229 / 351
第四章 縁と結びで縁結び
第七話 演目 身の丈を守った結果
しおりを挟む
縁と絆とサンディは手分けをして、施設の停止をしようと機械を操作していた。
「お前と2人は久しぶりだな」
「昔は一緒に暴れまわってたな」
「あの頃は楽しかった、人前では言えないな」
「俺もだ、人殺しの毎日だったが」
2人は黒い笑みをした、人を殺すのを楽しみにしている。
目標のために何年も積み重ねて、誰にも否定はさせない。
殺伐とした人生の詰め合わせ、そんな顔だった。
「おいおい、恋人にそんな顔をするなよ?」
「生徒の前でそんな顔をするなよ?」
「新入生には驚かれるが、在校生は慣れられたよ」
「それは何よ――サンディ、絆、良き縁を持つ者の危機を感じた」
「おっけ、手を貸すぜ」
「参りましょう」
縁が感知した場所、そこでは分かりやすい場面だった。
腹部の傷を左手で倒座っている男、右手は無い。
数体の化物達と、その背後に居るスーツ姿の男達だ。
怪我をしている男は、ボロボロのスーツの間から見える包帯。
おそらくは全身包帯なのだろう、左手は包帯を巻いていない。
そして包帯の隙間から見える目は、敵を睨んでいる。
「はっはっは! 『解説魔法のシン』と呼ばれたお前もここまでだ」
「泣かせる話だぜ、切り落とされた右手を探しに来たとはな」
「ま、てめぇはここで終わりだ……」
「くそ! こんなつまらねぇ! つまらねぇ死に方は!」
化物達は腕を振り上げる、包帯の男の絶体絶命、どう考えても助からない。
介入出来るなら神、だが救うにしても価値があるかどうかだ。
「死――」
「さっさとしないとこうなるぞ?」
一瞬でサンディが、包帯の男以外の生きてる命を刈り取った。
目にも止まらない、風月に近い速度、体術、音、そして身体が弾けた。
「なっ! なんだ!? はっ! あ、あれはまさか! 界牙流!? それに絶滅演奏術と……しかしあの内部の破壊は内絶……伝承者は消息不明と聞いたが……いやそれよりも、各技に独自の改良がされて――ハッ! その赤黒いジャージは!?」
包帯の男は突然考察を始めた、そしてその顔は包帯でもわかるほど驚き、声色は楽しそうだった。
「第70代目、現身鏡踊拳の伝承者サンディ・シーナ!? その拳は相手の技を真似る、そして技を組み合わせる事に特化した武術!」
「解説どうも、あたしのマイナー流派知ってるとはね」
「大丈夫ですか、この宝玉を握って下さい」
遅れてきた縁は、鞄から宝玉を取り戻して男に握らせた。
絆は特に慌てもせずに歩いてくる。
「こ、これは通称回復の宝玉! 正式な名前が無い、回復の神の道具の一つ! 物にもよるが、時間内の怪我はなんでも治すとか……って! あんたは縁起身丈白兎神縁!?」
「え、ええそうですが……」
「理由はどうあれ、命を助けてもらったんだ……自己紹介するぜ」
男はゆっくりと立ち上がると、斬銀の様な大男だった。
少し下を向いて縁達を見ながら、タバコを吸い始める。
「俺はこの街に昔から住んでいる……裏の人間ってやつだ、名前は響山新太郎だ」
「お、昔この街を支配していた人間……の部下だった人じゃないか」
「サンディ、詳しいのか?」
「お前覚えてないのか? 科学寄りになる前はこの町は魔法の街だったのさ、悪人の街には変わらないがな」
「……昔に来たことあるのか」
「私はしりませんわね」
「魔法が科学に負けて……俺達のシマは小さくなっちまった」
「なら何で敵の本拠地に単独で? 殴り込み?」
「俺の腕を取り戻しに――」
「お兄様、今死ぬのに不釣り合いな者達を感じました」
縁は目をつぶり何かを感じ取った。
「……これは響山さんに付き従う者達の縁か」
「まさか俺の部下がここに来ちまったのか!」
「絆」
「承りましたお兄様、手助けしてまいります」
「おそらくこの人の部下が外の化物達と戦っている」
「ええ、位置を感じ取りました」
「待ってくれ! 不吉不釣合黒兎神絆」
「あら、神の名を知っているとは……お兄様は有名ですけども」
「こいつを持っていってくれ、言葉いらずで信用する」
「お借りいたします」
響山はポケットからペンダントを取って絆に投げた。
縁は何かを見定め様に響山を見ている。
「ふむ、なるほど、大昔に全身大怪我をした、そこから包帯生活が始まったが……子供が産まれ時がたち、手を治さないかと言われたと」
