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むっつめ【鬼の話④】
しおりを挟むそして自分のカウンセリングの日、ノックをして部屋に入った。
先生は女性だった。
男性だったら、私が先日見た景色の人じゃないって思えたのだけど、あぁ・・この方が出会わなければいけない人だと確信した(息子からもあえて性別は聞いていなかった)
そして何よりも、横に小鬼がちゃっかりいた。
とりあえずその鬼は見て見ぬふりをして、カウンセリングルームを見渡した。
部屋を見渡すと、なんちゅうか「徹子の部屋」みたいな部屋だった。
話しやすい空気を作ってあるんだなぁって感じ。
はじめましてと挨拶をして、色々と質問をされた。さすがカウンセラー。
「私しかあなたの苦しんでいる心には寄り添えませんよ」的に話をしてこられた。
「彼は幽霊を見れるそうですね。幻覚とか幻聴ってよくある事で……」と、切り出されたので、
「私は4歳から、皆様が言う所の幻覚や幻聴が見えたり聞こえたりしてきました。
息子はバランスがまだ不安定だけれど、見えないものが見える体質です。
でも、それは幻覚や幻聴では決してありません。
なかなか信じて頂けないでしょうけど・・・
私は、彼よりもまだ少しは安定していると思っています。私は別にそれを生業にしていませんし、特に普段は言わずに生活をしています。
そして、こんな体質で医療系に従事しています。
精神医学的にも、私の方がよいサンプルだと思いますよ?何でも聞いていただけましたら。」
そう言うと、
「私もそういう世界を否定してるわけではなくて、
確かに見えないものの中にも、悪いもの良いものがあって、悪いものに繋がると精神が破壊される、そう思っています。」
と、予想外の答えを頂いた。
あぁ、この方。。
あの精神科の、頭が札束だった院長よりかは少し話がわかる方だなって感じた。
話を進めるのと並行で、私は先生の左側にいる小鬼と会話を始めた。
恐らくこれをどけなければいけない。
でも私はお経も読めないし、術も使えないので(ゲームの呪文なら覚えてるが)
「あなた、そこで何をしてるの?」と単刀直入に聞いた(毎度ながら、そのまんまだな!)
すると小鬼は
「ちょっかい出してるの~だっておもしろいんだも~ん」と言った。
そう、小鬼はわりと無邪気なだけだ。そこに悪気はなく、人間の価値観が通用しないだけ。でもそれだと此方が困るので、お願いしてみる事にした。
「お願いだから少しどいてくれないかな?とても困ってるんだ」
「やだよ~たのしいんだも~ん」
「そこを何とか!!!!」
「やだやだやだ~!!!」
「・・・・・・・・。」
説得に応じてくれないので、とりあえず私は諦めた(何を隠そう、私は諦めは早い方だ。)
すると、次は色々な映像が頭に流れ込んできた。
恐らく私の守護や、先生側の守護からの情報伝達。
『これを今すぐ話せ!!!』と言われた。
普段、守護達は基本的に絶対に答えを教えてくれない。何ならアンサーをハズされたりする。
でも、ここで相手に信じてもらえないと、未来がとんでもない事になる時だけは、必ず「的中する」伝達を送ってくる。
でもそれをすると、1回目は偶然?すごい~2回目はまた偶然凄いね!3回目は、この人化け物?怖い・・と思われる。
あぁ嫌だなぁ、ネットでこんな事は確かに今までもしてきたけれど
リアルに目の前でするの、地味に初めてなんですけどーーーーー!!!!!
でも、ここまできて自分はもう失う物なんて既に何もないので、ゆっくりと口を開いて
「ポニーテールだったんですか?先生って昔」って言った。
すると先生が一瞬で、私を恐怖の対象で見る顔つきに変わった。
応援ありがとうございます!
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