【アラウコの叫び 】第2巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス

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潜入前夜

第55話「かけがえなき晩餐」

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クリニャンク「アウカマン、エルネイやっときたか。」
 
アウカマン「ご馳走になりにきました。」
 
 
「おっ、これが噂の西方の食べ物だな!
なんか見た目はなんとも言えないが・・」

エルネイは並べられている料理の中に貝を発見した。
 
グアルコルダ「お兄ちゃん!またそんな事を言って。」
 
リカラエン「いや、エルネイの言う通りさ笑
けど、悪くない味だよ。
ただ、外側はお前さんでも食べちゃダメだよ。」
 
「ああ、これはこうやって食べんだ。」
クリニャンクはエルネイに貝の食べ方を教えた。
 
エルネイ「ちょっとしょっぱいがなかなか良い味だな。
ここの食材と合わせて何か新しい料理ができるかもな。」
 
リカラエン「お前さん期待してるよ!」
 
クリニャンクは照れくさそうな仕草をしている。
 
クリニャンク「みんな揃った事だし、この鍋を食べてみてくれ。

ジャガイモと豆を煮込んだものだ。
今回は様々な薬草も手に入ったので特別な仕上がりになってる。」
 
アウカマン「ああ、豊穣の地からだな。」
 
ラウタロは一瞬険しい顔になった。
 
エルネイ「くぅー染み渡るねぇ。香りの良さといい、豆すら口の中でとろけるようだ。」
 
リチュエンは、ひと口食べるごとに目を輝かせ、味わい深さを噛み締めている。
 
アウカマン「クリニャンクの先祖代々から伝わる鍋は宝だな。
この料理はまるで大地の恵みそのものだ。」
 
エルネイ「この厚手の鍋がじっくりと煮込む事を可能にし、熱を均等に保ち、食材の味を引き出しているんだろうな。」
 
リカラエン「エルネイ、あんたも良い料理人になれるよ笑」
 
エルネイ「どうかな?感想を言えるのと作る事は全く別かもしれないぞ。」
 
「さて、そろそろ飲み始めるか!」

クリニャンクは、チーチャと呼ばれる果実酒を持ってきた。
 
「俺はムダイがいいなぁ。あのとうもろこしの味がなんとも言えない。」
エルネイがリカラエンを横目で見ながら言った。
 
リカラエン「ダメだからね、チーチャで我慢なさい。
ムダイは儀式の時にしか飲めない酒なんだから。」
 
エルネイ「お願いしますよ~
<ピリャンの巫女>の末裔なら少しぐらい良いじゃないか。」
 
リカラエン「エルネイ、あんたももうすぐ南へ行くんだろ。
旅路の祈願の時に飲めるはずさ。
その時まで我慢しな!」
 
エルネイ「へいへい。
ところでお前らもそろそろチーチャ飲んでみるか?」
 
ラウタロたちにエルネイはチーチャを飲ませようとした。
 
グアルコルダはサッと器を取り飲みだした。

一同が驚いた。
 
クリニャンク「おお、良い飲みっぷりだ!」
 
エルネイ「実は、こいつは既にをチーチャの味を知ってるんだ。」
 
アウカマン「しかし、顔色一つ変わらないとは流石エルネイの妹だな。」
 
「さっ、お前も飲め。」
エルネイはラウタロに器を手渡した。
 
「飲んでみるか。」
ラウタロは横にいるグアルコルダを気取られぬ様に平静を装いながら、チーチャを飲み干した。
 
ラウタロの顔が赤くなった。
 
ラウタロ「これがチーチャか。何か開放的な気分になるな。」
 
エルネイ「おいおい、一杯でこれかよ?
羨ましいねぇ。」
 
「ちょっと風に当たってくる。」
ラウタロはそう言うとルカの外に出た。
 
 
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