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第5章 いろんな客とトラブルがやってきた!?
第211話 クラーケン料理
しおりを挟む「まずはさっぱりとしたイカ……じゃなかった、クラーケンソーメンだな」
「ほう、クラーケンを細切りにしたのか。かなり手間がかかったのではないか?」
「そこはもう従業員総出で頑張ったぞ。こっちの醤油かめんつゆにつけて食べてくれ。ネギとかきゅうりの細切りと合わせて食べてもおいしいよ」
「なるほど、クラーケンは生で食うんだな」
「これが伝説のクラーケンですか。実際に口にするのは初めてです」
まずはクラーケンを細切りにしたクラーケンソーメンだ。あの馬鹿でかいクラーケンを細切りにするのは結構大変だったぞ。アルジャが剣でザックリと切ってくれたあとに、みんなで細かく切ったのだ。
ちなみにクラーケンは生で食べることが可能らしい。こんなヤバい魔物に寄生虫みたいなのがつくことはないらしいが、念のため細切りにしてクラーケンソーメンにしてみた。
そもそもイカソーメンという料理法が寄生虫を予防するための料理法なのである。寄生虫の代表であるアニサキスは生命力が非常に弱く、身体の一部を傷付けられれば死ぬので、細く切ることによってより安全に食べることができるようになるのだ。
あんな馬鹿デカいイカがいるわけだから、馬鹿デカい寄生虫とかもいたりするのかな……気持ち悪すぎて絶対に見たくないんだけど。
「おお、これはサッパリとうまいな!」
「ああ。こんなに細く切っているのに弾力があって、噛めば噛むほど濃厚な味がじわじわと染み出てくるな!」
「冷たくて少ししょっぱいこの調味料とよく合うのじゃ! ふむ、ブレスで焼いて食べる味とはだいぶ異なるのじゃな」
ちゃんとサリアが水魔法で作った氷を使って冷やしている。このクラーケンはイカよりも旨みがはるかに凝縮されているので、これだけ細く切っても口の中が濃厚なクラーケンの旨みで一杯になり、それと醤油やめんつゆがとてもよくあうのだ。
「う~む、これにはワインよりもビールのほうが合いそうであるな」
「いや、日本酒のほうが合うかもしれねえぞ」
「くっ、酒は5本までだから、どれにするか迷うのじゃ……」
みんなどの酒に合わせるのか迷っているようだ。しかし、酒のつまみになるのはむしろこっちだ!
「お次はシンプルに焼いて醤油をかけたものと、炒めてアウトドアスパイスをかけたものだ。クラーケンの身の部分とげその部分の2種類を使ったから、ぜんぶで4種類になる。どれもビールや日本酒によく合うぞ」
やはりイカといえばシンプルに焼いたものが酒に一番合う。縁日とかの屋台で売っているイカ焼きの香りなんかはたまらないからな。醤油の焦げた香りに誘われて、つい普通に売っているよりも高いビールとセットで買ってしまうんだよ。
「おお、確かにこれは酒によく合うのじゃ!」
「かあああ! 確かにこれは最高の酒のつまみだぜ!」
「うむ、この弾力のある噛み応えと香ばしい味、そしてなによりこのクラーケンの味はたまらないのう!」
「生でもうまかったが、味をつけて炒めるとこうも味が変わるんだな!」
ああ……みんなうまそうに酒を飲むなあ……
さすがに今は営業中だから酒を飲むことができないんだよね……俺も昼間っからうまいつまみと一緒に酒を飲みたい! くっ、ジルベールさんじゃないけれど、俺も仕事をサボりたいものだぜ……
非常に残念だが、俺は夜に楽しむとしよう。
「そしてこっちはシーフード焼きそばだ」
ドンッ……という効果音と共にテーブルのど真ん中に置かれた大皿にはクラーケンの切り身がたっぷり入った超大盛の焼きそばが盛り付けられていた。
「おお、これは見事じゃな!」
「焼きそばというと、このキャンプ場でも出しているあの独特の香りのする焼きそばか?」
「ああ。ここで出しているのは肉と野菜だけど、今回はたっぷりのクラーケンの身と海産物が入っているんだ」
ここで出しているのは肉と野菜炒めを入れているソース焼きそばだが、今回はクラーケンの身がたっぷりと貝やエビを入れた特製のソース焼きそばである。
あまりにクラーケンの身が多すぎて、1/3くらいはクラーケンの身になっているけれどな。
「むむ、先ほどの炒めたやつもうまかったが、こっちの独特の香りがするソースの香りもうまいのじゃな!」
「ああ。こっちのソースの焦げた香りもたまらねえな! クラーケンの旨みに全然負けてねえぞ!」
俺もさっき味を見たが、クラーケンの身はとても濃厚な味なので、この焼きそばのメインとなっている。普通のシーフード焼きそばではイカは添えものな感じもするが、このシーフード焼きそばではむしろ主役を張れるのである。
「う~む、やはり普通にブレスで焼いて食べるのとは全然違うのじゃ。またうまい食材をとってきたら、ユウスケに任せるぞ!」
「ああ、俺としても普段食べられない食材を食べられるからありがたいよ」
他にもイカフライやイカ大根、イカときゅうりの中華炒め、イカのマリネなどなど。ひとつの食材を使っていろんな料理を作るのは結構楽しかった。イカスミとかもあればなお良かったんだが。
あのイノシシ型の変異種みたいなイレギュラーでもない限り、あれだけ高級な食材を手に入れるのは難しい。自由に空を飛んで遠くまで行けるサンドラは羨ましいな。
クラーケンソーメンを食べたら、この異世界の海鮮系の食材を食べたくなってしまった。アリエスもうちで働いてくれることになったわけだし、今度は少し長期の休みをとって馬車で海の街に行ってみるのもいいかもしれない。
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