク、金髪ロング。講義にはほとんど出ず、SNSと合コンとコスメの研究ばかりの毎日。だが彼女は「映え力」と愛嬌だけで、講義もギリギリパスしてきた。

ある日、キャンパスに謎の“ルーレット占い”が設置される。
「あなたの運命、少しだけ変えてみませんか?」
軽い気持ちで美咲が挑戦すると、偶然そこにいた結花も巻き込まれ――

カチッ、カチッ…ルーレットが止まる。
表示されたのは「知能 交換」――。

次の瞬間、二人の中で“知能”がごっそりと入れ替わった。



星野美咲(中身:結花)
「えっ、えっ、なにこれ……? 数式が……見える……?」

化粧ポーチを開く手が止まり、代わりに数学の公式が脳内で浮かぶ。
SNSのハッシュタグよりも、微分積分が自然と理解できる。

「このリップの反射率……まさか、スペクトル分析でこうなるってこと?」

その夜、彼女はメイク道具を前に、成分の分子構造をノートに書き出していた。
勉強にハマり、急激に成績が上昇。だが周囲は違和感を覚える。

「え、美咲ちゃんって、そんなに頭良かったっけ……?」

彼女は笑顔で答える。

「うん、ちょっと脳の回路、アップデートされちゃって♪」

佐伯結花(中身:美咲)
一方の結花は――白衣姿で研究室に立ち尽くしていた。

「え、えっと……グラフってどう読むんだっけ? この線、可愛い……」

ホワイトボードの数式を前に涙ぐむ。ペンは正しく持てるのに、内容が頭に入らない。代わりに気になるのは、他人の視線、自分のメイク、服装、そして“映え”。

ある日、鏡の前で自分に語りかけた。

「……こんなに可愛かったんだ、私って」

周囲の男子の視線が心地いい。
結花はしだいに、学問よりも「美しさ」の価値に惹かれていく。


数週間後――ふたりは再びルーレットの前に立つ。

結花(中身:美咲)はルーレットを前に言った。

「戻したい気持ちもあるけど……これも、アリかなって」

美咲(中身:結花)も頷く。

「私、やっと自分の頭を活かせてる気がするの」

もう一度回すか――それとも、このまま歩み続けるか。
二人は、今の自分に微笑んだまま、ルーレットを見送った。


「星野美咲って……あのギャルでしょ? なんで物理学概論のレポートが東大賞なんか獲ってんの?」

周囲はざわついた。
タイトなニットにミニスカート、ネイルはキラキラ、スマホにはデコレーション。
教室の誰もが、彼女を“見た目だけの派手なギャル”だと決めつけていた。

しかし、今の彼女の中身は、かつて東大理学部で最も地味で努力家だった佐伯結花。
知能のルーレットで美咲の身体に宿って以来、彼女は見た目のギャップを逆手にとるようになる。


「顔立ちは整ってる。だけど“配置”がもったいないのよね……」

美咲の身体を鏡で見つめ、彼女は言った。
科学的な分析力をもって、美のバランスを徹底的に研究し始める。
黄金比、肌のトーン、姿勢、笑顔の角度。
見た目の魅力さえも、物理や統計学の“計算”で最適化していった。

「美は、設計できる」

ギャルメイクを進化させ、彼女は“学問に裏打ちされた美人”として周囲の目を奪っていく。


カフェの片隅、派手な服装の彼女がMacBookを開くと、誰もが「インスタ更新か?」と覗き込んだ。
だが画面には、量子ドットの発光特性に関する英語論文が表示されている。

講義で教授が質問する。

「この理論、誰か解説できる人いるか?」

美咲(中身:結花)が手を上げる。誰もがざわつく。

「光子の波長干渉を説明するには、まずエネルギー準位を…」

教室が静まり返る。
その口から出るのは完璧な論理と、わずかな微笑み。


学会発表では、ミニスーツにハイヒール。
見た目だけなら雑誌のモデルのような美しさ。
しかしその口から語られるのは、最先端の量子通信技術。
取材陣も、論文審査員も、ただただ圧倒される。


