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始まりの音
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時代はやがて終わりを告げる。
それはいかなるものも例外ではない。
そう━━━━ですら━━━━のように終わりを告げるのだ。
風に運ばれて僅かに塩の香りがする。俺は気がつけばそこに座っていた。半袖のシャツにジーンズという格好だが寒くはない。むしろ少し暑いくらいだ。
なぜ俺はここにいるのだろう━━━━
「お兄さん、お兄さん、冷たい飲み物はいらんかね」
ふと顔をあげるとそこには髪の毛を後ろで一つに結んだ少女が大きなクーラーボックスを肩から下げてこちらを見下ろしていた。
「すまんな、喉は乾いていないんだ」
「そうですか、ではまた」
そう言うと彼女は小走りに階段を駆け上がるとまた別の人に売り込みに行った。
俺はなにもする事がなかったので砂浜に寝転ぶと目を閉じる。
「おに~さん」
またさっきの子が戻ってきたのだろうか、俺が目を開けると今度は別の子がこちらを見下ろしていた。
「ねぇ、ミナと遊ばない。ミナはねミナって言うの。豊岬ミナ、お兄さんの名前は?」
「なぜ、名乗らねばならんのだ」
「え~けちんぼ。減るもんじゃないしいいでしょ、ねぇ、教えてよ」
「うるせえな、俺はソウマ、霧峰ソウマだ。ちなみにお守りはしない」
ぐ~
間が悪くお腹の虫がなく。
「ソウマさんお腹空いてるの?じゃあこれあげる」
彼女はスカートのポケットから一枚のお煎餅を取り出して俺に渡した。
「なぜ煎餅、くれたからと言って遊んではやらんぞ」
「いいよ、そうゆうつもりであげるんじゃないもん」
俺はミナからもらったお煎餅の包装を無造作に破くと中のものを食べた。
「なんだ、その‥‥‥ありがとう」
「どういたしまして、ソウマさんそろそろ暗くなるけどお家に帰らないの」
コテっと、首を傾げて此方を見下ろしてくる。
家、どうしてそんな事を聞くのだろう。家‥‥‥
「すまんな、どうも記憶がなくて」
「そうなの!?大変。なら家に来なよ」
「いいのか」
「いいよ」
「でも、親とかには」
「ミナ親いないから」
ミナはその事をなんでもないように、笑顔で答えた。
「そうか、すまなかった。じゃあ世話になる」
「うん」
ミナの家は一人暮らしには寂しいくらいの広さだった。リビングが一部屋に和室が二部屋、キッチンとトイレ、風呂場に洗面所がついた3LDKだ。
「ちょっと待ってて今ご飯作るから」
そう言うとミナは手を洗い台所へ向かう。
コトコト、トントン、タタタタ。
リビングにリズムよく料理をする音が聞こえる。
「なに作ってんだ?」
「えーうんとね、ヒミツ」
「そうか‥‥‥」
外では蝉がうるさく鳴いている。俺は重たくなってきた瞼をとじた。
「‥‥‥マさん、ソウマさん」
「んぁ?」
「ご飯出来たよ」
見るとテーブルにはところ狭しと料理が並んでいた。
「久しぶりに他の人と食べるから張り切っちゃった」
「こんなに沢山‥‥‥凄いな」
「そお?ありがと。ほら早く食べないと冷めちゃう」
「そうだな。いただきます」
「いただきます」
パリポリパリ。ズズズズー。サクサク。
どれも見事な味だった。
「ごちそうさん」
「お粗末様でした。ふふふ、ミナこうゆうの夢だったんだよね。ありがと」
「そうか、良かったな」
「うん!お風呂沸いてるから入っていいよ」
「すまないな」
俺は風呂に入ると潮風を浴びた髪を痛まないように丁寧にシャワーで洗うと湯船に浸かった。
「ふあぁぁぁ」
「お先にって、もうねちゃったか」
ミナはテーブルにふせて寝てしまっていた。俺はミナの部屋に入ると敷いてある布団から掛け布団を取り伏せて寝てるミナにそっとかけてやる。
「ムニャ~ソウマさん、そっちは駄目ですよ~」
「どんな夢をみてんだか」
俺はもう一つの部屋に用意された布団の上に横になると静かに眠りについた。
「おはようソウマさん」
「ああ」
「わあ、ソウマさん朝ごはん作ってくれたんだ。ありがと」
「いいさ、それよりも昨日風呂に入らないで寝ただろ。臭くなるからシャワー浴びてこい」
「も~ソウマさん意地悪言わないのっ!」
そうゆうとミナはそそくさと風呂場へ行く。
「ごちそうさま、行ってくるね」
「どこか行くのか」
「学校だよ。どこか行くときは鍵かけてポストに入れといて」
「ああわかった」
制服に身を包むと玄関をでる。
「忘れ物しゃちゃった、いってくるね」
鞄を持つと急いで家を出て行く。俺もやることがないので家を出て街を歩くことにした。
「郵便局、病院、ここは‥‥‥高校か」
午前中中歩いてみたが必要なものは全て駅周辺で揃うようだ。少し外れるとたちまち田んぼが続く田舎道だ。
暑いし何もやることがないので家に戻る。
「ただいま~」
「おう、お帰り」
「ねぇ、トランプしよ」
「ん、いいぞ。何する」
ミナは、心底驚いた顔でこちらをみる。
「どうした」
「んん、なんでもないよ。さぁまずは神経衰弱だよ!」
「楽しかったか?」
「うん、また一緒にやろ」
「そうだな、また一緒に‥‥‥」
「ん、今何時だ」
「9時だよ、夜の9時。ソウマさん寝ちゃったんだもん」
「そうか、すまなかったな」
夕食を食べ風呂に入り寝る。この日は夕方に寝てしまったのもあってなかなか寝付けなかった。
「ここは‥‥‥」
そこはただ白い、真っ白な空間だった。なんにもない。一面真っ白な
目を閉じる。すると後ろから俺を強い突風がおそう。俺は風か止むと少しづつ目を開いた。そこは森だった、木々が生い茂り動物の鳴き声が聞こえる。
また突風が俺を襲う。思わず目を閉じてしまった。そして風が止むと目を開く。今度は長屋のような家が並んだ場所にいた。
そしてまた突風。目を開くと俺は布団の上にいた。朝日がカーテンの隙間から溢れて俺の頬を照らす。
「ソウマさん今日ねミナ不思議な夢を見たんだ」
「奇遇だな、俺もだ。どんな夢だったんだ?」
「ひみつ。それよりもソウマさん今日はミナと海に行こ!」
「学校はいいのか」
「うん、今日はお休みなんだ」
家の戸締まりをするとお弁当を持って海へ行く。太陽の光がジリジリと肌を焼く。
「ミナいきまーす!」
そう言うと服を脱ぎ捨て海の中へとダイブしていった。
「おい、日焼け止め塗らないと焼けるぞ」
「あわゎゎゎゎ。大変ミナの丸焼きが出来ちゃよ」
ダダダダダ~と擬音が聞こえてきそうな勢いで海から上がってくると日焼け止めを塗り始めた。
「そういえば俺達しかいないな」
「そりゃサメが出るもん。来るわけないよ」
「はぁ!?帰るぞ!」
こんな平和そうな静かな場所なのにサメが出るのか!それなら誰も来ないはずだ。
「ふぁっ!」
俺はミナを脇に抱えると荷物を持って家へと戻る。
「むーぅ、なんで帰るの」
「なんでって、そりゃ危険だからに決まってんだろ」
「ミナはミナだから大丈夫だもん」
「どういう理屈だよ。とにかくダメだ今度川遊びにでも行けばいいだろ」
「むー」
頬膨らませて唸ってくる。俺はそれを無視して畳に寝転んだ。
「約束だからね、来週はミナと絶対に川に行くんだよ」
「わかったわかった」
「‥‥‥よし」
何がよしなんだがわからないが取り敢えずは納得したようだ。
「でも、お弁当どうしよう‥‥‥」
「部屋で食べればいいだろ」
「やだ!これは外で食べるようだから」
「じゃあ庭にでもでて食えばいいだろ」
「いいね!そうしよ」
