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その1 ~さあ始めよう、日本奪還!~ まずは領地を作るぜ編
プリプリ肌の鬼軍曹。広島のはほんとおいしい
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「よーしよし、大体分かったのじゃ。わらわの人を見る目は凄いからの」
幼女女神……もとい弁天様はうなずくと、手を合わせて何か念じる。
すると光が輝き、空中に10センチほどの牡蠣が現れた。
でこぼこした貝がらに白く肉厚の身。いかにもおいしそうだが、なぜに今牡蠣なんだよ。
「いやいや……」「か、牡蠣なの? なんで?」
ツッコミを入れる俺達に、弁天様は得意げに言う。
「そうじゃ、宮島の牡蠣なのじゃ。皆においしく食べてもらった牡蠣の魂が幾億も集まって、神使みたいになっておるのじゃ」
そう言う間にも牡蠣の身にニューと手足が生えて、手ごろなテーブルに降り立った。
いつの間にか顔まで出来てて、片目には眼帯。頭にはベレー帽をかぶり、いかにも鬼軍曹といった見た目だ。
牡蠣は葉巻をくゆらせながら、目をむいて俺らに怒鳴った。
「いいかっ、よく聞けこの生意気なガキどもぉっ!! 略して生ガキども!」
「生牡蠣言いたいだけだろ」
「俺がお前たち新米勇者パーティーを指導する教練教官、柿原かおるだ!」
「名前かわいいやん」
ツッコミが渋滞気味の俺達をよそに、牡蠣は後ろ手を組んで歩き回る。
「最初に一言いっておく、お前らはクズだ、ウジ虫だ! 俺に発言する時は必ずSir(※男性上官への敬称)をつけろ!」
「サー・イエッサー!!」
「ほう、新米にしてはいい声だが……俺の場合はサー・オイス・ターだ」
ノリで答える俺達にニヤリと笑うと、教官は俺の頭に飛び乗った。
「それじゃーまずお前の適正から見てやる。どんな能力がいいか……」
「いや弁天様わかった言うてたやん」
難波のツッコミに、弁天様は口笛を吹いてとぼけている。どうやら何1つ分かって無かったらしい。
頭上の牡蠣は、急に老人みたいな顔と声になってつぶやいた。
「ふーむ、これは……この子は……これは難しいな。素晴らしい素質を持っておる。素質がてんこもりじゃ……」
「何ーポッターのシーンなんだよ」
著作権上の問題なのか、牡蠣は俺の質問にとぼけている。
やはりあれか、海外の作品は訴訟が厳しいのか。
「それならば……ヨシ!」
牡蠣は1人で納得して現場ネ●ポーズをすると、ジャンプして他の隊員の頭に飛び移った。
この茶番を人数ぶん繰り返し、牡蠣は弁天様に耳打ちした。
「よしよし、それではそれでいくのじゃ」
弁天様は満足げに頷くと、恥も外聞もなく俺達に言った。
「それではまず生意気なおぬし、鳴瀬真琴! おぬしは勇者じゃ!」
「いやそれはそうでしょうけどね」
つっこむ俺をよそに、空中にステータスウインドウが表示された。
「あれ、前見たやつとだいぶ違う。体力とかのステはともかく、あちこちスキルが増えてる?」
「あれは仮契約だったからの。巨大モンスターを蹴散らし、まるっと日本を取り戻すため、勇者のお前はとにかく強さじゃ! 身体能力てんこもりで、武神の加護の戦闘スキルも適時使っていけ」
「武神の加護か。ええと……」
ざっとスキルに目を通すと、まず1番上に湍津姫(わらわの妹じゃ!)と書いてあり、その右に『身体能力強化LEVEL7』『物理自動防御LEVEL5』『技見切りLEVEL6』『クロスカウンターLEVEL8』『武芸百般(初期ステカンスト。ありとあらゆる武器を使いこなせるのじゃ!)』とある。
まあ勇者が死んだら意味ないから、不意打ちとかそういうのでやられないように、これらの加護で生存能力を上げてるわけだな。
武芸百般って事は、手持ちの武器が壊れても剣でも槍でも使いこなせるし、最悪は格闘技とかで対処できるのか。
湍津姫って女神なのに、そういうワイルド系の女神なのか? なんとなくヤンキー感が漂ってるような……
あとは八幡神の『弓矢八幡』ってスキルは射撃系の必中補正だ。なるほど、だから神器の鎧の射撃が誘導弾だったのか。これもLEVELが上がれば空中で分裂する弾丸とか、超強力な矢も使えるらしい。
他には武道場の神棚とかに祀られてる剣神・経津主神のスキル『剣聖』、同じく武道場の神棚レギュラーで日本最強の武神・建御雷神のスキルで『轟雷撃』っ……!!