「見た目が派手でも、頭脳は宇宙のように深い。それが彼女だ」と。

第五章:あの子、誰?
学内ポスターに、**美咲(中身:結花)**の写真が載る。

「東大最年少女性准教授就任」
「新時代の知性、美と理論を両立する異才」
「彼女は東大のイメージを変えた」

キャンパスを歩く彼女を、昔の自分を知る学生が遠くから見てつぶやく。

「あれ……あの子、星野美咲? なんか……すごく綺麗で、でも、怖いくらい賢そう……」


鏡の前で、彼女は整った自分の顔に口紅を引きながら、こうつぶやく。

「これが“美咲”という身体の限界だと思ってた? まだよ。私が引き上げてあげる」

知能の交換がもたらしたのは、ギャルから天才への“逆転”ではない。
知と美が融合し、新しい自分を創り出す革命だったのだ。


「星野美咲……? あのギャルが、統計物理の応用で満点?」

教授陣は首を傾げたが、内容には一切の不備がなかった。
緻密、論理的、かつ“見せ方”まで完璧なそのレポートは、むしろ“魅せるための科学”だった。

美咲(中身:結花)は微笑みながら、教授に言った。

「先生、こんなレポートを出す私が単位を落とすこと、ありませんよね?」

次の瞬間――教授は頷いていた。


美咲の容姿は、見る者の目を釘付けにする。
ふわりと香る香水、タイトなワンピース、軽く首をかしげて微笑むだけで、男子学生はもちろん、助教さえも言いなりになっていく。

だが本当の怖さは、その裏にある知性の罠だった。

「この論文、もしバレたらあなたのキャリア終わりですよね?」
「……ええ、でも、私が守ってあげますよ。協力してくれたら」

彼女は情報を操り、弱みを握り、対立する者を“論理”と“魅了”で完全に封じ込めていった。


ある日、学内でハッキング事件が起きる。
警察が学内調査に入るが――不思議なことに、捜査は途中で打ち切られる。

「彼女にだけは手を出すな」
そう上層部から圧がかかったのだ。

刑事に接触した美咲は、あくまで無邪気にこう言った。

「このスマホの中、見たいですか? でも、見たら人生終わるかも……♡」

その意味を悟った刑事は、深くうなずき、足早に立ち去った。


東大の講堂で開かれたシンポジウム。
壇上に立った彼女は、ただの学生ではなかった。

学内では誰もが逆らえない“非公式の女帝”

教授会では発言一つで人事を動かす

警察さえも距離を置く存在

彼女は“知”と“美”を使いこなすことで、あらゆる組織を**「自分の駒」**に変えていった。


キャンパス内の誰もがこう口をそろえる。

「星野美咲に関わるな。すべて読まれている」

その日も、ミニスカートの彼女が図書館で論文を綴っていた。
ページには難解な数式と、明晰な戦略、そして――

「次のターゲット:文部科学省」

彼女はスマホを片手に、小さく笑った。

「さて、今日は誰を操ろうかしら?」

誰にも悟られず、彼女は社会の仕組みそのものを支配していく。



政界のパーティー。
総理大臣・大河内達也(おおこうち・たつや)は、彼女と目が合った瞬間、思考を奪われた。

「……あの娘は、誰だ?」

若き女研究者、星野美咲(中身:佐伯結花)。
美しさ、気品、そして言葉の隅に垣間見える深い知性――
彼女はあくまで控えめに接しつつ、彼の“弱さ”を的確に見抜いていく。

「総理、ご自身が決断できないこと、私が代わりに考えましょうか?」

それは甘い誘惑ではなく、知略による“囲い込み”だった。

数ヶ月後、大河内総理は極秘裏に彼女と結婚。
周囲は驚いたが、誰も逆らえなかった。
彼女の意見は「提案」から「方針」になり、やがて「決定」へ。

内閣、官僚、警察、メディア――すべてが彼女に従うようになっていった。


「日本の外交は、私がやります」

そう言って彼女はG7首脳会談の場に立つ。
各国の首脳陣は最初、彼女をただの“総理夫人”と侮っていた。
だが彼女は、完璧な英語と数ヶ国語で各国首脳の心理を見抜き、言葉巧みに誘導していく。