ブルーシートを庭に敷く。何が悲しくてこんなことをしなければならないのか。
「出来たぞ」
「おぉぉぉ!ではいただきます」
「ん~!やっぱり海で食べるご飯は美味しいね」
「ここは庭だが」
「細かいことはいいの」
取り敢えず余計な事は言わない方がいいだろう。俺はこれ以上口を挟まないことにして弁当を食べる。
「ざっぱーん」
「楽しそうだな」
「楽しいよ。海だもん」
「そうかい」
ついに海を幻視し始めたらしい。これはさすがに黙っていないほうがよいだろうか。
「さて、お昼寝でもしますか‥‥‥」
そう言うとミナはシートの上に寝転んだ。
俺はシートの上にある弁当箱を流しへお気に行くと一冊の本を拝借してシートの上に戻る。
ミナは既に寝ていた。
「‥‥‥んん」
何か嫌な夢でもみているのだろうか。物凄くうなされている。
「まあ俺にできることなんか限られてるがな‥‥‥。おい、大丈夫か」
バサッ
「ハア‥‥‥ハア‥‥‥‥ハア‥‥‥。ソウマ‥‥‥さん?」
起きると額から汗を滝のように流して聞いてきた。
「ああそうだ。うなされてたみたいだが大丈夫か」
「う、うん。大丈夫だよ」
「そうか」
起きると夜ご飯を作ると言ってそのまま台所へ行った。
やがてご飯が出来上がり食べると風呂へ入り布団もぐる。
「そろそろ何かしなくちゃな」
明日は日雇いの仕事でも探そうかと思い眠りに着いた。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
「ここは‥‥‥」
視線が高い。地面が物凄く小さく見える。
「ああ、俺は空を飛んでいるのか」
それはとてもいい気分だった。下には恐竜が大地を我が物顔で闊歩している。
空はどこまでも果てしなく続き俺は終わることのない空の旅に心を踊らせた。
ずっとこのまま━━
そう願わずにはいられないような体験だった。
突風が吹き視界が白く染まる。そして気がつくと布団の上で目が覚めていた。
それはいかなるものも例外ではない。
そう━━━━ですら━━━━のように終わりを告げるのだ。
風に運ばれて僅かに塩の香りがする。俺は気がつけばそこに座っていた。半袖のシャツにジーンズという格好だが寒くはない。むしろ少し暑いくらいだ。
なぜ俺はここにいるのだろう━━━━
「お兄さん、お兄さん、冷たい飲み物はいらんかね」
ふと顔をあげるとそこには髪の毛を後ろで一つに結んだ少女が大きなクーラーボックスを肩から下げてこちらを見下ろしていた。
「すまんな、喉は乾いていないんだ」
「そうですか、ではまた」
そう言うと彼女は小走りに階段を駆け上がるとまた別の人に売り込みに行った。
俺はなにもする事がなかったので砂浜に寝転ぶと目を閉じる。
「おに~さん」
またさっきの子が戻ってきたのだろうか、俺が目を開けると今度は別の子がこちらを見下ろしていた。
「ねぇ、ミナと遊ばない。ミナはねミナって言うの。豊岬ミナ、お兄さんの名前は?」
「なぜ、名乗らねばならんのだ」
「え~けちんぼ。減るもんじゃないしいいでしょ、ねぇ、教えてよ」
「うるせえな、俺はソウマ、霧峰ソウマだ。ちなみにお守りはしない」
ぐ~
間が悪くお腹の虫がなく。
「ソウマさんお腹空いてるの?じゃあこれあげる」
彼女はスカートのポケットから一枚のお煎餅を取り出して俺に渡した。
「なぜ煎餅、くれたからと言って遊んではやらんぞ」
「いいよ、そうゆうつもりであげるんじゃないもん」
俺はミナからもらったお煎餅の包装を無造作に破くと中のものを食べた。
「なんだ、その‥‥‥ありがとう」
「どういたしまして、ソウマさんそろそろ暗くなるけどお家に帰らないの」
コテっと、首を傾げて此方を見下ろしてくる。
家、どうしてそんな事を聞くのだろう。家‥‥‥