「……流石は神様だ、隠し事はできねぇな、その通りだ」
「縁、人の縁を勝手に」
「俺に似合わず頭のいい子に育った、赤子を抱いた時には包帯生活だった、学校行事も俺が裏社会の人間だから参加出来ない……それでも父としたってくれた! そして! 手だけでも治さないかと子供達が言ってくれた! 孫を撫でる時に……他人……との握手……くっ……くうぅ」
響山は徐々に声が大きくなり、泣きながら自分の想いを口にした。
タバコが口から落ちる、それを携帯灰皿へと捨てる。
この人物が子供に対して愛情が深いことがわかる。
そして縁や絆が、それを見捨てる様な神ではない。
「素晴らしき親子愛だ」
「ああ、そんな話を聞いて助けない訳にはいかないな」
「そいや……あんた達は……『外道殺しの神を真似る裁き』って名乗ってたな」
「ぐっ……これが黒歴史」
「昔のあたし達のネーミングセンス」
「善も悪も行き過ぎれば外道になる、俺はあんた達のファンでね、俺も悪人だが忠告通り、汚れちゃいけない部分だけは汚さなかった」
「あ……もしかして、昔会った事あります?」
「ああ、あの時はあんた達に、親や仲間達を殺されたけど……神様、あんたの言った通り、ちゃんと身の丈にあった生活、縁も大切にしたぜ」
「思い出してきた、昔忠告したお兄さんだ」
「ああ、私も思い出した」
縁達はピンとした顔で響山を見ると、彼は再びタバコに火を付ける。
「お前と2人は久しぶりだな」
「昔は一緒に暴れまわってたな」
「あの頃は楽しかった、人前では言えないな」
「俺もだ、人殺しの毎日だったが」
2人は黒い笑みをした、人を殺すのを楽しみにしている。
目標のために何年も積み重ねて、誰にも否定はさせない。
殺伐とした人生の詰め合わせ、そんな顔だった。
「おいおい、恋人にそんな顔をするなよ?」
「生徒の前でそんな顔をするなよ?」
「新入生には驚かれるが、在校生は慣れられたよ」
「それは何よ――サンディ、絆、良き縁を持つ者の危機を感じた」
「おっけ、手を貸すぜ」
「参りましょう」
縁が感知した場所、そこでは分かりやすい場面だった。
腹部の傷を左手で倒座っている男、右手は無い。
数体の化物達と、その背後に居るスーツ姿の男達だ。
怪我をしている男は、ボロボロのスーツの間から見える包帯。
おそらくは全身包帯なのだろう、左手は包帯を巻いていない。
そして包帯の隙間から見える目は、敵を睨んでいる。
「はっはっは! 『解説魔法のシン』と呼ばれたお前もここまでだ」
「泣かせる話だぜ、切り落とされた右手を探しに来たとはな」
「ま、てめぇはここで終わりだ……」
「くそ! こんなつまらねぇ! つまらねぇ死に方は!」
化物達は腕を振り上げる、包帯の男の絶体絶命、どう考えても助からない。
介入出来るなら神、だが救うにしても価値があるかどうかだ。
「死――」
「さっさとしないとこうなるぞ?」
一瞬でサンディが、包帯の男以外の生きてる命を刈り取った。
目にも止まらない、風月に近い速度、体術、音、そして身体が弾けた。
「なっ! なんだ!? はっ! あ、あれはまさか! 界牙流!? それに絶滅演奏術と……しかしあの内部の破壊は内絶……伝承者は消息不明と聞いたが……いやそれよりも、各技に独自の改良がされて――ハッ! その赤黒いジャージは!?」
包帯の男は突然考察を始めた、そしてその顔は包帯でもわかるほど驚き、声色は楽しそうだった。
「第70代目、現身鏡踊拳の伝承者サンディ・シーナ!? その拳は相手の技を真似る、そして技を組み合わせる事に特化した武術!」
「解説どうも、あたしのマイナー流派知ってるとはね」
「大丈夫ですか、この宝玉を握って下さい」
遅れてきた縁は、鞄から宝玉を取り戻して男に握らせた。
絆は特に慌てもせずに歩いてくる。
「こ、これは通称回復の宝玉! 正式な名前が無い、回復の神の道具の一つ! 物にもよるが、時間内の怪我はなんでも治すとか……って! あんたは縁起身丈白兎神縁!?」
「え、ええそうですが……」
「理由はどうあれ、命を助けてもらったんだ……自己紹介するぜ」
男はゆっくりと立ち上がると、斬銀の様な大男だった。
少し下を向いて縁達を見ながら、タバコを吸い始める。
「俺はこの街に昔から住んでいる……裏の人間ってやつだ、名前は響山新太郎だ」
「お、昔この街を支配していた人間……の部下だった人じゃないか」
「サンディ、詳しいのか?」
「お前覚えてないのか? 科学寄りになる前はこの町は魔法の街だったのさ、悪人の街には変わらないがな」
「……昔に来たことあるのか」
「私はしりませんわね」
「魔法が科学に負けて……俺達のシマは小さくなっちまった」
「なら何で敵の本拠地に単独で? 殴り込み?」
「俺の腕を取り戻しに――」
「お兄様、今死ぬのに不釣り合いな者達を感じました」
縁は目をつぶり何かを感じ取った。
「……これは響山さんに付き従う者達の縁か」
「まさか俺の部下がここに来ちまったのか!」
「絆」
「承りましたお兄様、手助けしてまいります」
「おそらくこの人の部下が外の化物達と戦っている」
「ええ、位置を感じ取りました」
「待ってくれ! 不吉不釣合黒兎神絆」
「あら、神の名を知っているとは……お兄様は有名ですけども」
「こいつを持っていってくれ、言葉いらずで信用する」
「お借りいたします」
響山はポケットからペンダントを取って絆に投げた。
縁は何かを見定め様に響山を見ている。
「ふむ、なるほど、大昔に全身大怪我をした、そこから包帯生活が始まったが……子供が産まれ時がたち、手を治さないかと言われたと」
「……流石は神様だ、隠し事はできねぇな、その通りだ」
「縁、人の縁を勝手に」
「俺に似合わず頭のいい子に育った、赤子を抱いた時には包帯生活だった、学校行事も俺が裏社会の人間だから参加出来ない……それでも父としたってくれた! そして! 手だけでも治さないかと子供達が言ってくれた! 孫を撫でる時に……他人……との握手……くっ……くうぅ」
響山は徐々に声が大きくなり、泣きながら自分の想いを口にした。
タバコが口から落ちる、それを携帯灰皿へと捨てる。
この人物が子供に対して愛情が深いことがわかる。
そして縁や絆が、それを見捨てる様な神ではない。
「素晴らしき親子愛だ」
「ああ、そんな話を聞いて助けない訳にはいかないな」
「そいや……あんた達は……『外道殺しの神を真似る裁き』って名乗ってたな」
「ぐっ……これが黒歴史」
「昔のあたし達のネーミングセンス」
「善も悪も行き過ぎれば外道になる、俺はあんた達のファンでね、俺も悪人だが忠告通り、汚れちゃいけない部分だけは汚さなかった」
「あ……もしかして、昔会った事あります?」
「ああ、あの時はあんた達に、親や仲間達を殺されたけど……神様、あんたの言った通り、ちゃんと身の丈にあった生活、縁も大切にしたぜ」
「思い出してきた、昔忠告したお兄さんだ」
「ああ、私も思い出した」
縁達はピンとした顔で響山を見ると、彼は再びタバコに火を付ける。
0
あなたにおすすめの小説
職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります
チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます!
ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。
この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。
戦闘力ゼロ。
「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」
親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。
「感謝するぜ、囮として」
嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。
そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。
「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」
情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。
かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。
見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる