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夢と現実の交わるところ
第一日
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第一日
また、同じ夢を見た。
幼い頃からたまに見ていた夢を、ここ最近毎日のように見る。
その夢は、幼い自分が誰かと約束を交わす夢なのだが、目を覚ました時には、相手の顔も、なにを約束したのかも、まったく思い出すことが出来ない。
俺はベッドから抜け出すと、洗面所にいき、顔を洗い、歯を磨きながら考えた。
あの夢をこんなに頻繁に見るのは、初めてだ。
ただの夢……。そうわかってはいるのに、なんだか胸騒ぎまでする。
「漱起きたの? 朝ごはん食べる?」
キッチンのほうから聞こえる母の声に、俺は口をゆすいでから、いらないと答えた。
今は、あの夢について一人でじっくり考えたい。そう思った俺は、家から歩いて五分程のところにある浜辺にいくために準備を始める。
昔から、なにか悩み事があるとよくこの浜辺にきて、どうするか考えると、不思議と解決の糸口が掴めるのだった。
ジリジリと暑い夏の日差しを感じながら浜辺を歩いていると、俺がいつも座って考えごとをしているあたりに、人影があった。
よく見ると、白いワンピースを着た女の人みたいだ。
また、出直そうか。人がいてはゆっくり考えごとも出来ない。
そう思うのに、足は止まらず勝手に彼女のほうへと近づいていく。
「こんにちは」
彼女の後ろまできた俺は、そういっていた。
足だけではなく、口まで勝手に動き出してしまった。夢のことが気になって、見知らぬ人と楽しくおしゃべり、なんて気分ではないのに、声をかけてしまった以上仕方ない。腹をくくった俺は、相手の反応を待った。
彼女は、しばらくした後、ゆっくりと振り返った。
振り返った彼女を見て俺は息をのんだ。
後ろ姿のときから、綺麗な長い黒髪に、透き通るような白い肌、スタイルも申し分ない、きっと綺麗な人なんだろうと、短い間に想像していたが、想像以上の美しさだった。
俺は、失礼だとわかりつつも、彼女の顔をまじまじと見つめてしまった。だから、彼女の表情が短い間にころころと変わっていくのが、よくわかった。
最初振り返った彼女は、なにかしら? といういたって普通の表情だった。それから、俺のことをちょっとの間見た後、すごく驚いていた。そして、とても親しい人に向けるような満面の笑みを浮かべる。だが、彼女は何かに気づいたのか、顔を曇らせては他人に向ける、よそよそしい笑みを俺に向けたのだった。
俺が知りあいに似ていたんだろうか? そんなことより、俺はさっき彼女が見せた満面の笑みがもう一度見たいと、強烈に思っていた。その笑みは誰もが一瞬で彼女を好きになってしまうような、本当にすてきな笑みだったのだ。
「こんにちは」
彼女は、声までもが美しかった。彼女の言葉には、歌うような響きがある。
俺は多分もう、彼女に恋をしてしまっている。そう思った。
自慢じゃないが、俺はもてる。今までかなりの女の子に告白され、その中のなん人かの子とはつきあいもした。
だが、俺がその子を本気で好きになることなんてなかった。いつも、なにかが違うと思っていた。
そう、いつもはなにかが違うと思うのだ。
だけど、彼女にはそれがなかった。それどころかなにかがパチリとはまったような気さえした。
やっと逢えた。
なぜだか俺は、そう思った。この日を俺は、待ちわびていた、そんな気がする。
俺が彼女に逢うのは初めてのはずなのに、なぜか、俺は彼女になつかしさを感じていた。
しかし、こんなにすてきな一瞬で恋に落ちてしまうような彼女を、忘れてしまうなんてあるのだろうか?
俺がずっと黙っていたからか、彼女がまた口を開いた。
「私は、ことね。あなたの名前は?」
「俺は、漱」
声をかけたのは俺なのに、一人もの思いにふけってしまったことを、悪かったなと思って、あわてて口を開いたせいか、かなり早口になってしまった。
彼女はそんなことを気にもせず、俺にほほえみかけると右手を差し出してきた。
「よろしくね、漱くん」
くんづけで呼ばれたのが久し振りで、なんだかてれくさかった。
よろしく、といって俺も右手を差し出す。
彼女の手はとても華奢で、強く握れば本当に壊れてしまうんじゃないかと思った。そして、彼女の手のひらは、さっきまで海水につけていたんじゃないかと思うくらいに、冷たかった。
「手、冷たいね。大丈夫?」
俺は、なんとなく心配になって聞いた。こんなに暑い日に、その手の温度はふつりあいだ。
すると、彼女はクスっといかにも面白そうに笑う。
なにがおかしかったのかわからなくて、俺は首をかしげた。
「ごめんね。昔私に同じようなことをいった人の表情にあまりにも似ていたものだから、つい」
楽しげに話す彼女につられて俺も思わず笑ってしまう。
「その人は、俺に似てるの?」
「え?」
彼女はキョトンとした。
「だって、さっきあまりにも似ていたって。それに、最初俺を見た時に、親しい人に逢ったような顔をしたし」
「あぁ、そうね。似てるわよ」
そういって笑う彼女は、今俺に似た人物のことを思い出しているのだろうか?
なんだか、ちょっと妬ける。
彼女に、あんなすてきな笑顔で見つめられる奴はどんな奴なんだ?
「その人ってどんな人なの?」
「そうねぇ……」
そういうと、彼女はしばらく黙りこんだ。
俺は辛抱強く待つ。
思い出すのにこんなに時間がかかっているんだ。彼女にとってたいした奴じゃなかったのかもしれない。
妬くまでの奴じゃないな。
「とても、優しい人だった」
内心知らぬ奴に勝った気で少し喜んでいた俺に、彼女がやっと言葉をはっした。
「私のことをとても大事にしてくれて、元気で明るい人だった。大好きだって、いってくれたし、私も大好きだった。今はどうか、わからないけどね」
そういって、彼女は俺に笑顔を見せた。その笑顔は、どことなく寂しそうだった。
「どうして?」
「長いこと逢っていないの。私は今でも彼のこと大好きだけど、彼はもう私のことなんかきっと忘れているわ……」
悲しそうにうつむく彼女。
誰が彼女をこんなに悲しませているんだ。
彼女の悲しそうな姿をこれ以上見ていたくなくて、元気づけようと俺は口を開いた。
「大丈夫だよ。こんなに美しいきみを、忘れる男なんているはずないよ。たとえ、なん年逢っていなかったとしてもね」
「そうだといいんだけど……」
彼女はそういって、悲しそうな顔のまま、無理に笑顔を浮かべた。
誰だか知らないが、相手は思ったよりも手強いらしい。
彼女にここまで思われているなんて、本当にどんな奴なんだ。彼女のいうとおり優しい奴なら、彼女の悲しみを今すぐ癒してやってくれよ。
俺は、見たこともないその男に、怒りと嫉妬を抱いていた。
それから俺たちは、他愛のないことをしばらく話して、別れる。
その会話でわかったことは、彼女が最近この町に来たことと、同い年だということだけだった。
もっとも、彼女の悲しそうな顔を見たくなくて、ベラベラとしゃべっていたんだから仕方ない。
俺は、生活の中での失敗談や笑い話を中心に面白おかしく、ときには脚色をして彼女に話した。
彼女は俺の話しをずっと笑いながら楽しそうに聞いていてくれた。
笑った顔や、その笑い声が、あまりにも綺麗で、俺はもっと見たくて聞きたくて、ついしゃべりすぎて、彼女のことを聞くということを出来ずに終わってしまった。
彼女と別れた後、彼女のことはほとんど知らないのに、俺はその日一日中、彼女のことが頭から離れなかった。
次に逢った時にはなにを話そうか。あたり前のように、約束もしていないのにまた会えると思いながら、ベッドにはいった。
また、同じ夢を見た。
幼い頃からたまに見ていた夢を、ここ最近毎日のように見る。
その夢は、幼い自分が誰かと約束を交わす夢なのだが、目を覚ました時には、相手の顔も、なにを約束したのかも、まったく思い出すことが出来ない。
俺はベッドから抜け出すと、洗面所にいき、顔を洗い、歯を磨きながら考えた。
あの夢をこんなに頻繁に見るのは、初めてだ。
ただの夢……。そうわかってはいるのに、なんだか胸騒ぎまでする。
「漱起きたの? 朝ごはん食べる?」
キッチンのほうから聞こえる母の声に、俺は口をゆすいでから、いらないと答えた。
今は、あの夢について一人でじっくり考えたい。そう思った俺は、家から歩いて五分程のところにある浜辺にいくために準備を始める。
昔から、なにか悩み事があるとよくこの浜辺にきて、どうするか考えると、不思議と解決の糸口が掴めるのだった。
ジリジリと暑い夏の日差しを感じながら浜辺を歩いていると、俺がいつも座って考えごとをしているあたりに、人影があった。
よく見ると、白いワンピースを着た女の人みたいだ。
また、出直そうか。人がいてはゆっくり考えごとも出来ない。
そう思うのに、足は止まらず勝手に彼女のほうへと近づいていく。
「こんにちは」
彼女の後ろまできた俺は、そういっていた。
足だけではなく、口まで勝手に動き出してしまった。夢のことが気になって、見知らぬ人と楽しくおしゃべり、なんて気分ではないのに、声をかけてしまった以上仕方ない。腹をくくった俺は、相手の反応を待った。
彼女は、しばらくした後、ゆっくりと振り返った。
振り返った彼女を見て俺は息をのんだ。
後ろ姿のときから、綺麗な長い黒髪に、透き通るような白い肌、スタイルも申し分ない、きっと綺麗な人なんだろうと、短い間に想像していたが、想像以上の美しさだった。
俺は、失礼だとわかりつつも、彼女の顔をまじまじと見つめてしまった。だから、彼女の表情が短い間にころころと変わっていくのが、よくわかった。
最初振り返った彼女は、なにかしら? といういたって普通の表情だった。それから、俺のことをちょっとの間見た後、すごく驚いていた。そして、とても親しい人に向けるような満面の笑みを浮かべる。だが、彼女は何かに気づいたのか、顔を曇らせては他人に向ける、よそよそしい笑みを俺に向けたのだった。
俺が知りあいに似ていたんだろうか? そんなことより、俺はさっき彼女が見せた満面の笑みがもう一度見たいと、強烈に思っていた。その笑みは誰もが一瞬で彼女を好きになってしまうような、本当にすてきな笑みだったのだ。
「こんにちは」
彼女は、声までもが美しかった。彼女の言葉には、歌うような響きがある。
俺は多分もう、彼女に恋をしてしまっている。そう思った。
自慢じゃないが、俺はもてる。今までかなりの女の子に告白され、その中のなん人かの子とはつきあいもした。
だが、俺がその子を本気で好きになることなんてなかった。いつも、なにかが違うと思っていた。
そう、いつもはなにかが違うと思うのだ。
だけど、彼女にはそれがなかった。それどころかなにかがパチリとはまったような気さえした。
やっと逢えた。
なぜだか俺は、そう思った。この日を俺は、待ちわびていた、そんな気がする。
俺が彼女に逢うのは初めてのはずなのに、なぜか、俺は彼女になつかしさを感じていた。
しかし、こんなにすてきな一瞬で恋に落ちてしまうような彼女を、忘れてしまうなんてあるのだろうか?