「すまんな、どうも記憶がなくて」
「そうなの!?大変。なら家に来なよ」
「いいのか」
「いいよ」
「でも、親とかには」
「ミナ親いないから」
ミナはその事をなんでもないように、笑顔で答えた。
「そうか、すまなかった。じゃあ世話になる」
「うん」
ミナの家は一人暮らしには寂しいくらいの広さだった。リビングが一部屋に和室が二部屋、キッチンとトイレ、風呂場に洗面所がついた3LDKだ。
「ちょっと待ってて今ご飯作るから」
そう言うとミナは手を洗い台所へ向かう。
コトコト、トントン、タタタタ。
リビングにリズムよく料理をする音が聞こえる。
「なに作ってんだ?」
「えーうんとね、ヒミツ」
「そうか‥‥‥」
外では蝉がうるさく鳴いている。俺は重たくなってきた瞼をとじた。
「‥‥‥マさん、ソウマさん」
「んぁ?」
「ご飯出来たよ」
見るとテーブルにはところ狭しと料理が並んでいた。
「久しぶりに他の人と食べるから張り切っちゃった」
「こんなに沢山‥‥‥凄いな」
「そお?ありがと。ほら早く食べないと冷めちゃう」
「そうだな。いただきます」
「いただきます」
パリポリパリ。ズズズズー。サクサク。
どれも見事な味だった。
「ごちそうさん」
「お粗末様でした。ふふふ、ミナこうゆうの夢だったんだよね。ありがと」
「そうか、良かったな」
「うん!お風呂沸いてるから入っていいよ」
「すまないな」
俺は風呂に入ると潮風を浴びた髪を痛まないように丁寧にシャワーで洗うと湯船に浸かった。
「ふあぁぁぁ」
「お先にって、もうねちゃったか」
ミナはテーブルにふせて寝てしまっていた。俺はミナの部屋に入ると敷いてある布団から掛け布団を取り伏せて寝てるミナにそっとかけてやる。
「ムニャ~ソウマさん、そっちは駄目ですよ~」
「どんな夢をみてんだか」
俺はもう一つの部屋に用意された布団の上に横になると静かに眠りについた。
「おはようソウマさん」
「ああ」
「わあ、ソウマさん朝ごはん作ってくれたんだ。ありがと」
「いいさ、それよりも昨日風呂に入らないで寝ただろ。臭くなるからシャワー浴びてこい」
「も~ソウマさん意地悪言わないのっ!」
そうゆうとミナはそそくさと風呂場へ行く。
「ごちそうさま、行ってくるね」
「どこか行くのか」
「学校だよ。どこか行くときは鍵かけてポストに入れといて」
「ああわかった」
制服に身を包むと玄関をでる。
「忘れ物しゃちゃった、いってくるね」
鞄を持つと急いで家を出て行く。俺もやることがないので家を出て街を歩くことにした。
「郵便局、病院、ここは‥‥‥高校か」
午前中中歩いてみたが必要なものは全て駅周辺で揃うようだ。少し外れるとたちまち田んぼが続く田舎道だ。
暑いし何もやることがないので家に戻る。
「ただいま~」
「おう、お帰り」
「ねぇ、トランプしよ」
「ん、いいぞ。何する」
ミナは、心底驚いた顔でこちらをみる。
「どうした」
「んん、なんでもないよ。さぁまずは神経衰弱だよ!」
「楽しかったか?」
「うん、また一緒にやろ」
「そうだな、また一緒に‥‥‥」
「ん、今何時だ」
「9時だよ、夜の9時。ソウマさん寝ちゃったんだもん」
「そうか、すまなかったな」
夕食を食べ風呂に入り寝る。この日は夕方に寝てしまったのもあってなかなか寝付けなかった。
「ここは‥‥‥」
そこはただ白い、真っ白な空間だった。なんにもない。一面真っ白な
目を閉じる。すると後ろから俺を強い突風がおそう。俺は風か止むと少しづつ目を開いた。そこは森だった、木々が生い茂り動物の鳴き声が聞こえる。
また突風が俺を襲う。思わず目を閉じてしまった。そして風が止むと目を開く。今度は長屋のような家が並んだ場所にいた。
