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14話 ジェレミー王子
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「おはようございます」
親衛隊のご令嬢達とのトラブルから数週間。
魔法薬学研究室の扉を開けるとのんびりと教授のコンラッドさんが手を上げた。
「やあ、おはよう」
「おはようございます」
「ウィル君もおはよう。本当に毎朝仲が良いねえ」
「え、そそそそんなことは」
私の後ろにいたウィル様が爽やかに笑う。私は相変わらずうろたえているけれど。
あれからウィル様は毎日研究室の前まで私を送り届けてくれている。そこまでしなくてもいいと言っても自分がそうしたいから、と譲らないのだ。
最初こそ王城ですれ違う人々や、同僚の魔法薬師達もギョッとしていたけれど数週間も経てば皆何も言わなくなっていた。
むしろ教授や魔法薬師達とウィル様は仲良くなったらしく気安く挨拶まで交わしている。
慣れって怖い。
「それじゃあステラ、また後で」
「ウィル様もお勤めがんばってください」
にこりと笑ったウィル様に私は慌てて頭を下げた。
そのままマントを翻してウィル様は廊下を去っていく。
私の送り迎えなんてウィル様は負担じゃないのかなあ。王城から帰る時も仕事でどうしても無理な時以外は送ってくれるのだ。
う、嬉しいと言えば嬉しいけど逆にちょっと心配にもなる。
「おや、今日はいつもとは違う色のワンピースだね。前髪も切ったしなんだかハーディング研究員は明るくなったなあ」
「いやあ、そんなことは……」
目敏いコンラッド教授に私は視線をうろうろさせる。
普段は研究室の黒いマントの下には黒やグレー、茶色の地味なワンピースを着ていたけれど今日は爽やかな色のワンピースを着ていた。これはアメリア姉様のお下がりなんだけど、縁に白いレースがついてて私にしてはちょっと可愛らしいデザインだった。
だって毎日ウィル様に会うのにあんまり変な恰好できないじゃない。
家でそうぼやいて一人で困り果ててたらアメリア姉様が妙にやる気を出してコーディネートしてくれたのだ。ちなみに髪にも同じ水色の石のついたヘアピンを申し訳程度につけている。
今朝迎えに来てくれたウィル様は「可愛いピンつけてる」と褒めてくれた。
まあ、褒められたのはピンだけど柄にもなくちょっと喜んでしまった。
そうは言ってもどんなにお洒落したところで私なのでアメリア姉様や他のご令嬢達にみたいに華やかにはならないんだけど。
「おや、ウィルの婚約者殿じゃないか」
げ、と声に出して言わなかったのを褒めてほしい。
研究室で使う薬草を運んでいたらまたレナルド殿下と廊下で鉢合わせしてしまった。お付きの人達を連れて移動中のようだから、さっさと行ってほしいのだけどなあ。以前中庭で騎士様達が話していたことから考えると、弟のジェレミー殿下と繋がりの強いウィル様の婚約者である私に対しても自動的に当たりが強くなっているのかな。
そんなこと私にはどうしようもないんだけど。
とりあえずスカートのすそを摘まんで頭を下げる。どうか嵐よ何事もなく去ってくださいと祈りながら。
「ごきげんよう、レナルド殿下」
「ふん、ずいぶんと色気づいたようだな。城内でも噂になっているぞ」
「い、色気……!?」
ぎょっとして顔を上げるとニヤニヤとしたレナルド殿下がこちらを見下ろしていた。
「あの根暗の狸がとな」
「たぬ……!?」
タヌキ!?
唖然としてる私の方にレナルド殿下が手を伸ばしてきた。
「え」
レナルド殿下が私の顎を掴んだ。
赤い瞳がじっとこちらを見つめる。
な、なに? なんだこの展開は。
「狸ではあるがまあまあ見れるようにはなったな。どうだ、俺だったらお前の研究に投資してやることも」
「はい、そこまで!」
廊下に響き渡った声と共に横から出てきた手がひょいっと私の顎を掴んでいたレナルド殿下の手を外した。
今度は誰!? と思ったら……。
「ジェレミー殿下! ……と兄様」
「だめだよ兄上。ご令嬢に気軽に触れては。ましてや彼女には婚約者がいるんだから」
「ジェレミー……!」
ふんわりとした雰囲気のジェレミー殿下とその後ろに今にもレナルド殿下を射殺しそうな目をしたセオドア兄様がいた。王子二人が急に揃ってしまった廊下は一気に張り詰めた空気に包まれる。後ずさりした私の背をセオドア兄様が支えてくれた。
「大丈夫か?」
「は、はい」
レナルド殿下は面白く無さそうにジェレミー殿下を睨んだと思ったら視線を逸らしてしまった。
「はっ。少しからかってやっただけだ。行くぞ!」
お付きの人達の連れてレナルド殿下は足早に去って行ってしまった。ほっと私は肩を落とす。本当に一体何だったんだろう……。
くるりと振り返ったジェレミー殿下が心配そうに首を傾げた。
「大丈夫かい? うちの兄が失礼をしたね」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます……」
「次の騎士団の練習試合はいつだった? ぼっこぼこにしてやらんと気がすまん」
「ちょ、兄様!?」
急にジェレミー殿下に心配されて恐縮してたらセオドア兄様が不穏なことを言い出した。うちのセオドア兄様は少々シスコンだった。
「あはは、合法的な方法だったらどんどんやっちゃって」
「ジェレミー殿下まで……! あの、私は大丈夫なので! 本当にありがとうございました」
がばっと頭を下げたら温和に微笑んだジェレミー殿下が頭を下げたままの私を起こしてくれた。
「まあまあ、それよりステラ嬢だよね。ウィルと仲良くやっているみたいだね」
「あ、いえ、まあ……。おかげさまで……その、良くして頂いております」
急にウィル様の話をされてしどろもどろになってしまった。セオドア兄様は相変わらず面白く無さそうな顔をしているけど、私を家に送りがてらウィル様と楽しそうに話してることもあるし仲が悪いわけじゃないと思う。ただシスコンなだけで。
ウィル様もジェレミー殿下と騎士学校では同期なんだったっけ。
「君と婚約してからウィルも毎日楽しそうだよ。もし何か困ったことがあったら教えてね。力になるよ」
「ありがとうございます……」
なんて優しい方なんだろう。
レナルド殿下とは全然違うんだなあ。
「あれ? ステラ!」
その時後方から騎士様達がガヤガヤと移動してきた。その中からウィル様が顔を出す。セオドア兄様が仏頂面のまま声をかける。
「遅いぞウィル! まったく……」
「うちの隊は今訓練が終わったところなんだよ。……どうしたんだ? ジェレミーまで」
「やあ、君の可愛い婚約者とちょっとお話ししてみたくてね」
「お前はまたそんなことを……レナルド殿下に絡まれてたんだよ」
「ええ!? ステラ、大丈夫だったか?」
「はい、ジェレミー殿下と兄様に助けていただいたので」
ウィル様が驚いて心配そうな顔をした。
薬草を運んでただけなのになんだか大事になってしまった。
「ねえ、ステラ嬢。今度僕にも魔法薬学を教えてほしいな。おもしろそう」
「ああ! ちょっと待った! ダメダメダメ! 他の魔法薬師に聞いてくれ!」
「え? ええ?」
朗らかに人懐っこい笑顔をしたジェレミー殿下の言葉を遮るように珍しくウィル様がむすっとした顔をする。ぷっと隣でセオドア兄様が噴出していた。セオドア兄様もだけどウィル様もジェレミー殿下とずいぶん気安い間柄なんだな。騎士団で同期だからかな。
キョロキョロしている私をよそにジェレミー殿下は楽しそうにウィル様の肩を叩いた。
「わかってるよ、仕方ないなあ。君がこんなにヤキモチ焼きだとはねえ」
「……ジェレミー!」
「そろそろ行かないと勤務の交代時間に間に合わないぞ」
「わかってる。……ステラ、ごめんな。あとで迎えに行くから」
「は、はい」
私も早く薬草を研究室に持って行かなければいけないんだった。
まったくレナドル殿下のせいで余計に時間がかかってしまったなあ。
にこっと笑って手を振るジェレミー殿下とセオドア兄様とウィル様に頭を下げて私も仕事に戻ったのだった。
親衛隊のご令嬢達とのトラブルから数週間。
魔法薬学研究室の扉を開けるとのんびりと教授のコンラッドさんが手を上げた。
「やあ、おはよう」
「おはようございます」
「ウィル君もおはよう。本当に毎朝仲が良いねえ」
「え、そそそそんなことは」
私の後ろにいたウィル様が爽やかに笑う。私は相変わらずうろたえているけれど。
あれからウィル様は毎日研究室の前まで私を送り届けてくれている。そこまでしなくてもいいと言っても自分がそうしたいから、と譲らないのだ。
最初こそ王城ですれ違う人々や、同僚の魔法薬師達もギョッとしていたけれど数週間も経てば皆何も言わなくなっていた。
むしろ教授や魔法薬師達とウィル様は仲良くなったらしく気安く挨拶まで交わしている。
慣れって怖い。
「それじゃあステラ、また後で」
「ウィル様もお勤めがんばってください」
にこりと笑ったウィル様に私は慌てて頭を下げた。
そのままマントを翻してウィル様は廊下を去っていく。
私の送り迎えなんてウィル様は負担じゃないのかなあ。王城から帰る時も仕事でどうしても無理な時以外は送ってくれるのだ。
う、嬉しいと言えば嬉しいけど逆にちょっと心配にもなる。
「おや、今日はいつもとは違う色のワンピースだね。前髪も切ったしなんだかハーディング研究員は明るくなったなあ」
「いやあ、そんなことは……」
目敏いコンラッド教授に私は視線をうろうろさせる。
普段は研究室の黒いマントの下には黒やグレー、茶色の地味なワンピースを着ていたけれど今日は爽やかな色のワンピースを着ていた。これはアメリア姉様のお下がりなんだけど、縁に白いレースがついてて私にしてはちょっと可愛らしいデザインだった。
だって毎日ウィル様に会うのにあんまり変な恰好できないじゃない。
家でそうぼやいて一人で困り果ててたらアメリア姉様が妙にやる気を出してコーディネートしてくれたのだ。ちなみに髪にも同じ水色の石のついたヘアピンを申し訳程度につけている。
今朝迎えに来てくれたウィル様は「可愛いピンつけてる」と褒めてくれた。
まあ、褒められたのはピンだけど柄にもなくちょっと喜んでしまった。
そうは言ってもどんなにお洒落したところで私なのでアメリア姉様や他のご令嬢達にみたいに華やかにはならないんだけど。
「おや、ウィルの婚約者殿じゃないか」
げ、と声に出して言わなかったのを褒めてほしい。
研究室で使う薬草を運んでいたらまたレナルド殿下と廊下で鉢合わせしてしまった。お付きの人達を連れて移動中のようだから、さっさと行ってほしいのだけどなあ。以前中庭で騎士様達が話していたことから考えると、弟のジェレミー殿下と繋がりの強いウィル様の婚約者である私に対しても自動的に当たりが強くなっているのかな。
そんなこと私にはどうしようもないんだけど。
とりあえずスカートのすそを摘まんで頭を下げる。どうか嵐よ何事もなく去ってくださいと祈りながら。
「ごきげんよう、レナルド殿下」
「ふん、ずいぶんと色気づいたようだな。城内でも噂になっているぞ」
「い、色気……!?」
ぎょっとして顔を上げるとニヤニヤとしたレナルド殿下がこちらを見下ろしていた。
「あの根暗の狸がとな」
「たぬ……!?」
タヌキ!?
唖然としてる私の方にレナルド殿下が手を伸ばしてきた。
「え」
レナルド殿下が私の顎を掴んだ。
赤い瞳がじっとこちらを見つめる。
な、なに? なんだこの展開は。
「狸ではあるがまあまあ見れるようにはなったな。どうだ、俺だったらお前の研究に投資してやることも」
「はい、そこまで!」
廊下に響き渡った声と共に横から出てきた手がひょいっと私の顎を掴んでいたレナルド殿下の手を外した。
今度は誰!? と思ったら……。
「ジェレミー殿下! ……と兄様」
「だめだよ兄上。ご令嬢に気軽に触れては。ましてや彼女には婚約者がいるんだから」
「ジェレミー……!」
ふんわりとした雰囲気のジェレミー殿下とその後ろに今にもレナルド殿下を射殺しそうな目をしたセオドア兄様がいた。王子二人が急に揃ってしまった廊下は一気に張り詰めた空気に包まれる。後ずさりした私の背をセオドア兄様が支えてくれた。
「大丈夫か?」
「は、はい」
レナルド殿下は面白く無さそうにジェレミー殿下を睨んだと思ったら視線を逸らしてしまった。
「はっ。少しからかってやっただけだ。行くぞ!」
お付きの人達の連れてレナルド殿下は足早に去って行ってしまった。ほっと私は肩を落とす。本当に一体何だったんだろう……。
くるりと振り返ったジェレミー殿下が心配そうに首を傾げた。
「大丈夫かい? うちの兄が失礼をしたね」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます……」
「次の騎士団の練習試合はいつだった? ぼっこぼこにしてやらんと気がすまん」
「ちょ、兄様!?」
急にジェレミー殿下に心配されて恐縮してたらセオドア兄様が不穏なことを言い出した。うちのセオドア兄様は少々シスコンだった。
「あはは、合法的な方法だったらどんどんやっちゃって」
「ジェレミー殿下まで……! あの、私は大丈夫なので! 本当にありがとうございました」
がばっと頭を下げたら温和に微笑んだジェレミー殿下が頭を下げたままの私を起こしてくれた。
「まあまあ、それよりステラ嬢だよね。ウィルと仲良くやっているみたいだね」
「あ、いえ、まあ……。おかげさまで……その、良くして頂いております」
急にウィル様の話をされてしどろもどろになってしまった。セオドア兄様は相変わらず面白く無さそうな顔をしているけど、私を家に送りがてらウィル様と楽しそうに話してることもあるし仲が悪いわけじゃないと思う。ただシスコンなだけで。
ウィル様もジェレミー殿下と騎士学校では同期なんだったっけ。
「君と婚約してからウィルも毎日楽しそうだよ。もし何か困ったことがあったら教えてね。力になるよ」
「ありがとうございます……」
なんて優しい方なんだろう。
レナルド殿下とは全然違うんだなあ。
「あれ? ステラ!」
その時後方から騎士様達がガヤガヤと移動してきた。その中からウィル様が顔を出す。セオドア兄様が仏頂面のまま声をかける。
「遅いぞウィル! まったく……」
「うちの隊は今訓練が終わったところなんだよ。……どうしたんだ? ジェレミーまで」
「やあ、君の可愛い婚約者とちょっとお話ししてみたくてね」
「お前はまたそんなことを……レナルド殿下に絡まれてたんだよ」
「ええ!? ステラ、大丈夫だったか?」
「はい、ジェレミー殿下と兄様に助けていただいたので」
ウィル様が驚いて心配そうな顔をした。
薬草を運んでただけなのになんだか大事になってしまった。
「ねえ、ステラ嬢。今度僕にも魔法薬学を教えてほしいな。おもしろそう」
「ああ! ちょっと待った! ダメダメダメ! 他の魔法薬師に聞いてくれ!」
「え? ええ?」
朗らかに人懐っこい笑顔をしたジェレミー殿下の言葉を遮るように珍しくウィル様がむすっとした顔をする。ぷっと隣でセオドア兄様が噴出していた。セオドア兄様もだけどウィル様もジェレミー殿下とずいぶん気安い間柄なんだな。騎士団で同期だからかな。
キョロキョロしている私をよそにジェレミー殿下は楽しそうにウィル様の肩を叩いた。
「わかってるよ、仕方ないなあ。君がこんなにヤキモチ焼きだとはねえ」
「……ジェレミー!」
「そろそろ行かないと勤務の交代時間に間に合わないぞ」
「わかってる。……ステラ、ごめんな。あとで迎えに行くから」
「は、はい」
私も早く薬草を研究室に持って行かなければいけないんだった。
まったくレナドル殿下のせいで余計に時間がかかってしまったなあ。
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