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ご褒美の法則

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数年前のある日の事、私は守護に尋ねました。



「何事も等価交換って、某アニメの主人公が言ってます。やはり何かを失うと何かを得るって事でおっけー?」


守護
『何が言いたい』



「私、めちゃくちゃ今頑張ってると思うんです。色々を失ってボロボロなんです。だから例えば、そんな大きな対価もいらないけど、例えばガチャでSRひけるとか?それぐらいのご褒美かあっても罰あたらないと思うんですよね!!」


守護
『いいだろう、ご褒美を待ちなさい』


「え!本当に?うわ楽しみ!」


守護
『何事も等価交換だからね。』




そして、ご褒美への期待に胸を踊らせつつ

なにわともあれ、日常生活!


私は、とあるお店にお届け物を届けに行く用事があったので、そのお店を訪れていました。


用事が終わり帰ろうとすると、店主さんが

「あぁしぶ子さん!ちょっと!」

と、私を引き留めました。


「ご苦労だったね本当に有り難う。これまたあとで飲んでよ」


と、缶コーヒーを渡してくれました。
私はお礼を言って帰宅。

缶コーヒーも美味しく頂いて、ご褒美をひたすら待ちました。


なんも起きないな…………

SRもひけんかったし……


なので、守護に尋ねてみる事にしました



「ご褒美はまだですかね?」

守護
『もうお前は貰っている』


「え!いつ?なに!どれ!」

守護
『よく考えなさい』


「まさか……缶コーヒー……」

守護
『それは普通のコーヒーではない。お前への感謝の気持ちが込められたコーヒー』


「確かに……」

守護
『心があたたまる、そんなご褒美はかなり貴重』



「不服だけど反論もできない…けど不服!!いやでもありがたい…あああああもーやだー!!守護ってやり方きたないよねー!!(床を転がりながら)」


守護
『欲が満たされるのは一時的なもの。されど、心が満たされるのは永久的なもの。

等価交換でそれを得られた、それはお前が失った事象がそれと同等だったから。自分をもっと誉めなさい』



うまく丸めこまれた様な…… 



まぁでも、心が満たされるって 

実はとてもシンプルな言葉だったり

何気ない優しさだったり


確かにいたるところにあるわけじゃない


とにもかくにも、一生懸命へのご褒美は

必ず降り注ぐらしいから



見逃さない様にしようそうしよう



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