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第5章 いろんな客とトラブルがやってきた!?
第194話 厩舎
しおりを挟む「なるほど。ずいぶん大きいし、力もそれなりにありそうだな」
「とりあえず10人乗りの馬車なら余裕で引けそうだったよ」
アリエスがどれくらいの重量を運べるかを確認してみたのだが、キャンプ場の従業員全員が乗ったシートを余裕で引っ張ることができていた。車輪がある分、たぶんそれよりも10人乗りの馬車のほうが軽いだろう。
「ふむ、それでは以前にユウスケ殿に見せた10人乗り用の馬車で考えてもよさそうか?」
「そうだな、それでお願いするよ。ただそれよりも先にこのアウルク……アリエスの寝る厩舎を作ってほしいんだよ。こっちはできれば至急でお願いしたいんだ」
「うむ、構わないぞ。木製の厩舎じゃったら今日中に作ることができそうだな」
「おお、それは早いな。ぜひお願いするよ!」
そういえば、あのログハウスの管理棟を建てる時もソニアとダルガで数日だったもんな。大親方達のお弟子さん達もいるし、この世界ならたったの1日で厩舎が建ってしまうらしい。
「あとは馬車のほうじゃな。ふむ、こやつなら結構な重量を運べるようじゃな。くっ、くっ、くっ、腕が鳴るわい!」
「……前にも言ったけれど、内装はともかく、外装は地味なやつで頼むぞ」
「そういえばそうだったか」
放っておくと大親方達はとんでもない馬車を作ってしまいそうだからな。あんまり目立ちすぎて逆に盗賊に狙われたり、貴族たちに目をつけられたりしたら困る。
その分実用的な部分は凝ってもらう予定だ。以前に乗せてもらった商業ギルドの馬車は、まだまだサスペンション機能が弱くて身体中が痛くなったからな。ちょっとストアでそのあたりについて詳しい本を購入して、必要な箇所を大親方達に見せようと思っている。
現代知識チートは身近なところで自分達のためだけに使うのだよ、はっ、はっ、はっ!
「それと追加で管理棟の横にパン窯を作りたいんだけれど、それもみんなに頼んで大丈夫かな?」
ダルガ工房では家から家具までいろいろなものを作っているが、メインは武器や防具だ。ちゃんとパン窯を作っているかは聞いておかないとな。
「パン窯であれば、うちの工房で作っておるな」
「今も受け付けているんで大丈夫っす!」
「それは助かるな。それじゃあパン窯はアーロさんの工房にお願いするよ」
どうやらそれぞれの工房で作っている物は異なるらしい。だがどの工房もメインは武器と防具ではあるようだ。まあ従業員たちの武器や防具を頼むことはあっても、俺個人の武器や防具を頼むことはないがな。……ないと信じたい。
「よし、食後の運動にまずは厩舎を作るとしよう!」
「これで完成だな。こんなもんでどうだ?」
「ブルルル!!」
「おお、喜んでおるわい。ここが自分の家とわかるのだな。なかなか賢いやつではないか」
ダルガ達にもそうだが、アリエスが俺達の言葉を理解しているということは従業員だけの秘密だ。
もちろんお客さんのみんなを信用していないわけではないが、この話が漏れてしまい、アリエスが実験台として狙われたりしたら、大ごとだからな。
「相変わらず仕事が早すぎるな。まだたったの1時間くらいなのに……」
木材をソニアやアルジャに頼んで切り出してもらって準備していたとはいえ、いくらなんでも早すぎる……
ダルガ達が図面をサッと書いて、お弟子さん達が木材を切り出し、組み立て始めたらあっという間に大きくて立派な厩舎が出来上がってしまった。
本当にこの世界は重機なんて必要ないよな……
「なあに、これだけの人数がいればすぐだぞ。もちろん早く作ったからと言って手を抜いているわけではないからな」
「もちろんそのあたりはダルガ達を信用しているから大丈夫だよ」
完成した厩舎はキャンプ場の入り口から入って左側に少し進んだところへ建ててもらった。そしてその横にはお客さんの馬や馬車を停めるスペースがあって屋根もある。
アリエスの厩舎はかなり広めに作ってもらっており、雨が降ってきても濡れないように作ってもらった。
アリエスが眠る用の場所もあるので、あとでマットや柔らかい草などが必要か本人に聞いてみるとしよう。こういう時に本人と意思疎通ができるのは本当に便利だよな。
「……あとで他にも必要なものがないか聞くからな」
「ブルルル!」
ダルガ達に聞こえないようにこっそりとアリエスに話をしておく。なにか気になったことがないか、あとでアルエちゃんに頼んで聞いてみるとしよう。
「ふむ、問題なさそうだな。かなり大きめに作っておいたから、厩舎の中でも少し運動ができるし、馬のもう1匹くらいは入れるようにしておいたぞ」
「ああ、とても助かるよ。アリエスもきっと喜んでくれていると思うぞ!」
まあこんなに大きな厩舎が必要だったのかとも言えなくもないが、小さいよりも大きいほうがいいだろう。アリエスも広々とした厩舎の中でのびのびと過ごせるみたいだしな。
まさかこんなに早くできてしまうとはな。異世界の建築スピード恐るべしである。
しかし、厩舎に馬車、パン窯、アルジャの武器、みんなへのボーナスなどで一気にお金が消えていく……
変異種の素材を売って大金持ちになったと思ったのに一瞬でなくなってしまいそうだ。少なくとも使いすぎて借金生活に戻らないようにだけは気を付けるとしよう……
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