俺がずっと黙っていたからか、彼女がまた口を開いた。
「私は、ことね。あなたの名前は?」
「俺は、漱」
声をかけたのは俺なのに、一人もの思いにふけってしまったことを、悪かったなと思って、あわてて口を開いたせいか、かなり早口になってしまった。
彼女はそんなことを気にもせず、俺にほほえみかけると右手を差し出してきた。
「よろしくね、漱くん」
くんづけで呼ばれたのが久し振りで、なんだかてれくさかった。
よろしく、といって俺も右手を差し出す。
彼女の手はとても華奢で、強く握れば本当に壊れてしまうんじゃないかと思った。そして、彼女の手のひらは、さっきまで海水につけていたんじゃないかと思うくらいに、冷たかった。
「手、冷たいね。大丈夫?」
俺は、なんとなく心配になって聞いた。こんなに暑い日に、その手の温度はふつりあいだ。
すると、彼女はクスっといかにも面白そうに笑う。
なにがおかしかったのかわからなくて、俺は首をかしげた。
「ごめんね。昔私に同じようなことをいった人の表情にあまりにも似ていたものだから、つい」
楽しげに話す彼女につられて俺も思わず笑ってしまう。
「その人は、俺に似てるの?」
「え?」
彼女はキョトンとした。
「だって、さっきあまりにも似ていたって。それに、最初俺を見た時に、親しい人に逢ったような顔をしたし」
「あぁ、そうね。似てるわよ」
そういって笑う彼女は、今俺に似た人物のことを思い出しているのだろうか?
なんだか、ちょっと妬ける。
彼女に、あんなすてきな笑顔で見つめられる奴はどんな奴なんだ?
「その人ってどんな人なの?」
「そうねぇ……」
そういうと、彼女はしばらく黙りこんだ。
俺は辛抱強く待つ。
思い出すのにこんなに時間がかかっているんだ。彼女にとってたいした奴じゃなかったのかもしれない。
妬くまでの奴じゃないな。
「とても、優しい人だった」
内心知らぬ奴に勝った気で少し喜んでいた俺に、彼女がやっと言葉をはっした。
「私のことをとても大事にしてくれて、元気で明るい人だった。大好きだって、いってくれたし、私も大好きだった。今はどうか、わからないけどね」
そういって、彼女は俺に笑顔を見せた。その笑顔は、どことなく寂しそうだった。
「どうして?」
「長いこと逢っていないの。私は今でも彼のこと大好きだけど、彼はもう私のことなんかきっと忘れているわ……」
悲しそうにうつむく彼女。
誰が彼女をこんなに悲しませているんだ。
彼女の悲しそうな姿をこれ以上見ていたくなくて、元気づけようと俺は口を開いた。
「大丈夫だよ。こんなに美しいきみを、忘れる男なんているはずないよ。たとえ、なん年逢っていなかったとしてもね」
「そうだといいんだけど……」
彼女はそういって、悲しそうな顔のまま、無理に笑顔を浮かべた。
誰だか知らないが、相手は思ったよりも手強いらしい。
彼女にここまで思われているなんて、本当にどんな奴なんだ。彼女のいうとおり優しい奴なら、彼女の悲しみを今すぐ癒してやってくれよ。
俺は、見たこともないその男に、怒りと嫉妬を抱いていた。
それから俺たちは、他愛のないことをしばらく話して、別れる。
その会話でわかったことは、彼女が最近この町に来たことと、同い年だということだけだった。
もっとも、彼女の悲しそうな顔を見たくなくて、ベラベラとしゃべっていたんだから仕方ない。
俺は、生活の中での失敗談や笑い話を中心に面白おかしく、ときには脚色をして彼女に話した。
彼女は俺の話しをずっと笑いながら楽しそうに聞いていてくれた。
笑った顔や、その笑い声が、あまりにも綺麗で、俺はもっと見たくて聞きたくて、ついしゃべりすぎて、彼女のことを聞くということを出来ずに終わってしまった。
彼女と別れた後、彼女のことはほとんど知らないのに、俺はその日一日中、彼女のことが頭から離れなかった。
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