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29.シリウス第二王子
しおりを挟む「あの、私はスレイ・ダンパーネと申します。王子殿下、宜しくお願いします。」
「ダンパーネ…。 君、ダンパーネ領の令嬢だったのか。王都からはちょっと離れてるよね。王都には慣れた?」
「いえ…田舎のような所から来たので、まだ王都には不慣れなんですの。」
「そっか。王都の事はそこそこ詳しいつもりだから分からない事があればいつでも言って。これから宜しくねスレイちゃん。僕の事はシリウスでいいよ。学園の中では対等に過ごしたいから出来れば敬語もやめて欲しいな。」
シリウス様は小説の中の人物とは思えないくらいとても話しやすい人だった。私が前世で読んでた時のイメージはヤンデレ闇感MAXな最恐王子だったのに…
シリウス様が話しかけてくれている間少しだけ目の力を使って彼の心を視てみた。
淀んだ波が少しだけ見える。けれどまだまだ宝石の様な綺麗な部分は残っていた。
この状態なら…
これからどうなるか分からないけれど今は大丈夫そう。私はホッとして会話に集中した。
「此方こそ宜しくお願いします。では…これからシリウス様と呼ばせていただきますわ。」
うん。と言いながら微笑む彼は昨日見たルルド様のあどけなさが残る笑顔と似ていた。
顔面偏差値が本当に高い…。
モブには眩し過ぎるわ。
周囲の女子はシリウス様の笑顔に見惚れていた。
そして私には睨みつける女子生徒も…。
まぁ…そうなるわね。これは女の子の友達が出来るのに時間かかりそう…というか無理かも。
気を取り直して更に会話を続けた。
「シリウス様は研究科のクラスなんですね。魔法も剣も得意そうなイメージなので意外でした。」
「そうだね、僕は全ての科を受講するよう言われてるから先ずはこのクラスで勉強するけどもしかしたら半年もしない内に別の科に行くかもしれないんだ。」
「全ての科を!?そんな事が出来てしまうなんて凄いですわね!シリウス様は頭も良くて魔法も剣も使えて秀才で、その上綺麗なお顔!神様に愛されてますね。」
王族って皆チートなのかしら…?羨ましいわ!
シリウス様はルルお兄様と同じ金髪、だけどシリウス様の瞳は綺麗な赤色だ。瞳は違うけれど顔は似ている。
性格も話しやすさがあるシリウス様と氷の様な無表情のルルお兄様で正反対の様に見えるが根っこの部分は似ている気がする。
2人ともヤンデレ要素あるしな…。
シリウス様は…今はヤンデレ要素がないが、きっとヒロインのサーシャに恋をしてヤンデレ要素が現れるに違いない。
うん。あまり関わらないようにしておきたい。
だけどルルお兄様が殺されることのない様にしっかり見張っていなきゃいけない人物でもある。少しでも片鱗が見えたらフラグ折らなきゃ。
「神様に…そうかな…」
私が考え事をしているとシリウス様はぽつりと呟いた。
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