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『南海琉生』編 【完結】
【7月】祐の隠し事
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太陽の日が降り注がれる初夏。
外の庭には紫陽花の姿はなく、代わりに朝顔の花が咲いていた。
病室もクーラーを付けれるようになって、僕とつっきーは快適に過ごしていた。
僕はいつも通りに起き、いつも通りにつっきーと他愛のない会話をしていつも通りに再び眠りにつこうとした。が、無理だった。
なんとしても、この暑さだ。
到底寝れるわけない。
一応病室には冷房は入ってるらしいけど、僕の体調管理のためにいつも25℃設定だ。
正直、暑いけどこれも僕の為。
つっきーも僕のために暑いのを我慢してくれてる。
本当に良き友を持ったと思う。
さて、ここからが本題だけど最近祐がなにか僕に隠し事をしてるような気がする。
最近の祐はなんだか、元気がないような…疲れているような…
もしかしたら、僕のせいかな…?
不安になった僕は祐にMAINをして見ることにした。
琉生《祐~》
祐樹《どうした?》
琉生《あのね…聞きたいことが…》
祐樹《あ、すまん!ちょっと手が離せなくて…後で病室いくから、じゃな!》
「あ…」
せっかく聞き出そうとしたのに途切れてしまった。
忙しかったのかな?
僕は少し不安になりながらもスマホをそばに置き、暑い中眠りについた。
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
どのくらい寝てたのだろうか…
目開けると外は真っ赤に染まっていた。
ふと横を見ると余程疲れていたのか、祐が座りながら眠っていた。
言っていたので僕はそのまま寝かせることにした。
僕は上体を起こし、ベットの背にもたれるようにして再び本を読み出した。
向かい側のベットにはつっきーが寝ている。
病室には2人の寝息が響いていた。
しばらく外を眺めていると、2羽の雀が屯っているのをみつけた。
まるで、幼い頃の自分たちのように
また、祐と楽しく遊びたいな…
そんな無謀なことを思いながら祐を見ると、先程まで寝ていたはずなのにすでに起きていて、じーっと僕のことを見ていていたのだ。
僕はびっくりして思わず大きな声が出てしまった。
すると、向かいのベッドからクスッと笑い声が聞こえた。
いつの間にかつっきーは起きていてこの様子を見ていたらしい。
痛々しそうだったつっきーの身体は少しづつ治ってきて今では残っている包帯は頭だけだった。
ふと、考え事を思い出した僕は、祐に聞いてみた。
「祐、僕に隠し事してない?」
「え、?」
祐はきょとんとした顔で僕を見た。
「だって…最近疲れてるみたいだから…もしかしたら、僕のせいでそうなってるのかなって…」
「んな理由ねぇだろ?お前はちっとも悪くない。安心しろ」
祐は優しく僕の頭をなでた。
でもそれはなんだか、はぐらかされたようで
僕の心は少し傷ついてしまったようだった。
向日葵が咲き誇るある夏の日だった。
外の庭には紫陽花の姿はなく、代わりに朝顔の花が咲いていた。
病室もクーラーを付けれるようになって、僕とつっきーは快適に過ごしていた。
僕はいつも通りに起き、いつも通りにつっきーと他愛のない会話をしていつも通りに再び眠りにつこうとした。が、無理だった。
なんとしても、この暑さだ。
到底寝れるわけない。
一応病室には冷房は入ってるらしいけど、僕の体調管理のためにいつも25℃設定だ。
正直、暑いけどこれも僕の為。
つっきーも僕のために暑いのを我慢してくれてる。
本当に良き友を持ったと思う。
さて、ここからが本題だけど最近祐がなにか僕に隠し事をしてるような気がする。
最近の祐はなんだか、元気がないような…疲れているような…
もしかしたら、僕のせいかな…?
不安になった僕は祐にMAINをして見ることにした。
琉生《祐~》
祐樹《どうした?》
琉生《あのね…聞きたいことが…》
祐樹《あ、すまん!ちょっと手が離せなくて…後で病室いくから、じゃな!》
「あ…」
せっかく聞き出そうとしたのに途切れてしまった。
忙しかったのかな?
僕は少し不安になりながらもスマホをそばに置き、暑い中眠りについた。
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
どのくらい寝てたのだろうか…
目開けると外は真っ赤に染まっていた。
ふと横を見ると余程疲れていたのか、祐が座りながら眠っていた。
言っていたので僕はそのまま寝かせることにした。
僕は上体を起こし、ベットの背にもたれるようにして再び本を読み出した。
向かい側のベットにはつっきーが寝ている。
病室には2人の寝息が響いていた。
しばらく外を眺めていると、2羽の雀が屯っているのをみつけた。
まるで、幼い頃の自分たちのように
また、祐と楽しく遊びたいな…
そんな無謀なことを思いながら祐を見ると、先程まで寝ていたはずなのにすでに起きていて、じーっと僕のことを見ていていたのだ。
僕はびっくりして思わず大きな声が出てしまった。
すると、向かいのベッドからクスッと笑い声が聞こえた。
いつの間にかつっきーは起きていてこの様子を見ていたらしい。
痛々しそうだったつっきーの身体は少しづつ治ってきて今では残っている包帯は頭だけだった。
ふと、考え事を思い出した僕は、祐に聞いてみた。
「祐、僕に隠し事してない?」
「え、?」
祐はきょとんとした顔で僕を見た。
「だって…最近疲れてるみたいだから…もしかしたら、僕のせいでそうなってるのかなって…」
「んな理由ねぇだろ?お前はちっとも悪くない。安心しろ」
祐は優しく僕の頭をなでた。
でもそれはなんだか、はぐらかされたようで
僕の心は少し傷ついてしまったようだった。
向日葵が咲き誇るある夏の日だった。
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