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第1話 処刑台の夢と、三度目の目覚め
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首筋に触れる、冷ややかな金属の感触。
視界を埋め尽くすのは、興奮に歪んだ民衆の顔、顔、顔。 罵倒。嘲笑。そして、石礫。
「殺せ! 悪女を殺せ!」 「王太子殿下をたぶらかした魔女め!」 「その汚れた血で償いを!」
違う。 私は何もしていない。 ただ、殿下の隣で微笑んでいただけなのに。 ただ、王妃教育に励んでいただけなのに。
――ガコン。
重苦しい音と共に、頭上の刃が解き放たれる。 重力が、死を運んでくる。 ああ、まただ。 また、私は死ぬのね。
痛みは一瞬。 けれど、その瞬間に凝縮された絶望は永遠。
私の首が宙を舞い、視界がぐるりと回転する。 最後に映ったのは、高い檀上から冷徹な瞳で私を見下ろす、かつて愛した人の姿だった。
アレクセイ・ド・グランヴェル。 私の婚約者であり、この国の王太子。 そして、二度にわたって私に死刑判決を下した男。
(……許さない)
薄れゆく意識の中で、私は思った。 もう、愛なんていらない。 清廉潔白なんてクソくらえだわ。
もしも、もしもまた次があるのなら。
私は、誰よりも嫌われてやる。 誰からも愛されず、誰の記憶にも残らない、取るに足らない存在になってやる。 そうして、この首がつながったまま、どこか遠くの修道院の片隅で、質素に長生きしてやるのよ……!
◇
「……っ、はあッ!!」
大きく息を吸い込んで、私は身体を起こした。
心臓が早鐘を打っている。 全身が冷や汗でぐっしょりと濡れ、パジャマが肌に張り付いて気持ちが悪い。
「はあ、はあ、はあ……」
首がある。 あわてて両手で自分の首を確かめる。 つながっている。 熱い血が通い、脈打っている。
「……夢、なの?」
震える手で、目元の涙を拭う。 視線を上げると、そこは見慣れた天蓋付きのベッドだった。 最高級のシルクを使ったカーテン。 柔らかい羽毛布団。 窓から差し込む、穏やかな朝の光。
ここは、私の部屋だ。 公爵家にある、私、リリス・フォン・ローゼンバーグの部屋。 牢獄の湿った石畳の上でもなければ、処刑台の硬い木の床の上でもない。
「お嬢様? どうなさいましたか、うなされておいででしたが……」
心配そうな声と共に、部屋の扉が開いた。 入ってきたのは、私の専属侍女であるマリンだ。 彼女の顔を見て、私はさらに混乱する。
若い。 マリンが、若いのだ。 私の知っている彼女は、もっと目元に皺があったはず。 それに、私自身の声も、手も、幼い。
私はベッドから転がり落ちるようにして、姿見の鏡の前へと走った。
そこに映っていたのは。 ふわふわとしたプラチナブロンドの髪。 意志の強さを秘めた、宝石のようなアメジストの瞳。 そして、まだあどけなさが残る、七歳児の私の姿だった。
「……戻った」
言葉が、唇からこぼれ落ちる。
「戻ったのね……また、あの日に」
膝から力が抜け、その場にへたり込む。 マリンが慌てて駆け寄ってくるが、私の耳には届かなかった。
三回目だ。 これが、私の三度目の人生なのだ。
◇
落ち着きを取り戻し、温かいハーブティーを飲んで一息ついた私は、頭の中を整理することにした。
一度目の人生。 私は、公爵家の娘として恥じぬよう、清く正しく美しく生きた。 王太子アレクセイ様の婚約者として選ばれ、厳しい王妃教育にも耐え、誰にでも優しく接したつもりだ。 けれど、十八歳の時。 「聖女」と呼ばれる男爵令嬢が現れ、私は「彼女を嫉妬し、毒を盛った」という冤罪を着せられた。 誰も私の潔白を信じてくれなかった。 アレクセイ様さえも、冷たい目で私を断罪した。 結果は、斬首刑。
二度目の人生。 一度目の記憶を持っていた私は、恐怖から心を閉ざした。 「何もしなければ、何も起きないはず」 そう信じて、部屋に引きこもり、誰とも関わらず、目立たないように生きた。 婚約も辞退しようとしたが、公爵家の義務として逃れられなかった。 そして十八歳。 今度は「王家に反逆する組織の黒幕」という、さらに荒唐無稽な罪を着せられた。 引きこもっていたことが「地下で陰謀を企てていた」と解釈されたのだ。 結果は、またしても斬首刑。
そして、今。 三度目の七歳。
「……ふざけないで」
ティーカップを置く手が震える。 カチャン、とソーサーが小気味よい音を立てた。
何もしなくても殺される。 善行を積んでも殺される。 引きこもっても殺される。
この世界は、どうあっても私、リリス・フォン・ローゼンバーグを処刑台に送りたいらしい。 運命という名の脚本家は、よほど私が血を流す様がお気に入りなのだろう。
「でも、お断りよ」
私は立ち上がり、拳を握りしめた。
死にたくない。 痛いのは嫌だ。 みんなに罵られながら、冷たい刃で首を落とされるなんて、もう絶対に御免だわ!
じゃあ、どうすればいい? どうすれば、この「処刑エンド」を回避できる?
一度目の失敗因:いい子すぎたから、悪意ある噂を流された時にギャップで信憑性が増した。 二度目の失敗因:何もしなさすぎたから、不気味がられてスケープゴートにされた。
つまり、「いい子」でも「地味」でもダメということ。 ならば、残された道は一つしかない。
「悪女、ね」
それも、中途半端な悪女ではいけない。 誰が見ても「ああ、あいつならやりかねない」と納得させるような。 けれど、死刑になるほどの重罪(殺人や国家反逆)は犯さない。 あくまで、性格が悪くて、意地が悪くて、誰からも嫌われる、そんな「小物界の大物」のような悪女。
目指すゴールは『婚約破棄』からの『国外追放』だ。
処刑は命がなくなるけれど、追放なら命は助かる。 平民に落とされようが、修道院に送られようが、首が繋がっていればなんとでもなる。 前世、前々世で培った知識と教養、それに王妃教育レベルのマネジメント能力があれば、市井の暮らしでも十分に成功できるはずだ。
「決まりね」
私は鏡の中の自分に向かって、ニヤリと笑いかけた。
「リリス・フォン・ローゼンバーグ。今世のあなたは、稀代の悪女になるのよ」
「お嬢様? 先ほどから独り言を……それに、なんだかお顔が怖いですわよ?」
マリンが恐る恐る声をかけてくる。 私はハッとして、慌てて表情を取り繕った……いや、待てよ。 「顔が怖い」? それは褒め言葉ではないか!
「ふふふ……いいえ、マリン。これが私の本性なのよ」
私は精一杯、顎を上げて見下すようなポーズを取ってみた。
「これからは、私のことを『悪の華』と呼びなさい。いいえ、むしろ『鮮血の魔女』でも構わなくてよ!」
「はいはい。まだ寝ぼけていらっしゃるのですね。お着替えしましょうねー」
「あ、扱いが雑っ! もっと恐れなさいよ!」
くっ、七歳の見た目では迫力が足りないのか。 だが、見ていなさい。 この三度目の人生、私は本気よ。 誰よりも嫌われ、誰よりも疎まれ、そして最後は盛大に追放されて、自由なスローライフを勝ち取ってみせるわ!
◇
運命の歯車は、残酷なほど早く回り始める。
目覚めてから一週間後。 王宮で開かれる『王太子殿下の誕生祝賀パーティー』の日がやってきた。 過去二回の人生において、私がアレクセイ様と初めて出会い、そして婚約が内定した運命の日だ。
ここで、すべてのフラグをへし折る。 この初対面こそが、最大の勝負所よ。
「お嬢様、本日はこちらのドレスになさいますか?」
マリンが差し出したのは、純白のレースにピンクのリボンがあしらわれた、まるで妖精のようなドレスだった。 過去の私はこれを着て、「天使のようだ」と絶賛されたのだ。 だからこそ、即座に却下する。
「いいえ。あっちを持ってきて。あの、色が濃くてケバケバしいやつ」
私が指さしたのは、深紅のベルベット生地に、過剰なほどの金の刺繍が入ったドレスだ。 大人が着ればゴージャスかもしれないが、七歳の子供が着れば「生意気」で「悪趣味」に見えること間違いなしの代物。
「えっ、あちらですか? ですが、あれは少しサイズも大きいですし、何よりお嬢様の可憐な雰囲気が……」
「いいのよ。私は今日、誰よりも目立ち、そして誰よりも不愉快な存在になるのだから」
強引にそのドレスを着せさせ、髪型も可愛らしい編み込みではなく、大人びた縦ロールにしてもらう。 鏡の前に立つと、そこには……うん。 なんというか、意地悪な継母の幼少期、みたいな子供が立っていた。
完璧だわ。 これなら誰も、私に「清楚な公爵令嬢」なんて幻想を抱かないでしょう。
「お父様、お待たせいたしましたわ」
玄関ホールで待っていた父、ローゼンバーグ公爵のもとへ向かう。 父は私を見た瞬間、目を丸くした。
「リ、リリス……? その格好は……」
「素敵でしょう? 私の情熱的な心を表現してみましたの」
扇子をバサリと広げ、口元を隠して笑う。 「オホホホホ!」 ……いけない、声が高いせいで、高笑いが鈴の音のように響いてしまう。 もっとドスの効いた声を出さなければ。
父は少し困ったように眉を下げたが、すぐに優しい笑顔に戻った。 「うん、リリスは何を着ても可愛いな。赤い薔薇のようだ」
「えっ」
違う。そうじゃない。 そこは「なんてはしたない格好だ!」と叱るところでしょう? ……まあいいわ。父は親バカだから判定が甘いのよ。 本番は王宮。 厳格な王族や貴族たちの前でこそ、この悪趣味なドレスが火を噴くはずだ。
◇
王宮の大広間は、すでに多くの貴族たちで埋め尽くされていた。 シャンデリアの煌めき、楽団が奏でる優雅なワルツ、高価な香水の香り。 そのすべてが、私のトラウマを刺激する。
(……大丈夫。落ち着いて、リリス)
ドレスの裾を強く握りしめる。 かつて、この場所で婚約発表が行われた。 そして、この場所で断罪も行われた。 華やかな光景の裏に、処刑台の影がちらつく。
吐き気がする。 逃げ出したい。 けれど、ここで逃げたら、また同じ結末が待っているだけ。
「国王陛下、王妃殿下、ならびに王太子アレクセイ殿下のご入場でーす!」
儀典官の声が響き渡り、重厚な扉が開かれる。 静まり返る会場。 その中央を、王族たちが歩いてくる。
国王陛下の威厳ある姿。 王妃殿下の洗練された美貌。 そして、その少し後ろを歩く、ひとりの少年。
銀色の髪に、氷河のような冷たいブルーの瞳。 七歳にして、すでに完成された美貌を持つ少年。 アレクセイ・ド・グランヴェル。
(……っ!)
彼の姿を見た瞬間、身体が竦んだ。 心臓が鷲掴みにされたように痛む。
一度目の人生で、私は彼を心から愛していた。 彼が笑いかけてくれるだけで幸せだった。 だからこそ、彼が冷たい瞳で「死ね」と命じた時の絶望は、魂に刻み込まれている。
怖い。 怖い怖い怖い。 殺される。また殺される。
足が震える。 呼吸が浅くなる。 視界が白くチカチカする。
「リリス? 顔色が悪いぞ」
父が心配そうに覗き込んでくる。 いけない。 ここで倒れたら「病弱で可憐な令嬢」になってしまう。 私は悪女にならなくてはいけないの。 彼に嫌われなくてはいけないの。
私は震える足に力を込め、顔を上げた。 ちょうどその時、アレクセイ様がこちらを見た。 目が合う。 あの日、私を処刑台から見下ろしていた、あの冷徹な瞳と。
(……負けるものですか)
恐怖を怒りに変換しろ。 私を殺した男よ。 私の人生をめちゃくちゃにした男よ。 二度も殺しておいて、まだ足りないというの? 今度は、絶対にあなたの思い通りにはならない。
私は精一杯の虚勢を張り、彼を睨みつけた。
「(睨め、睨むのよリリス! 親の仇を見るような目で!)」
心の中で叫びながら、私は彼を直視する。 眉を寄せ、口角を歪め、最大限の侮蔑と敵意を込めて。
『ふん、王太子がなんだっていうの? あんたなんか大っ嫌いよ!』
そんな心の声を視線に乗せて、私は彼を射抜いた……つもりだった。
◇
――アレクセイ視点――
退屈だった。 七歳の誕生祝賀パーティー。 大人たちは値踏みするような目で僕を見て、媚びへつらう言葉を吐く。 誰も、僕自身を見てはいない。 「王太子」という肩書きを見ているだけだ。
感情を表に出すな。 王族らしくあれ。 完璧であれ。
そう教え込まれてきた僕は、いつしか表情筋の使い方を忘れてしまったようだった。 何をしても楽しくない。 美しいものを見ても心が動かない。 世界は灰色で、ひどく冷たい場所だと思っていた。
あの日、あの少女に出会うまでは。
ふと視線を感じて、顔を向けた先。 公爵家の列に、その子はいた。
燃えるような真紅のドレス。 周囲の大人たちがパステルカラーの控えめなドレスを着ている中で、彼女だけが鮮烈な「赤」を纏っていた。 まるで、灰色の世界に咲いた一輪の薔薇のように。
(……綺麗だ)
無意識にそう思った瞬間、彼女と目が合った。
アメジストのような瞳。 その瞳が、僕を捉えて離さない。
彼女は、僕を見ていた。 「王太子」という記号ではなく、僕という人間を、真正面から見据えていた。
そして、彼女は……泣いていた。
必死に歯を食いしばり、眉を寄せ、あふれそうになる涙を堪えていた。 その瞳には、恐怖と、それ以上に強い「抗う意志」が宿っていた。 小さな身体を震わせながら、それでも逃げずに、僕を真っ直ぐに見つめている。
なぜ泣いているのだろう。 なぜ、そんなにも切ない目で僕を見るのだろう。 まるで、運命に立ち向かう戦士のような、あるいは傷ついた小動物のような。
今まで、誰も僕にそんな目を向けたことはなかった。 誰もが僕を敬うか、利用しようとするか、あるいは恐れるかだけだった。 けれど、彼女は違う。 彼女だけは、僕に対して「本気」の感情をぶつけてきている。
ドクン、と。 止まっていた心臓が動き出したような気がした。
ああ、なんて気高くて、なんて愛らしい生き物なんだろう。 その震える肩を抱きしめてあげたい。 その瞳から涙がこぼれないように、守ってあげたい。
気がつけば、僕は歩き出していた。 父上や母上の制止も聞かず、一直線に彼女のもとへ。
◇
――リリス視点――
(……え?)
近づいてくる。 アレクセイ様が、迷いのない足取りで、こちらに向かってくる。
なんで!? 睨みつけたのよ? 王族に対して不敬な態度を取ったのよ? 普通なら「なんだあの無礼な娘は」と不快になって、視線を逸らすか、衛兵を呼ぶ場面でしょう!?
(ひいぃぃっ! こっちに来ないで! 処刑宣告!? 今ここで処刑宣告なの!?)
睨みつけていたはずの私の顔は、恐怖で引きつり、涙目で潤んでしまっていた(自分では気づいていない)。 威嚇しているつもりの野良猫が、雨に濡れて震えているようにしか見えないことにも、気づいていない。
私の目の前で、アレクセイ様が立ち止まる。 至近距離で見る彼の顔は、やはり整いすぎていて、そして恐ろしいほど無表情だった。
殺される。 心臓が口から飛び出しそうだ。
彼はゆっくりと右手を差し出し……。
私の頬に触れた。
「……っ!?」
ひやりとした指先が、私の目尻に溜まっていた涙を拭う。 その手つきは、壊れ物を扱うように優しかった。
「泣かないで」
彼が口を開いた。 その声は、記憶にある冷酷な響きとは違い、驚くほど柔らかかった。
「君が泣いていると……胸が痛む」
「は……?」
私が呆気にとられていると、彼はわずかに……本当にわずかに、唇の端を持ち上げた。 それは、氷の貴公子が見せた、奇跡のような不器用な微笑み。
「名前を教えてくれるか? 勇敢なレディ」
「り、リリス……リリス・フォン・ローゼンバーグですわ……!」
恐怖で声が裏返る。 「ですわ」なんてお嬢様言葉を使っている場合じゃないのに、口が勝手に動く。
「リリス。……美しい名前だ」
彼は私の手を取り、その甲に恭しく口づけを落とした。 会場中が、どよめきに包まれる。 王太子が、公の場で、特定の令嬢にここまでの親愛を示すなんて異例中の異例だ。
「決めたよ、リリス」
彼は私の手を離さず、熱っぽい瞳で私を見つめ、とんでもないことを言い放った。
「君が欲しい。僕の婚約者になってくれ」
「……は、はい?」
思考が停止する。
あれ? おかしい。 私は完璧な悪女として振る舞い、彼に嫌われて、婚約回避ルートに入るはずだったのに。
なぜ、出会って数分で求婚されているの!? しかも、過去二回の人生よりも、明らかに好感度が高くないですか!?
「嫌……ですわ!」
私は最後の力を振り絞って抵抗した。
「わ、わたくしは、性格が悪くて、意地悪で、浪費家で、とにかく最悪な女ですのよ! 殿下の婚約者になんて相応しくありませんわ!」
精一杯の悪口(自分への)。 これならどうだ。 引くだろう。幻滅するだろう。
けれど、アレクセイ様は嬉しそうに目を細めただけだった。
「そうか。自分を飾らず、欠点さえも堂々とさらけ出せるなんて……君はやはり、誰よりも誠実で聡明な人だ」
「なんでそうなるのーーッ!?」
私の絶叫(心の声)は、鳴り止まない拍手と歓声にかき消された。 父が感動で泣いている。 国王陛下が満足げに頷いている。 そして、目の前のアレクセイ様は、私を宝物でも見つけたかのような目で見つめている。
違う。 違いますの。 これは誤解ですわーーッ!!
私の三度目の人生は、こうして「処刑回避」どころか「溺愛ルート直行(ただし勘違い)」という、予想外の方向へ爆走し始めたのだった。
視界を埋め尽くすのは、興奮に歪んだ民衆の顔、顔、顔。 罵倒。嘲笑。そして、石礫。
「殺せ! 悪女を殺せ!」 「王太子殿下をたぶらかした魔女め!」 「その汚れた血で償いを!」
違う。 私は何もしていない。 ただ、殿下の隣で微笑んでいただけなのに。 ただ、王妃教育に励んでいただけなのに。
――ガコン。
重苦しい音と共に、頭上の刃が解き放たれる。 重力が、死を運んでくる。 ああ、まただ。 また、私は死ぬのね。
痛みは一瞬。 けれど、その瞬間に凝縮された絶望は永遠。
私の首が宙を舞い、視界がぐるりと回転する。 最後に映ったのは、高い檀上から冷徹な瞳で私を見下ろす、かつて愛した人の姿だった。
アレクセイ・ド・グランヴェル。 私の婚約者であり、この国の王太子。 そして、二度にわたって私に死刑判決を下した男。
(……許さない)
薄れゆく意識の中で、私は思った。 もう、愛なんていらない。 清廉潔白なんてクソくらえだわ。
もしも、もしもまた次があるのなら。
私は、誰よりも嫌われてやる。 誰からも愛されず、誰の記憶にも残らない、取るに足らない存在になってやる。 そうして、この首がつながったまま、どこか遠くの修道院の片隅で、質素に長生きしてやるのよ……!
◇
「……っ、はあッ!!」
大きく息を吸い込んで、私は身体を起こした。
心臓が早鐘を打っている。 全身が冷や汗でぐっしょりと濡れ、パジャマが肌に張り付いて気持ちが悪い。
「はあ、はあ、はあ……」
首がある。 あわてて両手で自分の首を確かめる。 つながっている。 熱い血が通い、脈打っている。
「……夢、なの?」
震える手で、目元の涙を拭う。 視線を上げると、そこは見慣れた天蓋付きのベッドだった。 最高級のシルクを使ったカーテン。 柔らかい羽毛布団。 窓から差し込む、穏やかな朝の光。
ここは、私の部屋だ。 公爵家にある、私、リリス・フォン・ローゼンバーグの部屋。 牢獄の湿った石畳の上でもなければ、処刑台の硬い木の床の上でもない。
「お嬢様? どうなさいましたか、うなされておいででしたが……」
心配そうな声と共に、部屋の扉が開いた。 入ってきたのは、私の専属侍女であるマリンだ。 彼女の顔を見て、私はさらに混乱する。
若い。 マリンが、若いのだ。 私の知っている彼女は、もっと目元に皺があったはず。 それに、私自身の声も、手も、幼い。
私はベッドから転がり落ちるようにして、姿見の鏡の前へと走った。
そこに映っていたのは。 ふわふわとしたプラチナブロンドの髪。 意志の強さを秘めた、宝石のようなアメジストの瞳。 そして、まだあどけなさが残る、七歳児の私の姿だった。
「……戻った」
言葉が、唇からこぼれ落ちる。
「戻ったのね……また、あの日に」
膝から力が抜け、その場にへたり込む。 マリンが慌てて駆け寄ってくるが、私の耳には届かなかった。
三回目だ。 これが、私の三度目の人生なのだ。
◇
落ち着きを取り戻し、温かいハーブティーを飲んで一息ついた私は、頭の中を整理することにした。
一度目の人生。 私は、公爵家の娘として恥じぬよう、清く正しく美しく生きた。 王太子アレクセイ様の婚約者として選ばれ、厳しい王妃教育にも耐え、誰にでも優しく接したつもりだ。 けれど、十八歳の時。 「聖女」と呼ばれる男爵令嬢が現れ、私は「彼女を嫉妬し、毒を盛った」という冤罪を着せられた。 誰も私の潔白を信じてくれなかった。 アレクセイ様さえも、冷たい目で私を断罪した。 結果は、斬首刑。
二度目の人生。 一度目の記憶を持っていた私は、恐怖から心を閉ざした。 「何もしなければ、何も起きないはず」 そう信じて、部屋に引きこもり、誰とも関わらず、目立たないように生きた。 婚約も辞退しようとしたが、公爵家の義務として逃れられなかった。 そして十八歳。 今度は「王家に反逆する組織の黒幕」という、さらに荒唐無稽な罪を着せられた。 引きこもっていたことが「地下で陰謀を企てていた」と解釈されたのだ。 結果は、またしても斬首刑。
そして、今。 三度目の七歳。
「……ふざけないで」
ティーカップを置く手が震える。 カチャン、とソーサーが小気味よい音を立てた。
何もしなくても殺される。 善行を積んでも殺される。 引きこもっても殺される。
この世界は、どうあっても私、リリス・フォン・ローゼンバーグを処刑台に送りたいらしい。 運命という名の脚本家は、よほど私が血を流す様がお気に入りなのだろう。
「でも、お断りよ」
私は立ち上がり、拳を握りしめた。
死にたくない。 痛いのは嫌だ。 みんなに罵られながら、冷たい刃で首を落とされるなんて、もう絶対に御免だわ!
じゃあ、どうすればいい? どうすれば、この「処刑エンド」を回避できる?
一度目の失敗因:いい子すぎたから、悪意ある噂を流された時にギャップで信憑性が増した。 二度目の失敗因:何もしなさすぎたから、不気味がられてスケープゴートにされた。
つまり、「いい子」でも「地味」でもダメということ。 ならば、残された道は一つしかない。
「悪女、ね」
それも、中途半端な悪女ではいけない。 誰が見ても「ああ、あいつならやりかねない」と納得させるような。 けれど、死刑になるほどの重罪(殺人や国家反逆)は犯さない。 あくまで、性格が悪くて、意地が悪くて、誰からも嫌われる、そんな「小物界の大物」のような悪女。
目指すゴールは『婚約破棄』からの『国外追放』だ。
処刑は命がなくなるけれど、追放なら命は助かる。 平民に落とされようが、修道院に送られようが、首が繋がっていればなんとでもなる。 前世、前々世で培った知識と教養、それに王妃教育レベルのマネジメント能力があれば、市井の暮らしでも十分に成功できるはずだ。
「決まりね」
私は鏡の中の自分に向かって、ニヤリと笑いかけた。
「リリス・フォン・ローゼンバーグ。今世のあなたは、稀代の悪女になるのよ」
「お嬢様? 先ほどから独り言を……それに、なんだかお顔が怖いですわよ?」
マリンが恐る恐る声をかけてくる。 私はハッとして、慌てて表情を取り繕った……いや、待てよ。 「顔が怖い」? それは褒め言葉ではないか!
「ふふふ……いいえ、マリン。これが私の本性なのよ」
私は精一杯、顎を上げて見下すようなポーズを取ってみた。
「これからは、私のことを『悪の華』と呼びなさい。いいえ、むしろ『鮮血の魔女』でも構わなくてよ!」
「はいはい。まだ寝ぼけていらっしゃるのですね。お着替えしましょうねー」
「あ、扱いが雑っ! もっと恐れなさいよ!」
くっ、七歳の見た目では迫力が足りないのか。 だが、見ていなさい。 この三度目の人生、私は本気よ。 誰よりも嫌われ、誰よりも疎まれ、そして最後は盛大に追放されて、自由なスローライフを勝ち取ってみせるわ!
◇
運命の歯車は、残酷なほど早く回り始める。
目覚めてから一週間後。 王宮で開かれる『王太子殿下の誕生祝賀パーティー』の日がやってきた。 過去二回の人生において、私がアレクセイ様と初めて出会い、そして婚約が内定した運命の日だ。
ここで、すべてのフラグをへし折る。 この初対面こそが、最大の勝負所よ。
「お嬢様、本日はこちらのドレスになさいますか?」
マリンが差し出したのは、純白のレースにピンクのリボンがあしらわれた、まるで妖精のようなドレスだった。 過去の私はこれを着て、「天使のようだ」と絶賛されたのだ。 だからこそ、即座に却下する。
「いいえ。あっちを持ってきて。あの、色が濃くてケバケバしいやつ」
私が指さしたのは、深紅のベルベット生地に、過剰なほどの金の刺繍が入ったドレスだ。 大人が着ればゴージャスかもしれないが、七歳の子供が着れば「生意気」で「悪趣味」に見えること間違いなしの代物。
「えっ、あちらですか? ですが、あれは少しサイズも大きいですし、何よりお嬢様の可憐な雰囲気が……」
「いいのよ。私は今日、誰よりも目立ち、そして誰よりも不愉快な存在になるのだから」
強引にそのドレスを着せさせ、髪型も可愛らしい編み込みではなく、大人びた縦ロールにしてもらう。 鏡の前に立つと、そこには……うん。 なんというか、意地悪な継母の幼少期、みたいな子供が立っていた。
完璧だわ。 これなら誰も、私に「清楚な公爵令嬢」なんて幻想を抱かないでしょう。
「お父様、お待たせいたしましたわ」
玄関ホールで待っていた父、ローゼンバーグ公爵のもとへ向かう。 父は私を見た瞬間、目を丸くした。
「リ、リリス……? その格好は……」
「素敵でしょう? 私の情熱的な心を表現してみましたの」
扇子をバサリと広げ、口元を隠して笑う。 「オホホホホ!」 ……いけない、声が高いせいで、高笑いが鈴の音のように響いてしまう。 もっとドスの効いた声を出さなければ。
父は少し困ったように眉を下げたが、すぐに優しい笑顔に戻った。 「うん、リリスは何を着ても可愛いな。赤い薔薇のようだ」
「えっ」
違う。そうじゃない。 そこは「なんてはしたない格好だ!」と叱るところでしょう? ……まあいいわ。父は親バカだから判定が甘いのよ。 本番は王宮。 厳格な王族や貴族たちの前でこそ、この悪趣味なドレスが火を噴くはずだ。
◇
王宮の大広間は、すでに多くの貴族たちで埋め尽くされていた。 シャンデリアの煌めき、楽団が奏でる優雅なワルツ、高価な香水の香り。 そのすべてが、私のトラウマを刺激する。
(……大丈夫。落ち着いて、リリス)
ドレスの裾を強く握りしめる。 かつて、この場所で婚約発表が行われた。 そして、この場所で断罪も行われた。 華やかな光景の裏に、処刑台の影がちらつく。
吐き気がする。 逃げ出したい。 けれど、ここで逃げたら、また同じ結末が待っているだけ。
「国王陛下、王妃殿下、ならびに王太子アレクセイ殿下のご入場でーす!」
儀典官の声が響き渡り、重厚な扉が開かれる。 静まり返る会場。 その中央を、王族たちが歩いてくる。
国王陛下の威厳ある姿。 王妃殿下の洗練された美貌。 そして、その少し後ろを歩く、ひとりの少年。
銀色の髪に、氷河のような冷たいブルーの瞳。 七歳にして、すでに完成された美貌を持つ少年。 アレクセイ・ド・グランヴェル。
(……っ!)
彼の姿を見た瞬間、身体が竦んだ。 心臓が鷲掴みにされたように痛む。
一度目の人生で、私は彼を心から愛していた。 彼が笑いかけてくれるだけで幸せだった。 だからこそ、彼が冷たい瞳で「死ね」と命じた時の絶望は、魂に刻み込まれている。
怖い。 怖い怖い怖い。 殺される。また殺される。
足が震える。 呼吸が浅くなる。 視界が白くチカチカする。
「リリス? 顔色が悪いぞ」
父が心配そうに覗き込んでくる。 いけない。 ここで倒れたら「病弱で可憐な令嬢」になってしまう。 私は悪女にならなくてはいけないの。 彼に嫌われなくてはいけないの。
私は震える足に力を込め、顔を上げた。 ちょうどその時、アレクセイ様がこちらを見た。 目が合う。 あの日、私を処刑台から見下ろしていた、あの冷徹な瞳と。
(……負けるものですか)
恐怖を怒りに変換しろ。 私を殺した男よ。 私の人生をめちゃくちゃにした男よ。 二度も殺しておいて、まだ足りないというの? 今度は、絶対にあなたの思い通りにはならない。
私は精一杯の虚勢を張り、彼を睨みつけた。
「(睨め、睨むのよリリス! 親の仇を見るような目で!)」
心の中で叫びながら、私は彼を直視する。 眉を寄せ、口角を歪め、最大限の侮蔑と敵意を込めて。
『ふん、王太子がなんだっていうの? あんたなんか大っ嫌いよ!』
そんな心の声を視線に乗せて、私は彼を射抜いた……つもりだった。
◇
――アレクセイ視点――
退屈だった。 七歳の誕生祝賀パーティー。 大人たちは値踏みするような目で僕を見て、媚びへつらう言葉を吐く。 誰も、僕自身を見てはいない。 「王太子」という肩書きを見ているだけだ。
感情を表に出すな。 王族らしくあれ。 完璧であれ。
そう教え込まれてきた僕は、いつしか表情筋の使い方を忘れてしまったようだった。 何をしても楽しくない。 美しいものを見ても心が動かない。 世界は灰色で、ひどく冷たい場所だと思っていた。
あの日、あの少女に出会うまでは。
ふと視線を感じて、顔を向けた先。 公爵家の列に、その子はいた。
燃えるような真紅のドレス。 周囲の大人たちがパステルカラーの控えめなドレスを着ている中で、彼女だけが鮮烈な「赤」を纏っていた。 まるで、灰色の世界に咲いた一輪の薔薇のように。
(……綺麗だ)
無意識にそう思った瞬間、彼女と目が合った。
アメジストのような瞳。 その瞳が、僕を捉えて離さない。
彼女は、僕を見ていた。 「王太子」という記号ではなく、僕という人間を、真正面から見据えていた。
そして、彼女は……泣いていた。
必死に歯を食いしばり、眉を寄せ、あふれそうになる涙を堪えていた。 その瞳には、恐怖と、それ以上に強い「抗う意志」が宿っていた。 小さな身体を震わせながら、それでも逃げずに、僕を真っ直ぐに見つめている。
なぜ泣いているのだろう。 なぜ、そんなにも切ない目で僕を見るのだろう。 まるで、運命に立ち向かう戦士のような、あるいは傷ついた小動物のような。
今まで、誰も僕にそんな目を向けたことはなかった。 誰もが僕を敬うか、利用しようとするか、あるいは恐れるかだけだった。 けれど、彼女は違う。 彼女だけは、僕に対して「本気」の感情をぶつけてきている。
ドクン、と。 止まっていた心臓が動き出したような気がした。
ああ、なんて気高くて、なんて愛らしい生き物なんだろう。 その震える肩を抱きしめてあげたい。 その瞳から涙がこぼれないように、守ってあげたい。
気がつけば、僕は歩き出していた。 父上や母上の制止も聞かず、一直線に彼女のもとへ。
◇
――リリス視点――
(……え?)
近づいてくる。 アレクセイ様が、迷いのない足取りで、こちらに向かってくる。
なんで!? 睨みつけたのよ? 王族に対して不敬な態度を取ったのよ? 普通なら「なんだあの無礼な娘は」と不快になって、視線を逸らすか、衛兵を呼ぶ場面でしょう!?
(ひいぃぃっ! こっちに来ないで! 処刑宣告!? 今ここで処刑宣告なの!?)
睨みつけていたはずの私の顔は、恐怖で引きつり、涙目で潤んでしまっていた(自分では気づいていない)。 威嚇しているつもりの野良猫が、雨に濡れて震えているようにしか見えないことにも、気づいていない。
私の目の前で、アレクセイ様が立ち止まる。 至近距離で見る彼の顔は、やはり整いすぎていて、そして恐ろしいほど無表情だった。
殺される。 心臓が口から飛び出しそうだ。
彼はゆっくりと右手を差し出し……。
私の頬に触れた。
「……っ!?」
ひやりとした指先が、私の目尻に溜まっていた涙を拭う。 その手つきは、壊れ物を扱うように優しかった。
「泣かないで」
彼が口を開いた。 その声は、記憶にある冷酷な響きとは違い、驚くほど柔らかかった。
「君が泣いていると……胸が痛む」
「は……?」
私が呆気にとられていると、彼はわずかに……本当にわずかに、唇の端を持ち上げた。 それは、氷の貴公子が見せた、奇跡のような不器用な微笑み。
「名前を教えてくれるか? 勇敢なレディ」
「り、リリス……リリス・フォン・ローゼンバーグですわ……!」
恐怖で声が裏返る。 「ですわ」なんてお嬢様言葉を使っている場合じゃないのに、口が勝手に動く。
「リリス。……美しい名前だ」
彼は私の手を取り、その甲に恭しく口づけを落とした。 会場中が、どよめきに包まれる。 王太子が、公の場で、特定の令嬢にここまでの親愛を示すなんて異例中の異例だ。
「決めたよ、リリス」
彼は私の手を離さず、熱っぽい瞳で私を見つめ、とんでもないことを言い放った。
「君が欲しい。僕の婚約者になってくれ」
「……は、はい?」
思考が停止する。
あれ? おかしい。 私は完璧な悪女として振る舞い、彼に嫌われて、婚約回避ルートに入るはずだったのに。
なぜ、出会って数分で求婚されているの!? しかも、過去二回の人生よりも、明らかに好感度が高くないですか!?
「嫌……ですわ!」
私は最後の力を振り絞って抵抗した。
「わ、わたくしは、性格が悪くて、意地悪で、浪費家で、とにかく最悪な女ですのよ! 殿下の婚約者になんて相応しくありませんわ!」
精一杯の悪口(自分への)。 これならどうだ。 引くだろう。幻滅するだろう。
けれど、アレクセイ様は嬉しそうに目を細めただけだった。
「そうか。自分を飾らず、欠点さえも堂々とさらけ出せるなんて……君はやはり、誰よりも誠実で聡明な人だ」
「なんでそうなるのーーッ!?」
私の絶叫(心の声)は、鳴り止まない拍手と歓声にかき消された。 父が感動で泣いている。 国王陛下が満足げに頷いている。 そして、目の前のアレクセイ様は、私を宝物でも見つけたかのような目で見つめている。
違う。 違いますの。 これは誤解ですわーーッ!!
私の三度目の人生は、こうして「処刑回避」どころか「溺愛ルート直行(ただし勘違い)」という、予想外の方向へ爆走し始めたのだった。
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