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157.最終話(2)
「チッ…うるさいのがきた…」
ルル様は小さい声で舌打ちしていたがしっかりとカイお兄様には聞こえていた。
「ルル…今舌打ちした?それに…公衆の面前では抱きつかないって約束したんじゃ…?」
「………。」
(凄い…ルル様言い負かされてる。こんな態度で話せる人カイお兄様しかいないんじゃ…)
「朝から賑やかだな。また兄弟喧嘩か?」
「おはよう!!スレイちゃん!めちゃくちゃ目立ってるね~!」
ドウェイン様とアロイス様までやって来た。
「時にスレイ嬢、今度スレイ嬢の絵を描かせてくれないか?」
ドウェイン様が私にコソッと話しかけて来た。
「え?私の絵を…?」
「いや、なに。スレイ嬢のような天使を身近に感じたくて…スケッチしておきたいんだ。その後は…」
ドウェイン様の声がボソボソと尻すぼみで聞き取れなくなった。
(あ、これ絶対人形作る気だ。しかも実物より可愛くするタイプ…。でも私の人形作ってどうするのかしら…)
ゾワッと少し鳥肌が立ってしまった事は内緒にしておこう。
私とドウェイン様が話している所にルル様がドウェイン様の肩をポンと叩く。
「おい…今何の話してた?まさかお前スーが可愛いからってスーの人形作る気じゃないだろうな…。」
恐怖の圧がかかってドウェイン様は焦る。
「い、いや…その…」
(ルル様は知っていたのね…ドウェイン様の趣味を…。)
「俺にも同じもの作れ。」
「え!?」
(え!?そこは止めないんだ。)
「何々?スレイちゃんの人形!?俺にも作ってよ!」
「じゃあ、俺もスーの人形作って貰おうかな。」
「じゃあ量産できるように工場を買い占めるか。」
「一層の事販売したらどう?」
「それは…アリだな…。」
(いや、皆悪ノリし過ぎたって…)
「スレイ様~!!おはようございます!」
「サーシャさん!おはようございます。」
(相変わらずサーシャは可愛い。本当に癒しだわ。)
「なんかそこの男子達変な事話してなかったですか?スレイ様の人形がどうとか…。言っとくけど気持ち悪いですからね!やめてあげて下さい!」
サーシャの辛辣な言葉に男子達はグサっと傷つく。
フフンと勝ち誇った顔をするサーシャ。
「さ!スレイ様行きましょう?今日のランチもお迎え行きますからね~!」
サーシャは私と腕を組み楽しそうに一緒に歩いていく。
「気持ち悪いなんて初めて言われた…。」
ドウェインはかなりショックを受けていた。
「ルル、お前の1番のライバルはサーシャかもな…」
「サーシャは同性の立場を逆手に取って独占しようとしてる…やり手だな。」
スレイをサーシャに奪われて取り残された男子達は2人の背中をただただ見つめているだけだった。
◇
◇
◇
◇
◇
ヴェティスは水面に映るスレイの学園生活を微笑ましく見ていた。その後、席を立ち後ろを振り向き、テーブルの横にある時計をクルクルと動かしてまた水面を覗き込む。
ヴェティス様は何かを見つけて水面を指で触る。
水面が揺れた後、そこに映っていたのは2人の女の子だった。
◇
◇
「ねぇねぇ、ちょっと本屋寄ってもいい?」
「いいよ!」
女子高生2人組が学校の帰りに本屋に立ち寄った。
「何探してるの?」
「モブだった子が最怖王太子と王子に溺愛される話って知ってる?最新刊出てるの買いに来たんだ!」
「あー、、なんだっけ転生系の話じゃなかった?」
「そう!イケメン王子兄弟2人に溺愛されて実の兄もシスコン!女の子にも好かれるんだよ!めっちゃ羨ましいんだよね~!」
「ヒロインの子の名前なんだったっけ…?」
「えっと…スレイじゃなかった?」
「そうそうスレイって女の子!いいなぁ私も転生して溺愛されたい…」
「はは…夢見てる…。そういえばタイトルなんだっけ?」
「あ!あった。これこれ!これだよ!『最恐王太子に溺愛されて離してくれません』…ねぇねぇ読んでないなら貸してあげるから家においでよ!最新刊買ってくるから待ってて!」
1人の女の子がレジへと向かう間、もう1人の女の子は本の前で表紙をずっと見ている。
「これはモブだった女の子がハッピーエンドを目指した結果ヒロインになるお話…か。モブかぁ…私もモブくらいが丁度いいや。」
「お待たせー!!行こっかレイちゃん!」
「あ、サヤちゃん待って!」
本屋から出ると一際目立つオーラの男子生徒が女子達に囲まれていた。
「あれ?ねぇねぇ、あそこにいるのルト先輩じゃない?折角だし話しかけにいく?」
「いや、私はいいわ…目立つの嫌だし…。」
「そう?ルト先輩はレイちゃんを追いかけて来た気がするけどな…」
「そんな事ないよ…接点あんまりないし。もう行こう。」
「そだね!行こうか!」
本屋から出る、レイとサヤ。それに気付いたルトは目で追うが女子達に囲まれて動けずにいた。
「ごめん!ちょっと急いでるんだ。通して!」
ルトは走ってレイ達を追いかけた。
◇
◇
◇
ヴェティスはフフッと笑いながら水面から離れた。
「これは私からのお礼よ。スレイ、皆とハッピーエンドの世界を!」
end
ルル様は小さい声で舌打ちしていたがしっかりとカイお兄様には聞こえていた。
