転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀

文字の大きさ
107 / 157

107.仮の婚約(2)

しおりを挟む
「あの…すみません、これはただの仮定です。漠然とした話をしてしまいました…」
「いや、その仮定はもしかしたら事実に近いかもしれない。」

ルル様は何かを思い出したような表情をしていた。

「王妃は水魔法が使えるとされているが、本来は水魔法は使えず、使える魔法が違うものだったとしたら…。」

「王妃様の魔法が別の物…!?でも国民の前では水魔法を使ってましたが…」
「俺も王妃は水魔法だと思っていたが…いつも王妃が水魔法を使う時に側にいる侍女が顔色も悪く焦点が合っていないような表情なのが気になっていた。スーの話と俺の考えがもし本当ならば辻褄が合う。」

「だとすると…王妃様は催眠の魔法が使えるという事でしょうか?」

「いつも側に支えている侍女に催眠の魔法をかけて水魔法を王妃の魔法のように使わせているのだとしたら…まだしっかりと調べる必要はあるが…これが本当なら合点がいく。」

「催眠の魔法は呪いのようなものだと言われていて世間に知られたくないから、という事でしょうか?」

「いや、それよりももっと根深いものがありそうだ。」

王妃様は美しいけれどなんだか不気味なオーラがあって苦手だった。

「という事は…本当にこの話が事実だとしたら、シリウス様にも王妃様は催眠の魔法をかけていたのかもしれない…?」
「あぁ。シリウスはもしかしたら何か勘づいているのかもしれないな。」

小説にもこんな話あったかしら…もう記憶が薄れ始めてきていてあまり思い出せない。

「王妃の事はもっと詳しく調べる必要があるが、一先ずはスーに王妃からの手紙が来る前に婚約者候補として陛下に話を持って行きたい。スーは婚約者の件、了承してくれるんだね?」

「はい。お受けいたします。」
「スー!嬉しい…!」

ルル様は私を抱きしめた。

「仮・の婚約者として出来ることがあればなんでも仰って下さいませ!」
「仮…」

ルル様は抱きしめていた手を離し、私の言葉に反応して少し不機嫌そうになっていた。

「はい!仮・ですからね!私、王太子妃なんて素晴らしい立場恐れ多くて…先頭に立つような器もないですし、それに正~直に申し上げると…私、目立ちたくないのです!端っこでのんびり過ごしたいです!」

勢いよく言うとルル様はフッと口角を上げて声に出して笑い出した。

「な、何でそんなに笑うんですか!?」
「あははは…ご、ごめん…あまりにも素直で正直だからつい可愛いし可笑しくて…」

笑いはなかなか収まりそうにない…。
何だか恥ずかしくなって顔が赤くなってきた…

「俺はそんな素直な所にも惹かれてるんだよ。側にいるだけで心が落ち着く。…スーに出会えて良かった。」

再びぎゅっと私を抱きしめるルル様はとても優しくて温かい気持ちになった。
まだずっとこうしていたいような…そんな気持ちにさせられた。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。

ラム猫
恋愛
 異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。  『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。  しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。  彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

『異世界転生してカフェを開いたら、庭が王宮より人気になってしまいました』

ヤオサカ
恋愛
申し訳ありません、物語の内容を確認しているため、一部非公開にしています この物語は完結しました。 前世では小さな庭付きカフェを営んでいた主人公。事故により命を落とし、気がつけば異世界の貧しい村に転生していた。 「何もないなら、自分で作ればいいじゃない」 そう言って始めたのは、イングリッシュガーデン風の庭とカフェづくり。花々に囲まれた癒しの空間は次第に評判を呼び、貴族や騎士まで足を運ぶように。 そんな中、無愛想な青年が何度も訪れるようになり――?

【完結】異世界転移した私、なぜか全員に溺愛されています!?

きゅちゃん
恋愛
残業続きのOL・佐藤美月(22歳)が突然異世界アルカディア王国に転移。彼女が持つ稀少な「癒しの魔力」により「聖女」として迎えられる。優しく知的な宮廷魔術師アルト、粗野だが誠実な護衛騎士カイル、クールな王子レオン、最初は敵視する女騎士エリアらが、美月の純粋さと癒しの力に次々と心を奪われていく。王国の危機を救いながら、美月は想像を絶する溺愛を受けることに。果たして美月は元の世界に帰るのか、それとも新たな愛を見つけるのか――。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

処理中です...