広い範囲に強力な雷をばら撒いたり、1点集中で極太の雷を落としたり、武器にまとわせて使えるとも書いてるから、剣聖スキルや弓矢八幡スキルとのコンボがあれば、最大ダメージが狙えるわけだな。
おおっ、なんか勇者っぽいし、忘れていた中二病がうずくぞおい。
他にも火之迦具土神の加護は『炎壁』『炎雨弾』『炎龍』とか、色々使い勝手がよさそうだ。これも剣や矢、弾丸とのコンボで敵の弱点を突けそう。
幼女女神……もとい弁天様はうなずくと、手を合わせて何か念じる。
すると光が輝き、空中に10センチほどの牡蠣が現れた。
でこぼこした貝がらに白く肉厚の身。いかにもおいしそうだが、なぜに今牡蠣なんだよ。
「いやいや……」「か、牡蠣なの? なんで?」
ツッコミを入れる俺達に、弁天様は得意げに言う。
「そうじゃ、宮島の牡蠣なのじゃ。皆においしく食べてもらった牡蠣の魂が幾億も集まって、神使みたいになっておるのじゃ」
そう言う間にも牡蠣の身にニューと手足が生えて、手ごろなテーブルに降り立った。
いつの間にか顔まで出来てて、片目には眼帯。頭にはベレー帽をかぶり、いかにも鬼軍曹といった見た目だ。
牡蠣は葉巻をくゆらせながら、目をむいて俺らに怒鳴った。
「いいかっ、よく聞けこの生意気なガキどもぉっ!! 略して生ガキども!」
「生牡蠣言いたいだけだろ」
「俺がお前たち新米勇者パーティーを指導する教練教官、柿原かおるだ!」
「名前かわいいやん」
ツッコミが渋滞気味の俺達をよそに、牡蠣は後ろ手を組んで歩き回る。
「最初に一言いっておく、お前らはクズだ、ウジ虫だ! 俺に発言する時は必ずSir(※男性上官への敬称)をつけろ!」
「サー・イエッサー!!」
「ほう、新米にしてはいい声だが……俺の場合はサー・オイス・ターだ」
ノリで答える俺達にニヤリと笑うと、教官は俺の頭に飛び乗った。
「それじゃーまずお前の適正から見てやる。どんな能力がいいか……」
「いや弁天様わかった言うてたやん」
難波のツッコミに、弁天様は口笛を吹いてとぼけている。どうやら何1つ分かって無かったらしい。
頭上の牡蠣は、急に老人みたいな顔と声になってつぶやいた。
「ふーむ、これは……この子は……これは難しいな。素晴らしい素質を持っておる。素質がてんこもりじゃ……」
「何ーポッターのシーンなんだよ」
著作権上の問題なのか、牡蠣は俺の質問にとぼけている。
やはりあれか、海外の作品は訴訟が厳しいのか。
「それならば……ヨシ!」
牡蠣は1人で納得して現場ネ●ポーズをすると、ジャンプして他の隊員の頭に飛び移った。
この茶番を人数ぶん繰り返し、牡蠣は弁天様に耳打ちした。
「よしよし、それではそれでいくのじゃ」
弁天様は満足げに頷くと、恥も外聞もなく俺達に言った。
「それではまず生意気なおぬし、鳴瀬真琴! おぬしは勇者じゃ!」
「いやそれはそうでしょうけどね」
つっこむ俺をよそに、空中にステータスウインドウが表示された。
「あれ、前見たやつとだいぶ違う。体力とかのステはともかく、あちこちスキルが増えてる?」
「あれは仮契約だったからの。巨大モンスターを蹴散らし、まるっと日本を取り戻すため、勇者のお前はとにかく強さじゃ! 身体能力てんこもりで、武神の加護の戦闘スキルも適時使っていけ」
「武神の加護か。ええと……」
ざっとスキルに目を通すと、まず1番上に湍津姫(わらわの妹じゃ!)と書いてあり、その右に『身体能力強化LEVEL7』『物理自動防御LEVEL5』『技見切りLEVEL6』『クロスカウンターLEVEL8』『武芸百般(初期ステカンスト。ありとあらゆる武器を使いこなせるのじゃ!)』とある。
まあ勇者が死んだら意味ないから、不意打ちとかそういうのでやられないように、これらの加護で生存能力を上げてるわけだな。
武芸百般って事は、手持ちの武器が壊れても剣でも槍でも使いこなせるし、最悪は格闘技とかで対処できるのか。
湍津姫って女神なのに、そういうワイルド系の女神なのか? なんとなくヤンキー感が漂ってるような……
あとは八幡神の『弓矢八幡』ってスキルは射撃系の必中補正だ。なるほど、だから神器の鎧の射撃が誘導弾だったのか。これもLEVELが上がれば空中で分裂する弾丸とか、超強力な矢も使えるらしい。
他には武道場の神棚とかに祀られてる剣神・経津主神のスキル『剣聖』、同じく武道場の神棚レギュラーで日本最強の武神・建御雷神のスキルで『轟雷撃』っ……!!
広い範囲に強力な雷をばら撒いたり、1点集中で極太の雷を落としたり、武器にまとわせて使えるとも書いてるから、剣聖スキルや弓矢八幡スキルとのコンボがあれば、最大ダメージが狙えるわけだな。
おおっ、なんか勇者っぽいし、忘れていた中二病がうずくぞおい。
他にも火之迦具土神の加護は『炎壁』『炎雨弾』『炎龍』とか、色々使い勝手がよさそうだ。これも剣や矢、弾丸とのコンボで敵の弱点を突けそう。
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