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第219話 美しい星空
しおりを挟むロンデル遺跡の中で少し開けた場所へと移動し、そこにキャンピングカーを出す。
いつものようにみんなで晩ご飯を食べていると完全に日が暮れた。
「……星空が本当に綺麗だ」
「ホホー♪」
「うん、すっごく綺麗だね」
「ええ。周りの遺跡と星空がとても幻想的です」
晩ご飯を食べたあとは外で焚き火をしながら星空を見上げている。
焚き火のぱちぱちと弾ける音が静寂にやさしく響く。橙色の火の光が、苔むした石畳を浮き彫りにし、揺らめく影が遺跡の石柱に不思議な模様を描いていく。
火の粉がふわりと舞い、夜空へと消える。見上げるとそこには漆黒のカーテンに無数の星が瞬き、まるで宝石を散りばめたように銀河が煌めいている。今日は雲ひとつないので、広大な天の川がとてもよく見えた。大気汚染もないし、街中にある電柱なんかもないから、星空が元の世界以上に美しい。
「確かに綺麗だけど、そんなに珍しいもんか? それよりも今日の飯は本当にうまかったな!」
「ああ、昨日のすき焼き丼とやらもうまかったが今日の生姜焼きって料理もうまかった。特に日本酒との相性も最高だったぜ!」
……カルラとガレンにとってはこの遺跡の光景よりも晩ご飯やお酒の方が興味深かったらしい。確かに俺の好きな生姜をマシマシにしたブラッディベアの生姜焼きはとても力強い味でご飯とお酒に合っておしいかったが。
まあそれも2人らしいし、カルラはアステラル火山で暮らしていたからこの綺麗な星空を見慣れていたのかもしれない。アステラル火山で見た星空も本当に綺麗だったからな。
「……あとは魔物がそれほどいなかったら、しばらくここでのんびり過ごしたかったんだけれどなあ」
この開けた場所に来るまでに遺跡の建物を巣にしていた魔物がいた。コレットちゃんのおかげで戦闘を避けて来たのだが、俺たちの居場所がバレて襲ってきた大きな猿型の魔物と戦闘になった。
みんなのおかげで問題なく倒せたが、やはりこの周辺にも魔物は多いらしい。さすがにここでのんびりと過ごすのは難しいようだ。幻のオアシスのように周囲を気にせず安全に過ごせる場所は稀なのだろうな。
それにガレンとの護衛依頼の期限もあるし、明日にはこの遺跡を離れてアルカンの街を目指して帰らなければならない。この美しい夜のロンデル遺跡をしっかりとこの目に焼き付けておくとしよう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「おはよう、ガレン」
「ホーホー」
「おはよう、シゲト、フー太。こっちは問題なかったぞ。魔物から見えなくなるこのキャンピングカーは本当に便利だぜ」
翌日の朝になって、フー太と一緒にキャンピングカーの外に出る。ルーフテントにいたガレンも昨日の夜は問題なかったようだ。
透明化機能のおかげで夜魔物に襲われる数がだいぶ減って助かっている。
「朝食ができたよ。せっかくだから外で食べようか」
「おう!」
昨日の夕焼けを背にした遺跡跡や輝く星に包まれた夜空もよかったが、木々や建物の隙間から日が差し込むこの景色も実にすばらしい。せっかくだから外で食べるとしよう。
「ご飯もおいしいけれど、やっぱりパンもおいしいね!」
「ああ。このパンの香りがたまらねえぜ! それにこのジャムのホットサンドにアイスクリームを載せたやつが一番だな」
今日の朝食はパンとホットサンドだ。ここ数日は十分にご飯を堪能させてもらったので、今後はパンと半々にする予定である。それにお米は結構な量をもらってきたとはいえ、毎日食べてしまうと次にスターフェル村へ行くまでになくなってしまう。
焼き立てのパンとホットサンド、それにアイスクリームはこちらの世界の住人にとってはじゅうぶんなご馳走なのだろう。
「うおっ、確かにこいつは格別だな! 温かいパンとジャム、それに冷たいアイスクリームが口の中で混ざり合って最高だぜ!」
コレットちゃんやカルラだけでなく、ガレンもこのホットサンドは口に合うようだ。確かに今のところこのホットサンドが一番おいしいかもしれない。
「さて、ご飯を食べ終わったら、もう少しだけロンデル遺跡を見て回ろうか。お昼くらいまでゆっくりと回って、それからアルカンの街を目指していこう」
「ホホー!」
「了解です」
昨日この遺跡を少し回ったが、この集落の中心には一際大きな建物があるとガレンが言っていた。そこを見てからこの遺跡を出発すれば、明日の午前中くらいにはアルカンの街まで帰れる予定だ。
……短い期間だったけれど、ガレンにはとてもお世話になった。まだ一日あるけれど、早くも少しだけ寂しい気分だ。
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もうアメリカにはコメが拡がってるんだなぁ。
寿司に使えるコメとしてカリフォルニア米が栽培されていて、先日の米騒動で輸入されてたんですよね。
いつも売れ残ってはいましたが(あ💧)
感想ありがとうございます(*^◯^*)
日本の米不足もだいぶ深刻ですからね…
海外のお米もよいのですが、日本の伝統である寿司用のお米は国産のを使ってほしいところです!
遺跡いいですね
私、考古学と民俗学が好きなので、独身時代は一人で遺跡めぐりしました😅
感想ありがとうございます(о´∀`о)
おお、すごいですね!
やはり昔の遺跡や古墳などを巡るのはロマンがあります!
みんなが炊飯器の蓋を開けて空なのを確認して渋々諦めるまでが定番なんですね。
わかります。
丼飯とか定食に海外の人の注目が集まっているそうです。
中にはおでんを日本酒の出汁割りで楽しむ外国人女性も居るとか。
しかも言葉も通じないのにおでん屋のおばちゃんの勧めるままに食べていたのだとか。
感想ありがとうございます(*^◯^*)
日本のお米が世界へ広がっていくといいですよね!
日本にはいろんな丼メニューがありますから!