「ルル…今舌打ちした?それに…公衆の面前では抱きつかないって約束したんじゃ…?」
「………。」
(凄い…ルル様言い負かされてる。こんな態度で話せる人カイお兄様しかいないんじゃ…)
「朝から賑やかだな。また兄弟喧嘩か?」
「おはよう!!スレイちゃん!めちゃくちゃ目立ってるね~!」
ドウェイン様とアロイス様までやって来た。
「時にスレイ嬢、今度スレイ嬢の絵を描かせてくれないか?」
ドウェイン様が私にコソッと話しかけて来た。
「え?私の絵を…?」
「いや、なに。スレイ嬢のような天使を身近に感じたくて…スケッチしておきたいんだ。その後は…」
ドウェイン様の声がボソボソと尻すぼみで聞き取れなくなった。
(あ、これ絶対人形作る気だ。しかも実物より可愛くするタイプ…。でも私の人形作ってどうするのかしら…)
ゾワッと少し鳥肌が立ってしまった事は内緒にしておこう。
私とドウェイン様が話している所にルル様がドウェイン様の肩をポンと叩く。
「おい…今何の話してた?まさかお前スーが可愛いからってスーの人形作る気じゃないだろうな…。」
恐怖の圧がかかってドウェイン様は焦る。
「い、いや…その…」
(ルル様は知っていたのね…ドウェイン様の趣味を…。)
「俺にも同じもの作れ。」
「え!?」
(え!?そこは止めないんだ。)
「何々?スレイちゃんの人形!?俺にも作ってよ!」
「じゃあ、俺もスーの人形作って貰おうかな。」
「じゃあ量産できるように工場を買い占めるか。」
「一層の事販売したらどう?」
「それは…アリだな…。」
(いや、皆悪ノリし過ぎたって…)
「スレイ様~!!おはようございます!」
「サーシャさん!おはようございます。」
(相変わらずサーシャは可愛い。本当に癒しだわ。)
「なんかそこの男子達変な事話してなかったですか?スレイ様の人形がどうとか…。言っとくけど気持ち悪いですからね!やめてあげて下さい!」
サーシャの辛辣な言葉に男子達はグサっと傷つく。
フフンと勝ち誇った顔をするサーシャ。
「さ!スレイ様行きましょう?今日のランチもお迎え行きますからね~!」
サーシャは私と腕を組み楽しそうに一緒に歩いていく。
「気持ち悪いなんて初めて言われた…。」
ドウェインはかなりショックを受けていた。
「ルル、お前の1番のライバルはサーシャかもな…」
「サーシャは同性の立場を逆手に取って独占しようとしてる…やり手だな。」
スレイをサーシャに奪われて取り残された男子達は2人の背中をただただ見つめているだけだった。
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ヴェティスは水面に映るスレイの学園生活を微笑ましく見ていた。その後、席を立ち後ろを振り向き、テーブルの横にある時計をクルクルと動かしてまた水面を覗き込む。
ヴェティス様は何かを見つけて水面を指で触る。
水面が揺れた後、そこに映っていたのは2人の女の子だった。
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「ねぇねぇ、ちょっと本屋寄ってもいい?」
「いいよ!」
女子高生2人組が学校の帰りに本屋に立ち寄った。
「何探してるの?」
「モブだった子が最怖王太子と王子に溺愛される話って知ってる?最新刊出てるの買いに来たんだ!」
「あー、、なんだっけ転生系の話じゃなかった?」
「そう!イケメン王子兄弟2人に溺愛されて実の兄もシスコン!女の子にも好かれるんだよ!めっちゃ羨ましいんだよね~!」
「ヒロインの子の名前なんだったっけ…?」
「えっと…スレイじゃなかった?」
「そうそうスレイって女の子!いいなぁ私も転生して溺愛されたい…」
「はは…夢見てる…。そういえばタイトルなんだっけ?」
「あ!あった。これこれ!これだよ!『最恐王太子に溺愛されて離してくれません』…ねぇねぇ読んでないなら貸してあげるから家においでよ!最新刊買ってくるから待ってて!」
1人の女の子がレジへと向かう間、もう1人の女の子は本の前で表紙をずっと見ている。
「これはモブだった女の子がハッピーエンドを目指した結果ヒロインになるお話…か。モブかぁ…私もモブくらいが丁度いいや。」
「お待たせー!!行こっかレイちゃん!」
「あ、サヤちゃん待って!」
本屋から出ると一際目立つオーラの男子生徒が女子達に囲まれていた。
「あれ?ねぇねぇ、あそこにいるのルト先輩じゃない?折角だし話しかけにいく?」
「いや、私はいいわ…目立つの嫌だし…。」
「そう?ルト先輩はレイちゃんを追いかけて来た気がするけどな…」
「そんな事ないよ…接点あんまりないし。もう行こう。」
「そだね!行こうか!」
本屋から出る、レイとサヤ。それに気付いたルトは目で追うが女子達に囲まれて動けずにいた。
「ごめん!ちょっと急いでるんだ。通して!」
ルトは走ってレイ達を追いかけた。
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ヴェティスはフフッと笑いながら水面から離れた。
「これは私からのお礼よ。スレイ、皆とハッピーエンドの世界を!」
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