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第三章 第一節 魔法少女
第295話 ムチでこの魔法少女どもをズタズタにして!
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レイが振り抜こうとした矢先、魔法少女の群れが、その刃のむかう導線の先に先回りしてきた。
パッと見た目には2、30人くらいの集団。
その人間の塊がイオージャの側頭部を守る盾だと、レイは瞬時に察知した。
だがレイはかまわず薙刀を振り抜いた。一閃した刃が雲集した魔法少女たちをぶった切った。魔法少女のからだが空中で切断され、ばらばらに飛び散る。
とたんにパタパタと『デッドマン・カウンタ』があわただしく数字を刻む。
魔法少女のからだを張った盾に、イオージャへの斬撃を阻まれたレイは、アルが映る画面にむかって声を荒げた。
「アル、この耐電防止の膜、動きがすこし遅れるわ!」
レイはすかさず薙刀を持ち上げて、もう一度振り上げようとした。が、魔法少女たちが一斉に薙刀の柄部にしがみついてきた。20メートル以上はある薙刀の柄部はたちどころに魔法少女で見えなくなった。
その数は4、50人はいるだろうか——。
まるで、おおきな虫に集られたように状態になった。
そのなかには先ほどレイが薙刀で薙ぎ払った者も混じっているようだった。腕や脚が一部ない者や、割れた面の隙間からぐちゃぐちゃに潰れた顔の一部を覗かせる者、胴体でからだがちぎれかかった者もいたからだ。
レイはもう一度薙ぎ払おうとして、薙刀を持ちあげようとしたがビクリとも動かなかった。
『動かない』
薙刀の柄部にむしゃぶりついている魔法少女の力は予想外に強かった。レイはすこし計算外だったが、すぐさまプランBに切り替えることにした。
「クララ、あなたのムチでこの魔法少女どもをズタズタにして!」
が、レイが叫ぶまでもなかった。
クララにむかって叫び終わるより早く、背後からセラ・ジュピターが操るムチが、ひゅんという風切り音とともに魔法少女を薙ぎ払った。
わるくない——。
レイはクララの戦闘の勘所をそう評価した。
要請されたり、命令されるまでもなく、やるべきことを自分の頭で理解して、己の責任ですぐに行動に起こせるのは、そうたやすいものではない。
クララが一振、二振りと矢継ぎ早に、ムチを振るい魔法少女たちを次々と打ち据える。そのムチが魔法少女をとらえるたびに、血飛沫が飛び散り、なにかが潰れる音とともに『デッドマン・カウンター』の数字があがっていった。
パッと見た目には2、30人くらいの集団。
その人間の塊がイオージャの側頭部を守る盾だと、レイは瞬時に察知した。
だがレイはかまわず薙刀を振り抜いた。一閃した刃が雲集した魔法少女たちをぶった切った。魔法少女のからだが空中で切断され、ばらばらに飛び散る。
とたんにパタパタと『デッドマン・カウンタ』があわただしく数字を刻む。
魔法少女のからだを張った盾に、イオージャへの斬撃を阻まれたレイは、アルが映る画面にむかって声を荒げた。
「アル、この耐電防止の膜、動きがすこし遅れるわ!」
レイはすかさず薙刀を持ち上げて、もう一度振り上げようとした。が、魔法少女たちが一斉に薙刀の柄部にしがみついてきた。20メートル以上はある薙刀の柄部はたちどころに魔法少女で見えなくなった。
その数は4、50人はいるだろうか——。
まるで、おおきな虫に集られたように状態になった。
そのなかには先ほどレイが薙刀で薙ぎ払った者も混じっているようだった。腕や脚が一部ない者や、割れた面の隙間からぐちゃぐちゃに潰れた顔の一部を覗かせる者、胴体でからだがちぎれかかった者もいたからだ。
レイはもう一度薙ぎ払おうとして、薙刀を持ちあげようとしたがビクリとも動かなかった。
『動かない』
薙刀の柄部にむしゃぶりついている魔法少女の力は予想外に強かった。レイはすこし計算外だったが、すぐさまプランBに切り替えることにした。
「クララ、あなたのムチでこの魔法少女どもをズタズタにして!」
が、レイが叫ぶまでもなかった。
クララにむかって叫び終わるより早く、背後からセラ・ジュピターが操るムチが、ひゅんという風切り音とともに魔法少女を薙ぎ払った。
わるくない——。
レイはクララの戦闘の勘所をそう評価した。
要請されたり、命令されるまでもなく、やるべきことを自分の頭で理解して、己の責任ですぐに行動に起こせるのは、そうたやすいものではない。
クララが一振、二振りと矢継ぎ早に、ムチを振るい魔法少女たちを次々と打ち据える。そのムチが魔法少女をとらえるたびに、血飛沫が飛び散り、なにかが潰れる音とともに『デッドマン・カウンター』の数字があがっていった。
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