6 / 16
第6話 みんなと距離を縮める
しおりを挟む
星岡さん・赤澤さんが店を出たので、俺は店長さんとシフトがある青石さんに色々教えてもらう事にした。
「空松君、カウンターの中に入って来て」
「わかりました。…お邪魔します」
――ちょっと視点が違うだけなのに、すごく緊張する。慣れる気がしないぞ…。
「鈴ちゃん、緊張してる空松君に何か話してあげて」
「わかった~。翔お兄ちゃんって、休みの日は何してるの?」
「ゲームをしたりアニメを見る事が多いな」
「そうなんだ~。じゃあさ、名探偵〇ナン知ってる?」
「一応知ってる。前見てたから」
「知ってるんだったら、今度のゴールデンウィークに映画観に行こうよ!」
それは2人きりなのか? なんて事より…。
「誘ってくれるのは嬉しいが、多分内容に付いていけないぞ…」
「大丈夫大丈夫。そのへんはウチがちゃんと教えるから」
内容を理解できるかどうかの不安はこれで消えたな。次が本題だ。
「なぁ。映画は俺達2人で行く気なのか?」
「ううん。お姉ちゃんを入れた3人のつもりだけど…、2人きりが良かった?」
ニヤニヤする鈴さん。
「いや、青石さんもいてくれた方が嬉しいからそれで良いよ」
俺1人で鈴さんをどうにかできるとは思えない。
「青石ってどっちの事言ってるの~?」
会話の流れで普通わかるだろ! 星岡さんだけじゃなくて、俺もからかわれるのか。
「お姉ちゃんは『静』・ウチは『鈴』。遠慮なく呼んでみて♪」
――みんなの視線が俺に向けられる。恥ずかしいが、これから接客するんだから最初の試練だな。
「じゃあ…、『静さん』と『鈴さん』で良いか?」
「良いよ。ワタシは『空君』って呼ぶから」
「さん付けで呼ばれるのも変な感じだな~。まいっか」
「ねぇ空松君。わたしと梓も呼び分けてくれるかしら?」
「えっ? 『店長さん』と『星岡さん』で呼び分けるつもりなんですが…」
この2つで間違われる事はないだろ。
「店長さんとか硬過ぎるよね~、恵お姉さん?」
「そうね。壁を感じちゃうわ…」
そこでしょんぼりしないでくれ。罪悪感が出るじゃないか…。
「――『恵さん』で良いですか?」
「良いわよ♪ 梓もそう呼んであげてね♪」
「できる限り努力します…」
今の好感度で呼んで良いのかどうか…。
「空松君。そろそろ緊張はほぐれたかしら?」
「……言われてみれば、カウンターに入ってすぐの時より落ち着いてます」
これもみんなのおかげだ。
「最初は緊張をなくすところからスタートするのよ。今なら色々教えられそうね」
「はい、お願いします!」
恵さんメインで時々静さんの補足が入りながら、調理道具の場所や接客について教えてもらう。今日は履歴書以外何も持ってきてないから、聴いた事をメモできないな…。
「大体こんな感じね。空松君がわかるまで教えるから安心してちょうだい♪」
「ありがとうございます」
とはいえ、なるべく早く覚えるようにしないと!
「そういえばさ~、結局映画はOKで良いの?」
鈴さんに言われてハッとする。名前で呼ぶ件や研修で忘れかけていた…。
「元々、静さんと2人で行く気だったんだよな? 俺邪魔だろ?」
「邪魔じゃないって! 翔お兄ちゃんと一緒に行きたい所があるの」
「俺と一緒に行きたい所ってどこだ?」
「それは着いてからのお楽しみ♪ 翔お兄ちゃん、絶対ビックリするよ~」
ビックリ? よくわからんが、俺がいても問題なさそうだ。
「ワタシも空君に来て欲しいかな。ワタシも好きなゲームやアニメの話をゆっくりしたいから」
あの時は確か“2人きり”と言っていたが、鈴さんはノーカンか。(2話参照)
「わかりました。そういう事なら一緒に行きます」
「やった~♪」
「ありがとう空君」
「空松君モテモテね~♪」
「そんなんじゃないですよ」
とは言ったものの、良い気分には変わりない。
俺がこの店に来てからお客さんは来店しているものの、恵さん達はおしゃべりを止めたりしない。そして、お客さんはそれを気にする様子を一切見せない。
常連さんはここの空気というか雰囲気をわかっているようだ。やはり自由なのは個人店ならではだな。
「空松君、今日は長い間お疲れ様。もう上がって良いわよ」
「わかりました。今日は本当にありがとうございました」
「さっきも言ったけど、わかるまで何度も教えるから無理しないでね」
「はい」
恵さんは本当に優しい人だ。
「ウチもそろそろ帰ろうかな~」
「気を付けるのよ、空松君・鈴ちゃん」