そしてまた突風。目を開くと俺は布団の上にいた。朝日がカーテンの隙間から溢れて俺の頬を照らす。
「ソウマさん今日ねミナ不思議な夢を見たんだ」
「奇遇だな、俺もだ。どんな夢だったんだ?」
「ひみつ。それよりもソウマさん今日はミナと海に行こ!」
「学校はいいのか」
「うん、今日はお休みなんだ」
家の戸締まりをするとお弁当を持って海へ行く。太陽の光がジリジリと肌を焼く。
「ミナいきまーす!」
そう言うと服を脱ぎ捨て海の中へとダイブしていった。
「おい、日焼け止め塗らないと焼けるぞ」
「あわゎゎゎゎ。大変ミナの丸焼きが出来ちゃよ」
ダダダダダ~と擬音が聞こえてきそうな勢いで海から上がってくると日焼け止めを塗り始めた。
「そういえば俺達しかいないな」
「そりゃサメが出るもん。来るわけないよ」
「はぁ!?帰るぞ!」
こんな平和そうな静かな場所なのにサメが出るのか!それなら誰も来ないはずだ。
「ふぁっ!」
俺はミナを脇に抱えると荷物を持って家へと戻る。
「むーぅ、なんで帰るの」
「なんでって、そりゃ危険だからに決まってんだろ」
「ミナはミナだから大丈夫だもん」
「どういう理屈だよ。とにかくダメだ今度川遊びにでも行けばいいだろ」
「むー」
頬膨らませて唸ってくる。俺はそれを無視して畳に寝転んだ。
「約束だからね、来週はミナと絶対に川に行くんだよ」
「わかったわかった」
「‥‥‥よし」
何がよしなんだがわからないが取り敢えずは納得したようだ。
「でも、お弁当どうしよう‥‥‥」
「部屋で食べればいいだろ」
「やだ!これは外で食べるようだから」
「じゃあ庭にでもでて食えばいいだろ」
「いいね!そうしよ」
ブルーシートを庭に敷く。何が悲しくてこんなことをしなければならないのか。
「出来たぞ」
「おぉぉぉ!ではいただきます」
「ん~!やっぱり海で食べるご飯は美味しいね」
「ここは庭だが」
「細かいことはいいの」
取り敢えず余計な事は言わない方がいいだろう。俺はこれ以上口を挟まないことにして弁当を食べる。
「ざっぱーん」
「楽しそうだな」
「楽しいよ。海だもん」
「そうかい」
ついに海を幻視し始めたらしい。これはさすがに黙っていないほうがよいだろうか。
「さて、お昼寝でもしますか‥‥‥」
そう言うとミナはシートの上に寝転んだ。
俺はシートの上にある弁当箱を流しへお気に行くと一冊の本を拝借してシートの上に戻る。
ミナは既に寝ていた。
「‥‥‥んん」
何か嫌な夢でもみているのだろうか。物凄くうなされている。
「まあ俺にできることなんか限られてるがな‥‥‥。おい、大丈夫か」
バサッ
「ハア‥‥‥ハア‥‥‥‥ハア‥‥‥。ソウマ‥‥‥さん?」
起きると額から汗を滝のように流して聞いてきた。
「ああそうだ。うなされてたみたいだが大丈夫か」
「う、うん。大丈夫だよ」
「そうか」
起きると夜ご飯を作ると言ってそのまま台所へ行った。
やがてご飯が出来上がり食べると風呂へ入り布団もぐる。
「そろそろ何かしなくちゃな」
明日は日雇いの仕事でも探そうかと思い眠りに着いた。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
「ここは‥‥‥」
視線が高い。地面が物凄く小さく見える。
「ああ、俺は空を飛んでいるのか」
それはとてもいい気分だった。下には恐竜が大地を我が物顔で闊歩している。
空はどこまでも果てしなく続き俺は終わることのない空の旅に心を踊らせた。
ずっとこのまま━━
そう願わずにはいられないような体験だった。
突風が吹き視界が白く染まる。そして気がつくと布団の上で目が覚めていた。
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