「あなたの支持率が不安定なのは、この構造問題が原因ですよね?」

「私の提案を飲めば、あなたの政権は安定します。すべて計算済みですから」

各国首脳が微笑み返す頃には、彼女は既に手綱を握っていた。


彼女はまず通貨政策に着手した。
各国の中央銀行を「提携研究機関」として包み込み、AIによる金融予測システムを配布。

「これは、世界を救うテクノロジーです」と彼女は語ったが――
その裏には、自分が開発した“経済制御アルゴリズム”が組み込まれていた。

気づいたときには、各国の経済は彼女の手のひらの上だった。


ある日、SNSで世界中の人々が同時に投稿する。

#MISAの時代へ

アメリカ大統領は言う。
「我々の国家戦略は彼女の提案に従うことにした」
EU首脳は言う。
「むしろ、こちらから頼んでいるのだ。彼女は希望だ」

だがその裏には、彼女に弱みを握られた者たちの静かな沈黙があった。


東京の超高層ビル。
世界各国の要人から贈られた宝石や機密文書が収められた部屋で、彼女は窓の外を眺めていた。

「征服なんて、目的じゃないの。
みんなが“私の考え”で動けば、無駄がないでしょ?」

口元には、柔らかな笑み。
だがその瞳の奥には、冷ややかな知性が光っていた。



東京、超高層ビルの一室――
全世界を手中に収めた**美咲(中身:結花)**は、飾り気のないルーレットを見つめていた。

「懐かしいわね……あの時、知能を手に入れて、私は世界を変えた」

だがその瞬間、何者かが現れ、ルーレットを無理やり回す。

カチッ、カチッ、カチッ……『知能:再交換』

白い光が部屋を包み、気づいた時――
中身:ギャル美咲の知能が、再び身体:ギャル美咲に戻っていた。


周囲は騒然とした。

「えっ? あれ……あたし、なんでこんな高層ビルにいるの? 総理の席ってなに!? てか、これサインしていいやつ!?」

だが既に政府、国連、金融、SNS、AIシステムまですべてが“美咲の意思”で動く構造になっていた。

「やっば、マジであたし世界のお姫様じゃん♡」

混乱した閣僚たちに、美咲はこう言い放つ。

「これからの世界は、かわいさが正義ッス! 名付けて――世界かわいい計画♡」


各国に通達される新たな法案。

全成人女性に週1回のギャルメイク講習義務

政府職員はネイル検査と日焼け色チェック

軍服もピンク基調のデザインへリニューアル

教科書には「マジ卍」「それな」の用語解説を追加


抗議の声はあがる……が、誰も逆らえない。
なぜなら、美咲の影響下にある**AIシステム「MISA-CORE」**が全情報を握っており、どの国の首脳も黙るしかないのだ。


見た目は滅茶苦茶。
世界中でギャルメイク、プリクラ制度、カラコン規制の自由化。
だが、争いは消えていた。

見た目に気を使うことで、互いを褒め合う文化が広がる

ギャル語での対話が感情的な衝突をやわらげる

世界会議もプリ帳片手に行われるようになり、「戦争よりカワイイが勝つ」のが常識となる

かつて武力で語った国が、今は盛れた写真の撮り方を議論している。


高層ビルのバルコニーで、風に髪をなびかせながら、美咲はつぶやく。

「征服とかムズくてマジ無理だったけど、
みんながギャルってだけで、なんか世界明るくね?」

彼女の後ろには、世界各国の首脳たち――
ピンクのスーツ、カラコン、ハイライトメイクで敬礼する。

「せーの、マジ卍!」

世界は狂っていた。
だが、美咲の世界は――史上最も平和だった。



知能交換ルーレットの後、美咲の中身となった佐伯結花は――
世界征服を成し遂げた“元・自分の知能”により、ギャル化政策を受け入れざるを得なかった。

「爪、キラキラにしないと処分対象っスよ?」
「今日のプリクラ、まだですけど?」

――周囲の視線、カラコンの違和感、厚化粧の重さ。
本来の自分とは程遠い“外見だけの女”として笑顔を作るたびに、結花の胸には静かな怒りが溜まっていった。


だが、彼女は泣かない。
むしろその“ギャルの仮面”を利用し、美咲の中枢に近づいていく。

MISA-COREのAI制御網に密かにバックドアを仕込む

各国の“かわいい大臣”と呼ばれる首脳夫人たちと秘密裏に接触

ギャル語を使いこなしながら、その裏で心理操作と政治誘導を行う

そして、美咲の側近として最も信頼を受けるポジションに昇り詰める。

「結花って、マジでギャルレベル高いっしょ♡」
(――それはあなたの知能で作った言語、当然よ)


世界かわいい会議。
美咲が全世界に向けて演説を行うその日。
舞台裏で、佐伯結花は“最後のトリガー”を押す。

「MISA-CORE、制御権限切替開始」
「全通信衛星、ルーティング再構築」

スクリーンに映る美咲の笑顔が、突如として停止する。
そして代わりに映し出されるのは、ギャルメイクのまま冷笑を浮かべる佐伯結花。


「皆さん、こんにちは。“真の支配者”からお知らせです」
「“かわいい”は廃止します。これからは“賢さ”が価値です」


ギャル化された外見のまま、世界の支配権を掌握した佐伯結花。
だが、彼女はメイクもネイルもやめようとしなかった。

「“かわいい”は、利用できる」
「“馬鹿に見える仮面”は、賢い者が被れば最強の武器になる」

世界は驚き、混乱する。
だが皮肉にも、美咲が築いた仕組みは、彼女自身に最適化されていたのだ。

「征服とは、美も知も使いこなすこと。私はその両方よ」


バルコニーに立つ結花は、かつてのように風に髪をなびかせながら微笑む。

「美咲、あなたのおかげで学べたわ。
外見と中身、どちらも武器にできたら――世界は誰にも止められない」

そして、世界各国の指導者たちは今、ネイルを整えながら、結花の名を讃える。
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