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第62話 新しいカップ
しおりを挟む「到着」
「リリス、お疲れさま」
「キュウ」
ベリスタ村を出てから行きと同じようにリリスの飛行魔法で戻ってきた。おかげでマウンテンバイクではかなりかかる道のりをだいぶ早く帰ってくることができたな。
リリスの飛行魔法なら、日帰りで往復もできそうだ。
「ふう~さすがに疲れちゃったちゃったな。お昼は簡単なものですませてもいい?」
「それならカップラーメンがいい」
「カップラーメンか。ハリーもそれでいい?」
「キュウ」
俺の言葉にハリーも頷く。
以前にレジメルの街へ行く際の野営をした時以来か。これくらいの頻度なら問題はないだろう。
それにしてもリリスは本当にカップラーメンが好きみたいだ。俺もあれだけおいしい野菜や肉や魚を食べておいて、カップラーメンなら許せてしまう。最近のものは本当に種類が多いうえに味もレベルが高いからなあ。
「リリス、できたよ」
「……了解」
お湯を入れてから待つこと少し。リリスがすぐにお湯を出せるから、一瞬で作ることができる。むしろどのカップラーメンを食べるか選ぶ時間の方が長かったくらいだ。
その短い時間でさえもタブレットに熱中して睨めっこしていたリリス。ベリスタ村にいた時はできなかったからなあ。村の人には魔道具と伝えれば使うことができたかもしれないけれど、どちらにせよwifiがなくてネットは使えない。
とはいえ、いろんな種類のスープの香りには抗えないようで、こちらの方を向く。
「今日はいっぱいある!」
「キュキュウ♪」
「1個はおまけだからみんなでシェアしよう。あとはちゃんと野菜も食べようね」
今日はカップラーメン3個の他にもう1個を用意した。デカ盛りのカップラーメンでもない限り、1個じゃ少し物足りない。あとはお湯を入れて待っている間に収納魔法から出してくれたベリスタ村の野菜を切ってサラダにする。
いまさら感がするけれど、カップラーメンを食べる時って多少野菜をとらないと、なんとなく背徳感があるんだよね。
「今日のやつもおいしい! 本当にそれぞれ味がまったく違っていて驚く」
「キュウキュウ!」
今回も前回とは異なる種類のカップラーメンを用意した。カップラーメンの種類は無限といってもいいからな。
本当に多すぎてどれを食べるか迷ってしまう。それに一度食べて気に入った味をもう一度食べたくなるから本当に難しいところだ。
「こっちのやつはスープがなくて色が黒い……?」
「キュ?」
「これはカップ焼きそばといってラーメンとは違う料理なんだよ。でもカップラーメンと同じでお湯を入れて3分でできるから似たようなものだね」
「……ケンタの世界の料理は本当にどうなっているの?」
「キュキュウ!」
いやまあ、全部が全部お湯を入れてすぐにできる料理というわけでもないんだけれど。とはいえ、お湯で温めたりレンジでチンするだけの冷凍食品もあるし、俺の世界の料理はだいぶ進んでいるよなあ。
「こっちもおいしい! 色は黒いし、この味は前に食べたソース?」
「正解だよ。ソース焼きそばといって、蒸した麺を炒めながらソースと絡めるんだ」
前に食べたワイバーンカツには中濃ソースで、ソース焼きそばはウスターソースだから厳密に言うとちがうのだが、ソースはソースということで。
ちなみにカップ焼きそばには赤くて丸いやつ、四角いからしマヨ付きのやつなどがあるが、今回は俺が良く食べている白い長方形のやつにした。いつもは2倍入った超大盛を食べるところだが、今日は普通のやつだ。
あとは北海道限定のカップ焼きそばも好きなんだよなあ。あれはカップ焼きそばなのにスープが付いているし。
……うん、カップ焼きそばも個人によって好みがあるし、深く追求するのはやめておこう。あれもきのことたけのこのように繊細な問題なのである。
「はい、こっちのやつ」
「キュキュウ」
「やっぱりみんなで食べるといろんな味がシェアできていいね」
「一度のいろんな味が楽しめて最高!」
ハリーに俺が食べていたカップラーメンから麺とスープをよそってあげる。合計で3つのカップラーメンとカップ焼きそばをシェアできるのはデカい。
昔は気に入ったカップラーメンを3種類くらいしか食べていなかったけれど、新しい味をいろいろと試すのもいいものだな。
週に1~2回くらいだったら、こうやってみんなでカップラーメンをシェアして食べるのも悪くないかもしれない。
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