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アンデスの悪魔
第112話「茫然自失」
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ガチャッ
鍵がロックされる様な音が聞こえた。
ガブリエルはおそるおそる、ドアノブに手を掛けた。
ドンドン!
ガブリエル「カルバハル様!
外側から鍵がかかっている様ですが、
これはどういう事ですか?」
カルバハル「この扉はですね、人が体当たりしようと、剣で突こうと破る事ができない特別製ですのじゃ。
貴方はここでしばらくゆっくりして頂きます。」
ガブリエル「え・・何をおっしゃって・・」
カルバハル「ウヒョッヒョッ!
最近物覚えが悪くてのぅ。
仮にヌニェス殿についたとして、そちらで課せられたルールを覚えきれず、ワシはすぐ処刑されてしまうであろう。」
ガブリエル「貴方の記憶力は人間離れをしていると聞いていますが・・」
「まだお分かりならないのか、世間知らずの小鳥様よ?
お前は人質の身となったのだ。」
カルバハルはガブリエルへ今まで接してきた好々爺な態度から一変して下衆な声色で話しかけた。
「なんだと?!カルバハル、貴様!!」
ガブリエルは一瞬感情的になったが、
すぐ様、落ち着いた声で言った。」
ガブリエル「生憎だが、私如きを人質にした所で
ヌニェス様の志は揺らぐ事はないぞ。」
カルバハル「ワシはヌニェスの様な堅物には何の期待もしとらん。
もちろんあちらの戦力を削ぐ点でのお前の監禁ではあるが、真の狙いはそこではない。
お前はビジャグラ家の人間だ、そこから身代金多く取れるであろう。」
ガブリエル「こんな守銭奴を救いを求めていたなんて・・」
カルバハル「以前、お前の従甥のフランシスコもピサロ一族の元で囚われの身になった事があってのぅ。
我々にとってビジャグラ家は金のなる木よ!
ウヒョッヒョッ!」
ガブリエル「そんな事があったなんて・・
くっ・・先ほどの想いの話も全部
戯言であったのか!!」
カルバハルは再び好々爺の様な口調で話し出した。
「いえいえ、ワシのあの言葉は嘘偽りではありませぬ。
今回ガブリエル殿は、ワシに対する想いが足りかっただけじゃ。
想いが強ければワシの事をより分かっていただろうし、
貴方もこの様な安易な話の持ちかけ方を
ワシにはしてこなかったであろうなぁ。」
ガブリエル「詭弁を・・」
ガブリエル「それではしばらくの間、ゆっくりしていって下され。」
ドッ、ドッ、ドッ・・
カルバハルは鼻歌混じりに、その場を上機嫌で後にした。
一方ガブリエルは膝を落とし、しばらく茫然としていた。
・・数時間後。
「報告です!
ガブリエル・デ・ビジャグラの監禁部屋がもぬけの殻となっております。
どうやら逃亡した様です。」
カルバハル「なんと!
あの温室育ちのお坊ちゃんにそんな芸当が出来るとはな。
ワシもガブリエル殿への想いが足らんかったのぅ。」
カルバハルは好好爺な佇まいに戻り呟いた。
「ただのう、一度ワシの鳥籠に入った鳥達は
ここから心までは持ち去れぬのじゃ。
必ずまたここに入る事になる。」
鍵がロックされる様な音が聞こえた。
ガブリエルはおそるおそる、ドアノブに手を掛けた。
ドンドン!
ガブリエル「カルバハル様!
外側から鍵がかかっている様ですが、
これはどういう事ですか?」
カルバハル「この扉はですね、人が体当たりしようと、剣で突こうと破る事ができない特別製ですのじゃ。
貴方はここでしばらくゆっくりして頂きます。」
ガブリエル「え・・何をおっしゃって・・」
カルバハル「ウヒョッヒョッ!
最近物覚えが悪くてのぅ。
仮にヌニェス殿についたとして、そちらで課せられたルールを覚えきれず、ワシはすぐ処刑されてしまうであろう。」
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すぐ様、落ち着いた声で言った。」
ガブリエル「生憎だが、私如きを人質にした所で
ヌニェス様の志は揺らぐ事はないぞ。」
カルバハル「ワシはヌニェスの様な堅物には何の期待もしとらん。
もちろんあちらの戦力を削ぐ点でのお前の監禁ではあるが、真の狙いはそこではない。
お前はビジャグラ家の人間だ、そこから身代金多く取れるであろう。」
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カルバハル「以前、お前の従甥のフランシスコもピサロ一族の元で囚われの身になった事があってのぅ。
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ウヒョッヒョッ!」
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今回ガブリエル殿は、ワシに対する想いが足りかっただけじゃ。
想いが強ければワシの事をより分かっていただろうし、
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ワシにはしてこなかったであろうなぁ。」
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ドッ、ドッ、ドッ・・
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