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第一章 レアスナタの世界へ!

第七話 演目 一人の観客と一人の演奏者

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「これはまた団体さんだな」
「数が多くて面倒くさい」

 グラウンドまで来た2人は空を見た、ヘリコプターが更に数機こちらへとやってくる。

「手伝うか?」
「大丈夫、お客様は座って聴いていて」
「解った」

 縁は鞄から折り畳み式の椅子を取り出して座った。

「さあ、演奏会を始めましょう」

 スファーリアはトライアングルを右手で軽く叩いた、すると空中に様々な楽器が現れて縁に向かってくる楽器が一つ。

「おお、トランペットじゃないか」

 太陽の花を採取しに行った時に縁が使用したトランペット。
 また会えて嬉しいのか、音を鳴らしながら縁の周りをふわふわ浮いている。

「その楽器は縁君に会えて嬉しいのね」
「そうなのか?」

 縁は嬉しそうな音を出しているトランペットを見ている。

「縁君、音楽は生きて人の心を動かすの」
「なるほど」

 ヘリコプターからロープを使って降下してくる部隊が。
 先程スファーリアが冥府へ旅立った男が言っていた精鋭部隊だろう。
 ヘリコプターは隊員を降下させるとその場から離れていった。

「演奏会の開始ね、先手必勝」
「一人だと!? 撃て!」

 スファーリアはトライアングルビーダーを構えて、敵の集団に突撃する!
 精鋭部隊は一斉にスファーリアに対して自動小銃で狙いを定め発砲した!

「ぬるいよ?」

 スファーリアは指揮棒を取り出して、音楽の指揮をするように銃弾を弾く!

「何!?」
「敵は音人のようです!」
「対音人弾に切り替えろ!」
「突撃します!」

 精鋭部隊の数人がスファーリアに近接戦闘を仕掛けようと、ナイフを構えている。

「魔法くらい使ったら?」

 スファーリアはトライアングルビーダーで地面を叩いた、すると地震でも起きたように近接戦闘を仕掛けようした精鋭部隊達は尻餅をついた。
 その隙を見逃さずにトライアングルビーダーで確実に急所を突く、手を休ませずに次々と精鋭部隊を次々とトライアングルビーダーで吹き飛ばす!

「第77部隊だ、増援を頼む!」
「貴方達の音が私に響くか試してあげる」

 隊員の一人が無線を使い応援要請をして、スファーリアは目を閉じて相手の音を感じとろうとしていた。

「装填しました!」
「よし、一斉射だ!」

 装填を完了した精鋭部隊が先程と同じようにスファーリアに一斉に発砲する。

「つまらない音」

 その言葉を発したスファーリアは既に空中に居た。
 トライアングルビーダーを精鋭部隊を指揮している人物に向かってぶん投げて着地する。

「ぐぇ!?」

 トライアングルビーダーが顔に当たった人物はそのまま地面に倒れた。

「楽譜通りにしか弾けない人達は面白くないの」
「女のくせになめやがって!」
「よせ! マーカス! チームワークを乱すな!」

 部隊の統率を乱す隊員がスファーリアに向かって走り出した。

「マラカス、来て」

 浮いていたマラカスはスッと消えてスファーリアの手に収まった。

「死ねや!」

 シンプルにナイフを突き立てる精鋭部隊の隊員だが。

「その程度で殺せると思ってるの? 戦闘科の教師なめすぎじゃない?」

 隊員の喉元を素早くマラカスで突くとなすすべなく倒れた。

「私を殺すには不十分……つまらない演奏会になった、もう終わらせる」

 右手を軽く上げるとトライアングルビーダーが彼女の元へ戻ってきた。
 トライアングルビーダーを構えるスファーリアは手加減はしないという気迫を出していた。
 自分の周りで浮いているトライアングルを右手で叩くと高い音が辺りに響く。

「ぐぇ!」
「ギャ!」
「ぶぇ!」
「グギャ!」

 短い悲鳴と共にその場に居る敵という敵は一瞬にして死んだ。
 だが突如、空中に魔法陣が現れそこから現れたのは。

「ブオォォォォ!」

 象が出てきた、象は象はでも色々と改造されていた。
 蛇の尻尾やライオンの顔が別の場所にあったり、鷹の目ともう滅茶苦茶である。

「今解放してあげる、絶滅演奏術『安楽』」

 スファーリアは素早くトライアングルビーダーでトライアングルを叩いて鳴らす、たった一音辺りに響いた。 

「パォーン!」

 象は一瞬で大人しくなって涙を流しながらその巨体をゆっくり地面へと横たわる。
 作られた命は終わる事を喜ぶように死に、巨体が倒れたその音を最後に辺りは静かになった。
 指を鳴らして空中に出していた楽器を消して縁に近寄った。

「結果的に本気を出すまでもなかった」
「お疲れ様、これが絶滅演奏術か、どういう理論かは知らないけれど音楽を圧縮してるのか?」
「そう、殺し合いの最中に優雅に音楽なんて奏でられないでしょ? 場合にもよるけど」
「だな」
「アンコールが来るわ」
「強敵?」
「おそらくね」

 スファーリアは死体しかないグラウンドの先を睨んでいた。
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