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第4章 古代遺跡探索行
4. 兄弟の葛藤
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何故だろうか…
鼓動が早くなった気がする。急激に懐かしさ――これは、愛おしさ?未だ知らない感情すらあふれてとまらない――
「ルクス!あれは、どういうことなのだ!?」
「……あれ、とは?」
「百十三日前、別れ際に言っていただろう!ルクス・ベルムデウスは昔の名で、今はノア・スタークとかいうたぐいの話をおまえの仲間のひとりとしていた……」
あ、そうだった……
「……冒険者として、十分に仕事をするためには皇子という肩書は不要です。ですので、私が冒険者として活動する際には、皇子ルクス・ベルムデウスという名は伏せているのです」
「……皇子であると知られると、どのような不都合があるというのだ?」
「たとえばアラゴグ討伐…あの戦いでは多数の死者を出しました。私が皇子として知られていれば、あの戦いには参加させてはもらえなかったかもしれません」
「その話もするつもりだった。あのような危険な戦いに参加するなどっ……」
「……私はひとりの冒険者です。いつまでも城の中で過ごす籠の鳥ではいたくありません」
「我が国、もとい我がベルムデウス家は代々、戦争によって隣国を捻じ伏せ、支配下に置くことによって領土を広げてきた。近々にもひとつ仕掛ける予定だ。準備はほぼ整っている。だが――私はルクスを危険にさらしたくない。このブラウフォンスの地とて、三百年以上前は敵国だった。自治権を与えてやり安定した統治下にあるとは言え、どこに裏切りの芽が潜んでいるやもしれないのだぞ」
「そうやって、怯え隠れて過ごす人生に、いったい何の意味があるというのです。私は皇子である前に一人の人間なのです!」
ついに、言ってやった。俺たちの間に、重い沈黙が流れる。
「ルクス……我が家の家訓を覚えているか?」
「……炎、戦、勝利」
「そうだ。だが、私はおまえにそのように生きてほしくなかった。だから、おまえを軍事はもちろん政治にもかかわらせまいとしていた。その上、どこに裏切り者が潜んでいるのかと心配のあまり、私はおまえの城下での行動すら制限し、あまりにも息苦しい思いをさせてしまっていた……冒険者へのあこがれは、その反動だろう」
「……」
冒険者を志すに至った理由はそれだけではないのだけれど、兄上の語ることも間違ってはいない。
「私の重苦しい束縛の中にいながらも、自分自身の力で己の道をみつけたおまえを、どうして責めることができようか」
「兄上……?認めてくださるのですか?私が冒険者として生きることを……」
「おまえが…ルクス・ベルムデウスの名を名乗らずとも捨てないでいてくれるのならば……認めるとも。おまえはルクス・ベルムデウスでありながら、冒険者ノア・スタークでもある…と」
「ありがとうございます!兄上!」
兄に冒険者として認められる――それはずっと俺が目指していたことだった。
鼓動が早くなった気がする。急激に懐かしさ――これは、愛おしさ?未だ知らない感情すらあふれてとまらない――
「ルクス!あれは、どういうことなのだ!?」
「……あれ、とは?」
「百十三日前、別れ際に言っていただろう!ルクス・ベルムデウスは昔の名で、今はノア・スタークとかいうたぐいの話をおまえの仲間のひとりとしていた……」
あ、そうだった……
「……冒険者として、十分に仕事をするためには皇子という肩書は不要です。ですので、私が冒険者として活動する際には、皇子ルクス・ベルムデウスという名は伏せているのです」
「……皇子であると知られると、どのような不都合があるというのだ?」
「たとえばアラゴグ討伐…あの戦いでは多数の死者を出しました。私が皇子として知られていれば、あの戦いには参加させてはもらえなかったかもしれません」
「その話もするつもりだった。あのような危険な戦いに参加するなどっ……」
「……私はひとりの冒険者です。いつまでも城の中で過ごす籠の鳥ではいたくありません」
「我が国、もとい我がベルムデウス家は代々、戦争によって隣国を捻じ伏せ、支配下に置くことによって領土を広げてきた。近々にもひとつ仕掛ける予定だ。準備はほぼ整っている。だが――私はルクスを危険にさらしたくない。このブラウフォンスの地とて、三百年以上前は敵国だった。自治権を与えてやり安定した統治下にあるとは言え、どこに裏切りの芽が潜んでいるやもしれないのだぞ」
「そうやって、怯え隠れて過ごす人生に、いったい何の意味があるというのです。私は皇子である前に一人の人間なのです!」
ついに、言ってやった。俺たちの間に、重い沈黙が流れる。
「ルクス……我が家の家訓を覚えているか?」
「……炎、戦、勝利」
「そうだ。だが、私はおまえにそのように生きてほしくなかった。だから、おまえを軍事はもちろん政治にもかかわらせまいとしていた。その上、どこに裏切り者が潜んでいるのかと心配のあまり、私はおまえの城下での行動すら制限し、あまりにも息苦しい思いをさせてしまっていた……冒険者へのあこがれは、その反動だろう」
「……」
冒険者を志すに至った理由はそれだけではないのだけれど、兄上の語ることも間違ってはいない。
「私の重苦しい束縛の中にいながらも、自分自身の力で己の道をみつけたおまえを、どうして責めることができようか」
「兄上……?認めてくださるのですか?私が冒険者として生きることを……」
「おまえが…ルクス・ベルムデウスの名を名乗らずとも捨てないでいてくれるのならば……認めるとも。おまえはルクス・ベルムデウスでありながら、冒険者ノア・スタークでもある…と」
「ありがとうございます!兄上!」
兄に冒険者として認められる――それはずっと俺が目指していたことだった。
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