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第81話 イタリアン
しおりを挟む「すげえ、全部の料理の絵が描いてあるのか!」
「師匠、これは写真といって前に見せた風景を切り取る道具の画」
車で移動してきて、ペットオッケーのお店のテラス席へと案内してもらった。
店員さんも若干怪訝な顔を浮かべていたが、問題なく案内してくれた。ハリーはキャリーケースから出して、俺の膝の上で一緒にメニューを見ている。このお店はメニューに写真がついているため、文字を読めないヴィオラとハリーもわかるから助かった。
「ここはイタリアという国の料理をだしているんだよ」
「イタリア!? 地図で見たら日本の反対くらい遠かったはず!」
「日本だといろんな国の料理を食べられるんだよ」
このお店はピザ、パスタ、リゾットなどがメニューに並んでいるイタリアンのお店らしい。
リリスはこちらの世界の地理も学んでいるようで、イタリアと聞いて驚いている。確かに普通に考えると、地球の反対側の国の料理を手軽に食べられるのはすごいことである。
「ケンタ、この料理はどんな料理だ?」
「このページの料理はピザといって、小麦粉を練った生地の上にトマトソースやハムやチーズなんかの具材を載せて焼いた料理だよ。とろけたチーズと具材が絡み合って本当においしいんだ」
「私はこれにする!」
「俺はこいつにするぜ!」
「キュキュ!」
それぞれがメニューの中で好きなピザを選ぶ。
「ひとり分が結構多そうだから、またみんなでシェアしようか? あとピザもおいしいけれど、こっちのパスタとかリゾットもおいしいよ」
「おっ、こっちの料理もうまそうだな。そんじゃあ、こいつとこいつも頼む!」
「私はこっちのも!」
「キュキュウ!」
みんなが次々とメニューの中の料理を指差すが、絶対にこんなに食べられないだろう。まあ、俺も初めて異世界の街へ行った時はメニューのここからここまでを持ってきてとか言いたかったから気持ちは分かる。別の世界の料理と聞くとそれくらい魅力的なのだ。
「すみません、マルゲリータとシーフードミックス。キノコのペペロンチーノ、アスパラとアサリのリゾットをお願いします」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
店員さんを呼んで注文をする。結局みんなと話していくつかの料理に絞った。
そして念のため確認をしておく。
「あの、この子にもお店の料理を食べさせてあげても大丈夫ですか?」
「キュキュ!」
「うわあ~とっても可愛らしいですね! はい、もちろん大丈夫ですよ。ただ、ハリネズミ用のメニューはうちの店にはないんですよねえ……」
「食べられる食材だけ取り分けるので大丈夫です」
「それでは取り皿をお持ちしますね。それにしてもすごくキュートです!」
「ありがとうございます」
このお店には犬用と猫用のメニューもあった。俺は知らなかったけれど、最近はドッグラン併設のこういったお店も増えているらしい。
若い女性店員さんはハリーをキラキラとした目で見つめていた。
ふっふっふ、うちのハリーは可愛いだろう。ペット可のお店に勤めているくらいだから、きっと動物が好きなのかな?
「うおっ、チーズがとろけてこの酸味のあるソースとめちゃくちゃあうじゃねえか! それにこっちの魚介類が入っているやつと味が全然違うな!」
「この麺料理もラーメンとは違っておいしい! やっぱりこっちの世界の味付けはどれもおいしい!」
「キュキュキュウ♪」
「ラーメンもおいしいけれど、こういった料理もおいしいでしょ」
いろんな料理をシェアして食べていると、みんな目を輝かせている。カップラーメンや冷凍食品ももちろんおいしいのだが、お店で食べるこういった料理もとてもおいしいのだ。
「うおっ、なんだこの飲み物は!?」
「甘くて口の中で弾ける!」
「キュ、キュキュキュウ!?」
「これはコーラといって炭酸を使っていて……うん、俺も詳しくは知らないからあとで調べるよ」
飲み物はお酒ではなくコーラとジンジャーエールだ。
そういえば普段俺は炭酸系を飲まないから家には置いていなかった。だから3人にとっては初体験の炭酸飲料となる。
「おもしれえ飲み物だな。こいつは気に入ったぜ!」
「……私は普通のオレンジジュースの方がいい」
「キュウ~♪」
炭酸も好き嫌いはあるよなあ。ヴィオラとハリーは気に入ったみたいだけれど、リリスはちょっと苦手みたいだ。俺もあえて炭酸飲料を選ぶことは少ないかな。
「ああ。本当にこっちの料理はどれもうまいな。ケンタ、お代わりしてもいいか?」
「私もお代わり!」
「キュウ!」
「晩ご飯もあるからほどほどにな。それにちゃんとデザートもあるからね」
そう、イタリアン料理のデザート、ドルチェといえばあれで決まりだろう。
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