俺と鈴さんは一緒に店を出る。
「空松君、カウンターの中に入って来て」
「わかりました。…お邪魔します」
――ちょっと視点が違うだけなのに、すごく緊張する。慣れる気がしないぞ…。
「鈴ちゃん、緊張してる空松君に何か話してあげて」
「わかった~。翔お兄ちゃんって、休みの日は何してるの?」
「ゲームをしたりアニメを見る事が多いな」
「そうなんだ~。じゃあさ、名探偵〇ナン知ってる?」
「一応知ってる。前見てたから」
「知ってるんだったら、今度のゴールデンウィークに映画観に行こうよ!」
それは2人きりなのか? なんて事より…。
「誘ってくれるのは嬉しいが、多分内容に付いていけないぞ…」
「大丈夫大丈夫。そのへんはウチがちゃんと教えるから」
内容を理解できるかどうかの不安はこれで消えたな。次が本題だ。
「なぁ。映画は俺達2人で行く気なのか?」
「ううん。お姉ちゃんを入れた3人のつもりだけど…、2人きりが良かった?」
ニヤニヤする鈴さん。
「いや、青石さんもいてくれた方が嬉しいからそれで良いよ」
俺1人で鈴さんをどうにかできるとは思えない。
「青石ってどっちの事言ってるの~?」
会話の流れで普通わかるだろ! 星岡さんだけじゃなくて、俺もからかわれるのか。
「お姉ちゃんは『静』・ウチは『鈴』。遠慮なく呼んでみて♪」
――みんなの視線が俺に向けられる。恥ずかしいが、これから接客するんだから最初の試練だな。
「じゃあ…、『静さん』と『鈴さん』で良いか?」
「良いよ。ワタシは『空君』って呼ぶから」
「さん付けで呼ばれるのも変な感じだな~。まいっか」
「ねぇ空松君。わたしと梓も呼び分けてくれるかしら?」
「えっ? 『店長さん』と『星岡さん』で呼び分けるつもりなんですが…」
この2つで間違われる事はないだろ。
「店長さんとか硬過ぎるよね~、恵お姉さん?」
「そうね。壁を感じちゃうわ…」
そこでしょんぼりしないでくれ。罪悪感が出るじゃないか…。
「――『恵さん』で良いですか?」
「良いわよ♪ 梓もそう呼んであげてね♪」
「できる限り努力します…」
今の好感度で呼んで良いのかどうか…。
「空松君。そろそろ緊張はほぐれたかしら?」
「……言われてみれば、カウンターに入ってすぐの時より落ち着いてます」
これもみんなのおかげだ。
「最初は緊張をなくすところからスタートするのよ。今なら色々教えられそうね」
「はい、お願いします!」
恵さんメインで時々静さんの補足が入りながら、調理道具の場所や接客について教えてもらう。今日は履歴書以外何も持ってきてないから、聴いた事をメモできないな…。
「大体こんな感じね。空松君がわかるまで教えるから安心してちょうだい♪」
「ありがとうございます」
とはいえ、なるべく早く覚えるようにしないと!
「そういえばさ~、結局映画はOKで良いの?」
鈴さんに言われてハッとする。名前で呼ぶ件や研修で忘れかけていた…。
「元々、静さんと2人で行く気だったんだよな? 俺邪魔だろ?」
「邪魔じゃないって! 翔お兄ちゃんと一緒に行きたい所があるの」
「俺と一緒に行きたい所ってどこだ?」
「それは着いてからのお楽しみ♪ 翔お兄ちゃん、絶対ビックリするよ~」
ビックリ? よくわからんが、俺がいても問題なさそうだ。
「ワタシも空君に来て欲しいかな。ワタシも好きなゲームやアニメの話をゆっくりしたいから」
あの時は確か“2人きり”と言っていたが、鈴さんはノーカンか。(2話参照)
「わかりました。そういう事なら一緒に行きます」
「やった~♪」
「ありがとう空君」
「空松君モテモテね~♪」
「そんなんじゃないですよ」
とは言ったものの、良い気分には変わりない。
俺がこの店に来てからお客さんは来店しているものの、恵さん達はおしゃべりを止めたりしない。そして、お客さんはそれを気にする様子を一切見せない。
常連さんはここの空気というか雰囲気をわかっているようだ。やはり自由なのは個人店ならではだな。
「空松君、今日は長い間お疲れ様。もう上がって良いわよ」
「わかりました。今日は本当にありがとうございました」
「さっきも言ったけど、わかるまで何度も教えるから無理しないでね」
「はい」
恵さんは本当に優しい人だ。
「ウチもそろそろ帰ろうかな~」
「気を付けるのよ、空松君・鈴ちゃん」
俺と鈴さんは一緒に店を出る。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる