転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀

文字の大きさ
2 / 157

2.転生先は…

しおりを挟む
よくある展開で頭を打ったとか
病気で生死を彷徨って前世を思い出して
転生したとか本で読んだ事あるけど。

私の場合そんな怪我も病気もなく大好きなお茶、
大好きなお菓子を食べてる瞬間に思い出した。


ここは私が好きだった小説の世界だって。




---ここはカムバーディナル国---



活気ある人々に華やかな街並み。
私はその街並みから少し外れに住む
ダンパーネ伯爵の令嬢だ。
街付近に住んでいる貴族達とは少し違い、
そこそこ田舎に属するゆっくり時間が進むような感覚の、ほのぼのしたダンパーネ領に住んでいる。

私の家族もおっとりした性格の人達が多い。

人見知りという事も相まって、自然が沢山あるこの田舎で私は動物や魔獣達が私の友達と言っても過言ではない。もっぱら人付き合いをするよりも彼らと触れ合って遊んでいる事が多い。

魔獣は周りから恐れられているが魔力の暴走等よっぽどの事が無い限り凶暴化しない。私は動物と同じ感覚で接している。



そんなある日、前触れもなく私は前世で大好きだった小説の世界に転生したのだと思い出してしまった。

思い出したきっかけは、小説の世界でしか見たことのないキラキラと金色に輝く綿飴のような、ふわふわしたこの『キリア』というお菓子だった。



でも…ダンパーネ領なんて聞いた事ない。



ましてやスレイ・ダンパーネという私の名前なんて、あの前世で大ヒットした『最恐王太子の溺愛が止まらない』の話に一切出てこなかった。

カムバーディナル国の名前は出てきたからここは『最恐王子』の世界で間違いない…。


と言うことは…


私はモブ中のモブ!?!?!?

え、それってめちゃくちゃラッキーじゃない!
ヒロインと王子のキュンを外野で見られるってことよね??

しかもあの小説の挿絵、画力が良過ぎてイケメンと美少女ばかりだったから実写で見られるなんて目の保養になるじゃない!

私はヒロインみたいに紆余曲折ある人生より
穏やかに過ごすのが1番合ってるし今回最高の人生を送れる気しかしない。

今は13歳だから1年後には私も王都にある学園に入学する事になる。

という事は1年後にあの物語が始まるのね!?

まぁ…!!楽しみが増えたわ!!


と1人でキラキラした目で『キリア』を食べながら1人妄想をしていた。



「スー…何を1人でニヤニヤしながらキリア食べているんだい?どうせ変な妄想してるんだろ?」

と呆れた声を出しながら近寄ってくる1人の男性。



「カイお兄様、遅いです!カイお兄様とお茶するの楽しみに待っていたんですから!」

「ごめんごめん。ちょっと色々あってね…。でもこれから可愛い大好きなスーとの時間を沢山過ごせるのが嬉しいんだ。機嫌直してくれ。」

と優しい声を掛けてくれるこの方は

ダンパーネ家の次男、カイルお兄様。
カイお兄様は私より3つ歳上の15歳。

綺麗なシルバーの髪に宝石の様な緑の瞳に中性的な顔立ち。頭がとても良く、街を歩けば誰もが振り向くイケメン!の自慢のお兄様。

美形に産まれるなんて羨ましい!!!

そんなカイお兄様と一緒に居られるこの穏やかな時間が大好きで今日のお茶は特に楽しみにしていた。


「カイお兄様、もう学園はお休みでしたよね?暫くは家にいられます?」


「そうだね。暫くは家にいるよ。毎日スーと楽しくお喋りしたり出掛けたりしたい所なんだが…今日はスーに紹介したい人がいるんだ。」


カイお兄様は私に少し言いづらそうに伝えた。

「もしかして…カイお兄様の婚約者でも決まったの?どんな方?!詳しく教えて下さる??」


我が家は兄が2人に私の3人兄妹なのでお義姉が出来るのはとても嬉しい。

キラキラした目でカイお兄様を見る。

「スー…生憎と婚約者はまだ決まっていないよ。
スーの様に可愛くて愛おしいと思える女性が居ればいいんだが、僕はスーしか目に入らな…いやそうじゃなくて、今回僕の友達がダンパーネ領に一緒に来ているんだ。だからお義姉様じゃなくて…お兄様?が1人増えるのかな。学校が休みの間は僕たちの家に住むことになったから紹介しておこうと思ってね。スー、僕の友達と仲良くしてくれるかい?」



カイお兄様は私にニコッと優しい笑みを向けてまだ話し続けている。



うわぁ…


イケメンの笑顔の破壊力凄まじい…笑顔が眩しいってまさにこの事ね。

カイお兄様の笑顔は色気も少しあるから世の女性を籠絡させてしまうのでは…と思わんばかり。


もうキラキラが…目に刺激的だわ。


「スー…聞いていたか?」


「あ…ごめんなさい。お兄様の笑顔が
とても素敵で見惚れてしまってたわ。
お兄様?をご紹介して下さるのですね。
とても楽しみですわ。」



「スーも相変わらずとても可愛いよ。
結婚なんてせずにスーと一緒に居たいくらいだ。」


でた…シスコン発言…。


ふふ、と愛想笑いでスルーする事にした。

話を広げると妹愛が止まらなくなるのがカイお兄様の難点…。ここは笑顔でスルーが1番。



お兄様と他愛もない話をしていたら少し遠くから男の子がやってきた。

茶髪に茶色の瞳、一見普通の外見のようだけど
とても綺麗な顔立ちで歩く姿もとても綺麗な歩き方だった。


これが私のモブ人生を大きく狂わす出会いだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。

ラム猫
恋愛
 異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。  『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。  しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。  彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

『異世界転生してカフェを開いたら、庭が王宮より人気になってしまいました』

ヤオサカ
恋愛
申し訳ありません、物語の内容を確認しているため、一部非公開にしています この物語は完結しました。 前世では小さな庭付きカフェを営んでいた主人公。事故により命を落とし、気がつけば異世界の貧しい村に転生していた。 「何もないなら、自分で作ればいいじゃない」 そう言って始めたのは、イングリッシュガーデン風の庭とカフェづくり。花々に囲まれた癒しの空間は次第に評判を呼び、貴族や騎士まで足を運ぶように。 そんな中、無愛想な青年が何度も訪れるようになり――?

【完結】異世界転移した私、なぜか全員に溺愛されています!?

きゅちゃん
恋愛
残業続きのOL・佐藤美月(22歳)が突然異世界アルカディア王国に転移。彼女が持つ稀少な「癒しの魔力」により「聖女」として迎えられる。優しく知的な宮廷魔術師アルト、粗野だが誠実な護衛騎士カイル、クールな王子レオン、最初は敵視する女騎士エリアらが、美月の純粋さと癒しの力に次々と心を奪われていく。王国の危機を救いながら、美月は想像を絶する溺愛を受けることに。果たして美月は元の世界に帰るのか、それとも新たな愛を見つけるのか――。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

処理中です...