if中二病が異世界転移したら

梅宮 姫乃

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宮廷魔術師団入団編

6話 ザザンの店

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 『世界一分かりやすい魔法入門

 著:高橋 健之』

 おぉこれは理解できない訳だ。ってそもそも読めないんじゃないだろうか。

 『魔法とはマナを媒介として発動者のイメージを具現化するものと事象を変更させるものがある。これらははイメージがより鮮明であるほどに魔法の威力は上昇する。また魔法はその規模によって魔力を消費する。魔力の多い者はより規模の大きな魔法を発動することが出来る。魔法の発動のプロセスは、魔力を使用してマナに干渉し、マナがイメージを元に魔法を発動させる。
 以上が魔法に関する初歩的な知識だ』

 この後は永遠と魔法の名前と効果が書いてあった。

 「うん、問題ないので買わせて頂きます」
 「それは良かったでは他には何か欲しいものなどございますか?あればなんなりと、大抵の物は御用意致しますので」
 「大丈夫ですのでお支払をお願いします」
 「ではミスリルの刀が金貨八枚で解毒薬、解石化薬、解麻痺薬がそれぞれ五つで銀貨十五枚、魔法書が銀貨五十枚ですので合計が金貨八枚と銀貨六十五枚になりますね」

 タカスギから金貨九枚を出すとザザンさんに渡す。ザザンはそれを受けとると掌で俺にも見えるように確認をし、銀貨三十五枚を渡してきた。

 「ありがとうございました。あ、そうだ。ランベルトの旦那、明日新しいマナブースターが入るから是非見に来て下さいね」
 「まじか、絶対行くぜ」
 「なぁランベルト、マナブースターってなんだ?」
 「マナブースターってのはお前にやったやつの事だよ。それは機能だけをつけた量産品だが他に特別な意匠が施されたやつがあってよ、俺はそれを集めてんだよ」

 そんなものもあるんだな。マナブースターってんだから魔法の威力が上がるのかと思ったが違ったんだな。

 俺達は買い物を済ませるとお店をあとにした。思ったよりも長居してしまい外は暗くなってきていた。

 「もうこんな時間か、竜次今日は内に来い。泊めてやるよ」
 「いやさすがに悪いよ」
 「いいさ、遠慮するな。その分騎士団に入ったらしっかりと働いて貰うからよ。それまでしっかりと鍛えとけよ」
 「そうゆうことなら、わかったよ」

 と、いうことで今日はランベルトの家に泊まることになった。そうは言っても騎士団の宿舎に住んでいるようなのだが。宿舎は詰め所の近くにあった。階段を登り二回の奥の部屋だ。中に入るとかなり広かった。十八畳位のリビングと六畳位の客室が一部屋にランベルトの部屋が一部屋、台所にトイレとお風呂までついていた。ひょっとしてランベルトって結構偉い人なんではないだろうか‥‥‥

 「適当に座って待っててくれ。なんならさっきの本を読んでてもいいぞ」

 お茶を出してランベルトはそう言ってくれた。ありがたくお茶を頂くとランベルトは台所へ戻っていった。

 「なぁなにするんだ?」
 「おま、台所に行ってすることっつったら料理以外何があるんだよ」
 「そうか、いや確かにそうなんだがランベルトが料理とか意外すぎて‥‥‥すまん。しかし、この部屋やけに元の世界に似てんな」
 「あぁ、そりゃトイレとかは外の人がかなり変えたらしいからな」
 「そうなのか、そう言えば水とかはどうしてんだ?」
 「そりゃ魔法で出すに決まったんだろ」
 「でも魔法を使える人は少ないって書いてあったぞ」
 「それは攻撃とかのやつだ、生活で使う程度の水を出すとか火を出す位なら誰だって出来るさ」
 「そんなもんか‥‥‥」

 そうゆうのを聞くと魔法って便利だなって思う。しかし、トイレがあったのは凄い。異世界で今までの家の造りをみてるとトイレとか風呂とかはあまり期待していなかったのだが‥‥‥本当に良かった。

 先輩、ありがとう!

 暫くは買った本を読む。本当に色々な魔法が書いてある。鎌鼬からエクスプロージョンなんてものまで様々だ。これは是非とも覚えたい。ちなみに鑑定の魔法を使うとき組合の人が言っていた詠唱は魔法の発動を補助するためのものらしい。詠唱はイメージを言葉にするもので人それぞれ違うんだとか。

 「待たせたな」

 そう言ってランベルトが料理を持ってくる。スープにドリアのようなものとキッシュのようなものを持ってきてくれた。

 「これは?」
 「この国の最もポピュラーな料理だ。野菜と鳥肉のスープにクルルアってゆう麦を蒸したものに野菜をのせて、更にクルアってゆうまぁチーズみたいのをかけて焼いたものだ。あとはキッシュだ。これは外の人も知っているらしいな。まぁ食ってみろ不味くはねぇから」
 「へぇ、頂きます」

 まずはスープからだ。温かい、体が温まる。鳥の出汁が効いていて美味しい。次はクルルアだ。チーズみたいに伸びるわけではないんだな。いざ!

 「ん!‥‥‥これやべぇ凄く旨い!」
 「そうか、そりゃ良かったぜなんならまだ作ってやるよ」
 「さすがにいいよ。でもまた食べたいな」
 「いつでも来い。また作ってやるから」

 いや本当に旨い。クルア、これは伸びないチーズだ。ソースが入っているのだろうか、麦によく染み込んでいて本当に旨い。歯ごたえのある野菜もいいアクセントになっている。
 最後にキッシュだ。ここまでランベルトの料理にハズレはなかったからこれもかなり期待できる。━━━━おぉ確かにキッシュだ。少し辛いがいい!本当に旨い。俺は出された料理をあっという間に食べてしまった。

 「いやまさかここまで旨いとは‥‥‥」
 「だろ、だてに毎日作ってねぇぜ」
 「毎日作ってんのか!?」
 「そりゃな、そっちの方が買うより安いしな」
 「そうなのか、よかったら今度俺にも教えてくれよ」
 「いいぜ、みっちりしごいてやる」

 この後は1日ぶりの風呂に入って寝た。今日は1日が凄く短く感じられた。それぐらい濃密な日だったのだ。これからが楽しみだ。

 で、なんだこれは‥‥‥

 『わり、今日朝一で会議なの忘れてたわ。飯は置いてあるから適当に食って行ってくれ。部屋の鍵は宿舎の管理人に渡してくれればいいから。んじゃま頼んだわ』

 おいおいおい、不用心すぎるだろ!昨日あったばっかの奴置いて仕事行くか?

 取り敢えず用意してあった飯を食うと台所へ行く。桶に水が貯めてあったのでそれで洗うと脇に置いておいた。それから戸締まりを確認すると鍵を閉めて下へ降りる。年寄り(七十過ぎくらいだろうか)の管理人に鍵を預けると俺は組合へ向かった。
 朝の街は昨日よりも賑やかに見える。実際はたいして変わらないだろうが、こんな喧騒をそよに俺は組合の扉を開く。

 「あ、間宮様おはようございます」
 「おはようございます」

 昨日のイケメンが今日もイケメンスマイルで挨拶してきたのでとりあえず返しておく。なんだろう。イケメンが昨日よりもイケメンに見える。

 「今日はランクアップの試験を受けたいのですが」
 「わかりました。ではこの札を持って闘技場まで行って下さい。あ、闘技場ってゆうのは組合を出て右手に見える一番大きな建物のことです。そこで試験を行いますので」

 俺はイケメンから木の札を受けとる。そう言えば昨日からずっと彼の事をイケメン、イケメンと読んでいるが名前はなんていうんだろうか。

 「あの、すみませんお名前をお伺いしてもよろしいですか」
 「いいですよ。私はダルゲルって言います」
 「そうですか、ダルゲルさんこれからもよろしくお願いします」
 「はい、此方こそよろしくお願い致します」

 イケメン、もといダルゲルさんと挨拶をすると俺は闘技場コロッセオに向かった。
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